グリーンベイ・パッカーズ ニュース

2012年7月23日

トレーニングキャンプの見どころ 1

いよいよ現地25日から始まるトレーニングキャンプ(公開練習は26日から)。先発争いやロースター争いなど、注目のポジションから順に今キャンプの見どころをまとめておこう。今日は課題のディフェンスについて。

DL ディフェンシブライン

昨季ディフェンス不振の元凶となったのがここ。2010年の優勝シーズンにはDL陣によるプレッシャーが1試合あたり5.1回あったのに昨季は2.2回へと激減。パスラッシュ弱体化がパス守備最下位に直結してしまった。FA嫌いのトンプソンGMがFAで3人も補強し(DEアンソニー・ハーグローヴ、DEフィリップ・マーリング、NTダニエル・ミューア)、ドラフトでも2巡でDEジェレル・ウォージー、4巡でDEマイク・ダニエルズを指名したのは、そうした強い危機感の表れだ。

DEハーグローヴは8試合出場停止ということもあり、注目される新戦力はやはり2巡指名のDEウォージー。他の未熟な点に目をつぶっても、インサイドからの突破力をパスシチュエーションで発揮してほしいところだ。次の注目は、昨季不振に終わったB.J.ラジの復活がなるか。そして3年目のDEマイク・ニール(ただし4試合出場停止)をはじめ伸び悩み組はFA加入組や新人たちの挑戦を退けることができるのか。

開幕ロースター入りが確実なのはDEラジとNTピケットとDEウォージーぐらいで、あとは誰が解雇されてもおかしくない、これまでになく熾烈な争いになりそうだ。通常DL陣のロースター枠は6人、多くて7人。出場停止の間はロースター枠に含まれないので、DEハーグローヴとDEニールをとりあえず除外すると、7人で残り3つ(または4つ)の枠を争うことになる。なお、FAを3人獲ったとはいえ全員ベテランミニマムなので、たとえ彼らが戦力にならなくてもキャップ的な痛手はない。

OLB アウトサイドラインバッカー

即先発予定の1巡28位指名のニック・ペリーが本物かどうか、に尽きる。OTAやミニキャンプでは彼が左サイドに入り、クレイ・マシューズは昨季までの左サイドから右サイドへとコンバートされていた。マシューズと比べ、元DEのペリーの方が10ポンドほど重いため、サイズの必要な左OLBとして使いたいのだろう。マシューズは右サイドならダブルチームされる機会が減る。逆サイドのペリーが活躍すればなおさらだ。

ドラフト外入団のデズマン・モーゼス(テュレーン大)も、ミニキャンプで鋭いパスラッシュを連発して注目を集めた。それが本物なのかはフルパッド練習で確認できるだろう。その他の控え組には、エリック・ウォルデン(FAで再契約)、フランク・ゾンボといった先発経験者と2年目のヴィック・ソートがいる。ロースター枠はLB全体で10人か9人のはず。ILB陣は例年4人だが、今年はILBの層が厚いので5人/5人になるかもしれない。

S セーフティ

先発ストロングセーフティ争いが注目。昨季はニック・コリンズ戦線離脱後にFSモーガン・バーネット/SSチャーリー・ペプラーという布陣で戦ったが、ペプラーのカバレッジ能力不足はパス守備の足を引っ張った。今年はコリンズが退団し、先発確定はFSバーネットのみ。ストロングセーフティは要補強ポイントと目されていたが、けっきょくFA補強はしなかった。暫定スターターのペプラーに、2年目のM.D.ジェニングスやアンソニー・レヴィーン、4巡指名ジェロン・マクミリアンが挑戦する形だ。

2010年3巡指名のFSバーネットはルーキーシーズンをケガで棒に振ったものの、2年目の昨季はスターターとして期待通りの成長を見せてくれた。守備範囲の広さやボールホークとしてのセンスは証明済みなので、今年はより安定感あるプレーを期待したい。

CB コーナーバック

昨季不振だったトラモン・ウィリアムズやサム・シールズが一昨年の調子を取り戻せるか。ウィリアムズは昨季序盤から肩のケガに苦しみ、アグレッシブなプレーが影をひそめた。いまはかなり回復してきたが、神経の方に問題が残っている、と先月末に語ったばかり。ルーキーシーズンに優勝を経験したシールズは、慢心のせいか昨季は成長どころか退行した印象。デヴォン・ハウス(昨年4巡)やケイシー・ヘイワード(今年2巡)がシールズの3番手CBの座をプッシュできるようなら、デプスの面でも将来性の面でも見通しがぐっと明るくなる。

チャールズ・ウッドソンの衰えや起用法がどうなるか。昨季もチーム最多の7INTを挙げ、相手のキャッチ寸前にもぎとる読みとセンスは健在だが、長い時間カバレッジをさせられる場面ではスピードの衰えがはっきりわかる。セーフティ陣の層の薄さもあり、彼の特異な能力を活かすためにセーフティで起用する(SSペプラーをベンチに下げる)場面は、ベース隊形では昨季から時々あった。完全なコンバートはないにしても、今年も似たような柔軟な起用法で行くのではないか。

ILB インサイドラインバッカー

基本的には控え枠の争いだが、潜在的にはA.J.ホークの後継者争いかもしれない。ホークは昨年$33.75ミリオンの大型契約を結びながら、プレー内容は迫力不足も甚だしい。サックわずか1.5回、INTなし、ファンブルフォースなし、ファンブルリカバーなし。タックリングも後追いの形で倒す形が目立つ。キャップヒットの都合で今年解雇するのは難しそうだが、来年は放出されてもおかしくない。相棒のデズモンド・ビショップは、効果的なブリッツを含めて十分な働きをしていて問題なし。

控えILBの1番手は昨年6巡指名のD.J.スミス。身長5-11(180cm)の小兵ながら、代役先発した3試合でインパクトある働きを見せ、いずれはスターターとの期待が高まっている。ロバート・フランソワの方はスターターの器には見えないが、控えなら十分という働きを昨季の代役出場機会にアピールした(2INT、1ファンブルフォース)。

今年はその控えコンビに5巡指名のテレル・マニングが加わったうえ、OLB陣からブラッド・ジョーンズとジャマリ・ラティモアもコンバートされてきて、ロースター枠争いはかなり熾烈だ。例年ならばILBは4人枠だが、今年は5人枠もありうる。OLBと兼任できることやスペシャルチームでの働きも重要な要素になる。

カテゴリ : Camp, Player