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2013年5月29日

OTA: ニールのOLB実験つづく

メモリアル・デーの3連休を終え、OTA第2週の練習が始まった。火曜は今年2回目の公開練習のはずだったが、天候悪化のため屋内練習場に移され、残念ながらファン非公開となった。

この日の最後はノーハドル練習。QBロジャースからWRジョーンズへの35ydsTDパスで1時間47分の練習を締めくくった。

2013年5月22日

OTA: 公開練習初日

Organized Team Activities(OTA)2日目、今年初めての公開練習が行われた。場所はいつものレイ・ニチキ・フィールドではなく、オナイダ通りに面したクラーク・ヒンクル・フィールド。観客席がないためファンはフェンスに張り付いて見学している(写真)。先週のグリーンベイは最高気温10℃という日もあったが、この日は最高気温24℃、申し分ない気候に恵まれた。

前日のOTA初日は基礎練習を行い、11on11のチームドリルはこの日が今年初めてとのこと。「OTA序盤に典型的なパターンで、選手たちのエネルギーは素晴らしいが内容はまだバラバラ。現時点のチームとしてはよい感触を持っている」とマッカーシーHC。

練習は1時間57分で終了。過去数年とくらべてコンタクトのあるプレーが多く、「労使協定上の規定違反にならないのだろうか」と心配する記者もいた。攻守選手による小競り合いも2回ほどあり、OTAらしからぬ熱のこもった練習だったのはたしかだ。

2013年5月20日

RBエディー・レイシーのつま先

ドラフト2巡でRBエディー・レイシーを見送った理由について、スティーラーズやブロンコスは「以前手術を受けたつま先(Turf Toe)を心配したため」と説明した。そこでJournal Sentinel紙が執刀医から詳しい話を聞いている。

レイシーが右つま先に問題を抱えるようになったのは2011年、大学2年目シーズンのこと(欠場は1試合)。そこで昨年のオフシーズンに手術を受けた。右足親指の小さな骨を癒合(fusion)したが、一般的な意味での「足親指の癒合手術」とは違い、指の関節が動かなくなる性質のものではない、とアラバマ大のチームドクターは強調する。

「爪のすぐ下の関節を癒合する手術を行ったのは、腱がより機能するようにするため。足の蹴る力をより強くするものだ。動きの面で、彼のつま先は普通とまったく変わらない。もし完全に癒合させてしまったら、つま先が硬くなって蹴る際に問題が起きるだろう。エディーのケースはそうではない。つま先の動きに影響を与えるものではまったくない」

手術を終えたレイシーは昨季1322yds(平均6.5)・17TDの力強い走りを見せた。「疑問に対しては、彼のあの活躍こそが何よりもはっきりと答えを示している。私はエディー・レイシーが、長く、実り多いNFLキャリアを全うすると予想している。彼のキャリアにおいてつま先が問題になることはないと思う」

その他にも何度かケガ(足首やハムストリング)のあったレイシーだが、昨年秋は練習を休むことさえ一度もなかった。ケガを抱えてプレーを続けた経験を、本人はむしろアピール材料と捉えている。「RBにケガはつきもので、それを押してプレーを続けなきゃいけない。僕はそれをしてきたし、何も問題はなかった。それは僕の強みだ。精神的にも身体的にも、自分がいかにタフであるかNFLチームに示すことができた。僕は痛みへの耐性がすごく高い。どう説明すればいいかわからないけど。少々ぶつけても(本格的な)ケガにはならない。ケガがあっても試合にフル出場できる」

ドラフト本番では、全体37位でベンガルズがRBジョヴァンニ・バーナード(ノースカロライナ)、48位でスティーラーズがRBレヴィオン・ベル(ミシガン州立)、58位でブロンコスがRBモンティー・ボール(ウィスコンシン)を指名し、レイシーは61位でようやくパッカーズに指名された。

「モティベーションの元はたくさんある。ドラフト当日にあそこまで落ち、RBのトップ指名になれなかったのもその1つだ。でも僕としては、完璧な場所に来られたと感じている。これ以上よい場所、よいチームは望めないよ。フィールドに出て、身体的に何も問題ないと世間に証明するのが待ちきれない気持ちだ」

2013年5月15日

Notebook: ルーキー奮闘中

ここ数日のニュースやコメントをまとめて。

2013年5月14日

トライアウト5選手と正式契約

パッカーズはトライアウト扱いでルーキー・ミニキャンプに参加していた5選手と契約した(下表)。入れ替わりにOLBマイカ・ジョンソン(昨季プラクティス・スクワッド)とFBライアン・ロバーソン(先日ドラフト外で契約したばかり)を解雇。これでロースターは90人枠に87人となった。

中ではCBブランドン・スミスが変り種で、2011年ドラフト外入団(パンサーズとシーホークス)でプレシーズンゲームに出場したところまではワイドレシーバーだった。身長6フィート1(185cm)の長身で4.39秒のスピードがある。両OLBはどちらもDE出身。セーフティの2選手と契約しなかったのも興味深いところ。

2013 Packers Rookie Free Agents
Pos. Name College ht. wt. 40走 備考
FB Jonathan Amosa Washington 5-11 247 4.93 先日契約したFBロバーソンと入れ替わり
WR Tyrone Walker Illinois State 5-10 191 4.59 同大から今年3人目。昨季1319yds・9TD
LB Donte Savage New Mexico State 6-1 252 4.80 大学ではDE。昨季7ロスタックル
LB Jarvis Wilson Prairie View A&M 6-1 245 4.64 こちらもDE出身。昨季8ロスタックル 
CB Brandon Smith Arizona State 6-1 205 4.39 大学ではWRだった長身CB。もう26歳

2013年5月11日

Notebook: ルーキーミニキャンプ

ルーキーミニキャンプ初日、緊張した面持ちの新人たちが屋内練習場ドン・ハトソン・センターで初練習を行った。参加者は57人で、内訳はドラフト指名11人、ドラフト外9人、トライアウト27人、それに「1年目扱い」の10人(昨年プラクティス・スクワッドなど)。この日は記者たちがすべての見学を許された。

正式名称が「ルーキー・オリエンテーション・キャンプ」であるように、練習のやり方などに習熟して今後のチーム練習についていけるようにすることが重要なテーマ。マッカーシーHCは、「40から50%がオリエンテーション、50%から60%がフットボール」と説明している。

ドラフト外ルーキー9人と契約

パッカーズはドラフト外ルーキー9選手との契約を発表した。今年はドラフト指名が11人と多かったため、そのぶんドラフト外が少なくなっている。パッカーズはCBトラモン・ウィリアムズやCBサム・シールズやDEカレン・ジェンキンズなど、ドラフト外からの成功例が数多い。

また、トライアウト扱いで27選手が招かれ(一番下の表)、金曜から始まったルーキー・ミニキャンプに合計57人が参加している。内訳はドラフト指名11人、ドラフト外9人、トライアウト27人、それに「1年目扱い」の10選手。主に昨季プラクティス・スクワッドにいた選手たちだ。

2013 Packers Rookie Free Agents
Pos. Name College ht. wt. 40走 備考
QB Matt Brown Illinois State 6-3 223 4.87 通算レーティング93.1。まずまずの肩
RB Angelo Pease Kansas State 5-10 215 4.50 短大経由でスターターは1年のみ
FB Ryan Roberson Texas 6-0 243 4.94 元LB。アスレチック能力は高くない
WR Myles White Louisiana Tech 6-1 182 4.46 アスレチック能力高い
TE Jake Stoneburner Ohio State 6-4 250 4.61 スピードのあるレシービングTE
OG Lane Taylor Oklahoma State 6-3 324 5.35 テクニックはしっかりしているタイプ
C Patrick Lewis Texas A&M 6-1 311 5.30 低身長だがクイックで力強い
OLB Andy Mulumba Eastern Michigan 6-3 260 4.82 アスレチックだが粗削り。カナダ出身
NT Gilbert Peña Mississippi 6-3 330 5.48 横幅のあるランスタッファー

トライアウト扱いで参加しているのは下表の27選手。トライアウトで呼ぶ分には人数制限がないらしい。ドラフト指名11人とドラフト外9人を加え、現在パッカーズのロースターは84人。彼らトライアウト選手に残された枠は最大で6つということになる(おそらくもっと少ない)。昨年はトライアウトからWRジャレット・ボイキンが開幕ロースター入りを果たした。

Invited to Minicamp as Try-out
Pos. Name College
RB Joe Glendening Hillsdale
FB Jonathan Amosa Washington
WR Horatio Williams Florida State
WR Justin Wilson Delaware State
WR Tyrone Walker Illinois State
TE John Rabe Minnesota
OT Jeremy Vujnovich Louisiana College
OG Ryan Clanton Oregon
OG Matt Cleveland Idaho
C Blake McJunkin Southern Methodist
DE Colton Miles-Nash Arkansas
DE Jason Thompson Fort Valley State
DE Trent Allmang-Wilder UNLV
DE Donte Savage New Mexico State
DT Aaron Davis Southern Methodist
DT Castro Masaniai Oregon State
LB Victor Aiyewa Washington
LB Jarvis Wilson Prairie View A&M
LB Jamal Giddens Norfolk State
LB Jordan Glass UC Davis
LB Ben Obaseki Indiana State
CB Brandon Smith Arizona State
CB Aaron Grymes Idaho
CB Devin Willis Northern Arizona
S Cedrick Moore Stony Brook
S Ryan McMahon Sacramento State
LS James Winchester Oklahoma

2013年5月 5日

Packers' Draft Consequences

ドラフト指名選手11人が加わったことでチームがどう変化したか、おもに既存の選手たちから見たドラフトの影響をまとめてみた。記事最後の「契約最終年の選手リスト」も参考に。

■ 立場が厳しくなった選手たち

  1. ランニングバック: 2巡指名レイシーと4巡指名フランクリンの加入により競争が熾烈に。通常の3人枠だとすると、ドゥワン・ハリス、アレックス・グリーン、ジェームズ・スタークスのうち、昨季末に活躍したハリスだけが生き残りそうに見える。4人枠だとしてもグリーンとスタークスのどちらかは脱落する。FAとなっているセドリック・ベンソンはケガ人が出た場合の保険程度。ショートヤーデージ状況をレイシーが担い、フランクリンが3rdダウンバックの座を確保するなら、ジョン・クーンの役割は純粋なブロッキングFBだけになる。
  2. ディフェンシブライン:  昨季終了時の6人に、1巡指名DEジョーンズ、5巡指名DEボイドが加わり、DEウォージー(前十字靭帯)の穴は埋められそう。通常ロースター枠は6人、多くて7人。ジョーンズは開幕から先発DEを務めてほしいところだが、当面はインサイド・ラッシャー専門かも。ボイドはすでに310ポンドあり、ノーズタックルとしても試すことをDLコーチが示唆している。NTピケット(33歳)が契約最終年なので、世代交代がうまく行ってほしい。
  3. オフェンシブタックル: 昨日の記事のとおり、ブラガを左タックルに移して右タックルはオープンな競争に。ニューハウス、バークレー、シェロッドが争うところへ4巡指名でバクティアリトレッターが加入してきた。4人または5人の枠を争う上で、インサイドをこなせるヴァーサタイルな能力も重要になる。

■ ホッとした選手たち

  1. Cディートリック=スミス: センターのドラフト指名がなく、今年のスターターがほぼ確定。さらなる成長を見せて契約延長を手に入れたいところだ。2年目のC/Gヴァンローテンや4巡指名OTトレッターが将来的なライバルか。
  2. セーフティ: 意外にもドラフト指名がなく、2年目のマクミリアンと3年目のM.D.ジェニングスが先発を争う。最後の4人目の枠はリチャードソン(昨年ドラフト外)と今年のドラフト外選手の争いか。
  3. 控えアウトサイドLB: 先発はマシューズとペリー、まともな控えは2年目のモーゼスと6巡指名パーマーだけ。キャンプでの競争レベルが低いようにも思われる。ILBジョーンズとILBラティモアは元OLBなので、試合になれば控えを兼任できる。
  4. ワイドレシーバー: ドラフト指名はチャールズ・ジョンソンドーシーの7巡コンビだけだったので、上位トリオは安泰。ここ数年と比べると4番手以降が頼りなく、主力のケガが怖い。例年どおり5人枠であれば、ジャレット・ボイキンとジェレミー・ロスと新人たちで2つの枠を争う。
  5. タイトエンド: ドラフト指名なし。クラブトリーのFA退団をFA加入のマシュー・マリガンが補い、昨季プラクティス・スクワッドにいたブライアン・ボスティックの成長も楽しみ。自己評価の高すぎるフィンリーは来春のFA退団がほぼ確実と見られ、クウォレスも契約最終年なので、3年目のD.J.ウィリアムズがレシービングTEとして台頭してほしいところだ。そうでないと来年は上位指名が必要になってしまう。
  6. 控えクォーターバック: こちらもドラフト指名なし。昨年の7巡指名コールマンがハレルに挑戦する。ドラフト外でマット・ブラウン(イリノイ州立大)と契約したが、こちらはよくてプラクティス・スクワッドだろう。
  7. Kクロスビー: ドラフト指名がなく、3月に契約したジョルジオ・タヴェッキオとの一騎打ちに。
  8. WRジェレミー・ロス: 強力なリターナー候補の指名がなかった。

■ Unfinished Business

「ホッとした選手たち」と重複する部分も多いが、今後の課題について。契約問題との絡みもある。

  1. セーフティ: 球団はマクミリアンとM.D.ジェニングスの成長に賭けたわけで、見込みが外れた場合は困ったことになる。3月に「Sマイケル・ハフ(OAK→BAL)に興味」と報じられたことからして、球団が補強をまったく考えなかったわけではない。バーネットは先発確定だが契約最終年。
  2. アウトサイドLB: まだデプスが頼りない。FA補強がもしあるとすれば、セーフティとここだろう。
  3. 控えセンター: オフェンスではここが最も手薄で、センターでNFL出場経験のある選手がいない。今夏はヴァンローテン(2年目)をセンターに専念させるのでは。
  4. 4巡指名OTコンビ: できればトレーニングキャンプ序盤までにバクティアリトレッターの最適なポジションを見極めたいところだが、これが意外に難しい。見切りが早すぎて後悔することもあり、遅すぎて即戦力にできないこともある。どちらもまだ線が細く、スターター挑戦は来年以降と覚悟しておくべきだが。
  5. ワイドレシーバー: ジェームズ・ジョーンズが契約最終年。来年3月には30歳、つまり今春のWRジェニングスと同じ立場だ。安価で再契約してくれればよいが、決裂した場合、後継の3番手WRが来年育っているのかどうか。どちらもダメなら来年のドラフト上位で。
  6. リターナー選定: WRコブをリターナー任務から解放したいのに、リターナー候補の指名がなかった。とくに、技術的に難しいパントリターナーが問題だ。昨季末に担当したWRジェレミー・ロスが一人前のレシーバーになれるのか未知数だが、もし他にPR候補がいないならロースター入りへの大きな武器になる。5巡指名CBハイドは過去2年でパントリターン29回平均7.6yds。7巡WRコンビはリターナー経験が少ない(ジョーンズは昨季パント/キックオフ合わせて12回)。RBアレックス・グリーンや4巡指名RBフランクリンはほとんど経験がないが、キックオフリターンができそうなタイプに見える。
  7. 契約延長: OLBマシューズとQBロジャースの契約延長がようやく完了し、来年3月のFA解禁までにあと1人か2人契約延長できそうな程度のキャップスペースが残った。下記のリスト参考。

■ 契約最終年の選手たち

最後に、大量にいる契約最終年の選手を見てみよう。重要度の順に並べようと努力したが、さまざまな要素が絡んでくるのでとても上手くは序列化できない。ニューハウスは左タックルから外されたことで契約延長の可能性がダウンしたはず。FA予定選手がこれだけ多いと心配になるが、彼らが「コントラクトイヤー効果」を発揮してくれると思えば多少は気が休まるというもの。カッコ内は現在の年齢。

2013年5月 4日

オフェンシブラインを大改造

OL陣の各ポジションを大幅に変更する考えをマイク・マッカーシーHCがあきらかにした。1年目から右タックルを務めてきたブラガを左タックルに移し、ガードはジョシュ・シットンとT.J.ラングのサイドを入れ替える。右タックルは、シェロッドが完全復帰を許されるまではニューハウスとバークレーの争い、とのこと。暫定スターターは下表のようになる。

2013 Packers Starting Offensive Linemen (Tentative)
Left Tackle Left Guard Center Right Guard Right Tackle
Bryan Bulaga Josh Sitton Evan Dietrich-Smith T.J. Lang Marshall Newhouse
        Don Barclay
        Derek Sherrod

最大の眼目が左サイドの強化であることはあきらかだ。LTマーシャル・ニューハウスは先発2年目に期待されたほどの成長を見せることができなかった。シットンはOL陣唯一のプロボウラーであり、ブラガも(股関節のケガさえ回復すれば)それに次ぐ実力を評価されている。Press-Gazette紙は関係者の話として、「ベストの2人にQBのブラインドサイドを守らせようということだ」とのコメントを紹介している。

このタイミングでポジション変更を行ったのは、今週からオフシーズンプログラムの第2フェーズが始まるため。体作りオンリーの第1フェーズが終わり、フィールドでポジションコーチの指導を受けることができるようになる。「我々はオフェンシブラインのために最善と思う決断を下した。新人たちの指名のあと、OL選手の詳しい評価を行い、今後の方針を決めた」とマッカーシーHC。

「月曜にブライアン(ブラガ)とジョシュ(シットン)を呼んでじっくり話し、彼らを左サイドに移したい私の考えを伝えた。彼ら2人はOL陣でもっとも実績と経験のある選手たちだ。彼らの担う新たな責任と私からの期待の大きさについて話した。これから我々がスキーム的に取り組んでいくことについて。彼らはとても興奮していた」

「このような変更を行うのは、ブライアン(ブラガ)に全幅の信頼を置いているからこそだ。このオフシーズン、彼は毎日ここに来てトレーニングをしているし、彼がフィジカル的にあらゆる面で進歩してきたのを私は目の当たりにしている。彼は非常に成熟したプレーヤーだ」「ジョシュ(シットン)については、彼のあらゆるプレーを研究し、左ガードによくフィットすると判断した。左ガードをプレーしたプロボウルまで分析した。多くの情報を元に下した決断だ」

T.J.(ラング)については、もともと右ガードの方が向いているだろう。(昨年はヒジのケガに苦しんだので)とにかくヘルシーになる必要がある。これまでも左右両サイドをプレーしてきたので、このトランジションは容易だろう」

「これまでの我々は、左サイドがアスレチックな選手、右サイドがパワフルな選手、という(伝統的な)やり方の延長線上だった。そのやり方にもちゃんと意義はあるのだが、ウチのオフェンスはもっと多様なものになってきている」

以下はこれまでのポジション経験について。

2013年5月 3日

CBアル・ハリスがパッカーズで正式引退

2010年まで先発CBとして大活躍したアル・ハリスが、パッカーズ選手として正式に引退した。2011年の前十字靭帯断裂を最後に現役を退いた彼は、昨年はドルフィンズでインターン、今年からチーフスでアシスタントDBコーチに就任している。1日契約を結んだのかという質問には、「よくわからん」とくすくす笑っている。本人と球団から正式に発表をして、こうして区切りになれば書類上のことはどうでもいいのだろう。

「キャリアを通じて僕は素晴らしい時を過ごしてきたけど、とくによかったのはグリーンベイだった。だからパッカーとして引退することが僕にとって大事だった。イーグルスで5年間素晴らしい経験をし、その他に所属した球団でも同様だったけど、グリーンベイはフットボールをプレーするには特別な場所だ。僕は自分をパッカーだと思っているし、これからもずっとパッカーとして記憶されたい」

「1つやるべきじゃないのは、まだタンクに燃料が残っていると知りながら去ることだ。タンクが空になったなら、安らかな気持ちで去ることができる。僕はタンクを空にしたよ」

◆ ◆ ◆

アル・ハリス Alshinard "Al" Harris はフロリダ州ポンパノビーチ出身の38歳。テキサスA&Mキングズヴィル校から1997年6巡指名でバッカニアーズに入団したものの、1年目はプラクティス・スクワッド暮らし。2年目の開幕前に解雇されてイーグルスに拾われると、プロボウラー3人を擁する豪華DB陣の中で徐々に頭角を現した。2003年に2巡指名権とのトレードでパッカーズに移ると、一流コーナーバックとして2009年までスターターを務めた。長らく過小評価されたが、2007・2008年と2年連続でプロボウルに選ばれている。プロ入り以来10年間欠場なし。

2009年秋にはヒザ前十字靭帯、外側側副靭帯、腸脛靭帯、ハムストリングを一度に断裂する大変な大ケガ。そのため翌2010年シーズン途中で退団となったものの、チャンピオンリングは受け取ることができた。その後ドルフィンズで3試合、翌2011年はラムズで9試合に出場したが、またも前十字靭帯を断裂して引退を余儀なくされた。昨年ドルフィンズでインターンとしてコーチ修業をスタートし、今年はチーフスのアシスタントDBコーチに就任している。

密着したプレスカバレッジを得意とする生粋のカバーコーナー。インターセプトこそ通算21回に留まっているが、それはパスを投げさせないためで、ウッドソンのインターセプトがOAK時代より激増したのもそのおかげだろう。細い体から繰り出すパンチは強烈で、どつき回された相手エースWRが戦意喪失してしまうゲームさえあった。中でもパッカーズファンの記憶にもっとも強烈に残っているのは2003年ワイルドカードプレーオフ、シーホークス戦での劇的なサヨナラINTリターンTDだ。延長戦となって2回目のシリーズの3rdダウン11、ブリッツに対してクイックに投げたパスを読んだ見事なプレーだった。

2013年5月 1日

Packers Draft Notebook