グリーンベイ・パッカーズ ニュース

2014年2月 9日

新コーチングスタッフ決まる

パッカーズが新コーチングスタッフ全員を発表した。OLBコーチは特に置かず、ILBコーチ(兼アシスタントHC)のウィンストン・モスが「LBコーチ」として全LBを指導することになった。過去5年間ディフェンスのクォリティ・コントロールを務めてきたスコット・マカーリーがアシスタントLBコーチとなってモスを補佐する。

空席となっていたRBコーチには元名フルバックのサム・ギャッシュ、アシスタントSTコーチには元イリノイ大HCのロン・ズックが就任する。ディビジョンIの2大学でヘッドコーチを務めたロン・ズックはヘビー級の人事だ。アシスタント・トレーニングコーチには、かつてパッカーズで控えLBを務めたクリス・ギジーが加わる。

クォリティ・コントロールとはNFLコーチのいわば登竜門で、ここでの働きぶりが認められてポジションコーチへと昇格していくことが多い。仕事は多岐にわたるが、来週以降の対戦相手の分析をするのが大きな役目。たいへんな時間をつぎ込んで映像やスタッツを詳細に分析し、ゲームウィークに備える。実際に対戦する週になれば、自分は次の相手の分析に移っている。また、練習でスカウトチーム(対戦相手を模す)を指揮するのも彼らの役割らしい。特定のポジションコーチのアシスタントを兼ねることも多い。

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RBコーチのサム・ギャッシュ Sam Gash はペン州立大出身の44歳。かつては優秀なフルバックだった。1992年8巡指名でNFL入りし、ペイトリオッツで6年、ビルズで2年、レイヴンズで3年、ふたたびビルズに戻って1年プレーした。通算ラッシング327yds・2TD、パスキャッチ169回1347yds・13TD。プロボウルにも2回選ばれている。2006年にはジェッツのアシスタントRBコーチ、2007年はライオンズでアシスタントSTコーチを務め、翌2008年にRBコーチに昇格。2012年シーズン終了後に解雇されていた。

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QBコーチにアレックス・ヴァンペルト Alex Van Pelt が就任するのは既報どおり。ピッツバーグ大出身の43歳。大学ではマッカーシーHC(当時QBコーチ)の指導を受け、NFLではビルズで10年間にわたって控えQBを務めた。代役スターターとしては3勝8敗。通算レーティングは64.1。引退後はビルズ(2009年にはOCも兼任)とバッカニアーズでQBコーチを務めたあと、2012年からパッカーズのRBコーチを務めていた。 

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オフェンスのクォリティ・コントロールにはルーク・ゲッツィー Luke Getsy が就任。アクロン大出身の30歳。大学ではクォーターバックとして活躍し、同大初のボウルゲーム出場にも貢献した。2007年ドラフト外で49ersに入団したが開幕ロースターには残れず、すぐに母校に戻ってコーチの道へ。インディアナ大(ペンシルヴェニア州)でOC兼QBコーチとなり、昨年はウェスタンミシガン大のWRコーチを務めていた。

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ウィンストン・モス Winston Moss はILB専任からLBコーチとなり、アシスタントヘッドコーチの兼任はこれまでどおり。マイアミ大出身の48歳。1987年2巡指名でバッカニアーズに入団し、レイダーズ、シーホークスの3球団で11年間にわたって活躍した。引退後は2球団でクォリティ・コントロールを務めたあと、2000年から2005年までセインツのLBコーチ。そこで同僚だったマッカーシーHCの招きで2006年にパッカーズのLBコーチとなり、翌年からアシスタントHCを兼任。2009年にディフェンスコーチ陣が入れ替わった際も唯一留任し、ILBコーチを務めていた。

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アシスタントLBコーチのスコット・マカーリー Scott McCurley はクォリティ・コントロールからの昇格となった。33歳。ウォークオンで入ったピッツバーグ大ではLBをプレーした。卒業すると母校で院生助手としてコーチ修業を始め、QBジョー・フラッコを指導したことも。パッカーズではインターンを経て2007年に Coaching Administrator として正式採用。2009年にクォリティ・コントロールとなり、同職を5年間務めてきた。これまでもグリーンOLBコーチをアシストしてきたので、実際の仕事はあまり変わらないかもしれない。

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ディフェンス/スペシャルチーム・アシスタントにはジェイソン・シモンズ Jason Simmons が就任。アリゾナ州立大出身の37歳。1998年ドラフト5巡でスティーラーズに入団し、2002年からはテキサンズでプレー。NFL10年間のうちほとんどはスペシャルチーマーで、先発は12試合のみ。テキサンズのヘッドコーチだったケイパースDCとの縁か、2011年にパッカーズに加わり、 coaching administrator を3年間務めてきた。

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ディフェンスのクォリティ・コントロールにはジョン・ラッシング John Rushing がオフェンスから移ってくる。ワシントン州立大出身の41歳。大学ではDBとして4年間先発し、卒業後すぐにコーチの道へ。ボイジー州立大ではDBコーチとしてSクインティン・マイケル、ユタ州立大ではCBジャレット・ブッシュを指導したことも。2008年夏にNFLのマイノリティ・インターン制度でパッカーズに加わり、翌年正式採用されてオフェンスのクォリティ・コントロールに。2011年からはスペシャルチームのアシスタントを兼ねていた。

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アシスタントSTコーチのロン・ズック Ron Zook はマイアミ大(オハイオ)出身の59歳。大学卒業後すぐにコーチの道に進み、カンザス大DCやフロリダ大アシスタントHCなどを務めたあと、1996年から3年間スティーラーズのSTコーチ。2000年から2年間セインツのDCを務め、そこでマッカーシーHC(当時QBコーチ)と同僚だった。2002年から2004年までフロリダ大HCを務めたあと解任されたが、彼のリクルートした選手たちが後に全米制覇を成し遂げている。2005年から2011年までイリノイ大HCを務めたが、解任後の2年間は浪人していた。

イリノイ大はウィスコンシン大と同カンファレンスなので、パッカーズの地元ファンにとってはなじみの顔。ふつうアシスタントSTコーチはかけ出しの若手コーチがなるもので、一流大のヘッドコーチだったような人物が就任するのはきわめて珍しい。それだけマッカーシーHCがスペシャルチーム強化を重視したと言えるかもしれない。また、記者たちの口ぶりからすると、先日退団したチャド・モートンはやはり解任だったらしい。

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アシスタント・トレーニングコーチには元パッカーズのクリス・ギジー Chris Gizzi が就任(右写真は選手時代)。38歳。空軍士官学校ではLBとして活躍し、カンファレンスのディフェンスMVPに2年連続で選ばれている。1998年ドラフト外でいったんブロンコスに入団したが、規定により2年間軍役を務めた。それを終えるとパッカーズに加わり、主にスペシャルチーマーとしてプレー。2001年、9/11テロ直後のホームゲームで国旗を掲げて先頭で入場したシーンは今でも有名だ(写真)。そのシーズン限りで現役を退くとトレーニングの道に進み、昨年はノースカロライナ大でアシスタント・トレーニングコーチを務めていた。

カテゴリ : Coach/Front Office