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2013年7月31日
休日が明けて練習再開。練習開始の朝8時20分の気温は15℃。この日は練習開始後も観客が増え続け、3000人近いファンでスタンドは満員となった。ファミリーナイトを含め5日間連続フルパッド練習は異例で、選手たちにとっては今夏もっともキツい時期だろう。ケガ人がさらに増えるようならどこかで予定を変更するかもしれない。
マイク・マッカーシーHC。「今日の練習はよかった。休日明けはふつう出足がよくないものだが、今週はよいスタートが切れた。チームドリルでは、オフェンスもディフェンスもそれぞれよいプレーがあった。オフェンスはランプレーがよかった」
- 2人と契約し、1人を解雇。ロースター枠にはこれで89人となった。
- WRオマリアス・ハインズ Omarius Hines はフロリダ大からドラフト外ルーキーとして今春レイヴンズに入団したが、今月22日に解雇された。身長6-0、体重215ポンド。4年間でパスキャッチ64回801yds・4TD。高い身体能力(3コーンドリルが素晴らしい)の割にベストシーズンでも300yds未満に留まったのは、TEやRBとしての起用も多かったため。ラッシング33回323yds・4TD。
- Sクリス・バンジョー Chris Banjo はサザンメソジスト大出身。昨年ドラフト外ルーキーとして2球団でトライアウトを受けたが契約に至らず。今春ジャガーズと契約したものの今月25日に解雇されている。身長5-10(178cm)とサイズはないが、40yds走4.5秒を切るスピードがある。
- 解雇されたのはドラフト外ルーキーのSライアン・マクマーン(サクラメント州立大)。キャンプイン前日に契約したが、わずか3日間練習しただけで退団となった。
- オフェンス
- RB対OLBのブリッツピックアップ練習。FBクーンこそさすがの内容だったが、フランクリンなど他のRBたちは苦戦。ラッシュ19回のうち9回突破を許し、マッカーシーHCは渋い顔だった。「姿勢が高すぎ、しっかり踏ん張れていない。しっかり頭を上げていない。1人で止めなければならないこの練習はためになる」
- 昨日は2巡指名RBエディー・レイシーのこの写真がネットに流れて「ムチャクチャ太い」と全国メディアにまで話題にされたが、実物はそれほど太くはない。腰にパッドを入れているのもずん胴に見える理由。「コンディショニングテストに合格しているのだし、問題はない。もし心配があったらフィールドには出していない」とマッカーシーHC。WRランドール・コブは「昨夜はあの写真でさんざんからかわせてもらった(笑)。まじめな話、彼はちゃんと体ができてる。ただ角度が悪かっただけ」
- RBレイシー本人はこの馬鹿げた騒ぎについて平静かつ真面目に答え、かえって株を上げた。「外部のファクターは僕はあまり心配しない。そうした騒ぎから距離を置くことを大学時代に学んだから。人は言いたいことを言うものだし、けっきょく自分は自分の仕事をするしかない」
- レッドゾーンでのランプレー練習ではTEマシュー・マリガンが1stチームに加わった。ここではRBレイシーが今夏もっとも目立った働き。タックラー2人を引きずってエンドゾーンに走り込むとスタンドは大いに盛り上がった。このドリルでは彼のキャリー回数が多く、パワーランへの期待の大きさがうかがえる。
- RBジェームズ・スタークスも引き続き好調。インサイドでもアウトサイドでもTDランがあった。
- 引き続きRTマーシャル・ニューハウスが1stチーム。
- ドン・バークレーはセンターでショットガンスナップを派手に失敗。右タックルとの兼任は酷、という声も多い。彼がセンター練習を始めたのはやはり、4巡指名のJ.C.トレッターが負傷した翌週からだったらしい。
- ランブロッキングドリルで4巡指名OTデヴィッド・バクティアリが1巡指名DEデイトン・ジョーンズに勝利するとキャンペンOLコーチから大きな声が上がった。パスラッシュドリル2日間の成績は左タックルで4勝0敗1分、右タックルで3勝1敗(Journal Sentinel紙調べ)。うち2勝はOLBマシューズから挙げたものだ。「とてもよいスタートを切っている。彼の良さは春の練習から見てきた。とても頭の良い選手だ。フットワークがいい」とマッカーシーHC。
- OTバクティアリにとってOLBマシューズは兄エリック(FA浪人中)の友人であり、ドラフト前から知り合いだった。南カリフォルニアの同じ施設で一緒にトレーニングしてきた仲。
- OTバクティアリはテクニシャンだがランブロッキングが弱い、というのがスカウトたちの評判。しかしここまでは予想以上にフィジカルなブロッキングを見せている。ゾーンブロッキングのスキームにも向いていそうだ。「僕は初日に対戦したけど、6ydsも押し込まれたよ。背が高く腕が長いし、力も強い。よくコーチされた選手なのがわかる」とDEダニエルズ。
- 4番手・5番手を争う若手WRについてマッカーシーHC。「WRジェレミー・ロスとWRジャレット・ボイキンは、1年目から2年目に伸びる典型例だ。このオフェンスでの役割に馴染み、QBとの呼吸が合ってきたのもプレーのタイミングによく表れている」
- ディフェンス
- この日も最初のジョグスルーでリードオプションへのディフェンスあり。しかし11on11のチームドリルでやったという情報はまだない。
- ランシチュエーションでは引き続きDE C.J.ウィルソンが1stチームに。1巡指名DEデイトン・ジョーンズの負担(頭脳面もふくめ)が大きすぎないようにしているようだ。こんな選手を使わないなんて馬鹿げてる、という記者も。
- DEジョーンズはRBスタークスのカバレッジに下がり、まるでDBのように落ち着いてパスをブレークアップする好プレーあり。
- ドラフト外のOLBドンテ・サヴェージ(ニューメキシコ州立大)もOLBムルンバと同じく大学時代にDEだった選手。RB/FB相手のブリッツ練習ではOLBの中で彼1人だけ4戦全勝だった。相手はRBグリーン、FBジョナサン・アモサ(ドラフト外)、RBアンジェロ・ピース(ドラフト外)、RBフランクリン。
- CBトップ4人のうち3人が欠場のため、5巡指名CBマイカ・ハイドがシールズとともに1stチームへ。この日も好カバレッジが何度もあった。昨年2巡指名のCBヘイワードによく似た嗅覚に優れたタイプで、スロットが向いている。先輩CBたちのケガが長引くようならニッケルやダイムに食い込むチャンスが出てくるかも。
- この日はSジェロン・マクミリアンが先に1stチーム。M.D.ジェニングスと1日おきというルールは続いている。Sマクミリアンはランサポートでもパスカバレッジでも好プレーが多かった。インターセプト1回、あわやインターセプトの好ブレークアップ1回。TEフィンリーをぴったりカバーしてパス不成功に終わらせるプレーも。
- SマクミリアンについてマッカーシーHC。「オフシーズンもグリーンベイでずっとすごし、ウチのディフェンスを知り尽くすようになった。だから落ち着いて、あまり考えることなく動ける。安定感も増してきた。ビッグプレー能力もあるし、彼の進歩には喜んでいる」
- ノーハドル練習ではDB陣がよく踏ん張ってパス成功を許さず、QBロジャース率いる1stチームを止めてこの日の練習をしめくくった。練習最後の2ミニッツドリルでディフェンスが勝ったのは今夏これが初めて。
- パスラッシュドリルは全体としてディフェンス優勢の日だった。
- 1巡指名DEデイトン・ジョーンズがRGラングをなんとアオテンに。次の対戦ではRGラングが完勝し、3回目もRGラングがなんとか止めた。
- 4巡指名OTデヴィッド・バクティアリはOLBマシューズを止め、OLBムルンバに負け、OLBジャーヴィス・リードとOLBドンテ・サヴェージに勝った。全般としてかなり評価が高い。
- OGレーン・テイラー(オクラホマ州立大)はドラフト外ルーキー中最高額$7000ドルの契約ボーナスを受け取った選手。大学時代は850スナップで一度もサックを許さなかったという触れ込みだが、2日間で2勝4敗と苦戦。
- ドラフト外のOLBアンディ・ムルンバは好調OTバクティアリに初黒星をつけ、RTニューハウスもスピンムーヴで抜いた。
- NT B.J.ラジはCドン・バークレーをスピンムーヴでかわすなど、3戦2勝と順調。
- そのCバークレーはNTラジ以外には3戦全勝。
- DEジョニー・ジョリーが好調で、OGレーン・テイラー、C/Gグレッグ・ヴァンローテンといった控え組に勝利。
- スペシャルチーム
- キックオフ練習では、KクロスビーとPマステイはエンドゾーン中央あたりまで蹴り込むが、Kジョルジオ・タヴェッキオはエンドゾーンに届かないボールもあり、飛距離がかなり劣る。
- Pティム・マステイはハングタイム3.3秒や2.8秒といった失敗パントのある不安定な日だった。
- 1巡指名DEデイトン・ジョーンズがキックオフカバレッジの2ndチームに入る場面あり。DLがこのチームに入るのはきわめて珍しく、大事なスター候補がスペシャルチームでケガをしたらどうする、との声は多い。「彼は走れるから、相手にとってマッチアップ上の問題を引き起こす。ただ我々はバックアップとして彼を試しているだけで、1stチームを考えているわけではない」とマッカーシーHC。
- ショートビデオ集
- この日はいさかいもなくきわめてスムーズに練習が進んだ。
- ケガ人情報
- CBジェームズ・ニクソンがヒザを負傷。詳しくはわからないが当分欠場となりそうな印象。
- 第1週を全休したSチャズ・パウエル(足)がPUPリストから外れ、初練習参加。層の薄いセーフティ陣で4番手に食い込むチャンスのある1人。
- おなじくCBデヴォン・ハウス(食中毒)も初練習参加。ニューメキシコ州のレストランで食べたサーモンにあたって9ポンド(約4kg)も体重が落ち、耳にも感染症を起こして一時はまっすぐ歩けなかったらしい。オフに手術を受けた肩にはハーネスを着けていない。「肩? そうだ肩を手術したんだっけ、という感じ。少しでも痛みがあればハーネスを着けてるよ。バランスの方はまだ完全には戻ってない」
- 日曜の練習を途中退場したCBトラモン・ウィリアムズ(ヒザ)はやはり休み。「深刻なケガではないので心配はしていない。2週間ほど休むかもしれない」とマッカーシーHC。
- OTケヴィン・ヒューズは頭痛のため練習を休んだ。2011年ラムズのプラクティス・スクワッドからロースターに昇格したが、昨年夏に解雇され、今年2月にパッカーズと契約した選手。
- RBドゥワン・ハリス(ヒザ)は復帰まで2、3週間かかる、とマッカーシーHC。いっぽう本人は今すぐにでも復帰できそうなことを言っている。スタークスの好調さもあり、開幕ロースター入りにはやくも黄色信号か。
- その他は変化なし。WRチャールズ・ジョンソン(ヒザ)、WRドーシー(ハムストリング)、WRカニンガム(手首手術)、OTシェロッド(すね骨折)、OTトレッター(足首骨折)、DEウォージー(ヒザ前十字靭帯断裂)、DEニール(腹部)、CBヘイワード(ハムストリング)、Sリチャードソン(首の椎間板手術)。
- 珍しいことにテッド・トンプソンGMの会見ではそれなりに注目すべき内容があった。
- 日曜の練習で小競り合いが頻発したことについて。「私はああいったことがまったく好きになれない。現役時代はキャンプでの乱闘に加わったことはないが、感謝祭ゲームでそういうことがあった。OL選手に張り倒され、やり返そうと腕を振り回した。『いったい何やってるんだ、相手は300ポンドだぞ。誰か止めに入ってくれないかな』と思いながらね。私は喧嘩沙汰が苦手で」
- 「DEジョニー・ジョリーを復帰させたのは、時間をかけて慎重に検討した結果だ。最終的には、過去のチームでの振る舞いをもとに考えた。(故郷ヒューストンでなく)ここにいるときは彼はよきチームメイトだった。声に出して彼を支持するベテラン選手もいた」「彼はフットボール選手としての生まれ持った才能がある。柔軟に動けて、嗅覚にも優れている」
- 「ファーヴとパッカーズが和解するのは素晴らしいことだと思う。彼はここで長くプレーし、並外れた選手だった。良い形で彼が記憶されることはパッカーズにとって大きな意味がある。私は(和解に)何の異論もない」
- ILBデズモンド・ビショップ放出について。「たくさんの要素が絡んでのことだ。あのポジションの層が厚くなったことも示しているし、ああするのが適切だと我々は考えた。彼はよい人間だ。できれば他の地区に行ってほしかったが」
- ランボーフィールド内"Curley's Pub"では、選手・コーチのレシピによるオリジナル・バーガーを発売。開店10年目で初めてのことだ。マッカーシーHC(Mac Attack Burger・すでに販売開始)、DEピケット(Big Grease Burger)、WRネルソン、WRコブ(Corn on the Cobb Burger)、QBロジャース、OLBマシューズ(ClayMaker Burger)と9月7日までそれぞれ1週間ずつ販売される。売り上げの一部は各人のチャリティ団体に寄付される。
2013年7月29日
練習3日目は初めてのフルパッド練習。しかも最初の日曜とあって、今夏最高となるおよそ2000人のファンでスタンドは満員となった。前日よりマシとはいえ練習開始時は13℃。この日も空は厚い雲に覆われていた。
攻守ラインの力量が初めて試されるフルパッド練習。注目の1巡指名DEデイトン・ジョーンズはインパクトある内容で、パスラッシュドリルでもチームドリルでも力強いプレーを連発した。「デイトンはとてもよく見えた。すでによく馴染んでいる。パッドを着けてどれだけ動けるかに我々は注目するが、彼はその点でもとてもよかった。体はできているし、よい初日だった」とマッカーシーHC。
この日の練習内容についてマッカーシーHC。「初日からいきなり素晴らしい練習ができるとはもともと期待していない。そういう風にはいかない。だからフルパッド練習がとても重要なのだ」
月曜は今夏最初のオフ日となる。
- フルパッドといってもライブタックリング練習ではない。おそらく、キャンプ中にライブタックリング練習を行うのは今週土曜のファミリーナイトだけではないか。ふだんの練習では、(地面に倒さず)抱え込んだり、ドンと突き飛ばしたところでプレーが終わる。この日はレシーバーを思いっきり倒してしまった7巡指名ILBサム・バーリントンをマッカーシーHCが怒鳴りつけていた。
- NFLでは今年からヒザと太もものパッドが義務化された。昨年は罰金処分だけだったが、今年はルールに従わないと試合に出ることができない。練習では選手の判断に任せる球団もあるが、マッカーシーHCは試合と同じフル装備を義務付けている。
- この日はオフェンス対ディフェンスの小競り合いが多く、感情的にヒートアップする場面が何度もあった。選手が相手方のサイドラインに怒鳴り声をあげている。「エフォートとエネルギーはとてもよかった。アドレナリンのレベルが高く、規律は低かった。最初にパッドを着けたときはこういうものだ」とマッカーシーHC。
- オフェンス
- QB B.J.コールマンはブリッツ練習でパスラッシュをかわしてWRマイルズ・ホワイトにナイスパスを通した。しかしやはり波は大きく、ポケットに留まってコントロールミスを犯すプレーも複数回。
- QBアーロン・ロジャースは全般によい出来だが、CBジェームズ・ニクソンにインターセプトを食らったときだけは愕然としていた(どうやら新人WRがルート取りを間違ったらしい)。最後はそのCBニクソンを相手にTDパスを決めた。
- 4巡指名RBジョナサン・フランクリンは今日も鋭い加速と方向転換の能力を見せ、チームドリルだけで20yds以上のビッグゲインが2回あった。うち1回はインサイドからアウトサイドにブレークしてロングゲイン、もう1回はインサイドの穴を抜けたあとLBを置き去りに。
- いっぽう2巡指名RBエディー・レイシーのランではブロッキングが悪く、フリーで入ってきたタックラーに捕まるプレーが目立った。
- RBジェームズ・スタークスは中央でチェックダウンのパスを捕って鋭いランアフターキャッチ。今夏はとてもシャープな出来で、「これでケガさえ避けられれば」と記者たちは毎日書いている。ただ、CBブリッツのピックアップをしくじってサックを許す場面あり。
- ボールセキュリティドリルでボールを叩き落とされるミスを犯したのは、ドラフト外のWRマイルズ・ホワイトとTEジェイク・ストーンバーナーのみ。
- WRランドール・コブはワイドオープンでイージーな落球あり。昨季も何度かこうしたミスがあったため、記者たちが一斉にミスをツイートしている。しかしハイライト級の好プレーも何度かあった。
- リターナー候補のWRジェレミー・ロスはレシーバーで好調。1on1練習では鋭いルート取りでCBを引き離した。7巡WRコンビが出遅れるのを尻目に、ロースター入りに向けて順調なスタートを切っている。
- ヒザ前十字靭帯手術から1年8か月のTEアンドリュー・クウォレスはブロッキングで苦戦。パスラッシュドリルではOLBマシューズとOLBムルンバにやられ、チームドリルでもOLBムルンバを止められずWRコブへの好タックルを許した。
- 最後のノーハドル練習ではQBロジャースからの10ydsのフェードをWRジャレット・ボイキンがジャンプしてキャッチ。70ydsのTDドライブで2時間27分の練習をしめくくった。
- ディフェンス
- 2ndチームOL陣に対してディフェンスが優勢で、QBグレアム・ハレルにプレッシャーをかけるプレーが目立った。
- この日は3rdダウン中心の練習で、ディフェンス側も自然とニッケルやダイム隊形になる。1巡指名DEデイトン・ジョーンズはB.J.ラジと組んでインサイドラッシャーに入り、鋭いパスラッシュで即戦力ぶりを見せつけた。3-4のベース隊形でも1stチームの出番をもらっている。
- DEジョーンズはその他にも、ラン守備で新人FBアモサを一瞬でかわしてRBレイシーをロスタックルに仕留めたプレーや、パスのディフレクトがあった。
- DEジョーンズの現在の体重は295ポンド。3月のプロデイの時よりも18ポンド、ロースター表の公称体重よりも10ポンドほどバルクアップしている。「これは贅肉じゃなく筋肉だ。筋肉をしっかりつけてきた。とくに3-4でやるために体重を増やしたわけじゃないし、コーチから指示されたわけでもない。僕が年を重ねただけだ」
- DEジョーンズがNTラジと組めば、ラジを相手のダブルチームから解放できるかもしれない。「B.J.があんなにクイックだとは知らなかった。だからニッケルに僕を加えればラッシュが強力になる、とコーチたちは考えている。彼はQBにラッシュできるし、僕もQBにラッシュできる力がある。2人合わせればいい感じだと思う」
- OLBニック・ペリーはランブロッキングで非常に力強い働き。RTバークレーに2戦2勝したあと、OLB対TEのブロッキングドリルでもTEテイラーに圧勝した。
- ダイム隊形(1ILB)のILBは今年もブラッド・ジョーンズ。A.J.ホークはサイドラインに退く。
- 復帰初日のILBジャマリ・ラティモアはラン守備でビッグヒットを連発。サイドラインから大きな声を出してディフェンス陣を鼓舞する姿も目立つ。
- 先日大型契約を結んだSモーガン・バーネットについてマッカーシーHC。「彼は非常によいプレーができている。セーフティは非常に重要であり、彼はカギとなるコミュニケーターだ。彼はボックスでもオープンフィールドでも非常に優れている。あと期待するのはボールに対してのプレーをもっと増やすことだ(INTが少ない)」
- CB2人が欠場中のためCBジャレット・ブッシュの出番が多いが、この日はカバレッジで失敗が多く、何度もパス成功を許した。
- 注目はOL対DLのパスラッシュドリル。(7on7練習と同時に行われている)
- 注目の1巡指名DEデイトン・ジョーンズは3回とも鋭いパスラッシュ。RGラングは抜けなかったもののかなり押し込み、OTダトコやCガース・ゲアハートは楽々抜いた。
- 4巡指名OTデヴィッド・バクティアリは左右タックルで4戦4勝の好スタート。左タックルでOLBマシューズと6巡指名OLBパーマー、右タックルでOLBアンディ・ムルンバとOLBドンテ・サヴェージ(ともにドラフト外)を封じ込めた。
- ドン・バークレーも4戦4勝。うち3回は右タックル、1回はセンターとしてのブロッキングだった。(相手は不明)
- 2年目のDEマイク・ダニエルズは低く鋭い当たりを活かしてCディートリック=スミスやOGレーン・テイラー(ドラフト外)を押しまくっている。
- スペシャルチーム
- キックオフリターナーは候補者が多い。WRジェレミー・ロス、WRコブ、CBシールズ、CBジェームズ・ニクソン(昨季プラクティス・スクワッド)、4巡指名RBフランクリン、CBロイス・ミーンズ。
- CBニクソンは最初にもらったチャンスにキャッチミス。JUGSマシンのボールにもかかわらず。
- 今春FA加入したTEマシュー・マリガンがキックオフリターンの1stチームに。
- 2巡指名RBエディー・レイシーはキックオフリターナーの前のフルバック役に。これまでFBジョン・クーンがプレーしてきた役回りだ。
- 今キャンプ最初のキックオフを蹴ったKジョルジオ・タヴェッキオのボールはエンドゾーン1ydまでしか飛ばず、ハングタイムも短め。Pマステイもキックオフ練習をしていたのは、Kタヴェッキオがキッカー争いに勝った場合にキックオフを任せる意図か。
- フィールドゴール練習は1日おきという話だったのに、この日はなかった。
- 記者たちの撮影したショートビデオ
- ケガ人情報
- 体調不良で2日休んだILBジャマリ・ラティモアが練習に復帰。「体調不良で体重が落ちたので、スナップ数に制限を設けている。練習途中で一度ドロップアウトしたのは脚の痙攣のため」とマッカーシーHC。
- CBトラモン・ウィリアムズは練習後半はサイドラインのままだった。ヒザに問題を抱えているため、とマッカーシーHC。CB陣3人目の欠場で今後が少し心配だ。
- 前日に負傷した7巡a指名WRチャールズ・ジョンソン(ヒザ)、7巡b指名WRケヴィン・ドーシー(ハムストリング)はやはり休んでいる。「まだ情報を集めているところで、タイムラインははっきりしないが、深刻なものではないと聞いている」とマッカーシーHC。
- その他の10人は変化なし。RBハリス(ヒザ)、WRカニンガム(手首手術)、OTシェロッド(すね骨折)、OTトレッター(足首骨折)、DEウォージー(ヒザ前十字靭帯断裂)、DEニール(腹部)、CBヘイワード(ハムストリング)、CBハウス(食中毒)、Sパウエル(足)、Sリチャードソン(首の椎間板手術)。
- DEジョニー・ジョリーは先週月曜に結婚したことを明らかにした。新婚旅行はまだ。
- ヴォニーシーさんと出会ったのは3年前、NFLから無期限の出場停止処分を受けた頃だ。「試練を乗り越えることができたのも、彼女の存在が大きかった。(また悪い世界に行かぬよう)彼女がつきっきりでいてくれたから」
- 「責任を持てる大人へと僕は成長してきた。正しい行いをし、悪いことを考えず、集中を保ち、神への信仰を大事にする。自分にできるのはそれだけだ」
- チャンスを与えてくれた球団と温かく迎えてくれたファンに感謝。「仲間を二度と失望させたくないという気持ちだ。家族を失望させた。自分を失望させた。二度と同じ道をたどらないよう努力している。自分をドラフトしてくれたチームに戻ることができ、僕は本当にうれしい。セカンドチャンスをもらえる者はそう多くないから」
- 仮にフットボールで返り咲けなかったとしても、自分は平静を保って生きていける、と本人。「そうなったら大学に戻って学位を取ることも考えている」
- 元RBアーマン・グリーンがいるのは、NFLのマイノリティ・コーチング・インターン制度で臨時RBコーチとして参加しているため。ここから本採用になった例も数多い。
- アレックス・ヴァンペルトRBコーチは春にアキレス腱を断裂。まだ保護ブーツをはいてゆっくりとしか動けない。
2013年7月28日
キャンプ2日目は曇天。先週までの猛暑が収まったどころか朝8時20分の練習開始時で気温11℃と、ケガが心配になるほどの気温だった。涼しいや肌寒いを通り越して寒い。
- 「初日と比べてスロッピーな練習内容だった」とマッカーシーHC。フォルススタート、スナップミス、パス落球が多かったことを指している。
- この日も2時間26分の練習の中で2分間の給水タイムアウトが3回あった(昨日の記事参照)。
- この2日間の練習で、いろいろな選手に心拍計をつけさせている。
- 心拍計についてTE D.J.ウィリアムズ。「最初の5分間は違和感があったけど、慣れてしまえば何でもない。スタッフは、僕らが最大のスピードで走ったり最長の距離を走ったりしたときの心拍数を把握し、休息時と比べてる。そうしたデータを利用して、いつ疲れて休養が必要か、心拍を下げるべきか、練習ルーティンを組み立てるのに利用するんだ」
- OLBマシューズ。「100%支持するよ。音楽のおかげで練習の単調さが崩せるのはいいことだ」
- 給水タイムアウトの間には音楽も流れ、試合中のTVタイムアウトに似せている。前日は最近のヒット曲でやや卑猥な内容を含むため「家族連れが多いのにいかがなものか」との声があった。この日はボブ・マーリーやジョニー・キャッシュなど古い曲。「オレでもわかる!」と喜ぶベテラン記者たち。
- オフェンス
- 初日はB.J.コールマンが先に2ndチームのQBに入ったが、この日はグレアム・ハレルが先。11on11のチームドリルでは、18スナップをQB3人が均等に分け合った。
- ブリッツ練習において、QBコールマンはスクランブルしながらのナイスパス成功が2回あった。オフシーズンから重点を置いて練習していた部分。
- この日はRBジェームズ・スタークスが最初に1stチームに入った。グリーン、レイシー、フランクリンも少しずつ1stチームの機会があった。4人とも鋭いランプレーがあり、RB陣はこれまでになかった充実ぶり。ただ、ラン攻撃/守備の評価はフルパッド練習でないとあまり意味がない。
- WRランドール・コブはディフェンダーをセパレートするのが巧みで、たいていフリーでキャッチできている。
- 4番手候補のWRジャレット・ボイキンがナイスキャッチを決めてファンから歓声。6-2の身長があってバルクアップもしてきたので、「初日はTEフィンリーと見間違えた」とある記者。
- ドラフト外ルーキーのWRマイルズ・ホワイトはまずいスタート。初日はディフェンスなしの練習で落球を連発し、この日もイージーな落球あり。しかしサイドライン際で見事なジャンピングキャッチもあった。
- ドラフト外(トライアウト参加後に正式契約)のWRタイロン・ウォーカーは来たボールをすべてキャッチする安定したプレーぶり。11on11練習では4プレーの間に3キャッチを決めた。
- おなじくドラフト外ルーキーのTEジェイク・ストーンバーナーもイマイチのスタート。初日はルートランニング中に倒れてインターセプトにつながり、この日はフォルススタートを犯してサイドラインに下げられた。
- 右タックル争いは変化なし。1stチームにマーシャル・ニューハウス、2ndチームにドン・バークレー。
- ドン・バークレーはプロ2年目のバルクアップぶりが目覚ましいとの声あり。練習後半には1stチームの右タックルやセンターに入る場面も。しかし2回連続でスナップミスするなど、センター修業はまだ始まったばかり。「彼は非常に優れたプレーヤーであり、先発を争うチャンスを自ら勝ち取った。センターでのあのスナップミスは、アサインメント的にフットワークが最も難しいプレー選択だった」とマッカーシーHCはかばっている。
- バークレーが2ndチームのセンターに入るときはグレッグ・ヴァンローテンがセンターから右ガードに移る。
- ディフェンス
- 今年のDL陣についてマッカーシーHC。「非常に才能あるグループだ。多彩なタレントという点で昨年よりも勝っている。パスラッシュでのアスレチック能力も増した」
- DEジョニー・ジョリーは1巡指名DEデイトン・ジョーンズとともにニッケル隊形のインサイドラッシャーに入る場面あり。「OTAと比べて体ができてきたし、良いスタートを切ったと思う。オフの4週間の間によい仕事をしたが、まだやるべきことは多い。(復帰間もないので)スナップ数は慎重に制限している」とマッカーシーHC。
- 2ndチームのOLBはデズマン・モーゼスとアンディ・ムルンバ(ドラフト外)。どちらも大学時代はDEをプレーしていた選手だ。
- サイドラインではOLBクレイ・マシューズがDE/OLBマイク・ニール(欠場中)にパスラッシュ・ムーヴを教える姿が見られた。
- この日最高のプレーはCBトラモン・ウィリアムズ。ディフェンスの31yds地点、QBロジャースが右にスクランブル、縦に抜けたWRネルソンを見つけてロングパスを投げた。カバー2で浅いエリア担当だったCBウィリアムズは後ろから追いついただけでなく、素晴らしいジャンプ力を発揮して見事叩き落とした。
- この日はSジェロン・マクミリアンが先に1stチームに入った。M.D.ジェニングスと1日おきというプランか。
- この日は1stチームのニッケルバックにCBジャレット・ブッシュ。CBマイカ・ハイドも1stチームの機会があった。
- 最初のジョグ・スルーでリード・オプション相手の練習あり。
- 49ersのQBコリン・キャパニックが先日のインタビューで、「プレーオフではこちらのハドル中にパッカーズディフェンスが(混乱して)、『お前がこれをやるはずだろ』『それはそっちの仕事だ』と口論になっていた」と暴露したばかり。
- OLBマシューズ。「あの発言は読んだよ。彼らはよいプレーをして僕らを破ったのだから、言う権利は彼らにある。しかしこちらもあのゲーム(579yds)についてはさんざん話し合ってきた。さいわい第1週に対戦があるから、今度はやり返したい」
- リード・オプション対策についてOLBマシューズ。「今年はああいったタイプのプレーを止めることをより重視して練習している。オフシーズンから(テキサスA&Mにコーチ陣を派遣するなど)ウチが重点的に対策を練ってきたのも知っている。僕らアウトサイドのパスラッシャーが以前のように必ずラッシュするのではなく、コンテインするのが大事だ。開幕戦はよいテストになる」
- スペシャルチーム
- この日のパントリターナーは、WRコブ、WRジェレミー・ロス、CBウィリアムズ、WRネルソン、RBフランクリン。
- RBジョナサン・フランクリンは「まだパントのキャッチングがぎごちなく見える」との声があるが、落球はまだゼロ。捕った後の動きは素晴らしいのでパントリターナーとして彼を使ってみたい、というアイディアは無理もない。
- RBフランクリンのパントリターナー起用についてマッカーシーHC。「使うからには、彼のボールハンドリングと判断力を我々みなが信頼できるようでなければならない。そのうえでスキームに沿ったプレーをする必要もある。今までのところ、彼には満足している」
- この日はフィールドゴール練習がなく、「FG練習は1日おき」とマッカーシーHCから説明があった。競争のある年はキッカーの脚が疲労してシーズン中にキックオフ飛距離が鈍る傾向があるのはたしか。
- なお、キャンプで「フィールドゴール練習」という場合、ちゃんとディフェンスのいる実戦形式のみを指す。
- 記者たちが撮影した練習風景のショートビデオ。例によって撮影許可はポジションドリルのみ。
- 新人WR3人が負傷(後述)したため、記者がWRジェームズ・ジョーンズに冗談めかしてWRドナルド・ドライバーの話題をもちかけた。「引退したら誰もが通る道だと思う。子供のころからフットボールをプレーし続け、それが急になくなる。やりたい気持ちはあるんだと僕は思う。正式な引退届を提出していないのもそのせいだ。体は作ってある、と毎日彼に言われてるよ。じゃあなんで引退したの?って僕は毎日聞き返すんだ」
- 禁止薬物であるヒト成長ホルモン(hGH)の検査実施にむけた労使の話し合いが進んでいることにOLBクレイ・マシューズ。「大賛成だ。僕はずっと前から支持している。公平な競争のため、ようやく正しい方向に向かい始めたことが嬉しいよ。そう主張している選手は多いし、僕も楽しみにしている」
- ケガ人情報
- 7巡a指名のWRチャールズ・ジョンソンがヒザを負傷。QBハレルからのスラントがビハインドになり、芝に足をとられた。重症ではないかと心配されたが(サイドラインに退いてからは普通に歩き回っていた)MRI検査の結果、腸脛靭帯をすこし痛めただけと判明。明日練習できる可能性もあるとのこと。
- 7巡b指名のWRケヴィン・ドーシーもハムストリングを痛めたようだ。詳しい検査待ち。
- WRセドリック・カニンガム(ドラフト外)は前日の練習で手首を負傷し、わずか4時間後に手術を受けた。ロングパスを追い、CBマイカ・ハイドと絡み合って激しく着地した際に手首を脱臼してしまったた。「マイカがよいプレーをしたのだし、彼を責めるつもりはまったくない。不運なアクシデントにすぎない」と本人。
- 初日から休んでいる10人は変化なし。RBハリス(ヒザ)、OTシェロッド(すね骨折)、OTトレッター(足首骨折)、DEウォージー(ヒザ前十字靭帯断裂)、DEニール(腹部)、ILBラティモア(体調不良)、CBヘイワード(ハムストリング)、CBハウス(食中毒)、Sパウエル(足)、Sリチャードソン(首の椎間板手術)。
2013年7月27日
いよいよトレーニングキャンプ初練習をむかえ、1800人から2000人のファンでスタンドもはほぼ満員となった。終盤に小雨が降ってきたが最後までレイ・ニチキ・フィールドで公開練習を行うことができ、終了とともに雨脚が強くなった。
新労使協定の規定によりキャンプ初日と2日目はフルパッド練習を行えないので、練習内容はOTAやミニキャンプとさほど変りない。各ポジションの先発争いも、とりあえずオフシーズン練習と同じ選手たちが1stチームに入っている。本当の争いは3日目のフルパッド練習からだ。
PUPリストの8人にくわえ、CBヘイワードとCBハウスが練習しなかったのがサプライズ。詳しくは前の記事にまとめておいた。
- 練習中3回にわたり、各2分間の給水ブレーク。その間、サウンドシステムからは大音量の音楽がかかっている。この休憩はこれまでなかったことで、ケガ予防のためマッカーシーHCが今年取り入れたことだ。「医学上の見地から検討したことで、練習中にいったん心拍数を下げるのが目的だ。それに加え、試合でのTVタイムアウトを模している。ゲームデイの状態に選手たちの体を慣らす意味もある」
- 上記のような試みについてWRジョーディ・ネルソン。「僕らがいつも話し合っていることだ。選手を健康に保つため球団全体でいろいろなことを試してきたし、これもその1つ。効果はあると思う」
- これまで練習最初のジョグ・スルーでは、1stチームオフェンスに対するのはオフェンスの控え組、1stチームディフェンスに対するのはディフェンスの控え組だった。しかしこの日は1stチームオフェンスに控えディフェンス、1stチームディフェンスに控えオフェンス、という組み合わせだった。
- 「創立93年目のチームとなるにあたって、昨日のミーティングで選手たちに伝えた今年のテーマは、Protection, Connection, Reflection の3つだ」とマッカーシーHC。Protectionはケガの予防ということだろう。
- オフェンス
- 1stチームOL陣は、LTブラガ、LGシットン、Cディートリック=スミス、RGラング、RTニューハウス。
- 2ndチームOL陣は、LTデヴィッド・バクティアリ(4巡指名)、LGアンドリュー・ダトコ、Cグレッグ・ヴァンローテン、RGレーン・テイラー(ドラフト外)、RTドン・バークレー。全員が1年目・2年目選手だ。
- RTドン・バークレーはセンターも務めている。こちらの出番も長かった。
- 昨年の7巡指名アンドリュー・ダトコはタックルとガードの両方をプレー。インサイドのデプス不足による措置と思われるが、DEウィルソンに完全に押し込まれるなどやはりガード向きではなさそう。
- 予告どおり、2ndチームのQBはグレアム・ハレルとB.J.コールマンがスナップ数を分け合っている。昨年のコールマンにはこのような機会はなかった。
- チームドリルで最初に1stチームに入ったRBはアレックス・グリーン。キャッチング練習は非常にスムーズだった。ジェームズ・スタークスも交替で1stチームに。よい体ができていて、先発争いの準備はできている。
- スクリーンパス練習では、4巡指名RBジョナサン・フランクリンがキャッチング技術と鋭い動きで記者たちをうならせていた。2巡指名RBエディー・レイシーも滑らかな動き。ただ最重量バックであるせいか、息の上がるのも一番早い。
- 今夏最初のファンブルはWRジェレミー・ロス。プレーオフでの痛いミスを思い出させて縁起が悪い。
- WRランドール・コブはCBシールズを抜いてサイドライン際でQBロジャースからのパスをキャッチする素晴らしいプレーあり。
- ディフェンス
- OTAやミニキャンプに続き、パス落球はファンブルとしてボールを追うようディフェンス選手は指示されている。
- 注目の先発セーフティ争いでは、M.D.ジェニングスが先に1stチームに。途中でジェロン・マクミリアンと交代した。
- 1巡指名DEデイトン・ジョーンズは、NTラジとともにニッケル隊形のインサイドラッシャーに。ポジションドリルでは、タックリングダミーをいとも簡単に投げ捨てる力強さ。
- 出場停止明けのDEジョニー・ジョリーは2009年以来4年ぶりのキャンプ。「OTAの頃より軽そうに見える」とある記者。それなりに体を絞ってきたのはたしか。
- 非常によかったのが5巡指名のCBマイカ・ハイド。CBヘイワードとCBハウスが不在のため、CBジェームズ・ニクソン(昨季プラクティス・スクワッド)とともに2ndチームに入り、ニッケル隊形では1stチームに。パスブレークアップが複数回など、好プレーが目立った。
- CBハイドについてマッカーシーHC。「今日もっとも目立っていたのは誰かと聞かれれば、それはマイカだ。ボールに対してプレーする能力は際立って見えた」
- スペシャルチーム
- パントリターナーには、WRコブ、CBウィリアムズ、4巡指名RBフランクリン。
- パント練習では、WRジェレミー・ロスがパンターの前に位置する”パーソナル・プロテクター”役に。ずっとFBジョン・クーンが担ってきた役目だ。
- Pティム・マステイは安定した内容で、15回のうち11回でハングタイム4秒を超えた。ベストは61yds、4.53秒の大パント。
- 注目のフィールドゴール練習はKジョルジオ・タヴェッキオがリード。両キッカーとも33、36、44ydsまでは成功した。Kメイソン・クロスビーが50ydsを失敗したのに対し、Kタヴェッキオは成功した。53ydsの1回目は2人とも失敗したが、2回目は2人とも成功させて終了。Kクロスビーは4/6、Kタヴェッキオは5/6だった。
- 記者たちが撮影した練習風景のショートビデオは以下のとおり。ビデオ撮影が許される時間は限られていて、どうやらポジション練習だけのようだ。
- QBアーロン・ロジャースのインタビューでは、親しい友人のライアン・ブラウン外野手(ブリュワーズ)についての質問が多い。昨年ドーピング違反容疑が晴れた際にロジャースは厳しい調子で批判者を糾弾し、「彼が無罪であることに1年分の給料を賭けてもいい」とまで言い切ってしまった。先日はブラウン本人が、違反と嘘をついていたことを認め、今季いっぱいの出場停止処分を受け入れた。
- 「ショックだった。みなさんの多くと同じように。彼は僕の目を見て、あの容疑は事実ではないと、何度も繰り返し嘘をついた。友人である僕にとってだけでなく、ウィスコンシンのスポーツファン、ブリュワーズファン、本当の野球ファンにとって失望以外の何物でもない。あのように嘘を言われるのはよい気分ではないし、このような成り行きになったことに失望している。友人の肩を持ったことは後悔していない。しかし今になって思うと、もっと慎重なアプローチをとっていた方がよかった」
- 引き続きブラウンを擁護するのではと心配されていただけに、上記のコメントは好意的に受け止められている(「完璧」という評価も)。ただ、共同経営するレストラン(今週2店目を出店予定)が今後どうなるかは心配なところだ。レストランを運営する会社の社長はノーコメント。
- 古巣をねちねちと批判しているWRグレッグ・ジェニングス(MIN)についてはコメントせず。「僕はこのロッカールームにいる仲間たちの意見の方を気にかけている。いまここには90人の選手がいて、自分がこのチームのリーダーの1人であることに興奮しているし、自分のリーダーシップのスタイルに自信を持っている。選手たちもそれによく応えてくれている」
- 「チーム最古参の選手として、僕はたくさんのことを経験し、たくさんの教訓を学んできた。自分ではすべてをコントロールできないし、球団の外のことを心配しすぎてはいけない、というのもその教訓の1つだ。自分が心配するのはチームメイトの意見であり、彼らが僕のことをどう感じるかだ」
- QBロジャースの両親が珍しくサイドラインに(写真)。以前ここで出会った友人に誘われ、小児病院の資金集めイベントでボランティアをするために来たとのこと。
- 元RBアーマン・グリーンがヴァンペルトRBコーチとともにフィールドでRB練習を見つめていた。(写真)
金曜の練習終了後、ようやくマッカーシーHCからケガ人の状況が明らかにされた。メディアに対しては楽観的な復帰時期を述べるもので、ヘッドコーチの公式見解よりも長くかかることは覚悟しておいた方がいい。
- 初日の練習に参加できなかったのは、CBヘイワード(ハムストリング)とCBハウス(食中毒)。それにPUPリストのRBハリス(ヒザ)、OTシェロッド(すね骨折)、OTトレッター(足首骨折)、DEウォージー(ヒザ前十字靭帯断裂)、DEニール(不明)、ILBラティモア(体調不良)、Sパウエル(足)、Sリチャードソン(首の椎間板手術)。
- 初日の練習では目立ったケガ人はなかったようだ。
- CBケイシー・ヘイワードは個人トレーニング中にハムストリングを痛め、復帰まで2週間程度。「心配はしていない」とマッカーシーHC。なぜPUPリストでないのかは不明だ。
- CBデヴォン・ハウスは食中毒のため。手術を受けた肩については復帰許可が下りているが、まだハーネスが必要かもしれない、と本人。
- ILBジャマリ・ラティモアも病気による欠場だが、どのような病気かは不明。
- DEマイク・ニールは腹部の負傷で、復帰まで2週間ほど。OLB挑戦で注目されていたのに残念なスタートとなった。昨季終了後は体重310ポンドだったのを、現在275ポンドまで絞っているとのこと。
- RBドゥワン・ハリスは手術を受けた肺でなくヒザの問題。1週間か2週間ほど。
- OTデレク・シェロッド(すね骨折)の復帰はかなり近い、というニュアンス。「彼のワークアウトを私も見たが、OTAの頃と比べて格段によくなっている。フィジカルに合格しなければ他の選手と一緒にドリルワークができない仕組みが残念だ。明日の状態やトレーナーからの報告に私は強い関心を持っている」とマッカーシーHC。
- いっぽう首の椎間板の手術を受けたSショーン・リチャードソン(昨季第12週に負傷)は、現役続行が可能かどうか、ドクターの判断の時が近づいている。「僕の人生は先が長いし、それを危険にさらしたくない、と心配してもらってる。だから今はすべての検査をこなし、あらゆる見地から異なった見方を集めようとしているところ。判断はそれからだ。どのような決断が下されようと僕は受け入れる」と本人。
- 4巡b指名OT J.C.トレッターはOTA初日のファンブルリカバー練習で足首を骨折。すでに保護ブーツは取れたが、今年プレーできるかどうかはわからない、と本人。RTドン・バークレーがセンターも練習しているのは、トレッターの戦線離脱で目算が狂ったせいかもしれない。
2013年7月26日
キャンプ初日は朝6時からフィジカルチェックが行われ、その後は各種ミーティング(警備関係など、フットボール以外のミーティングがたくさんある)やコンディショニング・テストなど。練習は明日からなので、今日のニュースはケガ人関連の部分だけ。
- PUPリストでキャンプを迎えるのは以下の8人。RBドゥワン・ハリス(肺の手術)、OTデレク・シェロッド(すね骨折)、DEジェレル・ウォージー(ヒザ前十字靭帯断裂)、Sショーン・リチャードソン(首の椎間板手術)、4巡指名OT J.C.トレッター(OTA初日に足首骨折)、DEマイク・ニール(不明)、ILBジャマリ・ラティモア(不明)、Sチャズ・パウエル(不明)。
- 上で「不明」とした3人の他はおおむね予想された顔ぶれ。キャンプイン時のPUP指定はシーズンでのPUPリスト(開幕から6試合欠場が確定)と違い、キャンプ初日に練習できない選手はとりあえず全員PUPに入れてしまうものだ。わずか数日でアクティブ登録に戻ることも多い。
- もっとも意外なのはDEマイク・ニールのPUPリスト入り。詳しいことは明日わかるだろう。
- RBドゥワン・ハリスは春に肺嚢胞を切除する手術を受け、OTAやミニキャンプを全休した。「チーム側が大事を取っているだけで、ロースター合流は近い」と関係者。
- OTデレク・シェロッドはすねの腓骨・脛骨の両方を骨折する重傷を負ってから19か月が経過した。彼のキャリアについて悲観的な見方も強くなってきたが、同様の負傷から復活した例は少なくない。かつてCマイク・フラナガンは3巡指名入団後のプレシーズン初戦で同じケガを負い、ようやく復帰したのは3年目シーズン終盤。5年目には先発センターとなり実り多きキャリアを築いた。現ベアーズのRBマイケル・ブッシュも大学最終年で同じケガを負い、2年のブランクのあとレイダーズで復活している。
- 肩の手術明けでオフシーズン練習を全休したCBデヴォン・ハウスだが、PUPリストに名前がないので初日から練習できるのだろう。ミニキャンプを休んだ7巡指名コンビ、WRチャールズ・ジョンソンとWRケヴィン・ドーシーもぶじ参加。
- 昨日解雇されたQBマット・ブラウン(イリノイ州立大)は、ヒザ前十字靭帯の断裂と情報もあるが、「心配したより軽かった」との報道もあってはっきりしない。「QB4人でキャンプを迎えたかったが、こうなったのはケガの結果だ。もう1人加えるかどうかは今後話し合っていくことだ。今のところは3人で行く」とマッカーシーHC。
2013年7月25日
- パッカーズ新人の中で唯一未契約だった1巡指名DEデイトン・ジョーンズが契約に合意。契約ボーナス$3.992ミリオンを含む総額$7.716ミリオンの4年契約で、うち$6.259ミリオンが保証されている。規定により、1巡指名選手はすべて4年契約のうえ5年目が球団側のオプション(3年目終了時にオプション行使するか決める)となっている。
- ドラフト外ルーキーのQBマット・ブラウン(イリノイ州立大)を解雇。トレーニング中にひざを負傷して関節鏡手術を受け、復帰まで4週間ほどかかってしまうらしい。
- これでQB陣は例年どおりの3人となった。2番手を争うグレアム・ハレルとB.J.コールマンには、均等に機会を与えるとコーチ陣は明言している。
- ドラフト外ルーキーのSライアン・マクマーン(サクラメント州立大)と契約した。ルーキーミニキャンプにトライアウト参加していた選手。2年目までUSCに在籍したあと同大に転校している。身長5-11(180cm)、体重207ポンド(94kg)。今春のプロデイでは40yds走4.44秒という素晴らしいスピードを披露した。
- 現在パッカーズのロースターは88人で、2人空きがある。
- キャンプインを明日に控え、選手たちが続々とセント・ノーバート大の学生寮に入居している。(写真集1・写真集2・ビデオ)
- 20日にはパッカーズ殿堂入り式典がアトリウムで開催された。Kクリス・ジャッキーは元同僚(兼ホルダー)のPクレイグ・ヘントリックをプレゼンターに選び、DEカビーア・バジャ=ビアミラは元DLコーチのジェスロ・フランクリン(現USC)を選んでいる。ロン・ウルフ元GMや元QBバート・スターもかけつけ、イベントは大盛況となった。(写真集)
- 毎年恒例のグリーンベイ・パッカーズ株主総会がランボーフィールドで開催された。(写真集1・写真集2)
- 昨年を上回るおよそ13000人の株主が東側スタンドを埋めた。株主1人につき1人のゲストを同行可能になった影響もありそうだ。通常は4人のゲストを同行できるが、新株発行直後の前回は大量動員が予想されたため、ゲスト同行は禁止だった。
- オンラインでも、株主のみ参加可能なウェブキャストが行われた。
- マーフィ社長に紹介され壇上に上がったテッド・トンプソンGM。「マイク・マッカーシーがグリーンベイ・パッカーズのヘッドコーチであることに、私は毎日神に感謝している。2006年1月、我々はこのチームを導くのにふさわしい人物を探した。彼の行動と実績は、その時の決断が正しかったことを証明している」
- 会計報告については先日発表されたとおりの内容。
- マーク・マーフィ社長。「我々は財政的にも、フィールド上でも、非常に良い状況にある。今後長くスーパーボウルを目指して戦っていける」
- 昨季シーホークス戦最後の大誤審"Fail Mary"事件が画面に映し出されるとスタンドからブーイングの声。「少なくとも(正規審判団の)ロックアウトを終わらせる効果はあった」とマーフィ社長。
- 来月殿堂入りする元LBデイヴ・ロビンソン(在籍1963-72)が紹介される場面も。(写真)
- 終了後には、南側に完成した大スタンドや新施設の見学会もあった。
東側スタンドを埋めた株主たち
チームの現状を説明する テッド・トンプソンGM
ファンのサインに応じる マーク・マーフィ社長
2013年7月22日
今季パッカーズのカギを握る選手やポジション争い。今回はディフェンスとスペシャルチームについて。
◆ OLBニック・ペリー
昨年1巡28位で指名されて開幕スターターとなったが、開幕戦で左手首を負傷。無理をして6試合出場したものの回復せず、11月上旬に手術を受けてシーズン終了となった。今年ウォルデンとの再契約を見送りドラフトでも大きな補強をしなかったのは、ペリーがスターターでやってくれると期待してのことだ。パスラッシュ向上のカギは彼が握っているといえる。
大学でDEだったのでサイズ(マシューズより10ポンド重い)と馬力があり、ラン守備でも相手ブロッキングをしっかり受け止める力がある。昨季苦戦したパスカバレッジは進歩してもらわなければ困るが、パスラッシュが向上すれば多少のことは我慢できる。
DEマイク・ニールのOLB起用(後述)がシーズンで実現するなら面白い。ウォルデンのFA退団で控えのデプスは薄くなり、出場経験のある控えはデズマン・モーゼスのみ。ネイト・パーマー(6巡指名)、アンディ・ムルンバ(ドラフト外)といった新人たちがローテーションに加わってきてほしいところだ。
◆ ディフェンシブエンド
1巡26位指名でデイトン・ジョーンズが入団し、昨季スターターだったC.J.ウィルソン(FA2014)と先発の座を争う。身長や腕の長さのあるジョーンズはリード・オプション対策でも期待が大きい。1年目からバリバリ働いてくれるようなら、DL陣は昨季より大幅に戦力アップしたことになる。
マイク・ニール(FA2014)は今春アウトサイドLBとしても練習をしている。これもどうやらリード・オプション対策の一環で、DEの動きを予測不能にすることで相手QBの判断を狂わすことが眼目らしい。2巡指名から2年間ケガに苦しんだニールだが、昨季は鋭いパスラッシュでようやく戦力になってくれた。今年はアウトサイドからラッシュしたり、カバレッジに下がることも多くなるのだろうか。
ジョーンズとニールはB.J.ラジとともにニッケル隊形(2DL)のインサイドラッシャーとしてローテーション起用されるはず。昨年2巡指名のジェレル・ウォージーは前十字靭帯断裂でシーズン前半は無理そう。昨年4巡指名のマイク・ダニエルズは低く鋭いパスラッシュで光るものを見せたので、2年目の成長に期待。
◆ 先発セーフティ争い
大型契約を結んだモーガン・バーネットの相棒はM.D.ジェニングス(ドラフト外から3年目)になるのか、ジェロン・マクミリアン(昨年4巡指名)になるのか。アグレッシブなランサポートではマクミリアンの迫力が勝るが、パスカバレッジではジェニングスの方が安定感がある。昨季の出場スナップ数はジェニングス616回、マクミリアン614回と互角(9試合先発相当)。どちらもスモールカレッジ出身だけに伸びシロに期待したい。
このポジション(通常4人枠)は控えの層も非常に薄い。昨年ドラフト外からロースター入りしたショーン・リチャードソンが本来なら4番手だが、オフに首の椎間板の手術を受け、いつ復帰許可が下りるかはっきりしないからだ。昨季プラクティス・スクワッドのチャズ・パウエルあたりが4番手の有力候補か。キャンプでケガ人が出たらFA補強もありうる。
◆ 契約最終年のDL軍団
NT B.J.ラジ、NTライアン・ピケット、DEニール、DEウィルソンがすべて契約最終年を迎え、今のところ契約延長の動きはない。出場停止明けのジョニー・ジョリーも当然1年契約。
ラジは元1巡上位指名だけに希望額は大きいはずで、球団はシーズン終了まで静観の構え、と報道されている。交渉が決裂した場合でも、フランチャイズ指名(今年の場合、DTは$8.45ミリオン)で引き留める手がある。ピケットは33歳という年齢からして安く再契約できそうに思えるが、できればこのタイミングで世代交代を進めたいところだ。
ニールとウィルソンの契約は今年の働きしだい。DE陣はジョーンズやウォージーなど若手がいて世代交代は問題なさそうだが、ノーズタックルは難しいかもしれない。5巡指名ルーキーのジョシュ・ボイドがいるものの、1年で先発NTに育てるのは難しい。
◆ インサイドLB
ハムストリングの腱断裂で昨季を棒に振ったデズモンド・ビショップを先月解雇し、今年はブラッド・ジョーンズとA.J.ホークのコンビとなった。ヴァイキングスに移ったビショップとなにかにつけ比較されるのは当然だろう。ホークは大幅減俸を受け入れて残留したが、今年若手が伸びれば来春放出される可能性も。ILB転向2年目のジョーンズはさらに成長してもらわなければ困る。
控えは2年目のテレル・マニング、3年目のジャマリ・ラティモア、FAで再契約(1年)したロバート・フランソワ、今年7巡指名のサム・バーリントンといったところ。
◆ コーナーバック
トラモン・ウィリアムズ、サム・シールズ(FA2014)、昨年の2巡指名ケイシー・ヘイワード、デヴォン・ハウスの4人で問題なし。さらにスペシャルチームの鬼ジャレット・ブッシュ、5巡指名マイカ・ハイドもいる。
ウィリアムズは2010年の調子に戻ってほしいが、すでに30歳では難しいかもしれない。これまで不動のスターターを務めてきたが、今年の先発争いは完全にオープン、とコーチ陣は明言している。2014年まで契約が残っているものの、給料が高いので(来年のベースサラリー$6.9ミリオン)、若手の成長しだいでは来春解雇の可能性もある。
シールズは契約最終年を迎えているが、契約延長交渉は頓挫したまま。層の厚いパッカーズに残るよりもFA市場で高額オファーを探す方に気持ちが傾いてもおかしくはない。ヘイワードとハウスの存在を考えれば、シールズとウィリアムズの両方が来年残留するとは考えにくい。
◆ キッカー争い
昨季大スランプ(NFL最低の成功率65.2%)だったメイソン・クロスビーにジョルジオ・タヴェッキオが挑戦する。複数キッカーによる競争は、クロスビーがルーキーだった2007年以来6年ぶりのことだ。
タヴェッキオはイタリアのミラノ出身の23歳。カリフォルニア大では1年目シーズン半ばから正キッカーを務め、通算FG成功率75%、4年時は87%。昨年ドラフト外ルーキーとして49ersと契約し、プレシーズンでは29ydsのFG1回とPAT2回成功。ベテランのKエイカーズに敗れて8月末に解雇されている。
◆ リターナー争い
レシーバーとして大きく成長したWRランドール・コブをリターナー任務から解放するのが今年の目標。昨季終盤にリターナーを務めたWRジェレミー・ロスは有力候補だが、WRとして5番手・6番手が務まらない選手をリターナー専任で使いたくはない。
マッカーシーHCはリターナー候補として4巡指名RBジョナサン・フランクリンに大きな期待を寄せている様子で、プレシーズンでも出場機会をたくさん与えるはず。大学で経験がないので、パントリターンでのキャッチングや判断力が課題になるだろう。5巡指名CBマイカ・ハイドはパントリターナー経験豊富だが、OTAやミニキャンプではリターナー練習に加わっていない。
新リターナー候補たちがパッとしなければ、パントリターンだけWRコブに続けさせ、技術的に易しいキックオフリターンをRBたちに任せるという折衷案も考えられる。
2013年7月20日
今年のトレーニングキャンプは現地25日(練習は26日)にスタートする。ここでは、先発争いやロースター争いなど、注目すべきポイントについてポジションごとにまとめてみた。今日はオフェンスについて。(FAが近い選手は併記した)
なおトレーニングキャンプ全般の紹介はこちらのページで。練習スケジュールは公式サイトを参照のこと。
◆ LTブラガは大丈夫か
コーチ陣はドラフト後に大規模なポジション変更を決断。ブラガに左タックルをまかせ、右タックルはニューハウスと2年目バークレーの争いとなった。
プロ入り以来右タックルをプレーしてきたブライアン・ブラガ(FA2015)は、一流のスピードラッシャーを相手にしっかりブラインドサイドを守れるのか。キャンプではOLBマシューズとのマッチアップが注目される。もし彼がシーズンに入って苦戦するようだと、今年のOL改造はすべて無駄になってしまうので、ここは先発RT争い以上に重要なポイントだろう。両OTのパスプロテクションがよければ6メンや5メンプロテクションにでき、自然とパス攻撃の幅が広がる。
昨季半ばで戦線離脱を強いられた股関節の骨折は問題なく完治している。今季期待通りの活躍ができれば、来オフは大型の契約延長が見えてくる。左タックルと右タックルでは金額が段違いなのでここが頑張りどころだ。
◆ 右タックル争い
マーシャル・ニューハウス(FA2014)は2年ちかく先発LTを務めてきたが、成長は十分でなく、今春のOL大改造を引き起こした張本人といえる。コーチ陣はいちおう今春の暫定スターターとして扱ってきたが、キャンプ本番になればそれも変わってくるかもしれない。「先発RTなら十分やれるはず」「彼ではたいして期待できない」と地元記者たちの意見は割れている。今年が契約最終年だが、よほど活躍できなければ契約延長はないのではないか。
昨季ドン・バークレーはドラフト外ルーキーながら7試合にわたって代役RTを務めた。ランブロッキングはなかなか強力なので、課題はパスプロテクションの向上だ。もしバークレーが勝利を収めれば、ニューハウスは両サイドの控えを兼任することができ、とてもバランスがいい。
4巡a指名のデヴィッド・バクティアリは大学でLT2年・RT1年の先発経験がある。いきなり先発RT争いに加われるようなら面白いが、とりあえずは慣れた左タックルをプレーさせるかもしれない。OTAやミニキャンプでは2ndチームの左タックルを担当していた。
元1巡指名デレク・シェロッド(2011年12月にすね骨折)の完全復帰はいつになるのか、いまだにはっきりしない。ここでは仮に戦力外としておこう。もし彼が復活できるようなら、控えのデプス、OT陣の将来ともぐっと明るくなる。
◆ 先発RB争い
小兵のRBドゥワン・ハリスが昨季終盤に台頭し、4試合+プレーオフ2試合で平均4.2yds・4TDの働きでコーチ陣の信頼を勝ち取った。しかしドラフトでは2巡でエディー・レイシー、4巡でジョナサン・フランクリンを指名し、パッカーズには珍しい念入りなRB補強となった。レイシーはパワーバック、フランクリンは万能タイプ。
3年目のアレックス・グリーンは昨季中盤に先発機会をもらいながら平均3.4ydsと期待に応えられなかった。前年の前十字靭帯断裂が影響していたのはたしかだが、あいかわらず穴を選ぶ感覚に問題がある。その点ではジェームズ・スタークス(FA2014)だが、すぐに足首やヒザを痛めてしまいケガが絶えない。
先発争いは混沌としていて、プレシーズンでの働きしだい。昨季3rdダウンバックは(パスプロを重視して)FBクーンが務めることが多かったが、もっとロングゲインの魅力のある選手に任せたいところ。キャッチングのうまい4巡指名フランクリンやグリーンに期待したい。キャンプではブリッツァー相手のブロッキング練習に注目だ。
ロースター枠は例年3人だが、今年は控えWRのレベルが低下したこともあり、4人枠となる可能性が高いように思われる。ハリス、レイシー、フランクリンの3人はほぼ当確。最後の枠をグリーンとスタークスが争うか。
◆ インサイドOL
OT陣と同じくサイドを入れ替え、ジョシュ・シットンが左ガード、T.J.ラングが右ガードとなった。どちらも器用さは十分あるタイプで、ポジション変更はさほど問題なさそう。シットンは初プロボウル出場も果たし、今季はLTブラガを助けてくれることだろう。昨季ラングはヒジのケガと代役RTの役目で苦しいシーズンだったが、最後のSF戦ではOL陣ベストの働きだった。ガードに専念できる今年はさらなる成長が期待できそう。
センターは昨季終盤にサタデーから先発の座を奪ったイヴァン・ディートリック=スミス(FA2014)で決まり。問題はどれくらい伸びシロが残っているかだ。馬力不足が昨季のままであれば、そこそこのスターターで終わってしまう。さらに伸びるようであれば、今季中に契約延長の目も出てくる。
インサイドOL陣で最大の問題は先発トリオよりも控えのデプス。昨季ドラフト外からロースター入りしたグレッグ・ヴァンローテン、今春左ガードをプレーしたアンドリュー・ダトコ(プロ入り時はLT)といった選手だけで、センター経験のある控えがいない。4巡b指名のJ.C.トレッターは将来のセンター候補として期待されたが、なんとOTA初日に足首を骨折。復帰は早くても11月とされていて、今季チームに貢献するのは難しいだろう。
というわけで、今夏はヴァンローテンにセンター修業をさせつつ、先発RT争いで敗れた選手が控えガードも兼ねる、といった感じでゲームデイ・ロースター(通常OLは7人)を組むしかなさそうだ。キャンプでは4巡a指名バクティアリにガードを練習させるかもしれない。
◆ 控えWR
ランドール・コブ(FA2015)、ジョーディ・ネルソン(FA2015)、ジェームズ・ジョーンズ(FA2014)の3人で先発は問題ないが、4番手以降が頼りない。昨季ドラフト外ながら(ドライバーを退けて)実質5番手を務めたジャレット・ボイキンが暫定の4番手。それをチャールズ・ジョンソンとケヴィン・ドーシーの7巡指名ルーキーコンビが追う、といった感じ。キャンプでは意外なドラフト外ルーキーが台頭してくるのも期待したい。
昨年は6人枠だったが、今年はおそらく例年どおりの5人枠に戻るだろう。ジョーンズは契約最終年を迎え、高望みをしなければ今季中に契約延長の可能性がある。そうならなかった場合、来春のドラフトではWRを上位指名する必要がありそう。
◆ 2番手QB争い
経験はあるが肩の弱いグレアム・ハレル(プロ3年目)、肩はめっぽう強いが粗削りなB.J.コールマン(昨年7巡)が2番手QBを争う。コールマンの成長に期待したいところだが、まだ荷が重いとなれば今年もプラクティス・スクワッド行きとなる。プレシーズンの出来次第で判断するとコーチ陣は決めているようだ。
◆ タイトエンド
高給のジャーマイケル・フィンリー(FA2014)は解雇されず残留となった。昨季バイウィーク後は精神的に大きく成長したとマッカーシーHCは絶賛。たしかにイージーな落球はなくなったがかつて期待されたほどの働きとは言えない。契約延長はなさそうだが、FA市場にむけてアピールしたいところ。アンドリュー・クウォレス(FA2014)は前十字靭帯断裂(2011年12月)からようやく復帰した。今春の練習ではキレのよいレシービングを見せ、順当ならフィンリーに次ぐ2番手。うまく行けばシーズン後に契約延長の可能性も。
今年チーム唯一のFA補強はマシュー・マリガン。典型的な足の遅いブロッキング・タイトエンドで、最近のパッカーズにはいなかったタイプだ。たまたま手に入るから獲ったのか、ブロッキング強化のチーム方針によるものか。D.J.ウィリアムズとライアン・テイラーは勝負の3年目。ウィリアムズは毎年オフシーズン練習では好評だが、パッドを着けたとたんに目立たなくなる。テイラーはスペシャルチームで活躍しているが、TEとしてもっと存在感を示したい。
昨年や一昨年(開幕時は5人)とおなじく4人枠となる可能性が高い。マリガン、ウィリアムズ、テイラーのうち1人を解雇して開幕を迎えることになりそうだ。
2013年7月18日
先日Sモーガン・バーネットがサインした契約は、下表のとおり総額$26.073ミリオンの5年契約と判明した。契約ボーナスは$8.25ミリオンで、これは5年分割でサラリーキャップに計上される。ベースサラリーは元の$1.323ミリオンのまま変わらず、来年春に$1.5ミリオンのロースターボーナスが設定されている。
今年のキャップナンバーは$1.65ミリオン(契約ボーナスの5分の1)増えただけ。先日の時点でパッカーズのキャップスペースは$16.327ミリオンあったようなので、現在でもまだ$14.677ミリオン(NFL8位)の余裕がある。
Morgan Burnett' new contract |
Year |
契約ボーナス |
ロースターボーナス |
ベースサラリー |
ワークアウト |
出場ボーナス |
キャップナンバー |
キャッシュバリュー |
2013 |
(1,650,000) |
|
1,323,000 |
|
|
3,191,775 |
9,573,000 |
2014 |
(1,650,000) |
1,500,000 |
1,150,000 |
300,000 |
300,000 |
4,900,000 |
3,250,000 |
2015 |
(1,650,000) |
|
2,900,000 |
300,000 |
300,000 |
5,150,000 |
3,500,000 |
2016 |
(1,650,000) |
|
3,800,000 |
300,000 |
300,000 |
6,050,000 |
4,400,000 |
2017 |
(1,650,000) |
|
4,750,000 |
300,000 |
300,000 |
7,000,000 |
5,350,000 |
計 |
8,250,000 |
|
|
|
|
|
26,073,000 |
- 契約ボーナス$8.25ミリオンは5年に分けて$1.65ミリオンずつ計上される。
- 2014年のリーグイヤー5日目(2月末か3月初め)に$1.5ミリオンのロースターボーナス。今季の出来がよほど悪かった場合にのみ、これを回避するために解雇する選択肢を考えなければならないが、その場合は$6.6ミリオンのデッドマネーが発生してしまうので現実的ではない。
- ベースサラリーは3年目から上昇していく。バックロード型といっても、26歳から28歳と油の乗り切った時期なので妥当なところ。
- 来年からは年$30万ドルのワークアウトボーナスにくわえ、1試合出場するごとに$18,750ドルのロースターボーナスが設定されている。16試合すべて出場すれば$30万ドル。ケガのリスクを軽減するため、パッカーズは大型契約にこうした出場ボーナスを盛り込んでいる。
- 今年のキャップナンバーには、入団時のルーキー契約における契約ボーナスの分割計上分($218,775)も含まれている。「今年のキャップナンバーは$2.973ミリオン」と書いている地元メディアはおそらくここを忘れている。
- 「キャッシュバリュー」とは、その年に実際に支払われる金額。
2013年7月17日
株主総会を1週間後に控え、グリーンベイ・パッカーズが昨会計年度(3月末まで)の収支報告を発表した。昨年に続いて総収入、経常利益、純利益の3部門が過去最高を記録。これは主にナショナル・レヴェニュー(後述)の伸びと選手コストの低下によるもので、ローカル・レヴェニューはややダウンしている。優勝直後の興奮に15勝1敗シーズンが続いた前年度(~2012年3月)と比べれば、ある程度沈静化するのは仕方のないところだろう。
非営利団体グリーンベイ・パッカーズは収支報告書を公開している唯一のNFL球団。ナショナル・レベニューは全球団均等に配分されるため、毎年パッカーズからの発表は注目を集める。利益がオーナーの懐に入ってしまう(あるいはプライベート機などに浪費される)他球団と違い、すべてフットボール部門やスタジアムの向上に充てられるのはパッカーズの強みとなっている。
- 総収入は過去最高の$308.1ミリオン。過去最高だった前年度($302ミリオン)からさらに$6.1ミリオン増えた。
- 支出は$253.8ミリオンで、前年度より$5.2ミリオン増。
- 経常利益は過去最高の$54.3ミリオン。前年度から26.4%のアップ。
- 純利益$43.1ミリオンも過去最高だが、伸び幅はわずか$40万ドル。
- ローカル・レヴェニューは1.7%ダウンして$128.2ミリオン。前年度は過去最高の$130.4ミリオンだった。
- ローカル・レヴェニューとは、一般席チケット売り上げ(の3分の2がホームチーム分)・ボックス席チケット・ラジオ契約・プロショップ売上げ・各種スポンサー契約など、いわば経営努力の成果であり、各球団の地力といっていい。
- 優勝の興奮が続いていた前年度と比べ、プロショップ、スタジアム・ツアー、パッカーズ・ホール・オブ・フェームの収入がややダウンしたが、再び上向いてきている、とマーフィ社長。
- 今年は7000席の増設が完成し、さらなる収入増が期待できる。チケットおよび売店収入で約$8ミリオン増、スポンサー収入で約$2ミリオン増の見込み。
- 2010会計年度のランキングでは、パッカーズのローカル・レヴェニューはNFL10位。
- 2009年シーズンを調べたブラウン郡の研究によれば、ホームゲーム1試合におけるブラウン郡への経済波及効果は$12ミリオン以上とのこと。
- ナショナル・レヴェニューは$179.9ミリオンとなり、前年度から4.9%もの増加。総収入の58.4%を占める。
- ナショナル・レヴェニューとは、一般席チケット売り上げ(の3分の1をアウェー分としてリーグが集めて均等に配分)・放映権料・ライセンス収入などレヴェニュー・シェアリングからの分配分。
- 今年アップした分の多くは、ナイキとの新契約、NFL Networkの収入増(より広いマーケットで放送されるようになった)によるもの。
- 選手コストは$136.4ミリオンとなり、前年度($155.5ミリオン)より$19ミリオンもダウンした。
- この収支報告は3月末までの分なので、最近大型契約を結んだQBロジャースやOLBマシューズたちの契約ボーナス(2人合わせて$55.5ミリオン)は含まれない。彼らの高額ボーナスが反映される来年度分は選手コストがアップするはず、とマーフィ社長。
- 放映権料が大幅に増える2014年からサラリーキャップ枠が大きく伸びると思っている人々は多いが、そうはならないとマーフィ社長。(当サイトで以前説明したように)過去2年は本来の計算法ならキャップ枠が減額するところを、労使の話し合いにより「微増」まで持ち上げていたため。つまり選手側が前借りしていた。
- 選手コストとは、サラリーや契約ボーナスなどサラリーキャップに含まれるものばかりではない。ヘルスケア、引退プラン、オフシーズンワークアウトの日当、旅費、宿泊費、食費といった、労使協定で定められた球団負担分がすべて含まれる。
- 大富豪オーナーを持たないパッカーズは、いざというときにも球団が存続して競争力を保てるよう基金を設けて運用している。その"corporate reserve fund"は前年度から$8ミリオン増えて$254ミリオンに。新労使協定(10年)の締結でストライキの危機が去ったため、かつての貯金 "Packers Franchise Preservation Fund" ($127.5ミリオン)をとくに区別する必要がなくなり他の基金と統合したとのこと。
- チャリティ活動を行うパッカーズ財団への寄付はこれまでの年$3ミリオンから$5ミリオンへ大幅に増額。
- ランボーフィールド拡張工事について。
- 南側エンドゾーンの大スタンドを中心とした第一期工事はぶじ完了(写真集はこちら)。総工費$146ミリオンのうち$61ミリオンをNFLからの借り入れでまかなった。(15年払い、無利子)
- これにより収容人員は7000人増え、NFL3位の80,750人となる。(1位はワシントンDCのフェデックス・フィールド、2位はニューヨークのメットライフ・スタジアム)
- 始まったばかりの$140.5ミリオンの第2期工事では、プロショップやホール・オブ・フェイムを含めたアトリウムの大改造や練習・トレーニング施設の拡張がメインとなる。第一期工事とおなじく、こちらも公的資金が用いられることはなく、4割ほどをNFLからの借り入れでまかなう。2015年6月に完成の予定。
- スタジアム内での携帯電話サービス(AT&T, Verizon)は増強された。WiFiサービスの向上も検討中、とマーフィ社長。
- フォーブズ誌が先日掲載した世界スポーツチーム資産価値ランキングでは、パッカーズは$1.16ビリオンで18位、NFLにかぎれば10位となっている。1位レアル・マドリード、2位マンチェスター・ユナイテッド、3位バルセロナ、4位NYヤンキース、5位ダラス・カウボーイズ。
- マーフィ社長は会見でブレット・ファーヴの永久欠番セレモニーについても質問され、「殿堂入りする2016年までには永久欠番にしたい。しかし今後1年以内に行うことはないだろう」と語っている。
2013年7月16日
契約最終年を迎えていたSモーガン・バーネットがパッカーズとの4年の契約延長にサインした。総額$24.75ミリオン、うち$8.25ミリオンが保証、と報道されている。4日ほど前から「契約合意近し」と言われ、もっと高い金額を予想する向きも多かった。彼はルーキー契約でのエスカレーター条項を満たしたため、今年のサラリーは当初の$575,000ドルから$1,323,000ドルへと自動昇給している。今回の詳しい契約内容は明らかでないがおそらく、今年の金額に4年を足して5年契約、となるのだろう。
Sモーガン・バーネット Morgan Burnett はプロ4年目でまだ24歳6か月という若さ。ジョージア工科大から2010年ドラフト3巡指名で入団、2年目シーズンからフルタイムのスターターとなった。昨季ディフェンスの全スナップ(1228回)にフル出場したのはNFLで彼を含めて2人だけ。守備範囲の広いパス守備に加えてスクリメージ近くでのフィジカルなプレーも向上してきた。ビッグプレーの回数はやや物足りないが、今年はさらなる飛躍が期待されている(LB以外で123タックルは昨季NFL最多だったが、ラン守備の悪いチームほどセーフティのタックル数が増える傾向)
今オフに大型契約延長したのはOLBマシューズ、QBロジャースに次いで3人目。セーフティ陣ではもう1人のスターターが決まっておらず、もし来春彼が抜けたらかなり苦しい陣容となるところだった。今年は他にもNTラジ、CBシールズ、TEフィンリー、WRジョーンズ、Cディートリック=スミス、RTニューハウス、DEニールといった先発級の選手たちが契約最終年。かならずしも球団側がバーネットを最重要視したわけではなく、NTラジやCBシールズとの交渉が思うように進まないのでこちらを先に済ませたということではないか。「ラジとの交渉はシーズン終了まで待つ見込み」との一部報道があり、またフィンリーについては今季限りでの退団が濃厚と見られている。
昨日の時点でパッカーズのキャップスペースは$16.3ミリオンもあり、あと1人か2人はじゅうぶん契約できる余地が残るはず。仮に今季中に新契約がまとまらなくても、余ったキャップスペースはそのまま来季に持ち越すことができる。