グリーンベイ・パッカーズ ニュース

2013年3月22日

今年のルール改正

NFLオーナー会議は以下のようにルール改正を可決した。ルール改正はベテランヘッドコーチやGMで構成される競技委員会の勧告を受け、オーナー会議が正式な投票を行う。32球団のうち24球団の賛成で可決される。

  1. ヘルメット頭頂部を使った激突の禁止。オフェンス、ディフェンスを問わず、ヘルメット頭頂部から相手選手に飛び込んでいくことを禁止する。15ydsの罰退。
    • 脳震盪や頸椎などを保護するための改正。プレーの仕方に大きな影響を与えることであるのはNFL側も承知の上とのこと。
    • 適用範囲は両タックルの外側、スクリメージラインの3yds先(ディフェンス側)から。ボールキャリアーがラインを突破してオープンフィールドでDBと激突するあたりということになる。
    • フェイスマスクや前頭部でのヒットは問題ない。頭頂部で当たった場合でも、強い当たり方でなければよい。つまり、受け身の形でボールや体を守るため頭を下げるのはよい。
    • 「RBが頭を下げずにどうやってボールキャリーできるのか」という批判は多いが、こうしてみると適用範囲はかなり狭い。NFLが昨季第10週と第16週の32試合を対象に調査したところ、当てはまるプレーは計11回だったとのこと。
    • 審判の判定の難しさも指摘されている。唯一ベンガルズが反対票を投じたのもそのためだという。
    • かつてホースカラータックルの禁止が大学・高校レベルへと波及していったが、この新ルールもそうなってほしい、とファルコンズのリッチ・マッケイ社長(NFL競技委員長)。
    • 反則の典型例として挙げられているのがこのプレー
  2. タック・ルールの廃止。下記のいわゆる”タック・ルール・ゲーム”から11年かかってようやく。
    • タック・ルールとは、「QBが投げる途中でやめてボールを抱え込む途中にボールを叩き落とされても、腕が前方向に動いていればファンブル扱いにならない」というもの。今後は、本当に投げる動作中でなければファンブルとなる。
    • このルールが有名になったのは2001年シーズン、雪中のディビジョナルプレーオフだった。第4Q終盤、3点をリードしたレイダーズのCBチャールズ・ウッドソンがペイトリオッツのQBトム・ブレイディからファンブルフォースしたかに見えたが、このタックルールのためレビュー後にパスインコンプリートに覆った。命拾いしたペイトリオッツがFGで追いつき、延長戦で勝利。これがファンブルならばスーパーボウル制覇もなかった。
    • 昨年QBロジャースも似たプレーがあったが、ボールを抱え込み終わった後だったのでファンブル判定となった。
  3. いわゆるピール・バック・ブロックの完全禁止。15ydsの罰退。
    • ピール・バック・ブロックとは、「自陣エンドゾーン方向へと戻りつつあるディフェンス選手をローブロック」するもの。これまでは両タックル間に限り合法だったが、今後はどこであっても禁止に。
    • プレーから離れた場所でブラインドサイドからの不要なヒットが多く、大ケガにつながりやすかった。
    • 昨年はテキサンズのLBブライアン・クッシングがジェッツのOGマット・スローソンにヒザ前十字靭帯を断裂する大ケガを負わされ、ヒットの位置が両タックル間だったのか外だったのか議論の的になった。今後はそうした微妙な判定の必要がなくなる。
  4. FGおよびPATブロック狙いのオーバーロード隊形の禁止。また、そうしたプレーの際にライン上にいないディフェンス選手がライン方向へ味方を押すことも禁止される。
    • フィールドゴールやエクストラポイントの際、ブロックを狙うディフェンス側が左右どちらかに選手を固めることを禁止する。スナッパーの左右どちらかが6人を越えてはならない。このアラインメント違反は5ydsの罰退。
    • ディフェンス選手が味方選手をライン方向へ押したら15ydsの罰退。
  5. いわゆるジム・シュワーツ・ルール
    • 自動的オフィシャル・レビュー(得点プレー、ターンオーバー、2ミニッツ)の際にヘッドコーチが誤ってチャレンジをしてしまうと、これまではレビュー自体がなくなってしまう不条理な事態に陥った。今後は、誤チャレンジがあった場合でもレビュー自体は行うことに。
    • 誤ったチャレンジをしたチームはタイムアウトを没収されることになった。タイムアウトが残っていない場合は15ydsの罰退となる。
    • 昨年はライオンズのジム・シュワーツHCがテキサンズ戦でこれをやってしまい、明らかなダウンバイコンタクトが相手の81ydsのTDランに。誤ったレッドフラッグとはいえこの仕打ちは厳しすぎるとして、昨季中の改正も検討されたほどだった。じつはパッカーズも最終週MIN戦でおなじ失敗をしたが、幸い「オフィシャルレビューをコールした後だったので」と主審が許してくれた。
カテゴリ : Football