グリーンベイ・パッカーズ ニュース
2007年10月23日
今年5月のジョン・ジョーンズ社長解任によってスタートした新CEO選び。Journal Sentinel紙によると選考委員会は12人ほどに候補を絞り込んでおり、そのうち同紙が探り当てた8人は以下の通り。今後1ヶ月ほどの間に、10人から12人の最終候補をグリーンベイに呼んで委員会が面接を行うことになっている。
明らかに不適格だったジョン・ジョーンズ前社長をあのままCEOに昇格させていたら大変なことになっていただろう、という見方が強く(そのためジョーンズを選んだハーラン会長が選考委員会に加わらなかったものと思われる)、今度こそ慎重に、という雰囲気になっているようだ。
ピーター・プラッテン選考委員長とジョン・アンダーウッド名誉理事が先日ニューヨークに飛び、ロジャー・グッデルNFLコミッショナーに候補者リストを提出したらしい。コミッショナーは社長選びの動きを注視しており、情報筋によると、CEO決定の前に自分で最終チェックを入れたい意向とか。しかしパッカーズは1999年にNFL本部の推薦でジョン・ジョーンズを副社長に迎えており、今回はそのような口出しを避けたいのは当然のこと。
- アンドリュー・ブラント Andrew Brandt (47歳) パッカーズの選手財政担当副社長。1999年からほぼ全選手の契約交渉とサラリーキャップ管理を担当し、優れた実績を挙げて2001年に副社長に昇格した。弁護士資格を持ち、90年代はプロサーブ社などで大物選手たちの代理人として活躍。ワールドリーグ(後のNFLE)でジェネラル・マネージャー経験がある。ワシントンDC出身、スタンフォード大とジョージタウン大ロースクールを卒業。
- ジェイソン・ウィード Jason Wied (35歳) 今年4月にパッカーズの管理担当副社長に昇格した。こちらも弁護士で、球団の数多くの部門に関わっているが、コーチやフロントオフィスの契約交渉も仕事の1つらしい。年齢はネックだが、ビジネス手腕だけでなく、親しみやすい人柄は球団内で支持者が多い。グリーンベイ出身、ウィスコンシン大とマーケット大ロースクールを卒業。
- ジョー・スウィーニー Joe Sweeney (49歳) ミルウォーキーに本拠を置く投資銀行 Corporate Financial Advisors 社の代表取締役。 '90年代前半に Wisconsin Sports Authority 社の社長を務めたあと、スポーツマネジメントのSMG社を創立し、その最初の顧客の1人がファーヴだった。セントメリー大卒、ノートルダム大で経営学修士。
- ジェフ・ダイアモンド Jeff Diamond (54歳) 1999年から2004年1月までタイタンズの社長兼COOを務めた。PR部門を皮切りに23年間ヴァイキングスで働いて上級副社長まで上りつめたが、デニス・グリーンHCとの確執から1999年に退団してタイタンズへ。現在はスポーツビジネスのコンサルタント会社 The Ingram Group の会長兼CEOを務めるかたわら、タイタンズ関連のラジオ番組を複数持っている。ミネアポリス西郊のセントルイス・パーク出身、ミネソタ大卒。
- デニス・マニオン Dennis Mannion (48歳) レイヴンズのビジネス事業担当上級副社長。MLBフィラデルフィア・フィリーズ、NHLコロラド・アヴァランチ、NBAデンバー・ナゲッツと北米四大プロスポーツ全てで働いた経験がある。ニューヨーク州タリー・タウン出身、マサチューセッツ大卒。
- ジャック・ムーラ Jack Mula (50歳) ペイトリオッツの選手人事担当顧問で、1999年より選手との交渉を担当している。弁護士資格を持ち、マット・ミレン、ジム・ハスレット、QBダグ・フルーティ、RBプリースト・ホームズなどの代理人を務めた経験がある。マサチューセッツ州ウォルサム出身、マサチューセッツ大卒。
- ジム・スティーグ Jim Steeg (56歳) チャージャーズの上級副社長兼COO。1975年から3年間はドルフィンズの営業部長。1979年から2004年までNFL本部で働き、スーパーボウル、プロボウル、ドラフト、プレーオフを担当してきた。2004年にサンディエゴに移って新スタジアム建設プロジェクトのリーダーとなっているが、進展ははかばかしくない。インディアナ州フォートウェイン出身、マイアミ大卒、ウェイクフォレスト大で経営学修士。
- ブライアン・ウィードマイアー Bryan Wiedmeier (48歳) ドルフィンズの社長兼COOとしてフットボール部門全体を統括する。1981年以来ドルフィンズ一筋で、1990年にアシスタントGM、2001年に上級副社長、2006年に社長に昇格した。モンタナ州出身、同州のキャロル大卒、マイアミ大ロースクール卒業。
- 上記8人の中にNFL選手・コーチ経験のある人物はいない。
- 有力候補と目されていたタイタンズのマイク・ラインフェルトGMは、本人はやる気はあるものの、まだ就任1年目ということもあってオーナーのバド・アダムズが面接を許可しないだろうと見られている。また、パッカーズのトンプソンGMとは現役時代からの親友で、トンプソンを解任しなければならないような場合に冷静な判断が下せるのか、という不安もある。
- かつてのパッカーズ社長でグリーンベイ市長も務めたドミニク・オレニチャックの息子トム・オレニチャックは、グリーンベイで弁護士をしておりパッカーズの理事。彼もパッカーズCEO職に意欲を持っていて、働きかけを始めているらしい。
- パッカーズCEOのサラリーは年$3ミリオンから$4ミリオンのようで、金銭面が新CEO募集のネックとなることはなさそうだ。
- かつてパッカーズでもコーチを務めたスティーヴ・マリウッチは言う。「パッカーズ社長の仕事を言葉で表現するのは難しい。スポーツ界では非常にユニークなポジションであり、決まった型などないからね。しかしファン層へのアピールが重要なのは確かだ。数字ばかりに強い、退屈な会計士タイプではダメなんだ。人付き合いのよい人気者でなければならない。グリーンベイはファン・フレンドリーな場所であり、それは決して変わってはならない」