グリーンベイ・パッカーズ ニュース

2012年2月14日

アレックス・ヴァンペルトがRBコーチに

パッカーズは残っていた新コーチ人事をまとめて発表した。ベン・マカドゥーのQBコーチ就任で空席となったTEコーチにはジェリー・フォンテノーRBコーチが移り、新RBコーチにはかつてビルズでプレーした元QBのアレックス・ヴァンペルトを招くことになった。

複数のポジションを経験させる「クロス・トレーニング」は、最近のマッカーシー人事の特徴となっている。今ではQB育成のエキスパートと目されるマッカーシー自身も、QBのプレー経験など一度もない。リーグ屈指のオフェンシブ・マインドの幕僚として多様な経験を積むことはアシスタントコーチのキャリアにとって重要であり、逆に「その道ひとすじのポジションコーチ」のままでは出世はまず望めない。昨年RBコーチからWRコーチに移ったときのエドガー・ベネット(元エースRB)の喜びようはその重要性をよく示している。 

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新RBコーチのアレックス・ヴァンペルトはピッツバーグ出身の41歳。地元ピッツバーグ大ではマイク・マッカーシー(当時QBコーチ)の下で、ダン・マリーノの持つ同大記録をいくつも破った。1993年の8巡指名でスティーラーズに指名されるが開幕前に解雇され、短期間のチーフス在籍(ここにもマッカーシーがいた)を経てビルズへ。主に控えQBとして10年間プレーし、2001年には8試合先発出場してチームは2勝6敗、レーティングは76.4だった。

2003年かぎりで引退すると、ラジオ解説を経て2006年から古巣ビルズのアシスタントコーチに。同年にはパッカーズQBコーチの候補にもなっている。2008年にはビルズでQBコーチに昇格、翌2009年にはOCも務めたが、ディック・ジャウロンHC解任とともに退団。この2年間はバッカニアーズでQBコーチとしてジョシュ・フリーマンたちを指導していた。

とんとん拍子の出世のあと、最近はOC→QBコーチ→RBコーチとキャリアダウンしてきた印象がなくもない。先日はベアーズでQBコーチ候補として面談したがジェレミー・ベイツに敗れている。今回は恩師マッカーシーHCとの縁で誘われたのだろう。クレメンツの後任QBコーチ候補と見られていたが、マッカーシーHCはベン・マカドゥーを選び、OC経験者の彼がRBコーチに甘んじる結果に。それだけマカドゥーの才能を高く評価しているということだろうか。

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新TEコーチのジェリー・フォンテノーはルイジアナ州ラファイエット出身の45歳。テキサスA&Mから1989年にドラフト3巡指名され、ベアーズ(8年)、セインツ(7年)、ベンガルズ(1年)と計16年間センターとして活躍し、193試合に先発出場した。引退後の2006年、セインツ時代のマッカーシーHCとの縁でパッカーズのインターンとしてキャンプに参加し、その後正式採用に。アシスタントOLコーチの4年間を経て、昨年はRBコーチに昇格していた。

先日ベン・マカドゥー新QBコーチの記事で述べたように、パッカーズのTEコーチからはアンディ・リード、マイク・シャーマン、そして今年のジョー・フィルビンと、3人のNFLヘッドコーチを輩出している。

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その他のアシスタントコーチ人事も2件発表された。

昨年から"Quality Control"を務めていたジョエル・ヒルゲンバーグはアシスタントOLコーチに昇格。昨年は同職が空席だった代わり、フィルビンOCがOL指導をアシストしていた。ヒルゲンバーグはセインツで長く先発センターを務め、1992年にはプロボウルにも選出。セインツの殿堂入りも果たしている。兄ジェイもベアーズでプロボウルに7回選ばれた名センターだった。

昨季から"Assistant Wide Receivers/Special Teams"だったジョン・ラッシングは "Offensive assistant/Special teams" という肩書に。なにがどう変わるのかはよくわからない。ワシントン州立大でDBとして活躍した彼は卒業後すぐにコーチの道に進み、ユタ州立大など5つの大学で13年間にわたってDBコーチなどを務めた。NFLのマイノリティ・コーチング・インターンシップ・プログラムで2008年夏にパッカーズのキャンプに参加し、翌2009年からフルタイムで採用されていた。

カテゴリ : Coach/Front Office