グリーンベイ・パッカーズ ニュース

2013年7月22日

トレーニングキャンプの見どころ 2

今季パッカーズのカギを握る選手やポジション争い。今回はディフェンスとスペシャルチームについて。

◆ OLBニック・ペリー

昨年1巡28位で指名されて開幕スターターとなったが、開幕戦で左手首を負傷。無理をして6試合出場したものの回復せず、11月上旬に手術を受けてシーズン終了となった。今年ウォルデンとの再契約を見送りドラフトでも大きな補強をしなかったのは、ペリーがスターターでやってくれると期待してのことだ。パスラッシュ向上のカギは彼が握っているといえる。

大学でDEだったのでサイズ(マシューズより10ポンド重い)と馬力があり、ラン守備でも相手ブロッキングをしっかり受け止める力がある。昨季苦戦したパスカバレッジは進歩してもらわなければ困るが、パスラッシュが向上すれば多少のことは我慢できる。

DEマイク・ニールのOLB起用(後述)がシーズンで実現するなら面白い。ウォルデンのFA退団で控えのデプスは薄くなり、出場経験のある控えはデズマン・モーゼスのみ。ネイト・パーマー(6巡指名)、アンディ・ムルンバ(ドラフト外)といった新人たちがローテーションに加わってきてほしいところだ。

◆ ディフェンシブエンド

1巡26位指名でデイトン・ジョーンズが入団し、昨季スターターだったC.J.ウィルソン(FA2014)と先発の座を争う。身長や腕の長さのあるジョーンズはリード・オプション対策でも期待が大きい。1年目からバリバリ働いてくれるようなら、DL陣は昨季より大幅に戦力アップしたことになる。

マイク・ニール(FA2014)は今春アウトサイドLBとしても練習をしている。これもどうやらリード・オプション対策の一環で、DEの動きを予測不能にすることで相手QBの判断を狂わすことが眼目らしい。2巡指名から2年間ケガに苦しんだニールだが、昨季は鋭いパスラッシュでようやく戦力になってくれた。今年はアウトサイドからラッシュしたり、カバレッジに下がることも多くなるのだろうか。

ジョーンズとニールはB.J.ラジとともにニッケル隊形(2DL)のインサイドラッシャーとしてローテーション起用されるはず。昨年2巡指名のジェレル・ウォージーは前十字靭帯断裂でシーズン前半は無理そう。昨年4巡指名のマイク・ダニエルズは低く鋭いパスラッシュで光るものを見せたので、2年目の成長に期待。

◆ 先発セーフティ争い

大型契約を結んだモーガン・バーネットの相棒はM.D.ジェニングス(ドラフト外から3年目)になるのか、ジェロン・マクミリアン(昨年4巡指名)になるのか。アグレッシブなランサポートではマクミリアンの迫力が勝るが、パスカバレッジではジェニングスの方が安定感がある。昨季の出場スナップ数はジェニングス616回、マクミリアン614回と互角(9試合先発相当)。どちらもスモールカレッジ出身だけに伸びシロに期待したい。

このポジション(通常4人枠)は控えの層も非常に薄い。昨年ドラフト外からロースター入りしたショーン・リチャードソンが本来なら4番手だが、オフに首の椎間板の手術を受け、いつ復帰許可が下りるかはっきりしないからだ。昨季プラクティス・スクワッドのチャズ・パウエルあたりが4番手の有力候補か。キャンプでケガ人が出たらFA補強もありうる。

◆ 契約最終年のDL軍団

NT B.J.ラジ、NTライアン・ピケット、DEニール、DEウィルソンがすべて契約最終年を迎え、今のところ契約延長の動きはない。出場停止明けのジョニー・ジョリーも当然1年契約。

ラジは元1巡上位指名だけに希望額は大きいはずで、球団はシーズン終了まで静観の構え、と報道されている。交渉が決裂した場合でも、フランチャイズ指名(今年の場合、DTは$8.45ミリオン)で引き留める手がある。ピケットは33歳という年齢からして安く再契約できそうに思えるが、できればこのタイミングで世代交代を進めたいところだ。

ニールとウィルソンの契約は今年の働きしだい。DE陣はジョーンズやウォージーなど若手がいて世代交代は問題なさそうだが、ノーズタックルは難しいかもしれない。5巡指名ルーキーのジョシュ・ボイドがいるものの、1年で先発NTに育てるのは難しい。

◆ インサイドLB

ハムストリングの腱断裂で昨季を棒に振ったデズモンド・ビショップを先月解雇し、今年はブラッド・ジョーンズA.J.ホークのコンビとなった。ヴァイキングスに移ったビショップとなにかにつけ比較されるのは当然だろう。ホークは大幅減俸を受け入れて残留したが、今年若手が伸びれば来春放出される可能性も。ILB転向2年目のジョーンズはさらに成長してもらわなければ困る。

控えは2年目のテレル・マニング、3年目のジャマリ・ラティモア、FAで再契約(1年)したロバート・フランソワ、今年7巡指名のサム・バーリントンといったところ。

◆ コーナーバック

トラモン・ウィリアムズ、サム・シールズ(FA2014)、昨年の2巡指名ケイシー・ヘイワード、デヴォン・ハウスの4人で問題なし。さらにスペシャルチームの鬼ジャレット・ブッシュ、5巡指名マイカ・ハイドもいる。

ウィリアムズは2010年の調子に戻ってほしいが、すでに30歳では難しいかもしれない。これまで不動のスターターを務めてきたが、今年の先発争いは完全にオープン、とコーチ陣は明言している。2014年まで契約が残っているものの、給料が高いので(来年のベースサラリー$6.9ミリオン)、若手の成長しだいでは来春解雇の可能性もある。

シールズは契約最終年を迎えているが、契約延長交渉は頓挫したまま。層の厚いパッカーズに残るよりもFA市場で高額オファーを探す方に気持ちが傾いてもおかしくはない。ヘイワードとハウスの存在を考えれば、シールズとウィリアムズの両方が来年残留するとは考えにくい。

◆ キッカー争い

昨季大スランプ(NFL最低の成功率65.2%)だったメイソン・クロスビージョルジオ・タヴェッキオが挑戦する。複数キッカーによる競争は、クロスビーがルーキーだった2007年以来6年ぶりのことだ。

タヴェッキオはイタリアのミラノ出身の23歳。カリフォルニア大では1年目シーズン半ばから正キッカーを務め、通算FG成功率75%、4年時は87%。昨年ドラフト外ルーキーとして49ersと契約し、プレシーズンでは29ydsのFG1回とPAT2回成功。ベテランのKエイカーズに敗れて8月末に解雇されている。

◆ リターナー争い

レシーバーとして大きく成長したWRランドール・コブをリターナー任務から解放するのが今年の目標。昨季終盤にリターナーを務めたWRジェレミー・ロスは有力候補だが、WRとして5番手・6番手が務まらない選手をリターナー専任で使いたくはない。

マッカーシーHCはリターナー候補として4巡指名RBジョナサン・フランクリンに大きな期待を寄せている様子で、プレシーズンでも出場機会をたくさん与えるはず。大学で経験がないので、パントリターンでのキャッチングや判断力が課題になるだろう。5巡指名CBマイカ・ハイドはパントリターナー経験豊富だが、OTAやミニキャンプではリターナー練習に加わっていない。

新リターナー候補たちがパッとしなければ、パントリターンだけWRコブに続けさせ、技術的に易しいキックオフリターンをRBたちに任せるという折衷案も考えられる。

カテゴリ : Camp, Player