2013年レギュラーシーズンのチームスタッツのまとめ。今季前半終了時・2012年・2011年・2010年も参照のこと。
ディフェンス | |||||||||||||||
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Total | 失点 | ラン | ラン(1回) | ランTD | Fum | FumRec | パス | パス% | パスavg | パスTD | INT | Rating | サック | 3rd% | Redzone |
372.2 | 26.8 | 125.0 | 4.6 | 16回 | 18回 | 11回 | 247.2 | 61.6% | 7.8 | 30回 | 11回 | 95.9 | 44回 | 38.2% | 61.4% |
25位 | 24位 | 25位 | 29位 | 25位 | 20位T | 11位T | 24位 | 20位 | 27位 | 27位T | 26位T | 25位 | 8位T | 17位T | 24位 |
昨季11位まで回復したディフェンスがふたたび急降下し、ほとんどの項目で20位以下へと落ち込んでしまった。前半終了時はトータル15位、失点14位、ラン5位、パス20位だったのだから、いかに大きく崩れたかがわかる。シーズン後半だけに限れば、トータル399.5yds(31位相当)、30.5失点(32位相当)、ラン155.5yds(31位相当)、パス244.0yds(22位相当)だった。
QBロジャース不在のチームを助けるどころかむしろ足を引っ張り、ディフェンスが並み以上の働きをしたと言えるのは第14週ATL戦(21失点)だけ。あとの7試合はすべて26失点以上だった。代役QB陣の与えたインターセプトが増えた(ちょうど倍増)のが失点増の一因ではあるが、守る時間そのものが極端に長くなったわけではなく、ラン守備の崩壊は外的要因によるものではない。後半はディフェンスのケガ人が少なかったのだから、失望はなおさら大きい。
パス守備はシーズンを通して悪かった。とくに相手QBレーティング95.9はパッカーズにとって2004年以来9年ぶりの不振。オフェンスのレーティング(91.7)を下回ったのは2006年以来7年ぶりで、QBロジャース先発昇格以来初めてのことだ。サック数ではなんとか一桁順位を守ったが、ILBおよびDB陣の挙げたサックが35.2%(昨季は27.2%)を占め、DL陣およびOLB陣のサックが28.5回では物足りない。通常のフロント4でプレッシャーがかけられなければカバレッジに負担がかかるのは当然の流れだ。
パスカバレッジの不振がコーナーバック陣でなくセーフティ陣の責任であるのはシーズン中に何度も指摘されてきたとおり。長いあいだインターセプトの多さがディフェンスを支えてきたが、INTわずか11回はケイパースDCが2009年に就任して以来ダントツの最少となった。とくにセーフティ陣はINTゼロの体たらく。
ラン守備が崩壊した原因についてはさまざまな議論があるが、シーズン後半にランの強い対戦相手が集中したわけではない。こちらの得点力が大幅ダウンしたため、相手は無理せず堅実に進めさえすれば勝ててしまう、といった試合が多かったのはたしかだが、それでも1回平均ydsの悪化は言い訳のしようがない。1試合あたりのラン回数はシーズン前半23.6回→後半30.4回、1回平均ydsは前半4.0yds→5.1ydsだった。相手はパスを投げる必要がなく、そのためにパス守備が悪化しない、という面があった。
数少ないプラス材料はファンブルリカバーが増えたこと。とはいってもファンブルフォース数は横ばいなので、ボールの転がり方で幸運に恵まれただけかもしれない。
スペシャルチーム | ||||||||||||||
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Kickoff | Punt | Kickoff Ret. | Punt Ret. | Field Goals | ||||||||||
Avg. | TB | TB率 | Coverage | Avg. | In20 | TB | Coverage | Net | Avg. | Long | Avg. | Long | 成功率 | 回数 |
63.6 | 30回 | 32.3% | 25.9 | 44.6 | 22回 | 5回 | 13.1 | 39.0 | 20.3 | 70 | 11.3 | 93 | 89.2% | 33回 |
20位 | 27位 | 29位 | 29位 | 19位 | 28位 | 10位T | 29位 | 21位 | 30位 | 13位 | 7位 | 2位 | 13位 | 5位T |
スペシャルチームはケガ人の多さもあって苦しいシーズンだった。昨年スランプだったKクロスビーが最高のシーズンを過ごしたいっぽう、カバレッジチームが苦しんだ。Dallas Morning News紙のリック・ゴセリン記者による恒例スペシャルチームランキング(22部門のスタッツを総合)では昨季の12位から20位へとダウン。いっぽうFootball Outsiders によるスペシャルチーム総合ランキングでは19位で、昨季の18位からほぼ横ばいだった。
Kクロスビーは昨季FG成功率がNFL最下位の63.6%だったが、今季はキャリアベストの89.2%へと躍進。首脳陣の忍耐にみごと応えた。ただキックオフ(序盤はPマステイが蹴っていたが)の飛距離ダウンがやや気になるところ。今季は寒さや雪のゲームが多かったせいもあるだろうが、タッチバック率29位は悪すぎる。キックオフ位置が変更されて以来の3年間で最悪の数字だ。
Pマステイのパントは毎年向上し、ネット39.0ydsは球団新記録。グロス44.6ydsは球団史上4位だった。一昔前ならばネット平均が40ydsを超えるのは夢のスタッツだったが、今季は13チームが40ydsを超えている。Pマステイはハングタイム重視で、相手リターン回数が20回というのはNFLで3番目に少ない(キャリア最少)。ただインサイド20へのパントが22回(キャリア最少)に留まったのは、オフェンス不振で自陣深くから蹴る場面が増えたせいか。
カバレッジチームはパント、キックオフとも29位の大不振。不調のディフェンスをさらに苦しめた。パントは相手のリターン回数そのものが少ないので大きな痛手は被っていないが(トータル261ydsは13位)、キックオフリターンのトータル1583ydsは31位。第8週MIN戦では新人WRコーダレル・パターソンにキャリア初TDを献上している。カバレッジチーム悪化の要因はやはりケガ人で、プラクティス・スクワッドから昇格したてのような不慣れな若手が投入されてミスを犯すことが多かった。
キックリターンでは、CBハイドの活躍でパントリターンが7位へと向上したが、キックオフリターンはわずか20.3yds(30位)の大不振だった。ブロッキングが悪いのとリターナーに人材を欠いたのと両方ではないか。相手キックオフが72回あったうち39回しかリターンしなかったのは、20yds地点まで進めば御の字だから。せめてもの救いはCBハイドのボールセキュリティの安定だった。
昨季はスペシャルチームのトリックプレーを5回も敢行したパッカーズだが、今季は2回だけで、結果は1勝1敗。第9週CHI戦でサプライズ・オンサイドキックを行って成功。第11週NYG戦でパントフェイクからSジェニングスがダイレクトスナップを受けて走ったものの、1stダウンにはわずかに届かず。逆に第7週CLE戦では、同様のプレーで1stダウンを許している。