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2014年2月26日
今年パッカーズからフリーエージェントとなる選手たちを下表にまとめた。Sモーガン・バーネットとは昨年7月に契約延長を済ませ(5年総額$23ミリオン)、CBサム・シールズとも現在交渉が進められているところ。今年のFA解禁日は3月11日となっていて、それまでは所属球団としか交渉できない。
今年のサラリーキャップは$130ミリオンと予想され($132ミリオンに増えるとする最新報道も)、2013年の$123ミリオンから約5%のアップとなる。全球団がその枠内に収めて3月11日の新年度を迎えなければならず、超過しそうな球団はすでに選手解雇を始めている。パッカーズは昨年のキャップスペース$9.8ミリオンを今年に繰り越すことができ、計$32ミリオン強のキャップスペース(NFLで7番目に大きい)に恵まれたいっぽう、FA予定選手(つまりキャップにカウントされていない)の人数はかなり多い。
◆ ◆ ◆
無制限フリーエージェントとは、「NFLで4年以上の経験があり、契約が切れる選手」のこと。パッカーズは大量17選手が無制限FAとなる予定。そのうちCBサム・シールズとの契約交渉が続いていて、その他にFA解禁前の契約延長があるとすればCイヴァン・ディートリック=スミスあたりか。
制限付きフリーエージェント(RFA)の定義は、「NFL3年目を終えて契約が切れる選手」。現在の労使協定ではドラフト指名選手全員が4年契約(1巡選手は5年目が球団側のオプション)なので、RFAとなるのはドラフト外入団の選手や、ドラフト入団後いったん解雇された選手に限られる。チームがRFA予定選手に "Qualifying Offer" をしない場合、その選手は無制限FAとなる。
有力なFA予定選手を1年契約で無理やり引き留めるのがフランチャイズ・プレーヤーの制度。今年のフランチャイズ指名期間は2月17日から3月3日となっている。CBのフランチャイズ指名は$11ミリオンを超える見込み(額は確定していない)なので、パッカーズはシールズとの交渉がまとまらなくてもフランチャイズ指名はしないと見られている。トランジション・プレーヤーは金額が多少安いが、代償にドラフト指名権が不要なので引き留める力は弱い。
個々のFA予定選手の分析は次回に。
2014 Packers Unrestricted Free Agents |
Name |
Pos |
Age |
備考 |
Matt Flynn |
QB |
28 |
スターターのチャンスはもうない。最もフィットするパッカーズに残るのが得策では |
Seneca Wallace |
QB |
33 |
代役先発のチャンスに鼠蹊部の大ケガ。再契約の可能性はほぼゼロ |
James Starks |
RB |
28 |
2番手RBとして良い仕事をしたが、どうしても必要な存在ではない |
Kahlil Bell |
RB |
27 |
ベアーズでおなじみのRBが12月初めに契約。再契約はなさそう |
John Kuhn |
FB |
31 |
3rdダウンバック兼任で価値ある働き。安価での再契約に期待 |
James Jones |
WR |
29 |
WRボイキンの台頭で地位低下。「再契約見送りの方向」との報道あり |
Jermichael Finley |
TE |
26 |
首の手術で再契約の可能性はさらにダウン |
Andrew Quarless |
TE |
25 |
代役先発も出来はいまひとつ。安ければ再契約も |
Evan Dietrich-Smith |
C |
27 |
堅実なスターター。高額契約には値しないが、若手に賭けるのはリスクが大きい |
Marshall Newhouse |
OT |
25 |
先発経験は豊富だが成長は止まっている。OT陣の充実で可能性低い |
B.J. Raji |
DT |
27 |
知名度とはかけ離れたプレー内容。けっきょく4-3ディフェンス向きなのか |
Ryan Pickett |
DT |
34 |
ケガさえなければまだいける。ただしネックは年齢。1年か2年契約なら |
Johnny Jolly |
DT |
31 |
長い出場停止を経て復活したがが首の大ケガ |
C.J. Wilson |
DE |
26 |
ジョリー復帰で出番わずか108スナップ。ラン守備は悪くないが |
Mike Neal |
OLB |
26 |
DEから転向した成果はそれなり。伸びシロはあるが評価が難しい |
Robert Francois |
ILB |
28 |
スペシャルチームの中核だが第5週にアキレス腱断裂。回復は順調らしい |
Sam Shields |
CB |
26 |
現在パッカーズの最重要FA選手。交渉が続いているとの報道 |
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|
|
|
2014 Packers Restricted Free Agents |
Name |
Pos |
Age |
備考 |
Jamari Lattimore |
ILB |
25 |
控えILB兼スペシャルチーマーとして能力は見せている。再契約だろう |
M.D. Jennings |
S |
25 |
ディフェンス不振の元凶の1人。パッカーズはオファーしないとの報道あり |
2014年2月23日
インディアナポリスではスカウティング・コンバインがスタート。40yds走など身体能力測定に注目が集まるが、じっさいNFL球団が重視するのはフィジカルチェック(ケガの治り具合)や個別面談といった部分。選手評価は半年以上のスカウティングによってすでに大方のところ定まっていて、コンバインやプロデイの結果によって動くとしても「微調整にすぎない」というのが現実らしい。今後ドラフト本番までに「評価が上がってきた」「下がってきた」と取り沙汰されたとしても、それはNFL各球団による評価の高さ・低さをメディアがおくればせながら察知したにすぎない。
コンバインには各球団首脳やメディア多数が集まるだけでなく、FA予定選手の代理人たちも活発に動いている(FA解禁までは他球団と交渉できない建前だが)。現地金曜にはパッカーズのヘッドコーチとGMがそれぞれ会見を行った。
- マイク・マッカーシーHCからは興味深い話がいくつか出てきた。
- FA予定選手たちについて聞かれるとそのたびに「彼にはぜひ戻ってきてほしい」と答えている。GM兼任でないおかげで、こうしたリップサービスはいくらでもできる。
- 「ディフェンスに変更を加えたい」と先日語ったことに関して、少し突っ込んだ内容。「もっと多様なスキームで多くの選手を活用したい。これまでなかった何かを新たに加えるということではない。ドム(ケイパース)のプレーブックの中にすでにあるものだ。ただもっとヴァーサタイルに選手たちを動かしたい。昨年は(ケガの多さによって)準備した戦術を使い切れない試合ばかりだった」
- 上記の「ヴァーサタイルな使い方」に関してOLBニック・ペリーの名前を挙げ、いわゆるエレファント・エンドで起用する可能性を示唆した。OLBとDEの中間のようなもので、相手TEのインサイド・ショルダーにセットする(7テクニック)とマッカーシーHCは説明している。
- CBマイカ・ハイドをセーフティに転向させる可能性について聞かれ、 「彼にはインパクト・プレーヤーになれる能力が間違いなくある。私から見ると彼はマルチプル・ポジションのプレーヤーだ。3ダウンすべてプレーするべきだと私は強く感じている」とコメント。ウッドソンの末期と同じようにCB/S兼任があるのか。
- OTブライアン・ブラガ(ACL断裂のリハビリ中)を右タックルに戻すことを示唆。会見では「タックルの左右は未定」としたものの、直後のインタビューで率直なコメントが出た。 「最終決定をしたわけではないが、(バクティアリをLTに残すのが)論理的な考え方だろう」
- QBマット・フリンとの再契約を望むとしながらも、ドラフトでのQB指名にも前向き。 「我々にはQBが4人必要だし、ドラフトで新人を加えたいと私は望んでいる」。 ただし、新労使協定による練習制限によって若手QB育成の機会が少なくなったことを嘆いている。
- TEジャーマイケル・フィンリーの首のケガについて。「彼がフットボールに戻ってこれると私はとても楽観している。(早期引退を強いられた)FSニック・コリンズと似ている、という話し合いなどなかったし、私の知るかぎり、彼は非常によくやっている」
- RBエディー・レイシーについて。 「今後の焦点は3ダウン・プレーヤーになることだ。1試合を通して3ダウン全てでプレーできなくてはいけない。そうすれば、昨年よりもさらによいローテーション起用ができるようになる」
- テッド・トンプソンGMの会見では例によって具体的な話が一切なく、一般論に終始。記者たちは他球団のGMと比べて嘆いている。
- FA予定選手との契約問題。
- 2014年度のサラリーキャップは当初予想より$4ミリオンほど増えて$130ミリオンとなる見込み。2013年の$123ミリオンから約5%のアップとなる。
- Journal Sentinel紙が関係筋に聞いたところによると、CBサム・シールズが求めているのはベアーズのCBティム・ジェニングス並の契約とのこと。総額$22.4ミリオンの4年契約で、年平均$5ミリオン台はパッカーズにとって無理のない金額に思われる。
- 11月に首の手術を受けたTEジャーマイケル・フィンリー。Sports Illustrated誌によると、3月11日のFA解禁までにグリーンベイを訪れてフィジカルチェックを受ける見込み、とのこと。同誌は彼の精力的なワークアウトの様子を写真入りで紹介している。
- 2015年にはWRジョーディ・ネルソンとWRランドール・コブがFAとなる。 「僕の知るかぎりではまだ交渉はないけど、ぜひ再契約したいと思っている。早く契約がまとまって、こうした話をせずに済むようになればありがたい」とWRコブ。いっぽうNFL.comによると、パッカーズの最優先事項はWRネルソンとの契約延長とのこと。
- RBマイケル・ヒルと再契約した。昨年ミズーリ・ウェスタン大からドラフト外。プラクティス・スクワッドからロースターに昇格し、第5週・第6週と出場(スペシャルチームのみ)したあと解雇。11月半ばにバッカニアーズと契約して6試合に出場したものの、オフに入って警察沙汰(バーでの騒動)を起こし、解雇されていた。
- レイプ容疑2件で起訴された元Sダレン・シャーパーは無罪を主張。保釈金が$20万ドルから$1ミリオンへ増額されたことからも、状況の深刻さがわかろうというもの。他にもアリゾナ、ルイジアナ、ネヴァダで計5件の容疑(2011年-2013年)がかけられ、名乗り出る被害女性がさらに増える可能性も指摘されている。
2014年2月15日
ここ数日のニュースをまとめて。
- TEレイモンド・ウェバー Raymond Webber と契約。アーカンソー大パインブラフ校ではWRをプレーしていたアスレチックな選手で、40yds走は4.50秒。身長6-2(188cm)、237ポンド(108kg)。2011年ドラフト外でバッカニアーズに入り、2012年はジェッツでキャンプを過ごしたあと解雇。CFLカルガリへ移ったがそこでも開幕前に解雇されていた。大学最終年にはパスキャッチ101回1429yds・10TDと、並外れた数字を残している。
- タイトエンド陣ではフィンリーとクウォレスがFA予定だが、今回の契約がそうした状況と関係あるかどうかはわからない。大学でWRをしていたというのはTEブランドン・ボスティックと同じ。
- C/Gグレッグ・ヴァンローテンが解雇された。足の負傷のため10月にインジャリーリザーブ入りしていたが、ケガはもう治っているようだ。パッカーズは先発Cディートリック=スミスがFA予定のためセンターの層が薄く、このタイミングでの解雇は意外なところ。昨夏のキャンプではセンター修業が順調に進まなかったのはたしか。いつもながらトンプソンGMは2年目に伸びなかった選手に厳しい。
- C/Gグレッグ・ヴァンローテン Greg Van Roten はペンシルヴェニア大から2012年ドラフト外で入団、プラクティス・スクワッドからロースター昇格を果たした。昨年は10月初めの練習で足を負傷してインジャリーリザーブ入り。パッカーズから解雇されたあと、すでにシーホークスと契約している。シーホークスといえば、おなじく元パッカーズのブレノ・ジャコミニが先発RTを務めている。
- コーチングスタッフにデヴィッド・ライ David Raih が加わった。オフェンシブ・アシスタントとの報道もあるが、空席になった "coaching administrator" かもしれない。アイオワ大出身の33歳。腕のケガのため大学途中でQBを断念、卒業後は就職して3年間働いたあとフットボールに戻ってきた。母校の院生助手を経て、テキサス工科大でアウトサイドレシーバーコーチ兼 "Director of High School Relations" を務めていた。
- ウィンストン・モスが全LBをコーチすることになったため、「ひょっとして4-3ディフェンスへの変更か」との憶測もあったが、新コーチ陣は3-4ディフェンスの続行を明言。ただしマッカーシーHCは、「ディフェンスにはいくつか変更を加えたい」としている。
- アレックス・ヴァンペルト新QBコーチはQBマット・フリンとの再契約を望むコメント。「マットは大きな実績があり、このシステムで成功を収めている。このシステムにおいて、すべてのオーディブルを含めてクォーターバックの仕事をフルにこなすのはとても大変なんだ。それだけに、このシステムを理解しているというのは非常に大きい」
- NFL Networkのイアン・ラポポート記者は、「$30ミリオン近いキャップスペースを活かし、今年のパッカーズはフリーエージェント市場で買い物をする考え。とくにケイパースDCのフィロソフィーに合った選手を獲ってディフェンス再建に取り組む」と報じている。アテにならない話だが、同記者は最近パッカーズ関係でスクープが多いのはたしか。パッカーズファンにとって3月は6月と同じぐらいヒマな季節だが、今年は多少違うかもしれない。
- いっぽう地元Press-Gazette紙は、「トンプソンGMの哲学に変化はなく、高額FA獲得は考えにくい」と上記報道を否定している。
- パッカーズ、ヴァイキングス、セインツの3球団で活躍したSダレン・シャーパー(プロボウル5回)が2件のレイプ容疑で起訴された。ロサンゼルスのホテルにて、複数の女性に薬物(いわゆるデートレイプ・ドラッグ)を飲ませて暴行した疑い。1月17日に逮捕され、20万ドルの保釈金を払って釈放されている。ロサンゼルスにとどまらず、9月のニューオーリンズでの事件も捜査の対象になっているらしい。今回の逮捕にともない、解説者を務めていた NFL Network からも職務停止処分に。
2014年2月14日
今回もおもにJournal Sentinel紙の集計による雑多なスタッツ集のディフェンス編。但し書きがないかぎりプレーオフを含めた17試合での数字であり、記者が映像を見て判定した主観的なデータが多いことにも注意。
◆ タックリング関連
- チーム全体のミスタックルが前年の100回から127回へと大幅増加。近年最悪だった2011年(140)ほどではないがやはり残念。優勝した2010年は20試合で133回だった。
- ディフェンスの個人ミスタックル数は、Sバーネット(17)、OLBニール(13)、ILBホーク(12)、CBシールズ(12)、ILBジョーンズ(9)、Sジェニングス(8)、ILBラティモア(6)、CBウィリアムズ(6)、OLBマシューズ(5)、CBハウス(5)、Sバンジョー(5)、Sマクミリアン(4)、DEラジ(3)、OLBペリー(3)、NTピケット(2)、DEダニエルズ(2)、DEジョーンズ(2)、OLBムルンバ(2)、CBハイド(2)、CBヘイワード(2)、Sリチャードソン(2)、DEジョリー(1)、DEウィルソン(1)、DEボイド(1)、DEウォージー(1)、CBブッシュ(1)、OLBパーマー(0)。
- Sバーネットは3試合欠場しながらチーム最多のミスタックル17回。大型契約延長したチームの期待を裏切っている。CBシールズも前年の3回から12回へ。いっぽうCBウィリアムズはミスタックル6回で、前年の11回(チーム最多タイ)、2011年の17回から改善してきた。
- スペシャルチームのミスタックルは30回で、前年の19回から大幅に悪化。2011年の37回よりはマシだ。
- スペシャルチームの個人ミスタックル数は、OLBムルンバ(5)、ILBラティモア(3)、CBブッシュ(3)、CBハイド(3)、CBハウス(3)、TEテイラー(2)、TEストーンバーナー(2)、Sバンジョー(2)、FBクーン(1)、ILBバーリントン(1)、OLBパーマー(1)、CBニクソン(1)、Sジェニングス(1)、Pマステイ(1)、LSグード(1)。
- ロスタックルはチーム全体で48回。2012年の41回、2011年の42回とくらべて向上している。
- 個人のロスタックル数は、ILBホーク(5.5)、DEダニエルズ(5)、DEジョリー(4.5)、OLBニール(4.5)、OLBマシューズ(3.5)、DEラジ(3)、ILBジョーンズ(3)、CBウィリアムズ(2.5)など。
- いっぽうロスタックルがゼロだったのは、DEジョーンズ、CBシールズ、CBハウス、Sマクミリアンなど。
- パッカーズコーチ陣の判定によるタックル数(トータル)は、ILBホーク(159)、Sバーネット(113)、ILBジョーンズ(104)、CBウィリアムズ(93)、Sジェニングス(84)、CBシールズ(64)、OLBニール(62)、NTピケット(54)、OLBマシューズ(50)、OLBペリー(48)、DEダニエルズ(41)、DEラジ(40)、DEジョリー(38)、ILBラティモア(38)など。
- DL陣のタックル・パー・プレー(何スナップに1回タックルを決めたか)は、DEジョリー(7.6)、NTピケット(9.9)、DEウィルソン(10.3)、DEボイド(11.6)、DEダニエルズ(13.2)、DEジョーンズ(13.9)、DEラジ(16.4)。
- ILB陣のタックル・パー・プレーは、ILBジョーンズ(6.2)、ILBホーク(6.7)、ILBラティモア(7.0)。
- OLB陣のタックル・パー・プレーは、OLBペリー(8.9)、OLBムルンバ(9.4)、OLBパーマー(10.8)、OLBマシューズ(11.2)、OLBニール(11.9)。
- CB陣のタックル・パー・プレーは、CBハイド(7.7)、CBブッシュ(10.5)、CBウィリアムズ(11.9)、CBシールズ(13.8)、CBハウス(14.6)。
- S陣のタックル・パー・プレーは、Sバーネット(8.1)、Sジェニングス(9.9)、Sマクミリアン(11.2)、Sリチャードソン(11.4)、Sバンジョー(12.8)。
- スペシャルチームでのタックル数は、CBハウス(12)、Sバンジョー(10)、CBハイド(8)、TEボスティック(7)、ILBラティモア(7)、CBブッシュ(7)、ILBアイエワ(6)、TEテイラー(6)、OLBムルンバ(5)、Sジェニングス(5)、Sリチャードソン(5)など。
◆ パスラッシュ関連 (プレッシャーとはサック + ノックダウン + ハリー)
- チーム全体のサックは47回で、1試合あたり2.76回。2012年は2.83回、2011年は1.76回だった。
- 個人サック数は、DEダニエルズ(7.5)、OLBマシューズ(7.5)、OLBペリー(5)、OLBニール(5)、ILBホーク(5)、ILBジョーンズ(4)、DEジョーンズ(3.5)、CBウィリアムズ(2.5)、ILBラティモア(2)、DEジョリー(1)、OLBムルンバ(1)、CBハイド(1)、CBハウス(1)、Sジェニングス(1)。
- サックがゼロだったのは、NTピケット、DEラジ、DEウィルソン、DEボイド、OLBパーマー、CBシールズ、CBブッシュ、Sバーネットなど。
- アンネセサリーラフネス判定が厳しくなってきたため、ノックダウンは2012年の52回から31回へと大幅減。OLBマシューズ(7.5)、DEジョーンズ(4)、OLBニール(4)、DEダニエルズ(3.5)など。ハリーはOLBニール(21)、DEダニエルズ(20)、OLBペリー(13)など。
- 個人のプレッシャー回数は、DEダニエルズ(31)、OLBニール(30)、OLBマシューズ(21)、OLBペリー(18.5)、DEジョーンズ(10.5)、ILBホーク(10)、ILBジョーンズ(8)、DEラジ(7.5)、OLBムルンバ(6)、DEジョリー(4)、ILBラティモア(4)、CBウィリアムズ(3.5)、NTピケット(3)、OLBパーマー(3)、CBハイド(2.5)、CBハウス(2)など。
- チーム最多プレッシャーが31回(DEダニエルズ)というのは2000年(DEジョン・シエリー)以来チーム最少。
- DL陣のプレッシャー回数は58回で、前年の64.5回からダウン。2011年は37回。優勝した2010年は101.5回もあった。
- DL陣のプレッシャー・パー・スナップ(何スナップに1回プレッシャーをかけたか)もDEダニエルズがベストの17.4回。以下DEジョーンズ(25.1)、DEジョリー(71.8)、DEラジ(87.3)、DEボイド(116)、DEウィルソン(123)、NTピケット(178)。つまり、パスラッシャーとしてそれなりに使えるのはDEダニエルズとDEデイトン・ジョーンズだけということだ。
- OLBマシューズのサック大幅減(16→7.5)は親指負傷によるもの。プレーオフふくめ6試合を欠場し、出場はディフェンス全体の50.8%。ギブスをしながらのプレーも多かった。入団以来4年連続でチーム最多プレッシャーだったがそれも途切れた。
- ProFootballFocusによると、OLBペリーの Pass Rushing Productivity は10.2で、3-4のOLB中14位。左サイドが7.6(28位)なのに対し、右サイドからが16.8(2位)と極端だった。
- いっぽうOLBマシューズの Pass Rushing Productivity はキャリア最低の9.6(21位)にとどまった。左9.3/右9.6と大差ないが、その前の2年間は左サイドの方がパスラッシュ成功率がよかった。
- DEラジは優勝した2010年シーズンにプレッシャー33回を記録。以後、2011年19.5回、2012年19回、そして2013年は7.5回と減少が続いている。DEダニエルズの台頭もあってパスラッシュ機会そのものが減っている。
- ブリッツ(5人以上ラッシュ)はパスプレーの35.9%で、2012年の35.4%とほぼ同じ。2011年はパスラッシュ不振のため42.2%の高率だった。
- 6人以上のラッシュは6%にのぼり、2012年の3.3%から倍増。ケイパースDC就任5年間でもっとも高かった。7人以上のラッシュは2012年はゼロだったが、今季は5回あった。
- ILB陣のラッシュは165回。2012年は188回、2011年は348回もあった。
- いっぽうCB陣のラッシュは84回で、2012年(64)より大幅に増えているが、2011年(154)よりは普通だ。S陣のラッシュはわずか38回で、2012年の96回とくらべて激減している。ウッドソン移籍のせいか。
- もっとも効果的なブリッツァーはILBラティモアで、ラッシュ3.5回に1回プレッシャーをかけている。以下ILBジョーンズ(6.1)、CBウィリアムズ(9.7)、ILBホーク(10)、Sジェニングス(12.7)、CBハイド(14.8)。
- (ラインで)パスを叩き落としたのはわずか7回で、パッカーズでは2004年以来最少だった。過去8年間の平均は13.8回。今季の内訳は、NTピケット(2)、OLBマシューズ(2)、DEジョリー(1)、OLBペリー(1)、CBウィリアムズ(1)。
◆ ビッグプレー関連
- (ラン・パス合わせて)20yds以上のゲインを許したプレーは85回にのぼり、2012年の71回(試合数が1つ多い)よりも大幅に増えてしまった。2011年とならび、Journal Sentinel紙が1994年に集計を始めて以来最悪の数字。
- 20yds以上のゲイン85回の内訳は、ランが18回、パスが67回。ランによる18回はパッカーズの過去20年で最多。
- 20yds以上のランに責任のあった個人はILBホーク(3.5)、OLBニール(3)、ILBジョーンズ(2.5)、DEダニエルズ(1.5)、Sバーネット(1.5)、OLBペリー(1)、OLBムルンバ(1)、Sバンジョー(1)、DEジョリー(0.5)、DEラジ(0.5)、NTピケット(0.5)、ILBラティモア(0.5)。
- 以下は20yds以上のランに責任のなかった選手。OLBマシューズ、OLBパーマー、CBウィリアムズ、CBシールズ、CBハイド、CBハウス、CBヘイワード、CBブッシュ、Sジェニングス、Sリチャードソン。
- 20yds以上のパスに責任のあった個人は、CBシールズ(10)、CBウィリアムズ(8.5)、CBハウス(6.5)、ILBホーク(6)、CBハイド(5.5)、ILBジョーンズ(5)、Sバーネット(5)、Sジェニングス(3.5)、Sマクミリアン(3)、OLBマシューズ(2.5)、OLBニール(2)、OLBペリー(1.5)、OLBムルンバ(1.5)、Sバンジョー(1)、DEジョリー(0.5)。
- CBウィリアムズは20yds以上のパスが2011年の16回、2012年の9回から減ってきている。逆にCBシールズは2012年の4.5回から倍増してしまった。
- TDパスを許したのは31回で、2012年の27回から増えてしまった。
- TDパスに責任のあった個人は、Sジェニングス(4.5)、CBウィリアムズ(4)、CBシールズ(3.5)、Sバーネット(3.5)、ILBホーク(3.5)、CBハウス(3)、Sマクミリアン(3)、CBハイド(1)、Sリチャードソン(1)、ILBジョーンズ(1)、ILBラティモア(1)、OLBムルンバ(1)、OLBマシューズ(0.5)、OLBペリー(0.5)。
- パスディフェンドでは、CBブッシュが31.5プレーに1回パスを叩き落としてチームベスト。以下、CBハウス(32.9)、CBシールズ(35.2)、CBウィリアムズ(64.8)、CBヘイワード(87)、CBハイド(87.8)、Sバーネット(92)、Sリチャードソン(172)、Sマクミリアン(190)、Sバンジョー(192)、Sジェニングス(417.5)。
- LB陣のパスディフェンドは計12回。ILBホーク(5)、OLBマシューズ(3)、ILBジョーンズ(2)など。
◆ テイクアウェイ関連 (インターセプト + ファンブルリカバー)
- レギュラーシーズンのテイクアウェイは22回でNFL21位。2年前はNFL1位タイの38回もあった。
- ターンオーバーレシオは2011年が+24(2位)、2012年が+10(10位)、2013年が-3(19位)。2年連続の大幅ダウンとなり、マッカーシーHCが就任して以来初のマイナスに。
- ターンオーバープレー(INT、ファンブルフォース、ファンブルリカバー)は、CBウィリアムズ(8)、CBシールズ(4)、Sバーネット(3)、ILBホーク(3)、OLBマシューズ(3)、OLBペリー(3)、CBハイド(2)、ILBジョーンズ(2)、OLBニール(2)、Sジェニングス(1)、ILBラティモア(1)、DEジョリー(1)、OLBムルンバ(1)、CBハウス(1)、DEジョーンズ(1)、CBブッシュ(1)。
- ターンオーバープレーがゼロだったのは、NTピケット、DEラジ、DEダニエルズ、Sリチャードソンなど。
- CBウィリアムズは2010年(12回)以来3年ぶり2回目のチーム最多。
- ILBホークは過去2年連続でターンオーバープレーがゼロだったが、今季は3回。(インターセプト1回、ファンブルフォース1回、リカバー1回)
2014年2月13日
2013年パッカーズに関するさまざまなスタッツを紹介。但し書きがないものはすべてJournal Sentinel紙によるもので、プレーオフを含めた17試合での数字となっている(記者が判定した主観的なデータが多いことも注意)。今回は主にオフェンスについて。
◆ クォーターバック関連
- QBロジャースのTDパス18回の平均の長さは23.6yds。2012年は17.0yds、2011年(MVPシーズン)は23.0yds、2010年も23.0yds、2009年が24.0yds、2008年が15.6ydsだった。破壊力が低下した2012年から立ち直ったといえる。
- QB陣全体で35yds以上のパス成功は18回。2012年はマッカーシーHC就任以来最低のわずか12回だったが、こちらも破壊力が復活してきた。2011年17回、2010年17回(20試合)。
- 相手のブリッツ(5人以上ラッシュ)は全ドロップバックの23.2%で、2012年の19.9%(過去15年間で最低だった)から上がって2011年並みに。「6人以上ラッシュ」も前年の4.3%から7%にアップしている。2012年は「ブリッツせずカバレッジを厚くする」というロジャース対策に苦しんだシーズン。その傾向が弱まったのはロジャース欠場のせいかどうなのか。
- QBロジャースは過去2年連続でレーティング(レギュラーシーズンのみ)首位だったが、今季は104.9で5位に。先発2年目から5年連続でレーティング100以上をキープし、通算レーティング104.9でNFL史上1位を堅持。2位のペイトン・マニングに7.7もの大差をつけている。(リスト)
- QBロジャースのインターセプト6回のうち、彼の責任によるものは4回とJS紙は判定。ショットガンでのインターセプトは5回にのぼる。インターセプト時の平均リリースタイムは2.55秒で、前年の3.11秒から大幅に短くなった。この変化がなにを示しているのかよくわからないが。
- 今季もQBロジャースはINTリターンTDをされなかった。彼がINTリターンTDを許したのは2009年第9週TD戦でのわずか1回だけ。いっぽうQBブレット・ファーヴはパッカーズでの11年でなんと23回、年平均2.1回も喰らっている。
- ProFootballFocusによると、パスの正確性を示す Accuracy Percentage ではQBロジャースが79.3%でNFLトップ。落球はパス成功とし、投げ捨てやスパイクはパス試投から除外して計算している。
- おなじくProFootballFocusの集計によるディープパス(20yds以上ダウンフィールドに飛んだもの)成功率は52.8%でQBロジャースが2位。
- ProFootballFocusによると、QBフリンがプレーアクションした際のレーティングが114.0、しなかったときが79.6と極端だった。
- (ラン・パス合わせて)20yds以上のロングゲインは78回(1試合あたり4.58回)で前年の70回(3.89回)より増加し、2011年(4.59回)とほぼ同じに復活してきた。ただしランによるビッグゲインの比率が4%ほどアップしている。
◆ レシービング関連
- チーム全体の落球は17試合で26回。1試合あたりわずか1.53回で、2003年(1.44)以来の10年間で最低に抑えることができた。2012年が2.11回、2011年が2.65回、2010年が2.30回だった。
- WR陣の落球はわずか12回で落球率3.2%。2010年が7.3%、2011年が6.43%、2012年が5.81%、そして今季と3年連続で改善している。
- WR個人の落球率は、WRコブ(0%)、WRネルソン(2.25%、2008年以来のベスト)、WRジョーンズ(4.1%)、WRボイキン(5%)、WRマイルズ・ホワイト(8.3%)。
- WRコブはこれまで時おりイージーな落球があったが、今季はゼロ(0/46)。2012年の9%(10/110)から劇的な向上を遂げて課題をクリアした。
- TE陣の落球率は、TEクウォレス(4.9%)、TEフィンリー(8.8%)、TEテイラー(11.1%)、TEボスティック(13.3%)。
- RB/FB陣の落球率は、RBフランクリン(0%、ターゲット5回のみ)、FBクーン(5%)、RBレイシー(6.3%)、RBスタークス(7.15%)。
- シーズン最多落球はWRジョーンズとWRボイキンの4回。最多落球選手がわずか4回というのはパッカーズの過去20年で最少だった。(もっとも多かったのは2011年TEフィンリーの11回)
- ProFootballFocusによると、QBごとの落球率はロジャース(4.8%)、フリン(6.0%)、トルジーン(5.6%)、ウォレス(0%)だった。
◆ パスプロテクションおよびランブロッキング
- 1試合あたりの被サックは2.88回(49回/17試合)で、前年の3.06回(55回/18試合)より減らすことができた。ただし2011年(2.65回)や2010年(2.3回)よりは多い。
- レギュラーシーズンの被サック率は7.3%(NFL21位)となり、前年の8.4%(28位)から改善した。2011年は6.8%(22位)、2010年は6.6%(20位)。ロジャース時代に入ってから上位半分に入ったことがない。
- レギュラーシーズンのQB別の被サック率は、QBロジャース(6.8%)、QBフリン(9.3%)、QBトルジーン(3.2%)、QBウォレス(14.3%)となっている。
- 被サック責任は多い方から、RTバークレー(9.5)、LTバクティアリ(6.5)、Cディートリック=スミス(6)、QBロジャース(5.5)、RTニューハウス(5)、RBレイシー(5)、QBフリン(3.5)、TEクウォレス(2)、RBスタークス(2)、RGラング(1)、LGシットン(1)、TEフィンリー(0.5)となっている。
- FBクーンはみごと被サック責任ゼロだった。RB陣は過去5年間あわせて11.5回しかなかったが、今季はRBレイシーとRBスタークスを合わせて7回もあった。
- プレッシャー(サック、ノックダウン、ハリーの合計)の責任は、RTバークレー(39)、LTバクティアリ(37)、RTニューハウス(18)、Cディートリック=スミス(17.5)、RGラング(17.5)、LGシットン(12)、RBレイシー(8)、QBロジャース(6.5)、RBスタークス(4.5)、QBフリン(3.5)、TEクウォレス(3.5)など。
- LGシットンとRGラングは被サック責任1回ずつと非常によいシーズンだった。
- 負傷欠場を加味しても、QBロジャースは被サック責任もプレッシャー責任も大きく減らしている。球離れを早くした成果だろう。2012年は被サック責任14回(チーム最多)、プレッシャー責任20回だった。
- "Bad Run"(ショートヤーデージ状況を除く1ヤード以下のラン)は今季123回あり、ラン全体の25.1%。前年の24.2%より悪くなっているのは、ラン攻撃の諸スタッツが改善していることからすると意外だ。2011年は24.4%。
- 個人で"Bad Run"に責任のあった回数は、Cディートリック=スミス(22)、LTバクティアリ(15.5)、TEクウォレス(15)、RGラング(13.5)、RTバークレー(11.5)、LGシットン(8.5)、TEテイラー(5)、RBレイシー(5)、TEボスティック(4)、RBスタークス(3)など。
- RTニューハウスは250スナップ出場して"Bad Run"責任はゼロだった。FBクーンの1回も立派。
◆ ファンブル
- レギュラーシーズンのギブアウェイは25回(被インターセプト16回+ファンブルロスト9回)でNFL14位タイに。2012、2011年と2年連続2位だったが、代役QB陣のインターセプトが響いた。
- プレーオフを含めたチーム全体のファンブルは21回、ロスト9回。前年(1試合多い)の19回/9回から増えている。ただしファンブルロストからの失点は35点で、2012年・2011年の48点から減らしている。
- ファンブルを複数回した選手はQBロジャース(ファンブル5回/ロスト0回)、QBフリン(4回/4回)、RBフランクリン(2回/1回)、WRジョーンズ(2回/1回)、CBハイド(2回/0回)。
- RB陣を合わせてファンブル4回、ロスト2回。前年よりは増えたが、それでもかなり少ない。
- ファンブルがなかったのは、QBトルジーン、QBウォレス、WRネルソン、WRコブ、WRボイキン、TEフィンリー、TEクウォレス、TEボスティック。TE陣はテイラーの1回だけだった。
- Cディートリック=スミスはショットガンスナップのファンブルがゼロ。パッカーズのセンターとしては4年連続。
◆ 反則
- 昨年急増した反則だが、今季はふたたび減らすことに成功。レギュラーシーズンの反則86回は8位、反則801ydsは14位。前年は回数で19位、ヤードで24位だった。
- もっとも反則が減ったのはディフェンスで、前年の48回から28回へ減らすことができた(プレーオフ含む)。2012年の48回は2007年以来チーム最多だった。
- DL陣の反則は2011年がゼロ、2012年が13回に急増、今季は4回に減っている。DEラジ、DEダニエルズ、DEジョリー、DEジョーンズが各1回。
- 複数回反則を犯したディフェンス選手はCBウィリアムズ(8回、キャリア最多)、OLBペリー(3)、CBシールズ(2)、Sバーネット(2)。
- 反則ゼロだった選手は、NTピケット(過去4年で3回目)、DEボイド、DEウィルソン、ILBラティモア、OLBパーマー、CBハイド、CBヘイワード、Sジェニングス、Sリチャードソン。CBハイドはタイトなカバレッジをしているのにゼロは立派。いっぽうSジェニングスは反則できるほどレシーバーの近くにいないせいか。
- オフェンスの反則は42回で、前年の43回よりも1つ減っている。オフェンスとしては2007年以来最少。
- OL陣の反則は、LTバクティアリ(10)、LGシットン(6)、RGラング(5)、Cディートリック=スミス(4)、RTバークレー(4)、RTニューハウス(2)。
- スキルポジションの反則は、WRボイキン(2)、TEフィンリー(2)、TEクウォレス(2)、QBロジャース(1)、FBクーン(1)、WRコブ(1)。
- RB陣の反則は2年連続でゼロ。
- スペシャルチームの反則は前年とおなじ19回。CBハウス(3)、TEストーンバーナー(3)、ILBアイエワ(2)など。
2014年2月 9日
パッカーズが新コーチングスタッフ全員を発表した。OLBコーチは特に置かず、ILBコーチ(兼アシスタントHC)のウィンストン・モスが「LBコーチ」として全LBを指導することになった。過去5年間ディフェンスのクォリティ・コントロールを務めてきたスコット・マカーリーがアシスタントLBコーチとなってモスを補佐する。
空席となっていたRBコーチには元名フルバックのサム・ギャッシュ、アシスタントSTコーチには元イリノイ大HCのロン・ズックが就任する。ディビジョンIの2大学でヘッドコーチを務めたロン・ズックはヘビー級の人事だ。アシスタント・トレーニングコーチには、かつてパッカーズで控えLBを務めたクリス・ギジーが加わる。
クォリティ・コントロールとはNFLコーチのいわば登竜門で、ここでの働きぶりが認められてポジションコーチへと昇格していくことが多い。仕事は多岐にわたるが、来週以降の対戦相手の分析をするのが大きな役目。たいへんな時間をつぎ込んで映像やスタッツを詳細に分析し、ゲームウィークに備える。実際に対戦する週になれば、自分は次の相手の分析に移っている。また、練習でスカウトチーム(対戦相手を模す)を指揮するのも彼らの役割らしい。特定のポジションコーチのアシスタントを兼ねることも多い。
◆ ◆ ◆
RBコーチのサム・ギャッシュ Sam Gash はペン州立大出身の44歳。かつては優秀なフルバックだった。1992年8巡指名でNFL入りし、ペイトリオッツで6年、ビルズで2年、レイヴンズで3年、ふたたびビルズに戻って1年プレーした。通算ラッシング327yds・2TD、パスキャッチ169回1347yds・13TD。プロボウルにも2回選ばれている。2006年にはジェッツのアシスタントRBコーチ、2007年はライオンズでアシスタントSTコーチを務め、翌2008年にRBコーチに昇格。2012年シーズン終了後に解雇されていた。
◆ ◆ ◆
QBコーチにアレックス・ヴァンペルト Alex Van Pelt が就任するのは既報どおり。ピッツバーグ大出身の43歳。大学ではマッカーシーHC(当時QBコーチ)の指導を受け、NFLではビルズで10年間にわたって控えQBを務めた。代役スターターとしては3勝8敗。通算レーティングは64.1。引退後はビルズ(2009年にはOCも兼任)とバッカニアーズでQBコーチを務めたあと、2012年からパッカーズのRBコーチを務めていた。
◆ ◆ ◆
オフェンスのクォリティ・コントロールにはルーク・ゲッツィー Luke Getsy が就任。アクロン大出身の30歳。大学ではクォーターバックとして活躍し、同大初のボウルゲーム出場にも貢献した。2007年ドラフト外で49ersに入団したが開幕ロースターには残れず、すぐに母校に戻ってコーチの道へ。インディアナ大(ペンシルヴェニア州)でOC兼QBコーチとなり、昨年はウェスタンミシガン大のWRコーチを務めていた。
◆ ◆ ◆
ウィンストン・モス Winston Moss はILB専任からLBコーチとなり、アシスタントヘッドコーチの兼任はこれまでどおり。マイアミ大出身の48歳。1987年2巡指名でバッカニアーズに入団し、レイダーズ、シーホークスの3球団で11年間にわたって活躍した。引退後は2球団でクォリティ・コントロールを務めたあと、2000年から2005年までセインツのLBコーチ。そこで同僚だったマッカーシーHCの招きで2006年にパッカーズのLBコーチとなり、翌年からアシスタントHCを兼任。2009年にディフェンスコーチ陣が入れ替わった際も唯一留任し、ILBコーチを務めていた。
◆ ◆ ◆
アシスタントLBコーチのスコット・マカーリー Scott McCurley はクォリティ・コントロールからの昇格となった。33歳。ウォークオンで入ったピッツバーグ大ではLBをプレーした。卒業すると母校で院生助手としてコーチ修業を始め、QBジョー・フラッコを指導したことも。パッカーズではインターンを経て2007年に Coaching Administrator として正式採用。2009年にクォリティ・コントロールとなり、同職を5年間務めてきた。これまでもグリーンOLBコーチをアシストしてきたので、実際の仕事はあまり変わらないかもしれない。
◆ ◆ ◆
ディフェンス/スペシャルチーム・アシスタントにはジェイソン・シモンズ Jason Simmons が就任。アリゾナ州立大出身の37歳。1998年ドラフト5巡でスティーラーズに入団し、2002年からはテキサンズでプレー。NFL10年間のうちほとんどはスペシャルチーマーで、先発は12試合のみ。テキサンズのヘッドコーチだったケイパースDCとの縁か、2011年にパッカーズに加わり、 coaching administrator を3年間務めてきた。
◆ ◆ ◆
ディフェンスのクォリティ・コントロールにはジョン・ラッシング John Rushing がオフェンスから移ってくる。ワシントン州立大出身の41歳。大学ではDBとして4年間先発し、卒業後すぐにコーチの道へ。ボイジー州立大ではDBコーチとしてSクインティン・マイケル、ユタ州立大ではCBジャレット・ブッシュを指導したことも。2008年夏にNFLのマイノリティ・インターン制度でパッカーズに加わり、翌年正式採用されてオフェンスのクォリティ・コントロールに。2011年からはスペシャルチームのアシスタントを兼ねていた。
◆ ◆ ◆
アシスタントSTコーチのロン・ズック Ron Zook はマイアミ大(オハイオ)出身の59歳。大学卒業後すぐにコーチの道に進み、カンザス大DCやフロリダ大アシスタントHCなどを務めたあと、1996年から3年間スティーラーズのSTコーチ。2000年から2年間セインツのDCを務め、そこでマッカーシーHC(当時QBコーチ)と同僚だった。2002年から2004年までフロリダ大HCを務めたあと解任されたが、彼のリクルートした選手たちが後に全米制覇を成し遂げている。2005年から2011年までイリノイ大HCを務めたが、解任後の2年間は浪人していた。
イリノイ大はウィスコンシン大と同カンファレンスなので、パッカーズの地元ファンにとってはなじみの顔。ふつうアシスタントSTコーチはかけ出しの若手コーチがなるもので、一流大のヘッドコーチだったような人物が就任するのはきわめて珍しい。それだけマッカーシーHCがスペシャルチーム強化を重視したと言えるかもしれない。また、記者たちの口ぶりからすると、先日退団したチャド・モートンはやはり解任だったらしい。
◆ ◆ ◆
アシスタント・トレーニングコーチには元パッカーズのクリス・ギジー Chris Gizzi が就任(右写真は選手時代)。38歳。空軍士官学校ではLBとして活躍し、カンファレンスのディフェンスMVPに2年連続で選ばれている。1998年ドラフト外でいったんブロンコスに入団したが、規定により2年間軍役を務めた。それを終えるとパッカーズに加わり、主にスペシャルチーマーとしてプレー。2001年、9/11テロ直後のホームゲームで国旗を掲げて先頭で入場したシーンは今でも有名だ(写真)。そのシーズン限りで現役を退くとトレーニングの道に進み、昨年はノースカロライナ大でアシスタント・トレーニングコーチを務めていた。
2014年2月 8日
レギュラーシーズンスタッツのまとめ、今回はオフェンス、ターンオーバー、反則について。今季前半終了時・2012年・2011年・2010年のスタッツも参照のこと。
オフェンス |
Total |
得点 |
ラン |
ランavg |
ランTD |
Fum |
Lost |
パス |
パス% |
パスavg |
パスTD |
INT |
Rate |
サック |
3rd% |
Red |
TOP |
400.2 |
26.1 |
133.5 |
4.7 |
17回 |
19回 |
9回 |
266.8 |
64.2% |
8.0 |
25回 |
16回 |
91.7 |
45回 |
41.2% |
50.8% |
30:53 |
3位 |
8位T |
7位 |
4位 |
5位T |
14位T |
9位T |
6位 |
7位 |
5位 |
13位T |
17位T |
10位 |
24位 |
9位 |
26位 |
12位 |
トータルオフェンス400.2ydsはパッカーズにとって2011年以来2回目の大台となったが、そのわりに得点が伸び悩み、シーズン後半のチーム不振に直結した。RBレイシーのおかげでランTDが8回増えたものの、代役QB陣の不振のためパスTDが15回も減っている。
総タッチダウン数は昨季の53回(4位)から46回(10位)へとダウン。内訳はパス25回、ラン17回、ファンブルリカバー3回(NFL最多タイ)、パントリターン1回。なお、パントリターンTDがゼロなのはパッカーズを含めてわずか3チームだけだった。
ロジャース欠場時はパスヤーデージこそさほどダウンしなかったが、パスTD(1試合あたり2.12回→1.0回)が半減し、インターセプト(0.75回→1.25回)と被サック(2.63回→3.0回)が増えた。その結果、QBロジャース出場時の平均得点は30.6点(NFL2位相当)、欠場時はわずか21.5得点(22位相当)だった。ちょうどWRコブとTEフィンリーを欠いたのは代役QBたちにとって厳しい条件だったが、ディフェンス不振チームとの対戦が多かったのも事実。ロジャース欠場時の対戦相手のうち、ディフェンスのトップ10に入っていたのはジャイアンツ(8位)だけだ。
QBロジャース個人のパス成績を見てみると、レーティング104.9はちょうど平年並み。TD数が昨年や一昨年よりは少なく、INTがやや多い(16試合に換算した場合)。パス1回平均8.7yds(NFL2位)は一昨年のMVPシーズンには及ばないものの、キャリア2番目の好成績。被サックは昨季より2割ほど少ないペースだった。
代役QB3人の合計はパス成功率61.8%・2004yds・8TD・10INTでレーティング78.0。セネカ・ウォレス(実質1試合)がレーティング64.4、スコット・トルジーン(実質2試合半)が66.8、マット・フリンが86.1(実質4試合半)だった。トルジーンはヤーデージ(1回平均8.0)が非常によかったものの、TDが奪えず痛いミスが多かった(TD1/INT5)。フリンはヤーデージ(平均6.9)が物足りないが、勝負どころでTDを決めて2勝2敗1分けに持ち込むことができた。(TD7/INT4)
ラン攻撃の躍進はなんといってもRBレイシー入団のおかげ。ラン7位は2003年(3位)以来10年ぶり、2000yds突破もおなじく10年ぶりの好成績。ロジャース欠場時にRBレイシーにマークが集中したために1回平均は4.1ydsに留まったが、彼が相手を疲れさせたあとにフレッシュなRBスタークス(平均5.8)がビッグゲインを繰り出すことができた。
タイムオブポゼッションが向上したのも、苦しい時期にRBレイシーのランでなんとかしのげたおかげだろう。ディフェンスの大幅悪化を考えればなおさらだ。
ランブロッキングユニットではOTブラガがキャンプで戦線離脱したのが痛かった。RTブラガ→RTバークレーは大幅戦力ダウンだが、LTニューハウス→LTバクティアリはわずかにアップ、インサイド3人は昨季より大きく向上している。全体としてはほぼ横ばいか多少戦力アップしたと言えるのでは。
ターンオーバー |
反則 |
Takeaways |
Giveaways |
DIFF |
回数 |
ヤード |
Total |
Int |
FumRec |
Total |
Int |
FumLos |
|
|
|
22回 |
11回 |
11回 |
25回 |
16回 |
9回 |
-3 |
86回 |
801yds |
21位T |
26位T |
11位T |
14位T |
17位T |
9位T |
19位 |
8回 |
14位 |
マッカーシーHCがもっとも重視してきたターンオーバーレシオが、就任以来最悪の数字となってしまった。7敗したのはこれが最大の要因だろう。ターンオーバーレシオのマイナスは2005年(4勝12敗)以来8年ぶり。オフェンスの被インターセプトが倍増し、ディフェンスのインターセプトが4割減となったためで、ファンブルリカバーが6つ増えても足りなかった。
前述のように、被インターセプトの多さはおもに代役QB陣によるもの。とくにQBトルジーンは実質2試合半の出場で5つもインターセプトを投げている。QBフリンは実質4試合半で4回なので合格点のペース。
ファンブル部門では、RBレイシーが新人ながらわずかファンブル1回、ロスト1回にとどめたのが非常に立派。唯一のファンブルは開幕戦で、それ以来一度もボールをこぼしていない。おなじ新人のRBフランクリンはわずかキャリー19回でファンブル2回、ロスト1回と頼りない。QB陣ではロジャースがファンブル4回、ロストゼロ。フリンがファンブル4回、ロスト4回。ウォレスとトルジーンはともにファンブルゼロ。FBクーンはBAL戦でパントブロック後のボールに不用意に触れ(ビデオ)、これがキャリア初のファンブルロストとなってしまった。WRジョーンズは第2週に敵陣エンドゾーンに腕を伸ばそうとしてファンブルロスト。PRジェレミー・ロスは第3週にパントをマフしてロスト。直後に解雇された。
ディフェンスのインターセプトの少なさは主にセーフティ陣の不振によるもの。セーフティ陣が1つもインターセプトできなかったのは今季NFL全体でパッカーズだけ。球団史上でも1950年代以来初めてのことらしい。コーナーバック陣ではシールズ(4)とトラモン・ウィリアムズ(3)がそれぞれ昨季より1つずつ増やしたが、期待のCBヘイワード(昨季6INT)が3試合しか出場できなかったのが痛かった。また前述のように、INTリターンTDがなかったのはパッカーズを含めて3チームだけ。パッカーズでは1995年以来18年ぶりのことだ。
反則は昨季急増してしまったが、今季は大きく減らすことができた。ただし対戦相手はこちらよりも10回82yds多いだけ。反則が減ったのは、甘めの審判団に当たっただけかもしれない(厳しく取る審判団とそうでない審判団と、はっきり傾向がある)。回数のわりに反則ヤードが多いのはアンネセサリーラフネス(8)が多かったせいか。種類別でチーム最多はオフェンスのホールディング(24)で、リーグ平均(18.3)よりかなり多い。いっぽうフォルススタート(14)はリーグ平均(16.6)より少ない。
意外なことに、パスインターフェア(3)はリーグ平均(7.7)の半分以下だった。昨季急増(16)したオフサイド系(エンクローチメントなど含む)は計6回へと減らすことができた。常習犯のDEウォージーが12スナップしか出場しなかったせいか。個人の反則回数トップ3はLTバクティアリ、CBウィリアムズ、LGシットン。
2014年2月 7日
2013年レギュラーシーズンのチームスタッツのまとめ。今季前半終了時・2012年・2011年・2010年も参照のこと。
ディフェンス |
Total |
失点 |
ラン |
ラン(1回) |
ランTD |
Fum |
FumRec |
パス |
パス% |
パスavg |
パスTD |
INT |
Rating |
サック |
3rd% |
Redzone |
372.2 |
26.8 |
125.0 |
4.6 |
16回 |
18回 |
11回 |
247.2 |
61.6% |
7.8 |
30回 |
11回 |
95.9 |
44回 |
38.2% |
61.4% |
25位 |
24位 |
25位 |
29位 |
25位 |
20位T |
11位T |
24位 |
20位 |
27位 |
27位T |
26位T |
25位 |
8位T |
17位T |
24位 |
昨季11位まで回復したディフェンスがふたたび急降下し、ほとんどの項目で20位以下へと落ち込んでしまった。前半終了時はトータル15位、失点14位、ラン5位、パス20位だったのだから、いかに大きく崩れたかがわかる。シーズン後半だけに限れば、トータル399.5yds(31位相当)、30.5失点(32位相当)、ラン155.5yds(31位相当)、パス244.0yds(22位相当)だった。
QBロジャース不在のチームを助けるどころかむしろ足を引っ張り、ディフェンスが並み以上の働きをしたと言えるのは第14週ATL戦(21失点)だけ。あとの7試合はすべて26失点以上だった。代役QB陣の与えたインターセプトが増えた(ちょうど倍増)のが失点増の一因ではあるが、守る時間そのものが極端に長くなったわけではなく、ラン守備の崩壊は外的要因によるものではない。後半はディフェンスのケガ人が少なかったのだから、失望はなおさら大きい。
パス守備はシーズンを通して悪かった。とくに相手QBレーティング95.9はパッカーズにとって2004年以来9年ぶりの不振。オフェンスのレーティング(91.7)を下回ったのは2006年以来7年ぶりで、QBロジャース先発昇格以来初めてのことだ。サック数ではなんとか一桁順位を守ったが、ILBおよびDB陣の挙げたサックが35.2%(昨季は27.2%)を占め、DL陣およびOLB陣のサックが28.5回では物足りない。通常のフロント4でプレッシャーがかけられなければカバレッジに負担がかかるのは当然の流れだ。
パスカバレッジの不振がコーナーバック陣でなくセーフティ陣の責任であるのはシーズン中に何度も指摘されてきたとおり。長いあいだインターセプトの多さがディフェンスを支えてきたが、INTわずか11回はケイパースDCが2009年に就任して以来ダントツの最少となった。とくにセーフティ陣はINTゼロの体たらく。
ラン守備が崩壊した原因についてはさまざまな議論があるが、シーズン後半にランの強い対戦相手が集中したわけではない。こちらの得点力が大幅ダウンしたため、相手は無理せず堅実に進めさえすれば勝ててしまう、といった試合が多かったのはたしかだが、それでも1回平均ydsの悪化は言い訳のしようがない。1試合あたりのラン回数はシーズン前半23.6回→後半30.4回、1回平均ydsは前半4.0yds→5.1ydsだった。相手はパスを投げる必要がなく、そのためにパス守備が悪化しない、という面があった。
数少ないプラス材料はファンブルリカバーが増えたこと。とはいってもファンブルフォース数は横ばいなので、ボールの転がり方で幸運に恵まれただけかもしれない。
スペシャルチーム |
Kickoff |
Punt |
Kickoff Ret. |
Punt Ret. |
Field Goals |
Avg. |
TB |
TB率 |
Coverage |
Avg. |
In20 |
TB |
Coverage |
Net |
Avg. |
Long |
Avg. |
Long |
成功率 |
回数 |
63.6 |
30回 |
32.3% |
25.9 |
44.6 |
22回 |
5回 |
13.1 |
39.0 |
20.3 |
70 |
11.3 |
93 |
89.2% |
33回 |
20位 |
27位 |
29位 |
29位 |
19位 |
28位 |
10位T |
29位 |
21位 |
30位 |
13位 |
7位 |
2位 |
13位 |
5位T |
スペシャルチームはケガ人の多さもあって苦しいシーズンだった。昨年スランプだったKクロスビーが最高のシーズンを過ごしたいっぽう、カバレッジチームが苦しんだ。Dallas Morning News紙のリック・ゴセリン記者による恒例スペシャルチームランキング(22部門のスタッツを総合)では昨季の12位から20位へとダウン。いっぽうFootball Outsiders によるスペシャルチーム総合ランキングでは19位で、昨季の18位からほぼ横ばいだった。
Kクロスビーは昨季FG成功率がNFL最下位の63.6%だったが、今季はキャリアベストの89.2%へと躍進。首脳陣の忍耐にみごと応えた。ただキックオフ(序盤はPマステイが蹴っていたが)の飛距離ダウンがやや気になるところ。今季は寒さや雪のゲームが多かったせいもあるだろうが、タッチバック率29位は悪すぎる。キックオフ位置が変更されて以来の3年間で最悪の数字だ。
Pマステイのパントは毎年向上し、ネット39.0ydsは球団新記録。グロス44.6ydsは球団史上4位だった。一昔前ならばネット平均が40ydsを超えるのは夢のスタッツだったが、今季は13チームが40ydsを超えている。Pマステイはハングタイム重視で、相手リターン回数が20回というのはNFLで3番目に少ない(キャリア最少)。ただインサイド20へのパントが22回(キャリア最少)に留まったのは、オフェンス不振で自陣深くから蹴る場面が増えたせいか。
カバレッジチームはパント、キックオフとも29位の大不振。不調のディフェンスをさらに苦しめた。パントは相手のリターン回数そのものが少ないので大きな痛手は被っていないが(トータル261ydsは13位)、キックオフリターンのトータル1583ydsは31位。第8週MIN戦では新人WRコーダレル・パターソンにキャリア初TDを献上している。カバレッジチーム悪化の要因はやはりケガ人で、プラクティス・スクワッドから昇格したてのような不慣れな若手が投入されてミスを犯すことが多かった。
キックリターンでは、CBハイドの活躍でパントリターンが7位へと向上したが、キックオフリターンはわずか20.3yds(30位)の大不振だった。ブロッキングが悪いのとリターナーに人材を欠いたのと両方ではないか。相手キックオフが72回あったうち39回しかリターンしなかったのは、20yds地点まで進めば御の字だから。せめてもの救いはCBハイドのボールセキュリティの安定だった。
昨季はスペシャルチームのトリックプレーを5回も敢行したパッカーズだが、今季は2回だけで、結果は1勝1敗。第9週CHI戦でサプライズ・オンサイドキックを行って成功。第11週NYG戦でパントフェイクからSジェニングスがダイレクトスナップを受けて走ったものの、1stダウンにはわずかに届かず。逆に第7週CLE戦では、同様のプレーで1stダウンを許している。
2014年2月 5日
- パッカーズはチケットを全席$3ドルずつ値上げすることを発表した。これで5年連続の値上げだ。「価格がNFL平均の金額となることをつねに目標としている。今年はこれでNFL17位となる見込み」とマーフィ社長は説明している。
- 先月のプレーオフチケット販売不振の原因となった新ポリシーをふたたび変更し、「予約購入者もプレーオフが開催されない場合は支払い義務がない」というシステムに変更された。昨年導入された新ポリシーでは、予約購入者にはプレーオフがホーム開催されない場合も払い戻しされず、翌年のシーズンチケット購入に回されてしまうひどいシステムだった。
- 首の大ケガにより退団したFSニック・コリンズ(30歳)だが、本人はまだ現役続行したい考えをツイッターであきらかにした(ツイート1・ツイート2)。2011年第2週CAR戦で負傷した彼は、第三頚椎と第四頸椎を接合する手術を受けたものの、球団からは現役続行不可の判断が下され、2012年4月に解雇となった。その時と比べてリスクが軽減されたわけではまったくなく、パッカーズ復帰の可能性はゼロとみられている。なお、先日はCBトラモン・ウィリアムズやWRジェームズ・ジョーンズと家族ぐるみで休暇を過ごしたようだ(写真)。
- 上記コリンズのコメントについて質問されたQBアーロン・ロジャース。 「僕は同期ドラフトだからひいき目があるかもしれないけど、彼にはまちがいなく殿堂級のポテンシャルがあると思う。彼ほど守備範囲の広い選手はショーン・テイラー(故人)か、シアトルのアール・トーマスぐらいじゃないだろうか。彼のようにディープ・セーフティとしてサイドラインからサイドラインまでカバーできる選手は数少ない。素晴らしいロッカールーム・ガイだし、一緒にいて楽しいヤツだ。この2年間も応援にきてくれたのは嬉しかったけど、心の中ではプレーしたい気持ちがあるはず。自分から辞める前に、もうできないと他人から言われるのはつらいものだ」
- TEジャーマイケル・フィンリーは先週のインタビューで「今後数週のうちに執刀医から復帰許可がもらえる可能性は99.9%」と自信を示している。しかし、第三頸椎と第四頸椎の接合手術を受けた選手(つまり上記コリンズとおなじ)にパッカーズが復帰許可を出した例はこれまでにないらしい。昨季後半に復帰したSショーン・リチャードソンは第四と第五頸椎の手術だった。今回フィンリーはFAとなるので再契約はさらに可能性が低いだろう。
- 2010年からスペシャルチーム・アシスタントを務めてきたチャド・モートン(かつての名リターナー)の退団があきらかになった。本人の意思によるものか解任なのかわからないが、今後の行き先が報じられていないことからすると解任のようにも思われる。
- アシスタント・トレーニングコーチのザック・ウッドフィンは、母校アラバマ大バーミンガム校でヘッド・トレーナーとなるために退団。これは順調なキャリア・アップだろう。
- これでコーチング・スタッフの空席は、RBコーチ、OLBコーチ、スペシャルチーム・アシスタント、アシスタント・トレーニングコーチの4つとなった。
- かつて地元両紙で長く活躍したクリフ・クリストル元記者がパッカーズの "Team Historian" に就任した。同職はリー・レメル翁(今年90歳・元記者・元パッカーズ広報部長)が2004年以来務めてきたが、ここ数年は病気がちで、公式サイトへのコラム執筆やイベント出席もできなくなっているようだ。
- クリフ・クリストルはPress-Gazette紙とJournal Sentinel紙で計36年間にわたって記者・コラムニストを務め、冷徹かつ辛辣なコメントはきわめて高く評価されていた。さまざまなパッカーズ関連書籍も執筆し、ウィスコンシンのスポーツライター・オブ・ザ・イヤーなど受賞歴も数多い。2002年からはNFL殿堂選考委員会のメンバー。数年前にJS紙を退社した後はパートタイムでPG紙にゲーム・レビューを書いている。また、グリーンベイ市の各所に設置が進む "Packers Heritage Trail" (パッカーズ史上の重要な場所に記念額など)を主唱した功労者でもあり、パッカーズ史の語り部として彼以上の人物はいないだろう。
2014年2月 2日
RBエディー・レイシーが今年のNFLオフェンス新人王に選出された。今季15試合に出場してラッシング1178yds(NFL8位)・11TD(3位)、キャッチングでも35回257ydsを記録。とくにQBロジャース欠場中はオフェンスの大黒柱として非力なオフェンスをよく支え、プレーオフ進出の原動力となった。タックラーをひきずるパワフルな走りは破壊力満点。パスプロテクションでも期待を大きく上回る働きで、ProFootballFocusの採点では全RB中3位の高評価だった。先週はプロボウルにも繰り上げ出場を果たしている。
AP通信による同賞は1967年シーズンに始まり、パッカーズからは1971年のRBジョン・ブロキントン以来42年ぶり2人目。ディフェンスを含めると、1972年のCBウィリー・ブキャノン以来41年ぶり3人目の受賞となった。意外にも最近はRBの受賞がなく、今回のRBレイシーが2007年のエイドリアン・ピーターソン以来6年ぶりだった。
NFL Honors での受賞スピーチのビデオはこちら。また Never Say Never Moment of the Year には、最終週のQBロジャースからWRコブへの決勝TDパスが選ばれている(ビデオ)。
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エディー・レイシー Eddie Lacy はルイジアナ州グレトナ出身の23歳。高校1年のときにはハリケーン・カトリーナで家を失い、極貧のなかで度重なる引っ越しを経験している。名門アラバマ大に進むと、RBマーク・イングラム、RBトレント・リチャードソンといった先輩RBの控えを務めた。2012年にはエースとなって全米王座(2年連続)に貢献し、昨年の2巡指名でパッカーズに入団。RB中4番目での指名は意外だったが、その屈辱を吹き飛ばすような活躍だった。第14週ATL戦で足首を捻挫したものの、シーズン終了まで欠場することなくタフに走り続けた。