シャーマンHCは、ヴィンス・トービンを"Special Assistant"として招聘することを発表した。カーディナルスではヘッドコーチも務めたトービンだが、パッカーズでは「オフェンス・ディフェンス・スペシャルチームの全ての面において、その豊富な知識を活かしてもらう」とシャーマンHCは説明している。「経験豊富なスタッフがもっと欲しいと、ずっと考えていた。昨年にも、もう少しで(彼のような大ベテランに)来てもらうところだった」
ゲーム中の判断に難があると指摘されることの多いシャーマンHCだけに、トービンの重要な役割は、ヘッドコーチ直属のアドバイザーといったことになりそうだ。また、ゲームプランの作成に参画することも期待されており、「翌週の対戦相手の分析を先に進め、週の始めから、正確な情報を選手やコーチに伝えてもらう」とシャーマンHCは説明している。これまでトービンと接点のなかったシャーマンHCだが、今回の人事に際してはマイク・ディトカ(元ベアーズ・セインツHC)に相談し、強力な推薦を得たという。
ヴィンス・トービンは現在60歳。キャリアの多くをディフェンシブ・コーディネーターとして過ごしてきた大ベテランだ。ミズーリ大でDBとしてプレーしたあと、その母校で1965年に、ダン・デヴァインHC(のちにパッカーズのHCになる)の下でコーチのキャリアを始めた。ミズーリ大で11年間過ごした後は、CFLのブリティッシュ・コロンビアで6年間、USFLのフィラデルフィア/ボルティモアではジム・モーラHCの下で、3年間DCを務めた。
1986年にはベアーズのDCとなり、バディ・ライアンDCの築いた強力ディフェンスを引き継いで、非常に優れた成績を残した。ディトカHCが心臓発作で倒れた時には、ヘッドコーチ代行として2連勝したこともある。1994年にはコルツのDCとなり、彼のディフェンスは1995年にAFC決勝に進出する原動力となった。1996年から2000年はカーディナルスでヘッドコーチ。通算30勝52敗ながら、1998年のプレーオフでは、チームにとって51年ぶりの勝利を挙げた。ヘッドコーチを辞任した2001年にはライオンズのDCに就任するが、1年で辞任。この2年間はアリゾナで充電期間を過ごしていた。
「確かに引退してしまってもよかったが、この契約は私にとってもパッカーズにとってもよいことだと思う。自分はまだまだやれると思っているし、あと数年はコーチを続けたい」とトービンは語っている。 彼自身、カーディナルスのHC時代には、経験豊富な補佐がそばにいれば、と思ったことがあるという。「時にはヘッドコーチには相談相手が必要なものだ。ポジション・コーチというものは、自分の担当する選手を守ろうとして率直になれない傾向がある。だから、特定のポジションを担当しないコーチがいる、というのは助けになると思う」
パッカーズは、アシスタントOLコーチのジョー・フィルビンをTEコーチに、そして後任のアシスタントOLコーチには、元パッカーズのセンター、ジェームズ・キャンペンを採用することを決めた。
ジェームズ・キャンペン James Campen は現在39歳。1986年から1993年までNFLでセンターとして活躍した。1989年にセインツからパッカーズに移籍してきた彼は、1990年から1992年まで47試合に先発センターとしてプレー。才能よりも努力で這い上がったタイプで、精力的で激しいプレースタイルでファンに人気があった。しかし1993年シーズン中にハムストリングを断裂してしまい、引退を余儀なくされた。(彼の後任となったのがフランク・ウィンタース)
引退直後の1994年夏にコーチ見習いとしてキャンプに参加したが、けっきょく故郷カリフォルニアに戻り、保険の仕事をしながら、高校のヘッドコーチをしていた。しかしここ数ヶ月はNFLでのコーチの仕事を求め、先月パッカーズの面接を受けたとのこと。「素晴らしいよ。現役時代の私によくしてくれたチームに戻れるのは、すごいチャンスだ。(面接を受けたときには)空きができるなんて思っていなかった」とキャンペンは喜んでいる。
フィルビン新TEコーチについては、2月23日の記事を参照。
パッカーズはSカーティス・フラーと再契約した。$455,000ドル(3年選手の最低額)の1年契約とのこと。プロ3年目を終えたフラーは、本来なら3月3日に制限付きフリーエージェント(RFA)となるはずだったが、そうなると最低でも$628,000ドルのオファーをするか、見送って無制限FAにするしかない。パッカーズとしてはそのような金額を出すつもりはなく、「この額でいいなら再契約してやる」という姿勢なのだろう。「両者にとって有益な契約だ」と代理人。
彼と契約したことで、今年RFAとなるのは、CBバウ・ジュー、LBマーシャル、TEマーティン、DTロッド・ウォーカーの4人。DTウォーカーにオファーするかどうかは微妙なところ。
ドームに弱いパッカーズのファンにとって、人工芝といえば恐怖の対象。しかしこのところNFLでは、自然芝に近い新世代の人工芝への切り替えが急速に進んできた。かつてはテレビ映像で見ただけでも、不自然なほど均質で明るい色の芝はすぐに人工芝と見分けがついたが、新しいタイプは適度なムラがあるため、見分けるのも困難なほどだ。
自然芝と同様に柔らかく、微妙な滑りまで実現したため、ケガのリスクが格段に少ない。ボールの弾み方も自然で、やけどの心配もない。以前と同様に耐久性があるため、フットボールのない日にも多目的に使え、収益も上げられる。ディボットが出来ない点では自然芝を上回り、冬場に芝が剥がれたり、根付きの悪さを心配する必要もない。パッカーズも2001年から室内練習場で"FieldTurf"を使用している。
管理人に分かる範囲で、NFLの人工芝チームを調べてみたところ、速いが固い旧式の"AstroTurf"は、今ではインディアナポリス、セントルイス、ミネソタだけになっている。しかしミネソタは来季から新しく "AstroPlay" を導入すると発表しているので、来季は2チームだけが古いタイプを使い続けることになる。
これまで芝の状態の悪さが悩みの種だったシンシナティも、来季から人工芝に切り替えることを発表した(記事)。どの会社を採用するかは未定のようだ。
なお一番下に掲載した3チームは、基本的に自然芝だが、補強のためにごくわずかの人工繊維を混ぜることによって耐久性を増した "DD Grassmaster" というハイブリッドな芝を採用している。自然芝と分類すべきだが、いちおう掲載してみた。
New Artificial Turf | |||
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Team | Stadium | Surface | 導入時期 |
Detroit Lions | Ford Field | FieldTurf | 2002年 |
Seattle Seahawks | Seahawks Stadium | FieldTurf | 2002年 |
New York Giants/Jets | Giants Stadium | FieldTurf | 2003年 |
Atlanta Falcons | Georgia Dome | FieldTurf | 2003年 |
Buffalo Bills | Ralph Wilson Stadium | AstroPlay | 2003年 |
New Orleans Saints | Louisiana Superdome | AstroPlay | 2003年11週 |
Minnesota Vikings | Metrodome | AstroPlay | 2004年予定 |
Dallas Cowboys | Texas Stadium | RealGrass | 2002年第2週 |
Baltimore Ravens | M&T Bank Stadium | Momentum Turf | 2003年 |
Cincinnati Bengals | Paul Brown Stadium | 未定 | 2004年予定 |
Old Artificial Turf | |||
Team | Stadium | Surface | |
St. Louis Rams | Edward Jones Dome | AstroTurf | |
Indianapolis Colts | RCA Dome | AstroTurf | |
Hybrid Natural Grass | |||
Team | Stadium | Surface | 導入時期 |
Denver Broncos | INVESCO Field at Mile High | DD Grassmaster | 2001年 |
Pittsburgh Steelers | Heinz Field | DD Grassmaster | 2003年 |
Philadelphia Eagles | Lincoln Financial Field | DD Grassmaster | 2003年 |
なお、"AstroPlay"のSRI社は最近、破産法チャプター11を申請したので、メトロドームの新しい人工芝は別の会社に変更される可能性も。
パッカーズとLTチャド・クリフトンの契約延長交渉はいまだ合意に至らず、2月24日がフランチャイズ/トランジション指名の期限のため、とりあえず彼をフランチャイズ・プレーヤーに指名した。$7.021ミリオンの1年契約、ということになる。彼は他チームからのオファーにサインすることができるが、パッカーズはそれと同等の契約をオファーすれば移籍を阻止できる。黙って移籍を許す場合は、移籍先のチームからドラフト1巡指名権を2つ受け取ることができる。
FA解禁の3月3日から$7ミリオンがキャップに反映されてしまうが、今年のパッカーズには、よほど無理なやり繰りをしない限り、そのような余裕は作れない。そのため、両者はこのまま3月2日いっぱいまで交渉を続け、長期契約を目指すことになる。確かに$7ミリオンは彼にはもったいないような高額サラリーだが、いつ大ケガをするか分からないリスクを考えると、彼にしても長期契約を結んでおくことに越したことはない。もし長期契約ができれば、今年のキャップ額は少なくとも3ミリオンは減額できるはずだ。
エリック・クラウチのDB挑戦について、リロイ・バトラー。「DB転向が成功するか、どれぐらい時間がかかるか、様子を見守らなければ分からない。他の選手と同じようにね。セーフティをプレーするには、まず頭が良くなくてはならない。彼はQBだったのだから、その点は大丈夫だろう。もう一つ、ヒットを喜んでするようでなければならない。この2つが備わっていれば、転向は可能だろう。しかしどちらか一つではだめだ」
アシスタントDBコーチのライオネル・ワシントンについて、「もしカート・ショッテンハイマーが手に入らなかったら、彼をDBコーチに昇格させていただろう」とシャーマンHCが明かした。「私がカートを選んだのは、コーディネーターとしての経験を買ったからだ。彼は豊富な知識をスタッフにもたらしてくれる。もしカートがいなければ、私はライオネルを昇格させるつもりだった。どちらにせよ、彼の役割は増えることになる」
昇格を期待した若手コーチを失望させないよう、ちょっとサービスしているのかも。
RTマーク・タウシャーが契約の見直しに応じ、サラリーキャップに新たに$1.8ミリオンの空きが出来ることになった。具体的には、3月に受け取るはずだった$2.25ミリオンのロースターボーナスを、契約ボーナスに切り替えるだけ。本人が受け取る額は全く同じだが、こうすることによって、今年一括でなく今後5年間に分散してサラリーキャップに計上することが可能になる。今季の彼のキャップ額は$2.919ミリオンから$1.119ミリオンに。
RTタウシャーはヒザの大ケガをした2ヶ月後の2002年秋に、総額$16.5ミリオンの6年契約を結んだが、この時の契約では、復帰に失敗した場合のリスクを考慮し、契約ボーナスはわずか$1.5ミリオンに抑えられていた。その代わり、復帰に成功すれば2004年春に$2.25ミリオンのロースターボーナスを受け取るという契約。つまり、普通なら契約時に貰うボーナスを、リハビリの成否を確認するためにここまで遅らせたようなもの。
前十時副靭帯(ACL)断裂からわずか2ヶ月で結んだ6年契約は、リハビリが成功したために、けっきょくチームにも本人にもハッピーな結果となった。今回の契約見直しは、つらいリハビリを一緒に耐えた相棒のLTクリフトンの契約延長をアシストする意味があるのは言うまでもない。
また、ProFootballWeekly によると、$3ミリオンのロースターボーナスを受け取ることになっていたQBファーヴが、すでに契約の見直しを申し出たとのこと。詳しい内容は不明。
DEジョー・ジョンソンは、移籍以来2年間で11試合しか出場できず、パフォーマンス自体もかなりの期待はずれ。放っておくと今季のキャップ額が$5ミリオンにもなってしまうため、解雇は必至と見られていた。しかしPress-Gazette紙によると、パッカーズは彼を解雇するのではなく、サラリーカットをして残留させることを望んでいる、とのこと。
高額の契約ボーナスを支払ってあるため、6月前に解雇しても、キャップにはわずか$75万ドルしか空きができない。6月1日以降に解雇すれば(今年は)$4ミリオンもの空きができるが、FA市場で有力選手を追いかけるには時期が遅すぎる。彼の場合、高額サラリーさえなければ、(DEレイノルズと違って)ロースターに残すことには問題ない程度の実力はある。「来月あたりには彼を訪問して、じっくり話し合うつもりだ」とシャーマンHC。
FA期間が始まる3月3日まであと10日。LTチャド・クリフトンとパッカーズとの契約延長交渉が熱を帯びてきた。スカウティング・コンバインの開催されているインディアナポリスで、パッカーズの交渉担当アンドリュー・ブラントと、クリフトンの代理人ジミー・セクストンは、木・金・土と続けて話し合いを行った模様だ。伝えられているところでは、クリフトン側は$12ミリオン級の契約ボーナスを求めているとのこと。
「どれほど進展があったかというのは難しい。しかし話し合いは続いている」とブラント。2月24日はフランチャイズ・プレーヤーを指名する期限だが、それまでに交渉がまとまらなければ、パッカーズは彼をフランチャイズ指名する可能性もある。ただしそうした場合、今年のサラリーが$7ミリオンにもなってしまうため、キャップへの痛手が大きすぎる。とりあえずフランチャイズ指名しておいて、FA期間が始まるまでに契約延長を済ませてフランチャイズ指名を外すという手もある。
QBとして認められず、昨年7月に二度目の引退をしたエリック・クラウチが、今度はDBとして、NFL復帰を希望している。DBは高校時代にプレーしたことがあるとのこと。パッカーズ選手として引退したため、復帰となるとまずはパッカーズに所有権がある(はずだ)。そのためクラウチは、今はパッカーズに対して復帰を打診しているらしい。
ネブラスカ大でハイズマン賞を受賞したQBクラウチは、2002年のドラフト3巡でラムズに指名されたが、QBでなくWRとして扱われたことを嫌って引退。昨年春には再び、「QBとして挑戦させてもらえるなら、ついでにリターナーとしてプレーしてもいい」とパッカーズにやってきたが、やはりQB失格とされると、キャンプを放り出してネブラスカに帰ってしまった。
昨年2月に、アシスタントOLコーチとしてアイオワ大からやってきた、ジョー・フィルビン。シャーマンHCは彼を、ベクトルOLコーチ(が引退した場合)の後釜と考えているようだ。今オフ、2つか3つののチームが、フィルビンにOLコーチとしての面接を受けるよう求めてきた。しかしシャーマンHCとフィルビンが話し合った結果、チームに残ることを選択した、とシャーマンHCは話している。このことから、チーム側は彼に将来のポストを約束したのだろう、と推測されるわけだ。
彼が注目されるのは、やはりアイオワ大のOLコーチ時代に優れたラインマンを多く育て、NFLに送り込んだことを評価されたから。昨年はアイオワ大のOLから3人がドラフト指名され、今年のドラフトで1巡上位指名が確実の、OTロバート・ギャラリーも彼の教え子だ。「昨年と今年のアイオワの選手だけでも、フィルビンに注目が集まるのはわかる。彼は非常に優れたフットボール・コーチだ」とシャーマンHC。
現在のラリー・ベクトルOLコーチが、NFLじゅうから高い評価を受けているのは言うまでもない。しかしヒザがかなり悪く、キャンプではゴルフカートで練習を見て回ることもある。61歳のベクトルが、来年あたりで第一線を退く可能性をシャーマンHCに漏らしたとしても不思議ではない。
ところで、ジャゴジンスキーの解雇によって空席となっているTEコーチの座が、いまだに埋まっていない。何人かの候補とは面接したようだが、もしめぼしい候補がいなければ、フィルビンをTEコーチにする可能性も十分ある。
引退して1年半になるリロイ・バトラーが、パッカーズ首脳とともにスカウティング・コンバインに参加することになった。シャーマンHCが"special assignments"として招いたとのことで、実際には選手の評価を手助けするアドバイザー役だろうか。バトラーは現役時代からドラフト好きで、大学選手の名前を諳んじていたり、ウルフGMに頼んでドラフト当日の"War Room"に参加させてもらったことさえあった。
コンバイン最後の3日間に参加し、特にセーフティの評価を手伝う、というのがシャーマンHCの意図らしい。バトラー自身は今回の仕事を、コーチ修業の第一歩ととらえているようだ。パッカーズの今オフの補強の最重要課題が、先発セーフティであることは衆目の一致するところ。2001年秋にバトラーがケガで倒れた後、パッカーズは何人ものセーフティを先発させてきたが、いまだにSシャーパーのよき相棒、つまりバトラーの後継者となるようなセーフティを見つけることができていない。
コーチ見習いは今回の仕事に留まらず、今後のミニキャンプや夏のトレーニングキャンプでも何らかの役割を担う予定だと言う。「マイク・シャーマンと、今後の地位について話し合うことになっている。このような機会をもらえて喜んでいる。グリーンベイで(コーチのキャリアを)始められることがとても嬉しい。今の我々ほどチャンピオンに近いチームは他にない」
アシスタントDBコーチはライオネル・ワシントンが5年間つとめているわけですが、具体的にポストはどうするんでしょう。
ベアーズの先発DEを4年間つとめてきたDEフィリップ・ダニエルズ。$3ミリオンのサラリーと$1ミリオンのロースターボーナスのため、大幅サラリーカットを飲まない限り、ベアーズは彼を解雇する可能性が高い。それを聞いたパッカーズは、すぐに興味を示したとの噂だ。2000年にFAだったDEダニエルズをシカゴに呼んだのは、当時ベアーズGMだった現パッカーズのヘイトリー副社長だった。ダニエルズはもうじき31歳。シカゴでの4年間で189タックル、23サックを挙げたが、2003年はわずか2.5サックに留まった。
最初は記者、そして長らくパッカーズ広報部長をつとめ、パッカーズ史の生き字引として尊敬されてきたリー・レメル Lee Remmel が、このほど正式に"Team Historian"(歴史家)に任命された。もちろん新設のポストだ。79歳の彼は、広報部門の実務に関しては一線を退き、彼の最も得意とするパッカーズ史の語り部として、チームの顔としての役割を続けていく。今後はパッカーズ公式サイトでのコラムや、自分とパッカーズに関する本を執筆の予定。
引退を考えていたレメルに、負担が少なく、しかも彼の能力を最も活かせる形をハーラン社長が考えた、ということのようだ。「このような機会をくれたハーラン社長に感謝したい。チーム史については、これまでにも十分仕事をしてきた。今回のことは、その仕事に明確な肩書きを与えたということだ」とレメル。ハーラン社長は、「彼は長きにわたってチームにとって欠くことのできない存在だった。チーム職員としてもPress-Gazette紙の記者としても」
NFLコミッショナーのポール・タグリアブーは2002年の慈善イベントの際に、「パッカーズに関する彼の莫大な知識は、チームにとっても、リーグにとっても非常に大きな価値がある。パッカーズはNFLの伝統の重要な一部であり、そのチームを代表するのにレメルほどふさわしい人物はいない」と功績を讃えた。
1922年に地元ウィスコンシン州シャワノで生まれたリー・レメルは、Green Bay Press-Gazette紙の記者として、1945年から29年間にわたって活躍。1945年のライオンズ戦、ドン・ハトソンが第2Qだけで29得点(いまでもNFL記録)した伝説の試合でも記事を書いた。1967年にはウィスコンシンの"Sports Writer of the Year"にも選ばれている。
1974年にパッカーズの広報部長となり、その後30年間にわたってチームに直接貢献してきた。59年間にわたるキャリアの中で、初代カーリー・ランボーから13人の歴代ヘッドコーチ全員と関わった。1967年以後、パッカーズ戦に参加できなかったのはただ一度、父の葬儀の時だけ。1996年にはパッカーズの殿堂入りを果たした。2003年には、彼の功績を讃えて新ランボーフィールドのプレス・ボックス席が"'Lee Remmel Press Box"と名づけられた。
彼はまた、38回全てのスーパーボウルで仕事をしてきた12人のうちの1人でもある。8回は記者として、28回はNFLの臨時のメディア担当スタッフとして、2回はスーパーボウルに出場したパッカーズの広報部長としてだ。
"Team Historian"という役職は、レメルの知る限りNFLではパッカーズが初めてとのこと。「私が史上初ということなら、これは嬉しいね」
JS Online(の有料ページ)で歴史コーナーを担当する大ベテランのCliff Christl でさえも、分からないことがあったらレメルに聞いてみる、というスタンスを取るほどです。
これまで、2004年のサラリーキャップは$78.7ミリオンほどになると予想されていた。しかしCNNSIの記事によると、NFL選手会の専務理事ジーン・アップショーが、「今週NFLが発表するサラリーキャップ総額は、およそ$80.5ミリオンほどになる」と明言したとのこと。つまり予想より$2ミリオン近く枠が大きくなるわけで、3月3日に始まる新年度に向けてやり繰りに苦慮していた各チームにとっては大きな救いになる。
「資金に余裕が出来ることは、キャップが厳しくて苦しい決断をしなければならなかったようなチームにとって、大きな助けになることだろう」とアップショー。
上で「予想されていた」という表現を使ったのは、毎年この時期になるまで正確な額が決まらないためだ。NFL全体の入場料収入と放映権料収入などを合わせた"Defined Gross Revenues"(DGR)はNFLが一括して管理しており、それが各チームに均等に分配される。これが"Revenue Sharing"と呼ばれるシステムで、チームごとに貧富の差が大きいMLBとの違いは際立っている。サラリーキャップ額は労使協約により、前年のDGRの64.75%をチーム数で割ったものだ。この割合は毎年少しずつ高くなる協定になっている。(昨年は64.25%、来年は65.5%)
3月6日・7日にランボーフィールドで、スノーモービルの"Snocross"が行われるため、スタジアムでは、スノーマシンが活躍して雪をガンガン積もらせている。(写真) (地元ニュース映像)
パッカーズは、WRショックメイン・デイヴィスとOTミッチ・ホワイトの2人と契約した。
WRショックメイン・デイヴィスは26歳。2000年にアンジェロ州立大からドラフト外でペイトリオッツに入団し、12試合に出場、1試合に先発している。2001年の開幕ロースターに残れず解雇され、翌2002年はシーホークスと契約するが今度も開幕前に解雇。その後はCFLのキャンプに参加したりしていた。パッカーズは彼をNFLヨーロッパに派遣するとのこと。
OTミッチ・ホワイトはオレゴン州立大出身の25歳。2001年のドラフト6巡でセインツに入団するが定着できず、その後はパッカーズを含めて6チームのプラクティス・スクワッドやロースターを渡り歩いた。
今週から来週にかけて行われるスカウティング・コンバイン。メディアの話題になるのは、40yds走のタイムや225ポンドを何回挙げたかといった数字かもしれない。しかしここで本当に重要なのは、各チームのドクターによる身体検査を受けることなのだ。跳んだり走ったりは、大学の"Pro day"など、後回しにする選手も多いが、身体検査をここで受けない選手はほとんどいない。
パッカーズの医療スタッフにとっては極めて多忙な一週間だ。ヘッド・トレーナーのペッパー・バラスは語る。「コンバインでは、コストは問題じゃない。必要な検査であれば、必ず行われる。経費は無制限だ。我々が心配するのは、出来る限り素早く仕事をして、300人以上の選手たちを数日のうちにチェックすること。素早く、しかし何ひとつ見逃さぬよう注意深く」
選手ごとに、それぞれ2日間かけてメディカル・チェックが行われていく。最初はケガの履歴を口頭で本人から聞く。そしてカレッジ・スカウト部門の集めた情報も照らし合わせる。それらに基づき、X線検査やMRI検査が頻繁にオーダーされる。それから、Cybexマシンに乗せて脚をチェックする。この機械は脚の筋肉の強さやバランスをコンピューターで分析するものだ。
2日目は、ドラッグ・アルコール・ステロイド検査から始まる。そこから先は選手たちは短パンだけになり、何百人ものスカウトの前を小走りに過ぎていく。身長、体重、腕の長さ、手の大きさ。視力検査や内科検診も行われる。そして、整形外科の検査。別々の整形外科医が、同時に、体の別の部分を検査していくのだ。
「これは見た人でないと信じられないだろう。5チームか6チームのドクターが、同時に一人の選手を診るんだ。体のあちこちを一度に引っ張られる選手の側は、きっと愉快じゃないだろうね。でもこれは大事なことなんだ」とバラス。
パッカーズの場合、パトリック・マッケンジー率いる3人のドクターがここで検査を行う。このようにして得られた所見に基づき、ドクターたちは各選手のリスクの程度を大雑把に査定していく。最終的なリスク算定はもっと先、グリーンベイに戻ってさまざまな情報を総合して決定する。他チームと情報をやりとりすることもあるが、たいていはこちらの評価を再確認する結果になる。
このような手続きでも足りないことが時々あり、毎年およそ40人の選手が、4月初めに再びインディアナポリスに呼ばれて再検査を受ける。「自分たちの下した評価に自信が持てるようになるのは、ドラフト直前まで仕事を続けて煮詰めていってからだね。でも全体の90%は、最初にコンバインで下した評価で十分正しいものだ。半ポイントぐらい、評価を上げ下げすることがあるとしても、健康体だと思った選手が全然ダメだった、などということは極めて稀だ」とバラスは語る。
健康面の評価がドラフト順位を決めるわけではもちろんない。タレントの評価はスカウトやコーチたちが決めることで、医療スタッフがするのは健康面でのリスク評価を提供することだ。バラスは、ドラフト指名を車を買うことに例えて言う。「買い手の側は、コストや、どれだけ手間がかかるかを考えて決断する。もしリスクのある車を買う気になれば、非常に安く手に入れることはできるだろう。しかし、リスクが大きく、しかも値段も高い車なら、当然見送ることだろう。しかし結局は買い手(チーム首脳)が決めることだ。我々はリスク算定が仕事であって、リスク・マネジメントは仕事ではない」
ケガがドラフト指名に影響を与えたといえば、一昨年のドラフト4巡指名、RBダヴェンポートの好例がある。足のケガさえなければ、彼は2巡指名に値するとパッカーズは評価していたが、ケガのリスクを考慮して3巡評価に下げた。本番では、4巡になっても残っていたために当然指名。リスクがあっても4巡なら十分それに見合うと考えたわけだ。バラスは振り返る。「ドラフトの時点では、彼の指名は冒険だった。まだケガが治ってなかったからね。しかし人事部門は、彼なら間違いのない投資だと考えた。我々がリスク評価を提供し、彼らはそのリスクを受け入れた。非常にいい結果が出た」
今年のパッカーズはチケット代の値上げは必要ないだろう、とボブ・ハーラン社長が明らかにした。「まだ最終的に決定したわけではない。しかし、値上げはしたくない。今は非常にいい形になっている」とのこと。以前から、「NFL全体の真ん中あたりがよい」ということで、昨年$4ドルの値上げをしたばかりだ。
なおランボーフィールドの"プラチナ・チケット度"はNFLでもトップ。なんと1960年から44年連続で売り切れが続いており、もちろんNFL最長。2002年時点の記録では、シーズンチケットのウェイティングリストは57,000人で、30年待ち。こちらもNFL最多。詳しくはこちら。
リロイ・バトラーがパッカーズ公式サイトで、ボブ・スロウィック新DCの就任を歓迎。「チーム内から選ばれたことを驚いたファンもいることだろう。しかし、DBコーチだった彼の元で2年間プレーした者として言わせてもらえば、何も心配することはない。それどころか、これは非常に素晴らしい人事だ。私がプレーしたコーチの中で、スロウィックほど知識の豊富な人は他にいない」
「彼は、ただやり方を教えるのではなく、なぜそれが必要なのかを教える。私自身も彼の元でより賢いプレーヤーになれたし、シャーパーがプロボウラーに成長したのも、フットボールへの理解が深まったからだ」 「彼はミーティングで選手に意見を求めることさえある。もちろん最終決定はコーチのものだ。しかしそうすることで、選手たちはより深く関わるようになり、フィールド上のコーチになっていく」
バトラーは、スロウィックの後釜のDBコーチになりたいという希望があったはずだが、そのことには全く触れず、ショッテンハイマー新DBコーチの能力の高さを賞賛している。
トレド大出身のWRカール・フォードは、ドラフト7巡指名ながら評判はかなり良かった。線は細いが、スピードやクイックネスだけでなく、ルート取りなどWRとしてのセンスは早くから高く評価されていた。夏のキャンプで5番手WRは確保し、さらに4番手の座をうかがう勢い。ところが、プレシーズン最終戦でヒザを痛めてしまい、内側側副靭帯(MCL)の部分断裂と診断された。
通常なら6週から8週ほどで復帰できるケガだ。しかしまだ未知数なルーキーをシーズン半ばまで待っている余裕はチーム側にはなく、彼は開幕前にインジャリー・リザーブ入りしてルーキーシーズンを終えることになった。「打ちのめされたよ。ほんとにつらかった」とWRフォードは振り返る。「シャーマンHCと長い時間かけて話し合った。これがチームにとって最善の選択なのだと、コーチとしての決断なのだと言われた。そして、もう一度来季のためにやりなおさなければならない、と説得された」
「リハビリは2ヶ月で終わり、僕はプレーできる準備ができた。でもインジャリー・リザーブ入りしてしまったら、その年はプレーできないから・・・」。 しかし、くよくよする代わりに、彼はポジティブに考えた。体作りのため、ウェイトルームの常連となった。「僕には十分なサイズがなく、タフなシーズンを乗り切れないだろう、と言う人たちがたくさんいた。でも、ヘッドトレーナーのバリー・ルービンと一緒にトレーニングを重ねて、今では僕はずっと強くなった。じっさい彼が今年の僕のポジション・コーチみたいなものだ。これは来年のために大きく役立つと思う」
「彼にとっては、まさにケガの功名かもしれないね。彼は空いた時間を活かし、無駄にすることはなかった。カールはずっとチーム施設にいた。シーズンを通じて、毎日ワークアウトにやってきた。すでに10ポンドの筋肉をつけた。パワーのレベルも上がり、スピードも素晴らしい」とヘッドトレーナーのバリー・ルービン。「彼はとてもいい若者だ。あのような選手がいると、こちらも普通以上のことをしてやりたくなるものだ。彼は感謝の気持ちが強いし、求められたことは必ずやる。進歩するとわかっているから、一緒にやっていて楽しい」
「彼は非常にクイックで、学習意欲も強いし、とてもアスレチックでパスキャッチが上手い。危険なレシーバーになるだけの潜在能力は揃っている。ゲームを理解し、すべてが噛み合ってくれば、素晴らしい選手になるのを見られるだろう」 とレイ・シャーマンWRコーチは期待を語る。「僕はみんなに、今は110%になったと言ってるんだ。ヒザだって、ケガする前より強くなった。去年はプレーシーズンでもあまり活躍できなかったから、多くのことを証明しなければならない。自分に対しても、家族に対しても、僕がNFLのレベルでやっていけると証明したい」とWRフォード。
プロボウルがヒートアップしてくるのは第4Qからだと聞かされてはいた。今年はちょっとそれが早まったが、確かに第4Qの盛り上がりは相当なものだった。アロハ・スタジアムのお客さんはビッグプレーを見に来ているのであって、ディフェンス合戦は望んでいない。先週末の試合は、まさにその通りだった。試合最初のプレーでQBマクネアからWRチャド・ジョンソンへ90ydsのロングボムが決まり、終わってみれば55-52だ。
NFC選手たちの気持ちがそうだったのか、アンディ・リードHCの意思が浸透したせいかはわからないが、AFCチームが立て続けに得点した時も、我々はパニックにはならなかった。盛り返すだけの得点力が自分たちにあるのはわかっていたからだ。もちろん、勝っても負けても構わないプロボウルだからリラックスしていた、ということもある。試合の前、リードHCも全員に向かって「さあフィールドに出て楽しんでこようじゃないか」と言ってくれたしね。
だからと言って、僕らが気楽な気持ちでフィールドに立っていたというわけじゃない。そんなことではフットボールはプレーできないし、ケガをしてしまいかねない。それにNFLの選手たちは自尊心が大きい。誰もが負けたくないし、ぶざまな姿を見られたくない。それに、勝とうとせずにただ楽しむなんてできっこない。僕らにとって勝利が全てなのだから。
だから、最初のスナップから最後のプレーまで、ハードにプレーした。ただ、本番の試合と違うのは、プロボウルではホイッスルが鳴るまでプレーする、という点だ。普段の試合では、ホイッスルが鳴っても小突きあったり、パイルの上にダイブしたり、カットブロックをしたり、ということがあるけど、プロボウルではそれはない。こちらから仕掛けない限り相手も相応の敬意を払ってくれるし、仕返しされる心配もない。
最初はパッカーズから4人が出るはずだったけど、DEシメオン・ライスが外されて、DEカビーア・バジャ=ビアミラが出場することになった。カビーアが来ると聞いたとたん、僕がOTジョナサン・オグデン(BAL)に言ったのは、「キミのバケーションも終わりだな!」っていうことだ。カビーアはフルスピードしか知らないし、それは時速400マイルなんだ。オグデンには、「最低一つはサックを許すだろう」と僕は言ったけど、彼は信じなかった。でもけっきょく彼は2サックを許した。カビーアに抜かれた時、オグデンはかなり怒ってた。だから、選手が試合内容など気にしてないなとどは思わないでほしい。
僕はと言えば、センターだけでなく、ロングスナッパーとしてもプレーした。これまで本番でやったことはなかったし、これからもないだろう! ほんとに下手くそなんだ。ただ僕はマット・バーク(MIN)よりマシだから担当しただけだ。出来はまずまずだった。パントをブロックされたけど、それは僕のミスじゃなかった。まあ、(シーズン中と違って)相手がラッシュしてこないから、プレッシャーは少なかった。
プロボウルでプレーするという経験は初めてのことだけど、正直言って、タレントのレベルは普段の仲間たちとそれほど変わりはない。だって、僕らは毎日カビーア相手に練習してるわけだ。隣にはマルコ(リヴェラ)がいる。アーマン(グリーン)のためにブロックする。ブレット(ファーヴ)にスナップする。彼らはみなプロボウラーなんだから。でも、他のチームの選手たちと、個人的に知り合えたことは素晴らしかった。
プロボウルを経験できたことは嬉しいし、また是非出てみたい。だけどそれよりも、出る資格が十分ありながらチャンスをもらえなかった選手が、出られたらいいと思っている。例えばLGマイク・ウォール。彼は本当にプロボウルにふさわしい選手だ。僕らはポジションが違うから票の奪い合いになるわけじゃないけれど、僕自身がもう一度出るよりも、彼がプロボウルに出てほしい。長くプレーする選手なら、一度はプロボウルに値するシーズンを過ごしているはずだ。でも大多数の選手はそれを経験するチャンスがない。残念なことだ。
僕の今回の経験を振り返ってみると、試合そのものよりも家族や友人と過ごしたことの方が思い出になるだろう。両親と妹、グリーンベイでの友人たち、(オフに住んでいる)ラスベガスの友人たち。これだけの人数で一緒に楽しめるというのは滅多にないことだが、それがハワイで実現できた。僕のキャリアの中で、プロボウルを経験できたのは素晴らしいことだったが、みんなでこのような経験が出来たことの方がもっと意味がある。
QBドリュー・ヘンソンの公開ワークアウトが行われ、20チームの関係者が彼のパスを見守った。ディフェンス選手がいない状態で、合計75回ほどのパスを4人のレシーバーに投げた模様だ。あるGMによると成功率は90%ほどで、明らかなアンキャッチャブルは1回だけだったとのこと。このようなワークアウトで何がわかるのかは疑問だが、十分な肩の強さ・球速は見せた。ややボールを低く持ち過ぎてヒッチするような投げ方も十分修正可能だ、とシーホークスのQBコーチ。
今回テキサンズを訪問したNFLチームの中で、パッカーズ陣営の充実ぶりが最も目を引いた。シャーマンHC、ヘイトリー副社長、レジー・マッケンジープロ人事部長、人事アナリストのジョン・シュナイダー、ロスリーOC。パッカーズの"本気度"についてはぐらかそうとするシャーマンHCは、「いつだってこうしてワークアウトを見てきた。今回が特別ということはない」と言い訳をしている。
あるチームの関係者は、「これほどの数を送り込むということは、それだけ真剣だということだ。ファーヴの(引退が遠くない)状況を考えれば、誰だってそうするだろう。あらゆる可能性を調べ尽くさなければならない」と語る。パッカーズの次に多かったのはビルズで、ドナホーGM、マラーキー新HC、サム・ワイチQBコーチが乗り込んできた。両チームの他にGMが見に来たのはドルフィンズとジャイアンツ。
ヘンソン本人は、「いい感じだった。今日はとてもいいパスが投げられて満足している。現時点では、どのチームがいい、ということはない。これから数日間かけていろいろなチームのコーチと会いたいと思っている」と語っている。ワークアウトが終わった後、彼はチーフス、パッカーズ、カウボーイズ、ビルズの首脳とそれぞれ簡単な面接を行い、ドルフィンズ首脳とも夕食の予定。今回はスカウティング・コンバインのような40yds走や各種ドリルは行わなかったが、代理人によると「本気で獲得を望むチームなら、訪問してワークアウトを行う」とのこと。
パッカーズにせよビルズにせよ、即先発の必要がなく、最低一年は控えで育てる余裕があり、しかし将来のフランチャイズQBが必要、というチームがぴったり合うのは確かだ。パッカーズを有望な取引相手と見ているテキサンズのGMは、今回の交渉を92年のQBファーヴのトレードとよく似た状況だとアピールし、「彼がブレット・ファーヴになれると言うわけではないが、ヘンソンは若く才能あるQBで、それがドラフト・システムの外で手に入るのだ」と語る。再び各球団の首脳が集まる来週のスカウティング・コンバインで、交渉が活発になることが予想されている。
注目のQBドリュー・ヘンソン(2月5日の記事参照)の公開ワークアウトが木曜日にヒューストンで行われる。少なくとも13チームの代表がテキサンズの練習施設を訪れることになっており、さらに増える可能性もあるとのこと。パッカーズからはシャーマンHC、ヘイトリー副社長、ロスリーOCという豪華な布陣。
「我々の目的は、彼がどれほど良いかを、ワークアウトで見極めること。それから彼と面接を行い、選手として、そして人間としてどうか、感触を掴むことだ。問題は、他のどのチームが彼を欲しがり、テキサンズの要求がどれぐらい高いかだ」 とプロ人事部長のレジー・マッケンジー。
売り手側のテキサンズは、ヘンソンがいかに素晴らしいかを強調するが、彼の経験不足や3年のブランクを懸念する声は強く、(噂される)2巡指名権というトレード条件は高すぎるのではないか、という見方が強くなっている。名QBジョン・エルウェイは、「あれほどフットボールから長く離れていると、カムバックは大変だ。野球からフットボールに戻ってQBをプレーするのは、メンタルだけでなく、ボールを投げるという点でも大変なんだ。彼が本当に慣れるのには、何年かかかるんじゃないかな」と話している。
ヘンソンとしては、テキサンズと契約せず4月のドラフトを待つという手もある。しかし本人はそうはしたくないようだ。「フットボール的に最善の選択をしたい。それには(ドラフトを待つより)早い方がいい。すぐにもチームに貢献する準備をするために、オフシーズンのプログラムに参加したい」
パッカーズは、以前からCFLのQBリッキー・レイに興味を示していたが、1月にグリーンベイに呼んでワークアウトを見た後は、パッカーズ側の興味はやや冷めてしまったようだ。エドモントン・エスキモーズをグレイカップ優勝に導いたQBレイには、(ヘンソンほどではないにせよ)かなり多くのNFLチームが興味を示し、ワークアウトを行っていた。パッカーズはまず上記のQBヘンソンを見ることを優先している様子だ。
NFLからNFLヨーロッパに派遣される選手たちの所属チームが決まり、パッカーズから派遣される12選手は、下記の4チームでプレーすることになった。2月27日からフロリダでキャンプが始まり、シーズン開幕は4月3日。
なお昨季までのバルセロナ・ドラゴンズはドイツに移り、ケルン・センチュリオンズ Cologne Centurions というチーム名となった。その名の由来は、古代ローマ軍団の背骨とも言われた"百人隊長"から。ケルンは紀元前1世紀に建設された古代ローマの軍団駐屯地をその起源とする都市であり、「ドイツ最古の都市」を自称している。
Packers' NFL Europe Players Assignments | ||
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Name | Pos. | Team |
Kris Briggs | FB | Amsterdam Admirals |
Corey Parchman | WR | Amsterdam Admirals |
Tony Donald | TE | Amsterdam Admirals |
Steve Josue | LB | Amsterdam Admirals |
Derek Combs | CB | Amsterdam Admirals |
Cullen Jenkins | DE | Cologne Centurions |
Eric Powell | DE | Cologne Centurions |
Erwin Swiney | CB | Cologne Centurions |
Wilson Thomas | WR | Frankfurt Galaxy |
Jason Jimenez | OT | Frankfurt Galaxy |
Ralph Turner | LB | Frankfurt Galaxy |
Walter Williams | RB | Rhein Fire |
ドルフィンズは空席となったRBコーチ(またはTEコーチ?)に、パッカーズのレイ・シャーマンWRコーチを候補の一人と考えていた模様。パッカーズ側は面接の許可を出していたが、レイ・シャーマン本人はマイアミに飛ばず、グリーンベイ残留を表明した。「マイアミは家族にも近いし、話だけでも聞こうかと思っていたけど、ウチはいい状況になってるからね。若く優れたレシーバーが揃っているし、手がけた選手たちが成長してきたから」
本人も言っているように、彼の家族はグリーンベイからフロリダ州ブラデントンに引っ越したばかり。おそらく、昨年夏に自宅での不幸な事件で息子を失ったことと関係があるのだろう。契約が残っているにもかかわらずパッカーズ側が面接の許可を出したのも、彼の事情に配慮したのかもしれない。もともと2004年は契約が残っていた彼だが、さらに1年延長のオファーをされた模様。
パッカーズのコーチ陣は、まだTEコーチが空席となっている。
今年で2回目となるESPN SportsNationの"The Ultimate Standing"。 ファンへのアンケートを含めてさまざまな要素を考慮し、北米4大プロスポーツの120フランチャイズのランキングを作成しようという企画だ。専門の調査会社を使い、ファンが、自分の応援するチームから、どれだけの見返りを(安いコストで)受け取れるか、ということを多岐にわたって詳細に調べている。
昨年は全体1位に輝いたパッカーズだが、今年は全体3位に後退。ただし、NFLだけに限れば1位をキープしている。
ランクを下げた最大の下げた要因は、"Coaching"の部門。調査時点では快進撃が始まる直前で6勝6敗だったようで、昨年の9位から今年は51位に大幅ダウン(プレーオフの敗戦のあとならもっと下がっただろう)。スタジアム建設に伴うチケット代などさまざまな値上げによって、"Affordability"の部門でも1位から6位に後退している。いっぽう、"Ownership"の部門(オーナーシップが選手やその街に対し、どれだけ率直で誠実か)では、昨年の3位から1位にアップ。"Fan Relations"(ファンとの関係)は3位、"Stadium Experience"では4位と、相変わらず高い順位を誇っている。
「毎年1位になれれば言うことはないが、2003年に1位になったのだから、あとは下がるしかないからね。それでも、全体3位、NFL1位というのは十分すぎるほど大きな名誉であり、我々は誇りに思うべきだろう。もちろん来年は全体1位に返り咲きたいと思う」」とボブ・ハーラン社長は嬉しそうだ。
パッカーズのDEカビーア・バジャ=ビアミラが、プロボウルに急きょ出場することになった。DEシメオン・ライス(TB)が"disciplinary reasons"(規律上の理由)からNFCチームを外されたため、次点だった彼が繰り上がったのだ。金曜夜に連絡を受けた彼は、土曜朝の飛行機であわててハワイへ向かった。もちろん彼にとってプロボウル出場は初めてのこと。これでパッカーズからは5人が出場することになる。
どこでプレーしようと、フットボールの練習は同じようなものだが、プロボウルの練習は少し違う。練習時間は短く、その激しさのレベルもかなり低い。結局のところ、これは2003年シーズンのご褒美であって、罰ではないっていうことだ。
僕にとっては初めてのプロボウルだが、これまでのところ要領を学ぶのに苦労はしていない。マルコ・リヴェラがそばにいるおかげで、ルーキーいじめのようなこともない。でも、それに一番近いのが、初出場の選手が練習で、"Rook"(ルーキーの略)と呼ばれることだ。こんな言葉で呼ばれるのはずいぶん久しぶりのことで、誰に向かって話してるのか、ちょっとこちらの反応が遅れることがある。
昨日はプロボウルのユニフォームを着て記念写真を撮った。それぞれのチームが全員で写真を撮るのが伝統なんだ。僕はマルコ、アーマン(グリーン)、ババ(フランクス)と並んで撮った。彼らチームメイトが一緒にハワイに来られたのは大きな喜びだ。プロボウルそのものは個人的な名誉だが、フットボールは実際はチームスポーツ。決まり文句かもしれないが、それが真実なんだ。
例えばRBアーマン・グリーン。確かに彼はどのチームに行っても素晴らしいRBには違いないが、僕やマルコやババがブロックしなければ、困難な状況になるだろう。いっぽう、アーマンのようなRBが走ってくれれば、オフェンスラインはずっと良く見えるものだ。僕らが空けた穴を彼は走るわけだが、穴が空かない時でさえ、彼はなんとか自力でヤードを稼ぎ、僕らの面目を保ってくれる。
ここでのセキュリティは、大統領就任式よりも厳しいと思えるほどだ。ドアを通るたびに、バッジを見せなければならない。ちょっとイラつくこともあるけど、NFL選手としては、安全な環境にいることを確認できていい。
ファンたちの注目度はとても高く、ハワイ入りした時も、何百もの人たちが空港で並んで、サインや写真を求めていた。僕があまり知られていないで良かったと思うこともある。たぶん多くのパッカーズファンでさえ、僕の顔を知らないだろうから。
正直言って、僕がオールスターに選ばれたことを、両親は僕自身よりも喜んでいると思う。プロ入りしてからこれまで、(大ケガのために)もうNFLでのキャリアは終わった、と覚悟したこともあった。だから、僕がここまで来たことを、ママは誇りに思ってくれている。もちろん、ママはひいき目で見るから、僕が最初の投票で選ばれなかったことですごく腹を立てていたけど。 妹の方はと言えば、僕がプロボウルに選ばれたとき、僕のために喜んでいるのか、自分がハワイに行けるから喜んでいるのか、よくわからなかった。まあ、そんなことはどうでもいい。僕がここに来るまで、たくさんの人に助けてもらった。だから少しでもそのお返しができるのは楽しいことだ。
とても楽しい経験ばかりで、時がとても早く過ぎていく。さあ、時間のあるうちにビーチに出かけなきゃ。
90年代パッカーズ再生の立役者ロン・ウルフ元GMの息子エリオットが、パッカーズのフロントに加わることになった。まだ21歳、マイアミ大を卒業したばかりの若者だ。働くのはカレッジ・スカウト部門ではなく、プロ人事部門とのこと。副部長のショーン・ハワードが解雇されて(49ersに入る見込み)空きができるため、エリオット・ウルフは、プロ人事部長のレジー・マッケンジーのアシストをすることになる。
エリオット・ウルフはまだかなり若いとはいえ、すでに過去8年間にわたって、夏休みはパッカーズやファルコンズ、シーホークスの人事部門でインターンとして働いてきた。その才能はかなり高く評価されているようで、父親譲りの鮮明な記憶力を、タレント評価の仕事に活かしている。「彼は父親の優れた遺伝子を多く受け継いでいる。タレント評価において、非常に優れている。GMとしては、彼があまりに早く成功して、取って代わられることのないよう願ってる」とシャーマンHCはリップサービス。
彼はずいぶん早くから、進むならこの道、と心に決めていたらしい。2001年のインタビューの中で彼は、「僕が得意なのはこの道だけ。だから、やりたいのはこの仕事だけなんだ。もし、大学を出てすぐにグリーンベイが雇ってくれたら、たいへんな名誉だ」と語っていた。 なお、パッカーズ内の二世スカウトといえば、かつての人事担当副社長ケン・ヘロックの息子ショーン・ヘロック(33歳)が、実績を積んですでにカレッジ・スカウト部門の副部長となっている。
いっぽう父ロン・ウルフは、非常勤のコンサルタントとしてブラウンズと契約したばかり。もともと、息子と同じ職場はよくない、と語っていた。5月まではパッカーズとのコンサルタント契約が残っているが、パッカーズ側はドラフト指名権などの補償は求めない、とのこと。「そりゃあ、パートタイムだからね。これまでグリーンベイがしてくれたことには、とても感謝してる。しかし、それも終わったと私は考えている。グリーンベイの誰に対しても、もう借りはない」
大学選手の評価に大きな実績を残してきたロン・ウルフだが、ブラウンズではあまりそちらの仕事はせず、プロ人事部門を主に手伝うという。「カレッジ・スカウティングよりも、プロ・スカウティングの仕事をする。自分で何かをするというより、指導したり助言したりするのが仕事で、そこが魅力的だった。飛行機に乗れば1時間でクリーヴランドに着くし、チーム施設は空港のすぐ近くだ。 しかし私はほとんどの時間をここアナポリスで過ごす予定だ」とロン・ウルフ。
息子エリオットは、2000年には、現ブラウンズHCのブッチ・デイヴィスの下で、マイアミ大のフットボールチームを手伝ったことがある。
雨のためにプールに出かけるのを控えた他は、初めてのプロボウル旅行はとてもスムーズに進んでいる。月曜日にチェックインして、ミーティングに出席。今週の大体の流れを聞かされた。それから何百万個ものフットボールにサイン(笑)。火曜日には最初の練習があった。
リーグじゅうの選手たちと一緒に過ごすのは楽しい。同地区の連中は毎年2回対戦があるけど、試合の日にフェイスマスクの下の素顔を窺い知る機会は少ない。特に同じポジションの選手同士は、同時にフィールドに出ることはないからね。 ここまで数日の練習では、何人かのオフェンスラインの選手たちと知り合いになれた。マット・バーク(MIN)、ラリー・アレンとフローゼル・アダムス(DAL)、それにウォルター・ジョーンズ(SEA)。
コーチはアンディ・リード(PHI)で、彼のオフェンスは、明らかにホルムグレンのウェストコーストオフェンスを基にしたものだ。だから、今週やってることの多くは、パッカーズオフェンスに似ている。そのおかげで、プレーブックを理解するのは僕にはかなり易しい。 マルコ・リヴェラがそばにいて、いろいろ教えてくれるのはありがたいよ。彼は去年、「練習をハードにやりすぎる」と先輩たちからちょっと叱られたらしい。今年初参加の僕は、マルコにいろいろ教えてくれと頼んだ。だから、今週の僕は父親に付き添われた子供みたいなものだ。
火曜日午前の練習が終わると、あとはオフ。ワイキキでランチを食べ、夕方にはホノルルでESPN主催のパーティーに。食事は素晴らしく、落ち着いた雰囲気の集まりで、旅行者のための派手なダンスつきの宴会とは違ってよかった。まるで今週の経験すべてがご褒美という気分だ。ただ1試合プレーするというのではなく、今週はずっとパーティーが続いて、その最後に試合があるという感じ。
僕はここまでとても気楽に過ごしている。招待した16人のうち、最初のグループは水曜日にハワイにやってくるから、彼らと歩き回るのが楽しみだ。僕は今週の予定をきっちり組みたくないから、何をするか、まだ何も決めていないんだ。ただ、みんなが来てくれた時には彼らが楽しめるよう、できるだけ会えるようにしようと思っている。
ここまではとても楽しい旅行だったけど、これからはもっと楽しくなるに違いない。
いま最も動向が注目されているQBといえば、ドリュー・ヘンソンだろう。2000年シーズンまでミシガン大で活躍し、順調なら2002年春にはドラフト1巡上位での指名が確実視されていた選手だ。ところが彼は2001年の春にフットボールを辞め、MLBニューヨーク・ヤンキースへ。6年$17ミリオンの巨額契約を結び、いずれは正三塁手になることを期待された。フットボールファンの落胆が大きかったのは言うまでもない。
しかし、いつまでたっても野球で芽が出ない。トリプルAでの成績は惨憺たるもので、昨季は打率.234、14HR、78打点、122三振、エラーは28個。ロースター枠が広がるシーズン終盤には、ちょっとだけメジャーに昇格させてもらったが、下で打てないものがメジャーで打てるはずがない。
というわけで、すでに昨年春には「野球を断念してフットボール復帰か?」との見方が出てきた。本人は「野球を続ける」と主張したが、ドラフトではテキサンズが無理を承知で6巡指名した。2人の若手QBがいるテキサンズはヘンソンが欲しかったわけではなく、「下位指名で交渉権だけ獲っておけば、フットボール復帰した時に、交渉権をトレードに出せば儲かる」という思惑からだ。
そして、失意の3年目を終えたヘンソンはようやく野球を諦め、本気でフットボール復帰を目指すことになった。すでに数週間にわたって、元NFLのQBコーチの元でワークアウトを続けている。今月初めにはヤンキースとの契約解除の交渉もまとまり、$12ミリオンを諦めるのと引き換えに、自由の身となった。
ヘンソンは今月で24歳。身長6フィート4(193cm)、体重220ポンド(100kg)。ドラフト情報サイトでの評価を紹介すると・・・。サイズがあり、スピードもまずまず。タフで落ち着きがある、優れたリーダー。メカニックがしっかりしており、NFLで要求される全てのパスを投げられる肩の強さがある。ディープボールのタッチがよく、ショートパスでのスピードのコントロールもできる。クイックネスのある優れたアスリートでドロップバックが速く、ポケットでの落ち着きもある。困ったときには自分の足で打開もできる。時おりコントロールミスがある。相手のカバレッジを読み誤り、カバーされているところに無理投げしてしまうこともある・・・。
ミシガン大で彼は、2年生までトム・ブレイディ(現NE)の控えQBだったが、スターターとなった3年生のシーズンで、素晴らしい活躍を見せた。2146yds、18TD、4INT、成功率61%。問題は、スターターを務めたのが実質1シーズンだけ、ということだ。その経験不足に加え、3年ものブランクがある。NFLで成功する資質が本当にあったとしても、しばらくは控えで経験を積む必要があるだろう。
テキサンズが交渉権を持っているとはいえ、それは今年のドラフト前日までの話だ。テキサンズと契約せずにドラフトにエントリーすれば、6巡よりも高い順位で指名されるのは確実(1巡下位指名の噂も)。ヘンソンにすれば、サラリーだけを考えればそうした方がよい。しかし多少サラリーは安くても、テキサンズとの契約を選ぶメリットはある。トレード前提でテキサンズと契約するということは、実質的には、候補の中から自分で所属チームを選べるのだ。
これまでのところトレード先として取りざたされているのは、ESPNによると、パッカーズ、カウボーイズ、ビルズ、ドルフィンズ、スティーラーズ、チーフスあたり。テキサンズはトレード条件として2巡指名権を要求するのではないかと見られている。2月12日には獲得希望チームを集めての公開ワークアウトを、ヘンソン側は計画している。
去年のマルコ・リヴェラと同じように、今年のCマイク・フラナガンもプロボウル初出場の経験を、パッカーズ公式サイトで報告してくれることになりました。
今日はスーパーボウルだから、多くのNFL関係者にとってそちらが重要なのは言うまでもない。しかし僕は、今日はあまりそれを見られないだろう。オフを過ごすラスベガスの家から、ホノルルに飛んでいるところだからだ。
プロボウルに行かれるのは幸運なことだ。投票では補欠の一番手に選ばれただけだから、もしオーリン・クルーツ(CHI)のケガがなければ、僕は今ごろ家にいただろう。最初の投票で僕が選ばれなかったことには驚かなかった。NFCのセンターには2つの枠しかないし、クルーツとマット・バーク(MIN)はエリート・プレーヤーたちだ。僕自身はよいシーズンを送ったと感じていたけれど、だからといって彼らを押しのけてトップに登れるということにはならない。
10日ほど前までは、自分がプロボウルに出られるなんて思ってもいなかった。パッカーズのPR部門から連絡があったときは、ちょうど僕は体調を崩してベッドで寝ていたんだ。向こうが「プロボウル出場に興味はあるか?」と聞くから、「ああ、もちろん」と僕は答えた。でも、クルーツがケガのために出られないと聞いても、まだ僕にはピンと来なかった。
しばらくたってようやく、自分が補欠一番手だから、繰り上がってNFCのオールスターチームでプレーできるのだと理解できた。しかし喜んで興奮した後に、シーズンが終わってから全くワークアウトをしてないのに気が付いた。またやらなければ・・・。 パッカーズからの電話を切った後、NFL側からすぐにも連絡が来て、詳細を話してくれるものだと思っていた。しかし一時間も電話を見つめて待っていたが連絡はなく、「これは何かのジョークだ」と感じ始めた。まあ結局は連絡があり、これは正式な決定だとわかった。
僕にとっては、プロボウルに出場することによって、今シーズンの自分の働きが報われたことにはならない。本当に報われるのは、スーパーボウルを手に入れた時だけだ。今年はロンバルディ・トロフィーをグリーンベイに取り戻す大きなチャンスだったのに、指の間からすり抜けてしまった。それでも、プロボウル出場は大きな名誉には違いない。正直言って、補欠一番手に選ばれただけでも十分名誉なことだと感じていた。できれば、この試合に出ることで、より認められるようになって、今後も選ばれる可能性が増せばいいと願っている。
僕を含めて、今回は17人でハワイに行くことにした。母と父、おばとおじ、僕のガールフレンド、パッカーズのトレーナーから一人、それに彼の奥さん、その他。普段から僕のために尽くしてくれて、僕の成功の大きな力になってくれた人たちに、少しでもお礼がしたいという気持ちからだ。現地でどれだけ彼らと一緒に行動できるかわからないけど、できるだけ一緒に過ごしたいと思っている。
マルコ(RGリヴェラ。昨年プロボウル初出場)から、いくつかアドバイスをもらった。例えば、「他の選手たちと交換できるように、ヘルメットをいくつか余分に持って行くといい」というようなことだ。
NFL選手組合のパッカーズ代表を務めていて楽しいのは、NFLじゅうの選手と知り合いになれることだ。だから、彼ら他チームの連中と一緒に過ごせるのが、今回の何よりの楽しみだ。まあそれがなくても、この旅そのものがきっと楽しいものになるだろう。ハワイでは、空いた時間にはビーチにいるだろうけど、できるだけ楽しんでくるよ。
パッカーズは、以下の12選手のNFLヨーロッパ派遣を発表した。FB/RBクリス・ブリッグス、RBウォルター・ウィリアムズ、TEトニー・ドナルド、WRウィルソン・トーマス、WRコーリー・パーチマン、OTジェイソン・ヒメネス、DE/DTカレン・ジェンキンズ、DTエリック・パウエル、LBラルフ・ターナー、LBスティーヴ・ジョシュー、CBアーウィン・スウィニー、CBデレク・コームズ。
スーパーボウルのハーフタイムショーが終わる直前のこと。ジャネット・ジャクソンにまとわりつくように動きながら"Rock Your Body"を歌っていたジャスティン・ティンバーレイクが、歌が終わる瞬間にジャネットの右胸に手をかけ、カップの部分を剥ぎ取った。全米が注視する中で右胸がポロリ(写真付き記事)。CBSは慌てて映像を切り替えたが、時すでに遅し。
「この事件を非常に遺憾に思います。これはCBSの放送基準に適合しておらず、不快に思われた方々に謝罪したい」と当然CBS側は謝罪。ティンバーレイク本人は、「衣装の不具合で不快感を与えたことは、すまないと思う。決して故意ではないし、残念だ」との声明を出したが、いったいどこをどう見れば故意でないなどと言えるのか。
今回のハーフタイムショーはMTVのプロデュースによるものだった。CBSもMTVも、同じくViacom社の傘下にある。CBS側はリハーサルにつきっきりでチェックしてきたが、このようなことが起こる徴候は全くなかったとのこと。MTV側は、このようなことは全く意図していなかったと釈明しているが、NYタイムズの記事によると、ジャネット・ジャクソンの振り付け師がMTVのインタビューで、「ショッキングな瞬間を期待してくれ」と予告していたらしい。
腹立ちが収まらないのはNFLの側だ。NFLの上級副社長ジョー・ブラウンは、「MTV制作のハーフタイム・ショーには、極めて失望させられた。ショーの内容について我々に示したものと、全く矛盾している。MTVがスーパーボウルのハーフタイムをプロデュースすることは、二度とないだろう」
パッカーズはCFLカルガリのOTスティーヴ・モーリーと契約した。NFLの10チームほどが彼に興味を示していたが、CFL選手としては破格の契約金$150,000ドルの3年契約を提示して最も熱心に誘ったパッカーズが、彼を手に入れた。すでに1月上旬には契約が結ばれていたのだが、カルガリ・スタンピーダーズの側が、「すでに契約延長済みだ」として移籍を拒んでいた。しかし、その契約の際に本人を騙してサインさせたようなうさんくさい部分があったため、最後はカルガリの側が権利を放棄した。
OTスティーヴ・モーリーは、身長6フィート7(201cm)、体重335ポンド(152kg)の大型タックル。カナダ南東部ノヴァスコシア州のハリファックス出身。地元のセント・メリー大学で活躍し、2003年のCFLドラフトでは全体1位で指名された。1年プレーしただけなので、まだ22歳と若い。サイズにしてはフットワークが非常に軽く、トレーニングにも熱心とのこと。パス中心のCFLで、パスブロッキングが磨かれたことを期待したい。
「NFLでプレーするのは夢だった。こんなチャンスが来るなんて信じられない。自分の全てを注ぎ込んで、グリーンベイ・パッカーズでプレーするチャンスをつかみたい」とOTモーリー。他の若手選手と同様、今月中にはグリーンベイでのオフシーズン・ワークアウトに参加する予定だ。
シルヴェスター・クルームの後任RBコーチに、大ベテランのジョニー・ローランドが就任することになった。60歳でそろそろ引退も考えていたというローランドは、今オフはそれほど熱心に仕事を探していたわけではないと言う。旧友のベクトルOLコーチと話をした時に、「ところで、ウチにRBコーチの空きがあるんだが、代わりに申し込んどこうか?」と言われ、あっという間に話が進んだ。いったんはブラウンズのRBコーチへの就任が決まっていたが、そちらを断ってグリーンベイを選んだとのこと。
かつてローランドは、新人王を獲得するなど、主にセントルイス・カーディナルスで通算3750yds・36TDを記録し、8シーズンにわたってRBとして活躍した(現役時代の写真)。実はコーチのキャリアの出発点となったのは、1974年のパッカーズ。デヴァインHCの下で1年だけコーチをしたあと解雇され、デヴァインとともにノートルダム大へ(映画「ルディ」のあたりだ)。1976年からは、イーグルスを皮切りに、NFL5球団でRBコーチを務めてきた。彼は今回、30年ぶりに出発点に戻ったことになる。
長いキャリアの中で彼は、多くの名選手を指導してきた。イーグルスではヴァミールHCの下で、RBモンゴメリーをプロボウラーに。10年を過ごしたベアーズでは、晩年にさしかかった名RBウォルター・ペイトンとともに優勝を経験。その後はベアーズ史上2位のRBニール・アンダーソンも育てた。ラムズでは若きRBジェローム・ベティス。カーディナルスではパッとしなかったが、昨年はRBエミット・スミスとともに仕事をした。ここ11シーズンで1回しか勝ち越しを経験していないため、「ここグリーンベイでは勝つチャンスがあるのが嬉しい。毎週毎週、努力が無駄になるのにはもううんざりした」と本人は語っている。
彼が指導することになるアーマン・グリーンは、今でも試合前夜には必ずウォルター・ペイトンの伝記ビデオを一人で見るという、ペイトンの崇拝者だ。ローランドはグリーンとペイトンを比べて、「アーマンの方がスピードで優れているが、ウォルターの方がクイックネスに優れ、捕まえにくいランニング・スタイルだった。ウォルターもフィジカルに優れていたが、アーマンはもっとフィジカルに走ると思う」と評している。「アーマンも同じような優れた資質を備えているが、(ペイトンほど長く活躍するには)健康を保たなければならないし、オフシーズンのワークアウトに献身的に取り組まなければならない。そしてまた、幸運にも恵まれる必要がある」
引退から3年、ロン・ウルフ元GMがブラウンズの"personnel specialist"として非常勤で働くことになった。引退生活を送っていたメリーランド州アナポリスにそのまま住みながら、選手たちの評価を手伝うことになる。QB発掘で大きな実績のあるウルフの最初の仕事は、QBカウチとQBホルコムのどちらを選ぶかの評価をすること。「クリーヴランド・ブラウンズで働けることをとても喜んでいる。私は常にカーメン・ポリシー社長とブッチ・デイヴィスHCを尊敬してきた。求められた仕事に関し、ブラウンズの力になれると私は自信を持っている」
ドルフィンズなど複数のチームからGM職を打診されてきたウルフだが、結局は、気楽な引退生活を続けながら、大好きな選手評価の仕事も楽しみたい、ということなのかもしれない。ちなみに、2000年にレイ・ローズを解雇して後任のパッカーズHCを探していた時、ブッチ・デイヴィス(当時マイアミ大)は最有力候補の一人であり、デイヴィスに断られたという経緯があった。今回、ウルフのサラリーを$1.2ミリオンとする一部報道があったが、これはブラウンズ側が一笑に付している。