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Draft Notebook 2: DE Jerel Worthy
グリーンベイ・パッカーズ ニュース
2012年5月 2日
2巡19位(全体51位)指名のDEジェレル・ウォージー(ミシガン州立大)について。
- オハイオ州ヒューバー・ハイツの出身。デイトンの近郊で人口は約38000人。
- 高校4年時に10.5サック、50タックルを決め、地区やオハイオ州全体の1stチームなどに選ばれた。
- ミシガン州立大に進むと、レッドシャツ後の1年目からはやくも11試合に先発出場。サック4.5回・ロスタックル9回を挙げ、ビッグテンのオール・フレッシュマンチームに選ばれた。2年目はサック4回・ロスタックル8回。3年目の昨季はサック3.5回・ロスタックル10.5回を決め、オールアメリカン1stチームに選ばれた。
- 出場資格を1年残してアーリーエントリーしたのは、2010年に父ボビーが脳梗塞を起こしたことも影響した、と本人。父の左半身には現在も麻痺が残っている。 「自分ができる限りの努力をして父や母が適切な医療サービスを受けられるようにする、と自分に誓った」 「最後のボウルゲームでジョージアに負けていたら、チームを去ることに罪悪感を感じたかもしれないけどね。人生のこの章を終えたくはないけれど、人生には決断を下すべきときがある」
- コンバインでは参加したどの種目もDLのトップ10に入っていない(260ポンド級の軽量DEたちと比べるのは酷だ)。その後のプロデイでは数字を上げたらしい。
- ワンダーリックテスト20点はほぼ平均点。DL選手としてはまずまずだ。
- ミシガン州立大出身のパッカーズ選手といえば、NFL史上に残る大バストのOTトニー・マンダリッチ(1989年1巡2位)が有名。しかし殿堂入りしたCBハーブ・アダリー(1961年1巡12位・在籍1961-69)を忘れてはならない。同じくロンバルディ時代に活躍したLBダン・カリー(1958年1巡3位・在籍1958-64・パッカーズ殿堂入り)もいる。1996年の優勝シーズンに在籍したWRアンドレ・ライズン、2006年に在籍したKデイヴ・レイナーも同大の出身。
- 今年ミシガン州立大からは、DEウォージーの2巡を筆頭に大量6人がドラフト指名されている。QBカーク・カズンズはパッカーズが4巡末で指名するのではとの憶測もあったが、その前にレッドスキンズが獲得している。
- パッカーズはもちろん3-4のDEとしての指名。またニッケル隊形では(4-3のDTのように)インサイドからラッシュする。Journal Sentinel紙が各球団のスカウト十数人に聞いたところでは、4-3のDTの方が向いているとの評価が多く、また3-4のノーズタックルで行けるとの見方も多い。
- 今年のパッカーズはとにかくインサイドからのパスラッシュ強化に力を入れている。彼と4巡a指名のDEマイク・ダニエルズ、それにFA加入のアンソニー・ハーグローヴの3人が、昨季不振だったDL陣に加わることになる。即スターターになれなくても、パスラッシャーの1人としてローテーションに加わるのを期待したいところだ。
- 2巡でDE指名といえば一昨年のマイク・ニール(パデュー大)以来。本来ならばニールも先発右DE争いに加わるはずだが、ドーピング違反で4試合出場停止になったこともあり、解雇の噂も一部にはある。
- 「試合で常に全力を出し切らない」とするスカウトは数多く、2巡半ばまで指名順位が下がったのはそのためだ。こうした批判は1巡指名OLBペリーも同様で、2人ともハイリスク・ハイリターン型の指名と受け止められている。「人柄はよいがやや子供で、大金を手にすると怠け者になるタイプでは」と懸念する向きもある。
- 一瞬でペネトレートして相手のプレーを破壊するいっぽう、試合中の頑張りにムラがある、バックサイドからのパスートに熱心でない、などという懸念については、マイク・ターゴヴァックDLコーチの熱血指導が頼りだ。大学時代と比べればローテーション起用で出場スナップ数が少なくなるので、スタミナの心配はすくないはず。
- 人柄について、ミッドウェスト担当スカウトのショーン・ヘロック。 「彼はまだ若いし、成熟した大人に囲まれていれば成熟していくだろう。彼が子供だと言っているわけではない。どのチームメイトからも好かれているし、陽気なところがあるだけだ」
- ただ上記のような批判は1巡指名を前提としたもので、この順位ならじゅうぶん納得、という見方が主流。
- 背番号は99番に決定。最近ではDTコーリー・ウィリアムズ(在籍2004-07・現DET)やDTマイケル・モンゴメリーが着けたほか、現カレッジスカウト部長のジョン・ドーシー(在籍1984-88)が着けていた番号でもある。
- 本人のインタビューから。
- 予想より指名が遅れたことについて。 「とにかく我慢しようと努力した。いずれ自分の時が来ると。どこかの球団が僕に惚れ込み、思い切って指名してくれるはずだと思っていた。グリーンベイは僕のポテンシャルに注目してくれた。自分がすごい選手になり、パッカーズのジャージを着るにふさわしい選手であると証明つもりでいる」
- 「ジェネラルマネージャーから電話が来て、ウチがトレードアップして君を指名する、と言ってくれた。グリーンベイ・パッカーズのGMと話せるなんて最高の気分だった。指名が決まると父も母も狂喜して、嬉し涙を流してた。ハードに働いて僕を育ててくれたことに感謝している。こうなるのを長いこと待っていた。僕ら家族はさんざん苦労を味わってきたから」
- 全体51位まで指名が下がったことをモティベーションにする? 「それは間違いないね。フットボールは仕事だとよくわかっている。昨日は(1巡指名されず)屈辱を味わったし、仕事を始める心構えはできている。これをモティベーションの糧にして、入団後すぐからインパクトを与えられるよう努力するつもりだ。実績を残し、チームがこの指名を後悔することのないようにしたい」
- 手抜き批判について。 「少年フットボールの頃から全プレーで全力を出し切って疲れたことがない、などという選手は1人もいないと思う。それはありえない。僕に言えるのは、もっと安定したプレーができるように今後も努力を続ける、ということだけだ。安定感のある選手になるのが自分の目標だ。大学でのハイライト映像のようなプレーをNFLでも成功させたい」
- 指名直後に大学のマーク・ダントニオHCからもらったアドバイスについて。 「常に忍耐強く、落ち着いて、自分自身でいること。大きなチャンスには大きな責任が伴うと理解すること。この機会にもっと大人になり、グリーンベイでよいプレーをすること。今後はこれが仕事なのだと理解し、仕事に行く日はいつでも"A"の仕事をしなければならない、と」
- パッカーズのフロントラインの知識をしっかり披露。 「僕はチームのスキームにフィットできると思う。横にB.J.ラジがいて、ニック・ペリーがエッジからラッシュし、その逆サイドにはクレイ・マシューズがいる」
- テッド・トンプソンGMの記者会見から。
- 「とても嗅覚に優れたプレーヤーで、スナップ後の動きが非常にクイックだ。人混みで物事を見分け、ブロッカーをかわすセンスがある」
- 「実際のところ、『この選手がまだ残っていたのか?』 と言えるまでには、指名がある程度進まなければならない。そこから我々はトレードの交渉を始め、トレードアップできることもできないこともあるし、トレードダウンできることもできないこともある。今回は結果としてそれが何度かできたということだ」
- マイク・ターゴヴァックDLコーチの記者会見から。
- 会見場に来る直前、ESPNのジョン・グルーデンによるウォージー批判が耳に入った。 「グルーデンとは一緒に働いたこともあるから、すこしは彼のことを知っているけどね・・・。ウォージーは大きな選手にしてはクイックで動きがいい。非常に良いアジリティと、素晴らしい嗅覚を持っている。ここ数年の中でも優秀なDL選手だし、ボールを見つけるのが非常に速い。その点で素晴らしい仕事をしてる。ウチのフロントラインに活力をもたらしてくれるはずだ」
- 「(DL選手の中で)ケンドール・レイエス、デヴォン・スティル、ウォージーの3人が拮抗していた。しかしレイエス(2巡17位でSD)が消え、次の1人も消えようとしていた。だからテッドはトレードを敢行し、彼らのうち1人を確保できるよう手を打ったんだ」
- ウォージーとデヴォン・スティル(ウォージーの2つ後でCINへ)との間で議論はあった? 「長くハードな議論を戦わせたよ。どちらかが完勝したわけでは決してなかった。最終的には、突破する動きのよさでウォージーがわずかに優ると我々は考えた。どちらの選手も気に入っていた」
- 「彼は相手スナップの読みがとてもいい。ときどきオフサイドをしてしまうのは私も認識している。それはこれから改善していけると思う」
- 手抜き批判について、チームメイトのSトレントン・ロビンソン(6巡でSFへ)が熱烈に擁護している。
- 「ジェレルは明日起きたらまずワークアウトに行く。指名してくれた球団のためにしっかり準備を整えるはずだ。彼は1巡半ばで指名されるはずだったのにそうならなかった。グリーンベイが彼に賭けてくれたのだから、彼は全力でそれに応えるはずだ。明日の朝からね」
- 「彼は波があると解説者たちが言っているのは僕も聞いた。昨季の彼を見た上で、これは素晴らしい指名になると僕が保証する。パッカーズのために大活躍するはずだ。批判は彼の火に油を注ぐことになる。彼は全力で取り組み、圧倒的な力を発揮するよ」
指名を報じる故郷オハイオ州デイトンのTVニュース