グリーンベイ・パッカーズ ニュース
2013年2月26日
インディアナポリスでスカウティング・コンバインが開催され、各球団首脳や選手の代理人たち、多数のメディアが集合している。ドラフト候補については攪乱を狙った意図的な誤情報ばかりで全くアテにならないが、FA市場に関する噂がぼちぼち出始めた。今年のFA解禁は3月12日だが、すでに解雇された選手を獲るぶんには構わない。
- 昨年の2巡指名DEジェレル・ウォージーが大ケガしたこともあり、パッカーズは右DEの補強を考えているようだ。スターターのDE C.J.ウィルソンにはパスラッシュ力がまったくなく、ラン守備も物足りない。
- ジャイアンツから解雇されたDE/DTクリス・キャンティ(30歳)はコンバイン後にパッカーズを訪問する方向で調整中。すでにタイタンズとチーフスの訪問を済ませ、タイタンズからはオファーをもらっているという。他にジャガーズの訪問も予定している。
- パッカーズは3-4ディフェンス導入1年目の2009年春にもDEキャンティの獲得に興味を示したが、訪問の前にジャイアンツと大型契約(6年$42ミリオン)を結んだという経緯がある。昨季はヒザのケガで開幕から6試合を欠場。6-7(201cm)の長身で、パッカーズDE陣に足りないサイズと馬力がある。
- Journal Sentinel紙によると、49ersからFAとなる予定のNT/DEリッキー・ジーン=フランソワ(26歳)にもパッカーズは興味を示しているとのこと。49ersではDL3人の控えを兼ね、DEジャスティン・スミス負傷時には代役DEとして先発した。身長6-3弱(190cm)の体重295ポンド(132kg)。パスラッシュ(3年間で3サック)は弱くラン守備に強いタイプ。バリバリのスターター候補というよりローテーションの一員といった感じか。
- 2010年シーズンまでパッカーズにいたDEカレン・ジェンキンズ(32歳)がイーグルスから解雇された。先発右DEとして2010年の優勝に貢献、FA移籍したイーグルスでは4-3ディフェンス(今年から3-4に移行するが)のDTをプレーし、2年で32試合にフル出場して計9.5サックを記録している。パッカーズが獲得に乗り出すかどうかはまだわらからないが、Journal Sentinel紙によると本人は古巣への復帰に興味を持っているとのこと。2年前は強く残留を望んだのにパッカーズ側が乗り気でなく残念だった、と発言したこともある。
- FA退団が必至と見られていたWRグレッグ・ジェニングスだが、関係筋によればチーム側はまだフランチャイズ指名を検討中とのこと。とはいえ、「もっとも可能性が高いのは依然としてFA退団」という見方で地元記者たちは一致している。
- 本人は12月のインタビューで、「フランチャイズ指名では残留したくない」とはっきり述べていた。フランチャイズ指名で無理に引き留めた場合、不満分子化するリスクを抱えることになる。
- 半年ほど前の交渉ではパッカーズ側のオファーが本人の希望とかけ離れていて、そこで事実上決裂したらしい。Journal Sentinel紙が関係筋に聞いたところでは、1年あたり$13から$14ミリオンを望んでいたとのこと。これはいくらなんでも高望みというものだ。
- 今年のWRのフランチャイズ指名は$10.357ミリオン(高額だが1年契約)。指名の締め切りは3月5日。FA解禁の1週間前となっている。
- チーム側としては、この金額を受け入れてWRジェニングスを1年引き留める気なのか、フランチャイズ指名してからトレードに出すのか、長期契約交渉を進めるための脅しなのか。
- トレードで少しでも代償がもらえればトクかといえば必ずしもそうではない。高額FA退団ならば来年 Compensatory Draft Pick として、最高で3巡指名権がもらえる可能性があるからだ。トレードや解雇ではその恩恵はない。
- 高額サラリーのTEジャーマイケル・フィンリーを残すべきかどうか、球団内でも意見は分かれているとJournal Sentinel紙。それによると、トンプソンGMおよびコーチングスタッフは残留させる方向に傾き、それ以外(GM以外のスカウティング部門か)は解雇に傾いているとのこと。
- 解雇派の根拠はおそらく、サラリー(今年のキャップヒット$8.75ミリオン)の割に実力はたいしたことがなく、ブロッキングに不熱心で、そのくせ余計な発言で波風を立ててばかり、といったあたりだろう。
- 残留派の根拠はおそらく、シーズン後半に大きな精神的成長が見られた(ミスも格段に減った)こと、WRジェニングスのFA退団でレシーバーが手薄になること、後釜のレシービングTEが育っていないこと。
- 本人は先日、「自分としては残留を望んでいるけど現実には50-50だろう」と客観的なコメント。
- ロースターボーナス$3ミリオンは3月27日に設定されているので、解雇するならばそれまでにしなければ意味がない。ベースサラリーは$4.45ミリオン、試合数に応じたロースターボーナスが計$50万ドル、ワークアウトボーナスが$30万ドル。
- 昨年2年契約を結んだ際の契約ボーナスは$1ミリオンだったので、解雇した場合のデッドマネーは$50万ドルのみ。キャップには$8.25ミリオンもの余裕ができる。
- リード・オプション攻撃の対策に、ディフェンスのコーチングスタッフをテキサスA&Mに派遣して学ばせる、とマッカーシーHC。その逆はまだしも、NFLのコーチがカレッジに学ぶのはきわめて珍しい。 「リード・オプション・オフェンスについてはたくさんの話し合いが行われている。579(プレーオフ49ers戦のトータルディフェンス)。オフシーズンを通して、我々はこの数字をずっと忘れない。我々はリード・オプションを学んでいる」
- プレーオフ49ers戦で打つ手なしだったパッカーズの惨状をカレッジのコーチたちが嘲笑いながら観ていた、という意地悪な噂も一部にはあった。マッカーシーHCとしては、ディフェンスのコーチ陣を全員残留させるのはいいが、その代わり二度とあのような醜態は許さない、ということかもしれない。
- WRランドール・コブにはできればリターナーをやらせたくない、とマッカーシーHC。WRジェニングスがFA退団となればオフェンスの中心になるからだ。「数字も示しているように、ランドールはきわめて実り多いプレーヤーであり、オフェンスとスペシャルチームの両方で大きな役割を果たしてきた。我々のスペシャルチームは私の就任以来最高のエリアがいくつもあり、それはランドールの存在によるところも大きい。しかし来年は彼がスペシャルチームでプレーしないことを期待している。そうするのは他のスキル・プレーヤーたちの責任でもある」