グリーンベイ・パッカーズ ニュース

2009年7月16日

ロースター展望 C/G編

昨季まではセンターのウェルズが不動で両ガードが固定できなかったが、今夏は正反対。ガードはLGダリン・カレッジとRGジョシュ・シットンに固定し、センターでポジション争いを行うことになった。ここ数年間はゾーンブロッキングに合った軽量・機動力志向だったが、右ガードをスピッツからシットンに代え、センターをウェルズからスピッツに代え、控えに320ポンド級のプレストンを獲った背景には、やはりパワーブロッキングへの回帰、サイズ大型化の傾向があるのではないか。

これまで3年間おもに右ガードをプレーしてきたジェイソン・スピッツが、今年はスコット・ウェルズの先発センターの座に挑戦する。挑戦といってもウェルズはオフに肩の大きな手術を受けたため、OTAやミニキャンプではスピッツがずっと1stチームに入っている。ウェルズが復帰するトレーニングキャンプでの争いが注目される。

2005年春にLGマイク・ウォールとRGマルコ・リヴェラを同時に失って以来、4年間苦しんできたガード陣だが、今年はようやくスターターを固定し、しかも平均レベル以上の選手に成長しそうな見込みが立った。LGダリン・カレッジはアレン・バーバーの不振のせいもあって昨夏スターターの座を奪い返し、シーズン中に大きな成長を見せ、いまや契約延長の最有力候補となっている。

RGジョシュ・シットンはスケールの大きさを見込まれ、スピッツをセンターに追いやってスターター昇格を果たした。ルーキーだった昨夏(ケガでチャンスを失うまでは)スターターの座をつかみかけただけに、初先発といっても実力はあまり心配されていない。今夏のキャンプでも、これといったライバルは見当たらない。

複数ポジションをこなせる選手が多いだけに、ケガ人が出たときの代役はよくわからないが、スピッツ&ウェルズのセンター争いに敗れた方、バーバー&ラングの右タックル争いに敗れた方、そしてC/Gデューク・プレストンが控えの候補になりそうだ。ロースター枠はOL全体で通常9人。昨日取り上げたOT陣から5人残るとすれば、下記の7人のうち4人がロースター入りとなる。CスピッツとLGカレッジとRGシットンは確定とすると、残る枠は1人だけになってしまう。

C/G ジェイソン・スピッツ  Jason Spitz

2006年のドラフト3巡b指名でルイヴィル大から入団し、すぐに先発右ガードの座を確保。2年目からは控えセンターも兼ねてきた。全てをそつなくこなせる器用さはあるが、先発ガードとしてはややスケールが小さい、といった入団時からの懸念が的中してきたところへ、より大型&強力なジョシュ・シットンが入団してきたため、今年はセンターに専念することになった。先発右ガードを3年、ときおり代役で先発も務めてきたため、先発センターの準備は十分、と評価されている。

C スコット・ウェルズ  Scott Wells

テネシー大から2004年のドラフト7巡で入団。Cフラナガンの代役スターターや先発左ガードを務めたあと、3年目から不動の先発センターを務めてきた。レスリングで鍛えた馬力とテクニック、それに的確なコールで安定感のあるセンターだが、いかんせんサイズが小さく、同地区内の強力DTたちにオーバーパワーされやすい。プロ6年目でもう伸びシロもなさそうで、最近はケガも多い、ということで今夏はスピッツ相手に先発争いをさせられることになった。

もし先発センター争いに敗れた場合、解雇されるのではないかと見る地元記者も少なくない。FAでC/Gプレストンを獲ったのはそのための布石ではないか、というのだ。しかし振り返れば2005年には左ガードで8試合先発した経験もあり、インサイド3ポジションの控えをこなせる点で下記プレストンに劣ることはなさそうに思えるが、さてどうなるか。

C/G デューク・プレストン Duke Preston

イリノイ大から2005年のドラフト4巡指名でビルズに入団、以来4年間で59試合に出場、20試合に先発した。センターと右ガードが半々ぐらいだったようだ。今春FAとなり、契約ボーナスなしの総額$2ミリオンの2年契約でパッカーズにやってきた。先発候補というより控えのデプス強化が意図のようだ。身長6フィート4は、ウェルズより2インチ、スピッツより1インチ高く、体重も10ポンド以上重い。移籍後のOTAやミニキャンプでは(2番手)センターのみでプレーしていて、「ウェルズ放出の可能性」を強めている。

LG ダリン・カレッジ Daryn Colledge

ボイジー州立大から2006年のドラフト2巡a指名で入団。大学では左タックル専門だったが、入団後は左ガードに。先発を期待されると不振に陥り、もうダメかと思うとライバルのケガで返り咲く、といったチグハグな2年間を過ごしたが、昨夏バーバーの不振で先発の座を確保すると実戦では急成長を見せ、「今季パッカーズOLで最もよかった選手」とも評価された。

フットワークがよく、もともとパスプロには優れていたが、バルクアップの成果でようやく馬力がつき、ランブロックもよくなってきた。さらなるパワーアップの余地もありそうで、いずれリーグ有数のガードになってくれるとチームは期待している。左タックルの控えも兼ねるので、存在価値は高い。

RG ジョシュ・シットン Josh Sitton

セントラルフロリダ大から昨年のドラフト4巡b指名で入団。大学ではおもに右タックルだったが、パッカーズでは右ガードに専念している。入団直後から非常に高く評価され、昨夏はスピッツを退けていったん先発RGの座をつかんだが、プレシーズン第3戦でヒザを捻挫してしまい、シーズン半ばまで長引いてチャンスを失った。しかし今年は春からずっとスターター組でプレーし、スピッツやバーバーなどライバルたちは他ポジションへ。これもシットンへの信頼の表れだろう。

すでに昨年からランブロッキングは合格点以上なので、あとはパスプロテクションで安定感を増したいところ。昨年と違って隣が百戦錬磨のRTマーク・タウシャーでなく新先発の選手、というところは不安が残る。

G/C イヴァン・ディートリック=スミス  Evan Dietrich-Smith

アイダホ州立大出身のドラフト外ルーキー。大学最後の2年間は左タックル、それまでにも右タックルと左右ガードの先発経験があり、通算44先発の同大記録も持っている。パッカーズのOTAやミニキャンプでは、2ndチームの右ガードに入り、QBロジャースも賞賛コメントをしていた。しかし人数を考えるとロースター入りは難しく、よくてプラクティス・スクワッドか。ロースター表でG/Cと表示されているのは、(大学では経験のない)センターとして育てたい考えなのかもしれない。

G/T アンドリュー・ハートライン  Andrew Hartline

セントラルミシガン大出身のドラフト外ルーキー。LTジョー・ステイリー(2007年1巡で49ersへ)の後任左タックルであり、NCAA史上2位の52試合連続先発出場の記録も持っている。6フィート5で285ポンドでプレーしていたというから、OL選手としてはかなり細身だ。余談だが現在パッカーズにはDEジェンキンズ、TEハンフリー、そしてこのハートラインと3人ものセントラルミシガン大出身者がいる。

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