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Notebook: QBマット・フリンと契約
グリーンベイ・パッカーズ ニュース
2013年11月13日
QBウォレス負傷のためQBマット・フリンと正式契約。昨年3月以来の出戻りで、ロジャース復帰まで2番手QBを務めることになった。パッカーズオフェンスをよく知っているFA選手は他にグレアム・ハレルしかおらず、先週フリンがビルズから解雇されたのはまさに渡りに船だった。右ヒジ腱炎については「皮肉なことに休養十分なので治っている」と父親が発言。たとえ完治していなくても、習熟期間なしで使えるQBが他にいないのだからここは目をつぶるしかない。
マット・フリン Matt Flynn はテキサス州出身の28歳。ルイジアナ州立大で全米王座に貢献したあと2008年7巡指名でパッカーズに入団、同期2巡指名のブライアン・ブロームを退けて2番手QBの座をつかんだ。代役先発した2010年第15週NE戦でレーティング100.2、おなじく2011年最終週DET戦で6TDパス(球団記録タイ)・レーティング136.4の好成績を残し、他球団から注目を集める存在となった。
そうして昨年シーホークスとFA契約したものの驚異の新人ラッセル・ウィルソンに敗れ、今年トレードされたレイダーズではテレル・プライアーに敗れた。先月半ばにはビルズと契約したが、先発E.J.マニュエルが復帰したため先週月曜に解雇。1年8か月の間に$14.5ミリオンを稼ぎながら、その間の先発出場はわずか1試合のみ。出場試合数や貢献度を考えると、歴史的なFA失敗例となってしまった。
QBセネカ・ウォレスは移籍後初先発試合の序盤で鼠蹊部を負傷し、インジャリーリザーブでシーズンを終えることになった。回復に2か月もかかる状態ではないが、ロースターにQBを4人置けるチーム状況でないので致し方ない。いわゆるスプリット契約を結んでいたため、IR入りするとサラリーが半減する。(NFLのベースサラリーは週給なので、残り7週間分のみ半減)
- 月曜の会見でマッカーシーHCが、OLBニック・ペリーの負傷は(先月骨折した)足でなく足首であることをあきらかに。CBケイシー・ヘイワードはハムストリング問題の再発とのこと。Cイヴァン・ディートリック=スミス(ヒザ)やRTドン・バークレー(ヒザ)についてはまだ詳しいことはわからない。
- QBアーロン・ロジャース(左鎖骨骨折)は毎週恒例のラジオ出演をしたが、復帰予定については明言せず。「今週にだって復帰したいからね。マイク(マッカーシーHC)はもう欠場と決めているだろうけど。僕自身はどの週だって出場を諦めたりしない。すべては回復しだいで、X線検査の結果しだい」
- 日常生活についてQBロジャース。「ようやく一晩ずっと眠れるようになり、それは僕にとって小さな勝利だ。シャツを自分で着られるようになった。ソックスを履けるようになった。ものすごい痛みを感じることなくね。睡眠といえば、用具担当のレッド・バティから特別な枕をもらったんだ。おかげで仰向けで眠ることができるようになった。僕は仰向けは不慣れなんだ。2日前には、負傷以来初めて横向きで眠ることもできた」
- ドルフィンズのいじめ問題でNFLのロッカールーム文化に注目が集まっているが、選手たちはパッカーズは心配はないという。「僕らがするイタズラは度を越したものではないと思う。各ロッカールームに固有の文化というのはたしかにあるけど、グリーンベイの文化はよいものだと思うよ。みんな互いをからかうのが好きだけど、マイク(マッカーシーHC)の方針は『互いへの敬意を忘れずに』ということだからね。敬意を持つ、という点で僕らはしっかりやっていると思うし、誰かを馬鹿にするようなことはしていない」とQBロジャース。
- 火曜にはQBジョン・スケルトンのワークアウトが行われた模様。こちらは即契約のためではなく、次にケガ人が出た場合への備えか。
- QBスコット・トルジーンについてトム・クレメンツOC。「先日彼がこなしたプレーのうちかなりの部分は、練習で彼が一度もやっていないプレーだった」
- QBトルジーンについてQBロジャース。「とても誇らしく思う。先週の練習で彼は(1stチームでは)わずか6スナップしかプレーしていない。水曜と木曜は僕ら(QB陣)は居残りでいろいろなプレーを検討し、彼もそれをそばで見て学んでいた。レシーバーたちも居残りで練習した」「彼はプラクティス・スクワッドにいた選手であり、他球団からロースター入りの誘いを断って残り、先週昇格するとわずか6スナップの練習であれだけの成果を出した。彼がどれだけの準備をしてきたかの証明だ。入団以来の彼の取り組み方に僕は感銘を受けている」
- 出戻ったQBマット・フリンの背番号は元通りの10番に。彼はシーホークスでラッセル・ウィルソンの控えを務めたが、ウィスコンシン大でウィルソンの前任者がトルジーン。つまり、2年続けて元ウィスコンシン大QBの控えを務める。
- 背番号10を着けていたWRクリス・ハーパーは13番に変更。
- 毎年6月にアップルトン市で行われるチャリティ・ソフトボール・ゲームを、来年からWRジョーディ・ネルソンが主催することになった。1994年にSジョージ・ティーグと歌手マイケル・ボルトンが始めた企画を2000年にQBブレット・ファーヴが引き継いで大きく育て、ファーヴ退団後はWRドナルド・ドライバーが主催してきた。
- 元パッカーズのマーク・チュムラ(ウィスコンシンでラジオ番組をやっている)によると、TEジャーマイケル・フィンリーは今週木曜に首の手術を受けるとのこと。第3頸椎と第4頸椎の間の椎間板手術らしい。「金を賭けるとしたら、現役続行不可能の方に賭ける」とチュムラ。
- 第4QのディフェンスについてマッカーシーHC。「私がたいへん失望しているのは、第4Qのパフォーマンスだ。これはシーズンを通して変わっていない。一番大事なところで最高のフットボールができていないことに、私は大きな苛立ちを感じている」
- 各メディアのイーグルス戦レビューもディフェンス選手たちにきわめて厳しい。
- ProFootballFocusのディフェンス評価では+1.0以上がDEダニエルズ(+3.6)とCBウィリアムズ(+3.2)だけ。悪い方は順に、ILBジョーンズ(-4.2)、OLBマシューズ(-3.4)、DEラジ(-2.9)、Sバーネット(-2.7)、OLBニール(-2.5)、OLBパーマー(-2.1)、OLBペリー(-2.0)、DEジョリー(-1.7)、NTピケット(-1.4)、CBハウス(-1.1)。マシューズは過去3年間で最悪の数字だった。
- ProFootballFocusのオフェンス評価では、QBトルジーンが-0.8。OL陣はLTバクティアリ(-0.1)、LGシットン(+2.9)、Cディートリック=スミス(+1.4)、RG/Cラング(-0.1)、RT/RGバークレー(+3.2)、RTニューハウス(-3.6でオフェンス最低点)。全般にパスプロがよくランブロックが悪かった。
- Press-Gazette紙のイーグルス戦レビューでは、第4Qのラン守備崩壊はOLBたちの責任が大きいとしている。彼らがアウトサイドでエッジを作れず、タックルもできていない。
- Journal Sentinel紙のイーグルス戦レビューから。
- ユニット評価(5点満点)は、QB(3)、RB(3.5)、WR/TE(3)、OL(2)、DL(1.5)、LB(1)、DB(1)、K(1)、ST(3)。
- QBトルジーンには3点をつけたが、期待度を考えれば5点に値する、驚くべきパフォーマンスだった。ウィスコンシン大時代よりもよいボールを投げている。WRネルソンへのサイドラインへのパスは、OLBバーウィンが目の前に迫っていたことを考えればスーパープレー。リリースが速く、スクリーンやラン・パス・オプションでのクイックパスやチェックダウンもタイミングがいい。5回もヒットを受けたが悪影響を残さなかった。ハードカウントも効果的。マイナス評価は2つのインターセプトと、叩き落とされたパス3回。
- QBトルジーンの難しい仕事を楽にしてやるのがベテランレシーバーたちの役目だったが、一番大事なところでそれができなかった。第4Qの7ydsTDパスを確保できなかったのはWRネルソンの落球といえる。サイドラインへの意識が足りずWRジョーンズがTDを逃すのはシーズン前半にもあったこと。
- LGシットンはDEコックスとマッチアップし、今回も一流のパフォーマンス。プレッシャーゼロ、"Bad Run"は0.5回のみ。代役センターに入ったラングは本人の自己評価こそ低いが立派な出来。スナップミスが1つもなかった。ダブルチームを離れてLBへ向かうタイミングはイマイチ。
- RTニューハウス(42スナップ)は3メンラッシュで控えDEカリーにサックを許し、直後にフォルススタート。以前の柔軟なアスレチック能力を失ったように見える。こうなるとOTシェロッドの復帰を急がせねばならないのでは。LTバクティアリは笛が鳴るまで激しくプレーする。"Bad run"2回とプレッシャー1回を許したが、OLBトレント・コールが相手ということを考えれば悪い1日ではなかった。
- DLでよかったのはDEダニエルズ(37スナップ)で、プレッシャー4.5回、ロスタックル1回。ラン守備の中核たるDEラジ(35)とNTピケット(23)は酷い出来だった。DEラジはエリート級のLGイヴァン・マシス相手によいプレーができず、簡単に押し込まれた。NTピケットはヒザの問題に苦しみ、しっかり踏ん張れず方向転換も難しかった。DEウィルソンをアクティブ登録していたら、最後の10分間の屈辱は避けられたかも。
- OLBマシューズを巨大なギブスでプレーさせたのは賢い選択だったのかどうか。彼にとっては、ダントツでキャリア最悪の内容。QBフォールズにリード・オプションで2回やられ、TEセレックに簡単にやられて18ydsランも許した。2つのTDパスでは代役LTアレン・バーバーにコントロールされている。OLBニールの最悪の内容は言い訳のしようがない。OLBパーマーもOLBペリーもロクな貢献をしていない。
- ILBホークは非常によかった。ミスタックルがなく、魂をこめてハードにプレーした。彼の熱意と献身と規律高いプレーがなければ、この無能なディフェンスはどれだけ失点していたか。ILBジョーンズのミスタックル2回は、反応が遅れたり判断が悪かったため。優秀なラインバッカーであることを示していない。
- Sバーネットはキャリア最悪の内容だったかもしれない。最初の55ydsTDパスは3ディープのディフェンスだったが、彼がスムーズにバックペダルを続けていたら、QBフォールズは投げることさえしなかったかもしれない。しかし彼が動きを止め、横方向に流れたためロングパスで勝負された。RBマッコイの20ydsランでは、彼をブロックする相手はおらず、アウトサイドを守っていさえいればよかったはず。しかし彼が頭を下げ、足を止めたために外へ逃げられた。WRクーパーへの32ydsTDパスでは、10ydsも引き離される体たらく。Sジェニングスも彼らしからぬミスを連発。
- CBウィリアムズはブリッツもタックリングもよく、カバレッジではスピードと柔軟性を示した。DB陣のベストプレーヤーはCBシールズ。前半途中からWRデショーン・ジャクソンとマッチアップし、カムバックルートで21ydsパスを許したほかはよくやった。