グリーンベイ・パッカーズ ニュース
2013年8月 2日
最高気温26℃とようやく夏らしい気候が戻ってきたグリーンベイ。この日の午後にはアシスタントコーチたちのインタビューセッションがあった。意見の違いの表面化を避けるためか、近年パッカーズがアシスタントコーチへの取材を許すのは週1回程度。
土曜のファミリーナイト練習への適応のため、金曜は夜7時からの練習。木曜夜の選手たちは完全オフとなり、金曜の集合も遅い時間に設定されている。疲れた選手たちは久々の朝寝坊を楽しむはず。
- オフェンス
- QBコールマンはRBスタークスへのピッチをミス。Cバークレーもショットガンスナップを2回ミスするなど、この日はオフェンスのボールハンドリングに問題があった。「あのようなプレー(QBコールマンのミス)は見たことがない。選手たちには居残りでボールセキュリティやハンドリングの練習を命じた」とマッカーシーHC。
- 過去のキャンプではQBアーロン・ロジャースが過半数のスナップを担当し、その残りを控えQBたちが分け合ってきたが、今年は3人がほぼ均等となっている。QBロジャースがベテランの域に近づき、投球数を制限しているのはあきらか。「アーロンの脚と腕を守るため、我々はスナップ数の基準を設けている。その数字? それを君に言ったら、私は君を殺さなきゃいけない(CIAなどスパイの常套句)」と真顔でジョークを言うベン・マカドゥーQBコーチ。
- この日はRBエディー・レイシーが最初に1stチームに。これまではアレックス・グリーンかジェームズ・スタークスが最初だった。最後のゴールライン練習では中央にパワフルにTDラン。
- ケヴィン・グリーンOLBコーチはRBレイシーのことを単に「アラバマ」と呼んでいた。
- RBジョナサン・フランクリンはスクリーンパスやショベルパスなどクイックネスを活かすプレーが多い。ブリッツのピックアップも今日はよかった。
- 「これまでのところ、ディフェンスのセカンドレベル(LB)を最もアタックできているRBはフランクリンとレイシーだ」とマッカーシーHC。
- WRランドール・コブは1on1練習でもノーハドル練習でも落球あり。その後は(手でなく)ボディキャッチに頼る場面があった。「今後も我々はキャッチングを重視していく。目を切ることなく最後までボールを見続けること。今日の彼のミスはやってはならないプレーだ」とエドガー・ベネットWRコーチ。
- Cドン・バークレーはまたもショットガンスナップを2回ミス(QBまで転がした)。「彼はこれまでショットガンスナップの経験がなかったからね。4回のミスのうち3回がショットガンだった。ただ、もうそろそろ進歩を見せるべき時だ。ボールが地面に転がれば大変なことになるし、そのようにしてチームは負けるのだから」とマッカーシーHC。
- 4巡指名OTデヴィッド・バクティアリは先発RT争いで一歩半前進。前日までとは逆に、2ndチームの右タックルと3rdチームの左タックルになった。さらにゴールライン練習で1プレーだけ1stチームの右タックルに入った。
- 先発RT争いについてマッカーシーHC。「現時点ではニューハウスが1stチームに入っているが、他のポジションと同じように、選手は先発の座を自力で勝ち取らなければならない。バクティアリとバークレーにもチャンスはある。まだ始まったばかりだし、決まるまでには時間がかかるだろう」
- このキャンプではまだオフェンシブラインマンのファンブルリカバー練習を行っていない。OTAではその練習で4巡指名J.C.トレッターが足首を骨折した。
- この日のオフェンスはレシーバーのミスが目立ったが、最後のレッドゾーン練習ではQBアーロン・ロジャースがシャープな出来で、WRボイキンやWRジョーンズにTDパスを通した。
- ディフェンス
- 1巡指名DEデイトン・ジョーンズはチームドリルでインサイドからサック成功。パスラッシュドリルでもあいかわらずの働き。
- 5巡指名DEジョシュ・ボイドは大学時代、1ギャップでペネトレートするだけのスキームでやってきたので、必ず1人はブロッカーを受け止めなければならないラン守備には苦労している。しかしこの日は好プレーがいくつか。
- 2年目のILBテレル・マニングはフィジカルなプレーぶりで評判がいい。力強くブロッカーを振り払い、ボールキャリアーをハードヒット。目を見張るようなプレーが毎日1回はある。
- セーフティ争いについてドム・ケイパースDC。「昨年の今頃の彼らは実戦経験ゼロだったのが、今ではともに約600スナップずつの経験を積んでいる。それだけでもディフェンスの理解は進むものだし、相手プレーの読みについても必要なレベルに達してきた。彼らの進歩に満足している」「ジェニングスはディープの中央を守るのが上手い。マクミリアンもそれはできるが、彼をダイム・パッケージで使うときはスクリメージ付近を守らせることが多い」
- 昨年のSマクミリアンはダイムバックとしての出番が多かった。「このポジションにはフィジカルな選手が必要だ。実質ラインバッカーをプレーするのだからね。タイトエンドや大型バックとマッチアップしなければならないし、(パスシチュエーションとはいえ)ラン守備もできなければならない。ブリッツパッケージに加わることも増えるし」とケイパースDC。
- 1stチームでプレーしているCBデヴォン・ハウスと新人CBマイカ・ハイドの働きについてジョー・ウィットCBコーチ。「これ以上は望みようがないほどだ。彼らにはこのチャンスを活かし切れと伝えたが、彼らはそのとおりにしている」
- CBロイス・ミーンズが1stチームに入る場面が何度かあった。2011年にヒューストン大からドラフト外でビルズに入り、CFLハミルトンを経て昨季はフットボールから離れていた。5-10とサイズは小さいが4.3秒台のスピード。
- パスラッシュドリル
- この2日間、先発OL陣5人合わせて15勝0敗とのこと。
- DEマイク・ダニエルズはこの日も2勝1敗と好調で、通算6勝7敗。本来パスラッシュはOLが止めるのが当然なので、DLが勝率5割近いのは素晴らしい。
- 5巡指名DEジョシュ・ボイドはC/GヴァンローテンとCガース・ゲアハートに完勝。
- スペシャルチーム
- Pティム・マステイはパント練習(ただしラッシュなし)でインサイド10ydsの好パントを連発。CBジャレット・ブッシュも敵陣4ydsで押さえる好カバーあり。
- パントリターナーはWRコブ、WRマイルズ・ホワイト、WRタイロン・ウォーカー。いっぽうWRロスとWRボイキンはパンターの”パーソナル・プロテクター”の方を練習している。
- 今夏ようやく2回目のフィールドゴール練習。両キッカーとも33yds、37yds、41yds、47yds(左ハッシュマーク)まで成功。51yds(右ハッシュマーク)をKクロスビーが成功させたのに対し、Kタヴェッキオは左ゴールポストに当てて失敗。ラッシュが抜けてきてプレッシャーがかかったか。蹴り直しは成功させた。Kクロスビーは5/5、Kタヴェッキオは5/6だった。
- 今キャンプ通算ではKメイソン・クロスビーが9/11の成功率81.8%、Kジョルジオ・タヴェッキオが10/12の成功率83.3%。どちらも50yds未満を一度も失敗していない。 「2人ともよい内容だった。Kクロスビーは正確性も弾道の高さもいい。Kタヴェッキオのキックはそこまでの高さがない」とマッカーシーHC。
- マッカーシーHCはKジョルジオ・タヴェッキオのファーストネームを「セルジオ」と言い間違い。「コーチに名前を間違えられたのは初めてのことじゃない。セルジオは美しい名前だし」と本人。
- ショートビデオ集
- ケガ人情報
- 昨日途中で退いたDEジョニー・ジョリー(足首)が練習に復帰。Sデヴィッド・フルトン(ヒザ)も1日休んだだけで復帰している。「ジョリーはケガを押してプレーしている。タフガイなので驚かない」とマッカーシーHC。
- CBトラモン・ウィリアムズ(ヒザ)はセカンドオピニオンを求めている、という一部報道についてマッカーシーHCは、「選手はセカンドオピニオンを求めるよう奨励されている」との一般論でかわした。NFLにおいて「セカンドオピニオン」という言葉が出るときは厄介なケガなのが普通で、そうでなければチームドクターの診断に不満があることが多い。
- その他の見学組は変化なし。RBハリス(ヒザ)、WRジョンソン(ヒザ)、WRドーシー(ハムストリング)、WRカニンガム(手首手術)、OTシェロッド(すね骨折)、OTトレッター(足首骨折)、DEウォージー(ヒザ前十字靭帯断裂)、DEニール(腹部)、OLBモーゼス(つま先)、OLBパーマー(肩)、CBトラモン・ウィリアムズ(ヒザ)、CBヘイワード(ハムストリング)、Sリチャードソン(首の椎間板手術)。
- 2分ずつ3回の「TVタイムアウト」が毎日あるのは既報どおり。
- この日の練習では本物のNFL審判団が審判を務めた。毎年審判団は各球団のキャンプ地を巡って、その年のルール変更を指導したりする。今回来たのはビル・ヴィノヴィッチ主審のクルー。3日間滞在して3回のミーティングと正式なプレゼンテーションを行い、最後はファミリーナイトで審判を務める。
- アレックス・ヴァンペルトRBコーチがアキレス腱を断裂したのは6月に子供たちとバスケットボールをプレーしていたとき。現役時代から数えて10回目の手術とのこと。2時間半のキャンプ練習は疲れるので、3回のタイムアウトでは腰をおろすようにしている。
- キャンプ全休が続くOTデレク・シェロッドだが、彼がファンにサインをしない日は一度もない、とある記者。
- 街路にマッカーシーHCの名前を付ける計画が頓挫しているため、マーフィ社長はグリーンベイ、アシュウォベノン、デピアの3自治体に対し、決定を2014年まで棚上げすることを求めた。グリーンベイ市長はスタジアム東方のアシュランド・アヴェニューを選んだが、改名に伴ってさまざまな不都合があるとアシュウォベノン側が難色を示している。