グリーンベイ・パッカーズ ニュース

2014年11月25日

Packers 24 - 21 Vikings

  1Q 2Q 3Q 4Q Total
Packers (8-3) 7 7 3 7 24
Vikings (4-7) 0 10 3 8 21

スタッツ等まとめへ | ケガ人情報へ

TCFバンク・スタジアムの気温は9℃、霧がかかっている。勢いに乗るパッカーズだが同地区ライバルの強固なパスディフェンスに苦しめられ、最後は3点差に追い上げられての辛勝。典型的な "Trap game" を逃れ、ライオンズの敗戦により地区単独首位となった。

試合はパッカーズにとってはもどかしい展開。RBレイシーのTDランで先制したものの、すぐにWRチャールズ・ジョンソン(元パッカーズ)へのTDパスで追いつかれる。その後は両者決め手を欠きFGの応酬、4点リードで最終Qへ。そこでパッカーズはロングドライブを成功させて11点差。ヴァイキングスもWRジェニングスにTDパスを成功、2ポイントも決まって、残り3分半で3点差に。しかしパッカーズはRBレイシーのランで2回1stダウンを取って時間を使い切った。

◆ ◆ ◆

オフェンスは相手の好カバレッジと味方反則に苦しんだが、今回はラン攻撃が勝利の決め手になった。RBレイシーは今季2回目の100ydsラッシングにくわえ、ショベルパスでもタッチダウン。最後をランで時間を使い切って逃げ切る勝利は久しぶりだ。ディフェンスはケガでLB陣が手薄なため、やや苦しいローテーションを強いられた。パスカバレッジでミスがいくつもあり、ヴァイキングスのタッチダウンを決めたのは2回とも元パッカーズのWRだった。

さいわい、大きなケガ人は報告されていない。RGラング(足首)とWRアダムズ(脇腹)はいったん退場したがすぐに復帰。体調不良のRBレイシー(胃腸風邪)も最後まで頑張り通した。 

Final Team Statistics
  Packers Vikings
Points 24 21
Total Yards 362yds 308yds
First Downs 24回(ラン11・パス10・反則3) 20回(ラン7・パス11・反則2)
     
Rushing  155yds(32回・平均4.8)  112yds(25回・平均4.5)
     
Passing  209yds(19/29・2TD・0INT)  210yds(21/37・2TD・1INT)
Sacked 1回2yds 2回14yds
Passer Rating 109.7 79.8
     
3rd Down Efficiency 5/13 (38%) 6/11 (55%)
     
Turnovers 0回 (INT0/FUM0) 1回 (INT1/FUM0)
     
Field Position 自陣24yds 自陣28yds
Punt 4回42.3yds(ネット41.0yds) 4回44.8yds(ネット39.0yds)
Kickoff Return 0回 5回平均25.2yds
Punt Return 3回平均7.7yds 1回5.0yds
Field Goals 1/1 2/2
     
Penalty 8回75yds 7回77yds
Time of Possession 31分45秒 28分15秒

オフェンスの犯したターンオーバーはゼロ。RBスタークスのファンブルを自軍がリカバーできた幸運にも助けられた。

ディフェンスの奪ったターンオーバーは1回。

  • 第2Q半ば、WRジェニングスへのロングパスをSマイカ・ハイドがインターセプト(ビデオ)。プレッシャーを受けてQBブリッジウォーターが無理投げし、高く浮いたパスをSハイドがジャンプしてナイスキャッチ。昨季プレーオフ49ers戦で、彼は似たようなパスを捕れなかった。

3rdダウン成功率が38%とイマイチ。相手の成功率が55%と高かったのもパッカーズ苦戦の要因。

先発QBアーロン・ロジャースは19/29、209yds、2TD、0INTでレーティング109.7。

  • 相手ディフェンスは両セーフティを下げて両エースWRを警戒、「さあランをやってこい」の構え。先週より大幅にランが増えたのはそのため。
  • ヴァイキングスのしつこいカバレッジに苦しみながらも、我慢のクォーターバッキングが実を結んだ。ファンには当たり前になってしまっているが、苦しい時に彼が無理投げしないことでどれだけ救われていることか。
  • QBスクランブルは3回37ydsと効果的だった。

チームラッシングは32回155yds(平均4.8)、1TD。 ニーダウン3回を除けば平均5.4yds。

  • 先発RBエディー・レイシーは体調(胃腸風邪らしい)を崩しながら25回125yds(平均5.0)、1TDの大活躍。先制タッチダウンはパイルの上を飛び越えてのダイブ(ビデオ)。100ydsラッシングは第5週MIN戦以来今季2回目。レシービングでは第4Qにショベルパスが10ydsのTDに(ビデオ)。彼のハイライトビデオもあり。
  • RBジェームズ・スタークスは1回-4ydsロスのみ。最初の出番でファンブル(味方がリカバー)を犯して交代させられ、二度と機会が回ってこなかった。
  • 第1シリーズはFBクーンを含めた2バックセットが主体だった。今季は珍しい。

WR/TE陣は以下のとおり。

  • ヴァイキングスのタイトなマンカバレッジに苦しんだ。あきらかな反則を審判が見落とすプレーもあり、マッカーシーHCが激怒。相手のタックリングがよく、両エースWRがランアフターキャッチで大きくゲインできない。
  • WRジョーディ・ネルソンは8回68yds。厚いカバーでディープを封じられ、ショートパスを捕ってもすぐに倒される。1キャッチ平均8.5ydsは今季2番目に悪い数字。(今季の平均は15.7)
  • WRランドール・コブは4回58yds。先制TDシリーズの29ydsパスはまさにピンポイントで、投げた方も捕った方も見事だった。
  • WRダヴァンテ・アダムズは4回ターゲットになって1回10ydsのみ。QBとのミスコミュニケーションが何度もあった。キャッチ後の着地で脇腹を痛めたせいかもしれないが、苦しんでいる両エースWRを補う活躍ができなかった。また、後半最初のシリーズの1stダウン20、RBレイシーのスクリーンパスが24ydsゲインしたプレーでの彼のイリーガルブロックは痛かった。
  • 先発TEアンドリュー・クウォレスは2回50yds。両アウトサイドWRにつられて空いた中央に走り込んだ。一昨年もそうだったが、こうしたTE陣の活用が今後ますます重要になるはず。
  • TEリチャード・ロジャースは今回唯一のキャッチが第2Qの1ydタッチダウン(キャリア初)。逆サイドで超ワイドオープンになったところへ、QBロジャースがヒット寸前でよく投げてくれた。(ビデオ
  • TEジャスティン・ペリロはNFL初のオフェンス出場がRBレイシーの先制TDラン。

先発OL陣はLTバクティアリ、LGシットン、Cリンズリー、RGラング、RTブラガ。

  • 第1QにRGラングが負傷退場(レーン・テイラーが代役)したが、7スナップ休んだだけで復帰。
  • パスプロテクションは今週も非常によく、被サック1回、QBヒット2回のみ。相手がブリッツせずカバレッジを厚くしたせいもあるだろう(ブリッツわずか9回)。唯一の被サックは、3rdダウン27でQBロジャースが長いパスを狙って持ちすぎたカバレッジサックで、ブロッカー陣の責任ではない。
  • LTバクティアリはホールディング2回(うち1回はディクライン)。主にDEエヴァーソン・グリフィン相手に苦戦した。
  • ランブロッキングはかならずしも相手を圧倒したわけではないが、大事な試合最後で3分半を使い切ったランプレー5回は見事だった。
  • RBレイシーの先制TDランは、2バック・3TE・0WRのヘビー・パッケージだった。

ディフェンスの陣容は以下のとおり。

  • 欠場のOLBペリーに代わってOLBマイク・ニールが先発。新人ジェイロン・エリオットもローテーションに加わってまずまずの働き。
  • ダイム隊形ではILBホークを引っ込めてILBブラッド・ジョーンズを起用(15スナップ)。ガーベッジタイムを除き、ディフェンスでの出場は第6週MIA戦以来だ。
  • 鼠蹊部を痛めているLBクレイ・マシューズは、試合序盤はダイム隊形で退くことが多かった。また、第2、第4シリーズでは彼に代わってサム・バーリントンがILBで出場することも。しかし後半は休むことがほとんどなく、けっきょく8スナップしか休まなかった。
  • 先発DLはDEダニエルズ、NTガイオン、DEボイド。足首の悪いDEデイトン・ジョーンズは13スナップの出場にとどめた。DEボイドはよい働きだった。
  • 相手が3TE隊形の時にはSショーン・リチャードソンを投入し、4セーフティ隊形にすることも。

パス守備は初対戦のQBテディ・ブリッジウォーター(1巡指名)を相手に21/37、210yds、2TD、0INTのレーティング79.8。

  • 初対戦のQBブリッジウォーターはパスが高く浮くミスが目立ち、こちらとしては助けられた。
  • なかなかパスラッシュがかからず、ポケットで動き回ってパスを通されるプレーが多い。3rdダウンでパスが決まるために、ヤーデージ以上にやられた印象がある。
  • パッカーズ守備のサックは2回。第3Q最初の3rdダウン、ブルラッシュでDEダニエルズ。第3Q末にブリッツでSハイド。どちらも相手をパントに追い込む貴重なプレーだった。
  • NTマイク・ペネルはわずか7スナップの出場でプレッシャー2回。
  • 第2Q、昨年パッカーズ7巡指名のWRチャールズ・ジョンソンが22ydsのキャリア初タッチダウン。マッチアップしたCBトラモン・ウィリアムズがディープをまったく警戒していないかのようだった。セーフティが来るのも遅いが。
  • 第4Q、WRグレッグ・ジェニングスはパッカーズ相手に初のタッチダウン。ブリッツ勝負(7メンラッシュ)が裏目に出て、ワイドオープンになってしまった。

ラン守備は25回112yds(平均4.5)。スクランブル5回32ydsを除くと平均4.0yds。

  • 先発RBジェリック・マキノンは15回54yds(平均3.6)。いっぽう、NFL初キャリーだったRBジョー・バニヤードは5回26yds(平均5.2)。
  • コンスタントに走られてはいるが、最長ランが10ydsどまり、というのは悪くない。

スペシャルチーム

  • キックオフリターンは5回すべてタッチバックを選択。今回はRBドゥワン・ハリスが慎重だった。無用のターンオーバーを避けるためにも無理はさせない、というチーム方針だったかもしれない。
  • パントリターンは3回平均7.7yds。Sマイカ・ハイドが2回平均10.0yds、WRランドール・コブが1回3yds。
  • Pティム・マステイのパントは4回平均42.3yds、ネット平均41.0yds。ハングタイムが非常によい。
  • Kメイソン・クロスビーは48ydsのフィールドゴールを成功。
  • キックオフはWRパターソンのビッグリターンを警戒し、5回のうち3回がスクイブ・キック。WRパターソンのリターンは2回平均37.5yds。どちらにしても相手によいフィールドポジションを与えてしまう。このところ、Kクロスビーは相手キッカーより飛ばない試合が続いている。
  • パントカバレッジはCBマーカス・シェレルズを1回5yds。
  • CBブッシュ(鼠蹊部)に代わって出場の新人CBディミトリ・グッドソンは、相手パントリターナーがボールに触れる前にヒットしてしまうボーンヘッドで15ydsを献上。これが第3Qの3失点に直結した。

反則は8回75ydsと多く、とくにオフェンス不振の一因となった。ヴァイキングスの反則は7回77yds。

  • 第1Q : RTブラガのフォルススタート。
  • 第2Q : Sハイドのホールディング。WRネルソンのホールディング。
  • 第3Q : LTバクティアリのホールディング。WRアダムズのイリーガルブロック。CBグッドソンのパントキャッチ・インターフェア。
  • 第4Q : OLBニールのオフサイド。OLBニールのラフィングザパサー。

ケガ人

  • 第1Q、RG T.J.ラングが足首を悪化させて退場。しかしテーピングを巻き直し、次のシリーズには復帰。
  • 第1Q、WRダヴァンテ・アダムズがパスキャッチの際に脇腹あたりを痛めたが、こちらも次のシリーズで復帰。
  • アクティブ登録から外れたのは、QBトルジーン、WRジャニス、Cゲアハート、TEボスティック(でん部)、OLBペリー(肩)、ILBブラッドフォード、CBブッシュ(鼠蹊部)。(太字はケガ人)

その他

  • 今回のゲームキャプテンは、LGシットン(オフェンス)、NTガイオン(ディフェンス)、ILBブラッド・ジョーンズ(スペシャルチーム)の3人。(写真