グリーンベイ・パッカーズ ニュース

2013年2月16日

Sチャールズ・ウッドソンを解雇

パッカーズがSチャールズ・ウッドソンを解雇した。NFLディフェンス最優秀選手などあらゆる栄誉を手にしてきたスーパースターもここ数年はカバレッジ能力が衰え、昨年のセーフティ転向もさほど大きな成果を上げることはできなかった。いまチームにとってセーフティ陣のレベルアップが必要なのはたしかだが、その解答は36歳のウッドソンではない、とチーム側は判断したのだろう。

最大のネックとなったのはやはり、今季キャップヒットが約$9.5ミリオンとなる高額サラリー。ベースサラリーが$6.5ミリオン、キャンプ初日に設定されたロースターボーナスが$2.5ミリオン、その他試合に出場するたびにロースターボーナス(シーズン合計$1ミリオンか)を受け取ることになっている。関係筋によるとウッドソン側は他球団との契約に自信を持っていて、減俸交渉はまったく行われなかったとのこと。本人は優勝を狙えるチームでの現役続行を望んでいる。

テッド・トンプソンGMは声明で次のように述べている。 「彼の過去7年間にわたるグリーンベイ・パッカーズへの貢献に我々は心から感謝している。彼はチームの成功に不可欠な存在であり、2010年のスーパーボウル制覇も彼の貢献なしではありえなかった。選手としては一世代に1人の存在であり、偉大なリーダーであり、フィールド外でもチームのよき代表だった。チャールズは今後もパッカーズ・ファミリーの一員であり続けるし、いずれプロフットボールの殿堂入りをする日を我々は楽しみにしている。彼と家族の幸せを願っている」

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チャールズ・ウッドソン Charles Woodson はオハイオ州フリーモント出身の36歳。高校ではRB兼DBとして州の最優秀選手に選ばれた。名門ミシガン大学では入学1年目にはやくも先発CBの座をつかみ、3年間フル出場。リターナーやWRとしてもプレーし、1997年には無敗の全米王座にくわえてハイズマン賞も受賞した(ディフェンス選手としては史上唯1人)。1998年ドラフト1巡4位でレイダーズに入団すると、ディフェンス新人王を皮切りに4年連続プロボウルに選ばれる活躍を見せ、NFLを代表するコーナーバックとなった。

しかし5年目からは次第にケガが増えるとともに、パーティ三昧の私生活や首脳陣との軋轢など、NFL中から問題児のレッテルを張られることに。2年連続フランチャイズ指名のあと2006年にFAとなったものの、獲得に名乗りを上げたのはパッカーズだけだった。しぶしぶグリーンベイに来たあとの更生・復活ぶりは2010年の記事を参照のこと。CBアル・ハリスとの名コンビでインターセプトを量産し、2009年にはNFL最優秀ディフェンス選手に。翌2010年には念願のスーパーボウルリングも手に入れた。

アスレチック能力もさることながら、なんといってもフットボールセンスが並外れている。パスルートを巧みに読みつつ相手QBにはカバレッジを読ませず、レシーバーにボールが届く瞬間にパスコースに飛び込む嗅覚がある。インターセプト55回はSエド・リードに次ぐ現役2位。INTリターンTD11回はNFL史上2位となっている(1位はロッド・ウッドソンの12回)。常にボールを狙う姿勢はランサポートでも変わらず、ファンブルフォースは通算24回を記録。プロボウルには計8回選ばれ(途中でまる6年空いているのがユニーク)、将来の殿堂入りはほぼ確実となっている。

かつての一匹狼もGB移籍後はしだいにリーダーシップを発揮するようになり、彼の研究熱心さはFSニック・コリンズやCBトラモン・ウィリアムズなど後輩DBたちのよきお手本となった。また、2010年NFC決勝で勝利したあとの楽しいペップトークも記憶に新しい(ビデオ)。パッカーズ史上のFA成功例といえば彼と故レジー・ホワイトが双璧だが、FA市場で不人気だったところがレジーとは大きく異なる。

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WRドライバー(38歳)、Cサタデー(37歳)、そしてウッドソン(36歳)の退団により、チーム最高齢はNT/DEライアン・ピケットの33歳。パッカーズ在籍期間でいえば、QBロジャース(今年9年目)がもっとも古株となる。セーフティ陣ではモーガン・バーネットがスターター確定だが、問題はその相棒。今年2年目のSジェロン・マクミリアン、M.D.ジェニングス、それに新人が先発を争うのではないか。ドラフトでは過去2年とくらべてセーフティが豊作らしく、成り行きによっては上位指名もありうる。

ウッドソンの契約内容はほとんどがベースサラリーとロースターボーナスだったので、解雇によってデッドマネーはほとんど残らないはず。これでパッカーズには$9ミリオン以上のキャップスペースが生まれるが、来月FAとなるWRグレッグ・ジェニングスが残留する可能性は依然として低いと地元記者たちは見ている。優先課題はOLBマシューズ、NTラジ、QBロジャースとの契約延長であり、そのためにTEジャーマイケル・フィンリーやILB A.J.ホークを解雇するかどうかが今後の焦点となりそうだ。

カテゴリ : Contract/Personnel, Player