今年の公開練習もいよいよこれが最後。次に選手たちがファンの前で練習するのは来年春のことになる。この日はパッドなし、ヘルメットに短パン姿で、75分間の短い練習だった。
トレーニングキャンプを振り返ってマイク・マッカーシーHC。「今年はこれまでで最もイージーな内容だった。身体的に言ってね。就任1年目を思い出すと、(そんなに負担をかけるなんて)自分は何を考えてたんだ、と思ってしまう。今はプレー数が少ないし、予定していた練習が(ファミリーナイトの雷雨やホワイトハウス訪問で)できない日もあった。ただ時間は短くなったが、より賢く練習できていると思う。とくにこの2週間は、シャープなテンポでドリル・ワークができている。その点では間違いなく目標に到達した。最初の2週間はそうでなく、時間の割に内容がずっと薄かった」
選手を代表してCスコット・ウェルズ。「トレーニングキャンプに関して、僕は”イージー”という言葉はけっして使わないね(笑)。ひどい形容詞だよ。限られた時間で内容の濃い練習をさせるという点において、コーチたちは素晴らしい仕事をしたと思う」
WRアントニオ・ロビンソン、OGエイドリアン・バトルズ、ILB K.C.アシオドゥの3選手の解雇が発表された。WRロビンソンとOGバトルズは昨年プラクティス・スクワッドにいた選手。しかしWRロビンソンは充実したWR争いに加われず、OGバトルズはかかとのケガでずっと休んだままだった。ILBアシオドゥは今夏唯一のFA補強だったが、胸筋のケガでキャンプ後半は練習できなかった。
一昨日の3人と合わせて6人を解雇し(下表)、これで第1次ロースターカット(90人枠から80人枠へ)が完了。最終ロースターカット(53人枠へ)の期日は4日後の9月3日となっている。
Packers 2011 First Roster Cuts | ||||
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Pos. | Name | College | Exp. | 備考 |
WR | Brett Swain | San Diego State | 3 | 2008年7巡。ハムストリング負傷も響いた |
WR | Antonio Robinson | Fresno State | 1 | 昨年はプラクティス・スクワッド |
TE | Spencer Havner | UCLA | 3 | LBとのかけもちで一昨年有名に |
OT | Theo Sherman | James Madison | R | 今年のドラフト外入団 |
OG | Adrian Battles | Minnesota State | 1 | 昨年はプラクティス・スクワッド |
ILB | K.C. Asiodu | Central Oklahoma | 2 | キャンプ中のFA補強だったが |
今キャンプ最後のフルパッド練習は、今夏最も短い1時間35分。スペシャルチームの時間が長かった。主力の多くは1stチームから抜け、スカウトチームで体を動かしている。この様子からすると今週のチーフス戦に主力組は出場しないか、出たとしても1シリーズだろう。昨年もQBロジャース、LTクリフトン、CBウッドソンらを温存し、それ以外のスターターは1シリーズだけだった。
「まだプレイング・タイムの計画はできていない。明日スタッフで話し合う予定だ。私は今のチームの身体的な状況をとても心配している。今日もすこし足を引きずっている選手が2人いたから(後述のWRコブとTEテイラーのことだろう)、明日あらためて様子を見る」とマッカーシーHC。
練習開始前に、WRブレット・スウェイン、TEスペンサー・ヘイヴナー、OTテオ・シャーマン(ドラフト外)の解雇が発表された。それぞれポジションの層が厚く(今週のゲームにも支障がない)、開幕ロースター入りは無理と見られていた選手ばかり。WRスウェインとTEヘイヴナーはどちらもハムストリング負傷で長く休み、しかも数年のプロ経験があって伸びシロの魅力に欠けていた。
「早めに解雇することで他球団と契約するチャンスを大きくしてやりたかった。彼らはこれからもスーパーボウルチームの一員であり続けるし、今後の成功を祈っている」とマッカーシーHC。これでパッカーズのロースターは83人となり、火曜午後3時(東部時間)までにあと3人を解雇してプレシーズン最終戦を迎えることになる。
第1次ロースターカット期限は30日(火)の午後4時(東部時間)。パッカーズは現在ロースターに86人いるので、この期限までに6人を解雇することになる。
1Q | 2Q | 3Q | 4Q | Total | |
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Packers (2-1) | 7 | 3 | 3 | 11 | 24 |
Colts (0-3) | 0 | 14 | 0 | 7 | 21 |
気温27℃、天気は晴れ、開閉式屋根は開いている。パッカーズがルーカス・オイル・スタジアム(2008年完成)を訪れるのはこれが初めて。先発組が最も長く出場する第3週のこのカードは、昨年に続いて今年も全米中継となった。今回パッカーズは攻守1stチームを前半いっぱい出場。コルツはQBペイトン・マニングを欠いている。
1stチームオフェンスが順調に10点をリードしたパッカーズだが、第2Qにはパスカバレッジのミスで2TDパスを許して逆転に。後半は両軍ともオフェンス低調のパント合戦となり、QBハレルのインターセプトからTDを許して8点のビハインド。しかしQBハレル率いる3rdチームがタッチダウンと2ポイントで同点に追いつくと、直後にオンサイドキックを成功させ、最後は50ydsのサヨナラFG成功で締めくくった。
◆ ◆ ◆
QBロジャース率いる1stチームは前半だけでパス204ydsを稼ぎ、主にノーハドルオフェンスで結果を出した。課題を残したのは今回もパスプロテクションで、前半だけでQBロジャースが被サック4回。LTクリフトンがサック2回とホールディングを犯している。
ディフェンスは第2QにDB陣の大きなカバレッジミスで57ydsTDパスを喫したほか、前半2ミニッツにも69ydsのTDドライブを許している。2つのロングパスはそれぞれSSバーネットとFSコリンズの責任が大きい。第4Qの7失点はQBハレルのインターセプトによるもので、控え組のディフェンスは安定し、とくに3rdダウンがよかった。スペシャルチームでは30ydsのパントリターンが減点材料。Kクロスビーは41ydsを失敗したが最後に50ydsを成功させたのでよし。
WRジョーディ・ネルソンがヒザの打撲、TEジャーマイケル・フィンリーが足首を捻挫したのとこと。詳細は不明だが、重いものではないようだ。
スーパーボウルで鎖骨を骨折したCBチャールズ・ウッドソンは、ドクターの忠告に逆らって負傷後6週間でワークアウトを開始。これまでのボクシングに加え、今年はプールでの運動も取り入れたという。 「1か月半か2か月で腕立て伏せを始めた。そうせずにはいられなくてね。スイミングと、水中でのワークアウト。これはすごく便利だからかなりやって、とても役に立った。ロックアウトでグリーンベイに来られなかったから、ボクシングも例年より多めだった」
「今朝本人にも言ったけど、彼はまるで22歳に見えるよ。私がここに来て4年目になるが、これまでなかったほどよく動けている。新たなエネルギーの泉をどこで見つけたのかわからないが、あの飛び回り方はまるで22歳だ。私もすごくうれしい」とジョー・ウィットCBコーチ。
◆ ◆ ◆
素晴らしい体で戻ってきたことは後輩への影響も大きい。優勝で慢心して”fat and happy”にならない、というお手本になったからだ。またリーダーシップ面でも、以前より声を出して若手を引っ張るようになったのは明らかだとウィットCBコーチは言う。 「ここ数年で彼は見事なほどに脱皮した。クラスルームでも彼は若手の面倒をとてもよく見る。どうやってフィルムを分析するか、どうやって体調管理するかを教え、それは練習フィールドでも続いている。真のプロフェッショナルだ」
「以前の彼はそういうことをしたがらないところがあった。あまりに才能に恵まれているから、他の連中も同じようにできて当たり前、と思ってしまうんだな。しかし、『自分が助けてやればみんなマシになる』 という現実に気が付き、『わかった、オレが助けてやればいい。連中に話してやれば役に立つ』 と理解するようになった。それからの彼は素晴らしいのひとことだよ」
グリーンベイに移籍してきた当初、まだ問題児だった彼がマイク・マッカーシーHCにたびたび反抗したことは、よく報道されているとおり(昨年2月の記事へ)。当時の彼は若手の指導などまっぴら御免だった。しかしそれも過去の話。スーパーボウル制覇への道のりにおいてリーダーシップ上重要な役割を果たし、グリーンベイでは故DEレジー・ホワイトと並び称されるほどの存在になった。リーグ最高のDB陣を形成するのに、彼の指導力は不可欠だった。
今ではチームリーダーの役割を楽しんでいるが、自分にとって決して天性のものではなかったとウッドソンは言う。 「自分があまりいいコーチになれないと思うのはそこなんだ。自分と同じように理解させたいと思うほど、選手を教えるのは大変になる。だから僕は他の選手たちに無理強いはしない。適切だと思う程度に話はするけれど、無理にやらせようとはしない。わかるヤツもいれば、わからないヤツもいる。でも最初の部分だけ暗号の解読を手伝い、残りは自分たちで考えさせれば、それで僕は役割を果たしたことになる」
「ポジション・ミーティングでは自分の知識を教えようと努力はするけど、『お手本を体で示す』 アプローチに変わりはない。僕のフットボール理解の仕方や、相手が何をしてくるか98%ぐらい読んで好プレーを決めることを、彼らは見て学ぶわけだから。僕のプレーを見て、『いや待てよ、これは決して魔法じゃない。フィルムで学んだことを現場で見ているだけだ』 と彼らにはわかるんだと思う。ウッドソンにできるなら自分にもできるはずだとね」
「そんなわけで若手たちもミーティングでより注意を払うようになる。ときどき僕はジョー(ウィットCBコーチ)に映像を止めてもらい、『いいか、もし実戦のこのダウンでこのオフェンスのセットを見たら、オレならこう考える』 と教えるんだ。再びフィルムを再生すると、やはりその通りになる。実戦でそのセットを見たら、相手が同じことをしてくる可能性は高い」
「フィルムで学習すれば、相手は日曜に必ず同じことをやってくる。そのように一緒に学習したことは、実戦でものすごく彼らの役に立った。そうした経験を繰り返せば、自然ともっとフィルムを見ようという気になるものだ。フィルムから何を読み取ったか、フィールドで何を考えているか、僕は彼らに説明しているだけ。彼らは理解するかもしれないし、しないかもしれない。しかし僕が読みを活かして好結果を出し続けていれば、当然同じようにしたいと思うだろう?」
◆ ◆ ◆
2009年に就任したドム・ケイパースDCは、伝統的なコーナーバックの枠からはみ出して、ウッドソンを実質ラインバッカーのようにプレーさせることも少なくない。彼の多彩な才能をあらゆる場所で活用できることはプレーコールに大きな柔軟性を与え、相手オフェンスから見て予測不能にしている。
「不思議なのは、僕のカバレッジ能力が落ちたという人たちが他の要素をすべて無視していることだよ。これ以上何をやればいいって言うんだ? 僕はフィールドであらゆる仕事をこなしてるし、僕が毎回レシーバーに抜かれてるっていうならそれは間違いだ。僕はチームの望むようなプレーをし、それは僕の好きなプレーでもある。そりゃあ、(シャットダウンコーナーと呼ばれたければ)試合を通してアウトサイドでプレーしてもいいよ。でもそんな使い方じゃ宝の持ち腐れだろう? チーム全体に悪影響が出る。カバレッジ以外の仕事をすることで、僕はボールのありかを見つけることができるんだし」
「僕は(単なるコーナーバックでなく)フットボール・プレーヤーだ。とにかくゲームに出してくれ。それが僕のプレーだ。ドムは僕を複数のポジションで使ってくれる。ブリッツ、カバー、何でもやる。僕のビックプレー能力を活かしたパッケージを彼は作ることができる。僕にとってはものすごく楽しいよ」
◆ ◆ ◆
パーティ三昧の問題児から脱皮し、グリーンベイでの生活を楽しんでいるウッドソン。今週は妻エイプリルと子供たちも(オフシーズンの家から)グリーンベイに到着する。
「物事は変わっていくものだけど、いま僕はすごくいい状況に恵まれているし、過去を振り返ることは決してない。今よりハッピーなんてありえないよ。とにかく気分がいい。チーム、ファミリー、その他すべて。僕はいい場所にいるんだ」
2003年の大改築以来ランボーフィールドは南側だけボックス席が途切れて馬蹄形に開いていたが(航空写真)、そこに6600席の大スタンドを増設することをパッカーズが正式発表した(下のイラスト)。総工費は約$130ミリオンで、2013年開幕までに完成の予定。資金調達はすべてグリーンベイ・パッカーズが行い、地元自治体からの税金には頼らない。ただし新株式発行の可能性はあるとのこと。
南側にそそり立つ新スタンド スクリーンの位置は北側より相当高い
南側新スタンドの裏にゲートを新設
北側にも最新の巨大スクリーン 足元にはビューイング・テラス
北側エンドゾーン裏にもゲートを新設
イメージビデオ
今週の公開練習はこの日が最後。残る公開練習は来週の3日だけ。フルパッドはあと2日だけとなった。次がドームスタジアムのため、この日はクラウドノイズつきのピリオドもあった。
雷雨が迫るとの予報のため練習は屋内練習場ドン・ハトソン・センターに移動となった。今夏2回目の屋内練習場だが、けっきょく大雨は降らなかったらしい。夕方には竜巻警報も出されたが、グリーンベイは直撃を逃れている。
2連休明けは2時間8分間の短い練習が行われた。気温22℃と素晴らしい天候で、スタンドは今日も満員になっている。
OLBフランク・ゾンボはゲーム前に肩甲骨を骨折したことが明らかになり、開幕戦出場は絶望的に。今年のキャンプでもっとも大きなケガであり、OLBエリック・ウォルデンの開幕スターターがほぼ確実になった。いっぽう左ガードでもT.J.ラングが開幕スターターの座をほぼ固めている。この日更新された公式サイトのデプスチャートでも2人の先発昇格が反映されている。
選手たちは土・日と珍しい2連休。といっても土曜はビデオ分析や個人トレーニングなどがしっかり行われ、つまりレギュラーシーズン中の月曜と同じだ。日曜はオフとなっている。ヘッドコーチ会見がなかったため、新たなケガ人情報はない。以下はほとんどがゲーム直後のコメント。
1Q | 2Q | 3Q | 4Q | Total | |
---|---|---|---|---|---|
Cardinals (1-1) | 3 | 3 | 14 | 0 | 20 |
Packers (1-1) | 0 | 14 | 0 | 14 | 28 |
天気は晴れ、気温は28℃のランボーフィールド。プレシーズンでカーディナルスをホームに迎えるのは、彼らがセントルイスに本拠を置いていた1978年以来33年ぶり。今回パッカーズは攻守1stチームを3シリーズずつ、第2Q半ばまでプレーさせている。(先週より1シリーズ長い)
今回もノーハドル攻撃でQBロジャースからWRジェニングスにTDパス、2ndチームでは新人RBアレックス・グリーンのTDランでパッカーズは順調にリード。第3Qにはリターナーのファンブルロストから逆転を許したものの、QBフリンからWRチェストへの97ydsTDパスで再逆転すると、QBハレル率いる3rdチームもTDドライブを成功させて突き放した。
課題を残したのは4サックを許したパスプロテクション。中でも1巡指名デレク・シェロッドは左ガードでも左タックルでも簡単に突破されてサックを献上した。1stチームディフェンスはフィールドポジションが良かったせいもあってTDを許さなかったが、2ndチームディフェンスはミスタックルやカバレッジミスも多く、スロッピーな内容で2TDを許している。
DE C.J.ウィルソン(代役先発)が脳震盪の恐れ、WRランドール・コブがヒザを打撲して退場した。
セント・ノーバート大学での合宿生活(記事へ)も昨夜が最後となり、これからは自宅から練習に通うことになる。実質的にキャンプ打ち上げといってよく、これからはレギュラーシーズン中と同じようなスケジュールになっていく。選手たちは「学生寮での最後の夜だ!」と喜びの声をツイートしていた。
なお、家やアパートメントを持たない選手には、9月3日の最終ロースターカット期限まで球団がホテル宿泊代を負担することが労使協定で定められている。
この日の練習はわずか46分ほど、ハーフスピードのジョグ・スルーだけにもかかわらず、スタンドは満員だった。そのファンに感謝するため、練習が終わると選手たちはTシャツなどのプレゼントをスタンドに放り込んでいた(写真 / ビデオ)。その後は水風船のぶつけ合いとなり、QBロジャースがコーチをヒットする場面もあった。「集まってくれたファンを楽しませ、少しでもお返しがしたかった。今年のファンは、私が来て以来最高のキャンプ環境を作ってくれた」とマッカーシーHC。
午前11時台で気温22℃と素晴らしい天気の下、昼練習3日目が行われた。キッズファンの自転車に乗るところから始まるキャンプ練習の様子をまとめたビデオ映像(前日のもの)はこちら。
現在パッカーズのロースターには86人(上限90人)。8月末(はっきりしないが30日ごろ)にはこれを75人に絞り、最終ロースターカット期日の9月3日には53人を選ばなければならない。「ケガがないとして、開幕ロースター53人のうちいま固まっているのはおそらく42人」とレジー・マッケンジー人事部長は語っている。
パッカーズのホワイトハウス訪問の舞台裏の映像が、ホワイトハウス制作によりYouTubeに公開されている。
このQBロジャースのインタビューにによると、この1年で訪問は2回目とのこと。WRジェニングスやCBウッドソンが話しているのは、ミシェル・オバマ大統領夫人の推進する「子供の運動増進」の活動について。NFLには "Play 60" キャンペーンがあり、パッカーズにも "Fit Kids" プログラムがある。
テッド・トンプソンGMは徹底した再契約中心のチーム方針で知られ、2005年の就任以来、高額FAを獲ったのは2006年のCBチャールズ・ウッドソンとNTライアン・ピケットだけ。キャップに余裕があればFA獲得でなく中心選手との契約延長に使うため、サラリーに不満を抱く選手が少なく、ロッカールームをハッピーに保っている(大物のホールドアウトは3年前のRBグラントが最後)。契約内容も出場試合数や成績に応じたインセンティブが多めで、自然と身の丈に合った金額になる。
トンプソン/マッカーシー政権がモットーにしているのは「内側からの成長」だ。安価でフレッシュな若手を起用し、1つのシステムの下で育てていく。名前ばかり有名なベテランFAの獲得よりもケミストリーを重視する。手厚い契約で生え抜きのベテランに報いつつ、世代交代のときが来れば躊躇することなく、アンタッチャブルな存在と思われたQBブレット・ファーヴでさえ例外ではなかった。「彼でさえ特別扱いしなかった」という感想は球団全体に浸透しているといっていい。
ドラフトでも目先のニーズより一歩先を考えた指名が目立つ。LTクリフトンやRTタウシャーの衰えに備えてRTブラガとLTシェロッドを1年ずつ早くドラフト指名。DEジェンキンズ流出に備えて昨年DEニールを指名。今年RBアレックス・グリーンを3巡指名したのも、来年のRBグラント流出に備えてのことだろう。ここ数年はTEフィンリー、RGシットン、NTラジ、OLBマシューズとスター選手を次々と生み出しただけでなく、CBトラモン・ウィリアムズを筆頭にドラフト外の成功例も多い。
以前はオフになるたび、トンプソンGMの”消極的な”FA方針にファンは苛立ちをつのらせたが、それももう過去の話。FA補強選手が実質2人だけという驚異的な生え抜き率のチームでロンバルディ・トロフィーを勝ち取り、いまやリーグを代表するGMの1人として尊敬を集めるようになった。今夏サラリーキャップに$13ミリオンも余裕がありながらFAに手を出さないのは、チームにひしめく優秀な若手選手たちと契約延長しなければならないからだ。
◆ ◆ ◆
マイク・マッカーシーHC。 「我々は基本方針を貫くよう努力している。選手たちをドラフトし、育て、できれば再契約したいと。今はそのプランが世間にも理解されてきたように思う。最初の数年は、世間はあまり忍耐強くなかったが。今はドラフトした選手が育ち、彼らが2回目の契約を手に入れているところだ。それこそが、我々にとってのフリーエージェンシーだ」
マーク・マーフィ社長。 「そうするにふさわしい中核選手を選んで我々は契約延長してきた。それがきわめて重要だ。多少のリスクは常にあるが、ドラフトほど不確定要素が多いわけではない。すくなくとも力量を確認したベテランばかりだからね。ケガは予想ができないので難しいが」
NT B.J.ラジ。 「カレン(DEジェンキンズ)がいなくなって、僕はすごく腹を立てた。優秀な選手だしスーパーボウル制覇のために残してほしかったからだ。でもジェネラルマネージャーの立場になってみれば、現在だけ考えるわけにはいかない。将来を考えないと。結果的には、すごく良い判断だったと言われるんじゃないかな。僕に言えるのは、テッドは頭のいい人だってことだ。彼は優先度リストを作り、そこから外れることなく仕事を進めていく」
来春FAとなるWRジョーディ・ネルソン。 「見回してみてよ。みんなしっかり(高い給料を)もらっている。でもパッカーズについて1つ言えるのは、決してオーバーペイしないということだ。FA市場であれこれ買い物をしない最大の理由はそれだと思う。僕個人としては、契約のことは今は考えられない。ただフットボールをプレーするだけだ」
RGジョシュ・シットンも契約最終年を迎え、パッカーズにとって契約延長の最優先課題とみられている。 「テッドは自分の選手が好きなんだと思う。だからちゃんと結果を出し、チームに従い、よきチームプレーヤーであれば、契約は後からついてくる。これはビジネスだ。今季が終われば、フリーエージェントという選択肢ができる。でも僕としては当分ここでプレーしたいね(笑)」
昼練習初日の昨日はスタンドに空席が目立ったが、今日は再び満員。
RBグリーン、TEクウォレス、TEクラブトリーの3人が復帰したが、DEニール(ヒザ)、Sレヴィーン(脳震盪か?)が負傷退場した。 「昨日の練習は今年もっともフィジカルな内容だったし、チーム全体に疲れがたまってきた今週がいちばんキツい週かもしれない。ロックアウトなどのため、今年は普通の年とは違う。コーチにはより忍耐が要求される。いまチームに負荷をかけすぎてはいけない」とマッカーシーHC。
先週発表されたスケジュール変更により、今夏初めての昼の練習。現地時間午前11時15分から、2時間16分にわたって練習が行われた。「気温24℃だが日差しのせいでけっこう暑い」と記者はぜいたくなことを言っている。
ゲーム翌日で練習が休みなので、ここ数日の話題から。
1Q | 2Q | 3Q | 4Q | Total | |
---|---|---|---|---|---|
Packers (0-1) | 7 | 10 | 0 | 0 | 17 |
Browns (1-0) | 7 | 7 | 10 | 3 | 27 |
天気は晴れ、気温は28℃、空席の目立つブラウンズ・スタジアム(有料入場者数57077人/キャパシティ73200人)。ブラウンズとの対戦は通算23回目。プレシーズン初戦で当たるのはこれが3年連続となる。パッカーズがプレシーズン初戦をアウェーで迎えるのは2007年以来4年ぶり。
QBアーロン・ロジャース率いる1stチームが2シリーズで7得点、QBマット・フリンが3シリーズで10得点を挙げ、オフェンス的にはまずまずの内容。前者はノーハドルオフェンスで、後者も前半2ミニッツでTDドライブを成功させた。しかし後半まるまる出場したQBグレアム・ハレルはかなり不満の残る内容。ファンブルロストからブラウンズに逆転を許し、何度もあった敵陣でのチャンスをモノにすることができなかった。
ディフェンスはCBに欠場者が多く、パス守備が大いに苦しんだ。先日から話題になっているDL陣の配置転換(NTピケット、DEラジ)もかなり試していた。新人では1巡指名LT/LGデレク・シェロッドがまずまずの働き、2巡指名WRランドール・コブもレシービングやキックオフリターンでキレのよいプレーを見せてくれた。
雲ひとつない青空の下、グリーンベイ・パッカーズが優勝チーム恒例のホワイトハウス訪問を行った。これまでは4月から6月の訪問が普通で、ロックアウトのために大幅に遅れたのは既報どおり。移籍選手が参加できないのが気の毒なところだが、さいわいRTマーク・タウシャー(解雇)やILBマット・ウィルヘルム(FAとなってフリーのまま)は帯同している。
チームはセレモニーの1時間半ほど前に現地に到着し、ホワイトハウスの見学ツアーを行った。そして南ポーチ前に整列したチームの前にバラク・オバマ大統領が表れ、8分ほどのユーモアあふれるスピーチ。スポーツ好きで知られる大統領だけあって、球団株式を手渡したCBウッドソンとの楽しいやり取りも期待以上だった。終了後、大統領は歓談しながらチーム全員と握手している。
この日の流れは以下のとおり。
大統領のスピーチ動画
整列してじっと大統領を待つ
パッカーズ3首脳を伴ってバラク・オバマ大統領登場
スーパーボウルでの奮闘や球団の歴史も称賛
「これで私もオーナー。ロジャースをベアーズにトレードするのは?」 「マイノリティ・オーナーですので」
QBアーロン・ロジャースから大統領にジャージをプレゼント
先日ネット上で引退表明をしたRBアーマン・グリーンが、ランボーフィールドで正式な引退会見を行った。チームと1日契約を結んでパッカーズ選手として引退し、会見の様子はパッカーズ公式サイトでライブストリーミング放送された。
テッド・トンプソンGMの紹介に続いてポディウムに立ったグリーン。「すべてのコーチ、チームメイト、ファンに感謝したい。僕の(本当の意味での)キャリアが始まったここグリーンベイで、フットボールからの引退を発表する。大した意味はないと思われるかもしれないが、僕にとっては大事なことだし、ふさわしい方法で行いたかった。自分の力を証明する機会を与えられたことに感謝している」
「2007年にここを去ったけれど、僕の心の大部分はここに残ったままだった。最大の後悔は、ここを去ってヒューストンに移籍したことだ。それを否定するつもりはない。(自分に対して)心底ムカついてしまった。今に至るまで、なぜそんな決断をしたのかわからない。しかし僕も男として、自分の失敗を受け入れるしかない」
しかし2009年10月にパッカーズと再契約し、ケガ人続出のRB陣を助けてプレーオフ進出にも貢献した。 「ここに戻ってこられる素晴らしいチャンスを与えられ、ジム・テイラーの持つ球団ラッシング記録を破ることもできた(ランキング)。おかげで、拙い決断による心の重荷を少し軽くすることができた」
◆ ◆ ◆
RBアーマン・グリーンは名門ネブラスカ大でさまざまな記録を打ち立て、1998年ドラフト3巡指名でシーホークスに入団。ファンブル癖をホルムグレンHCに嫌われ、2000年夏にグリーンベイにやってきた。CBフレッド・ヴィンソンとのトレードはパッカーズ史上最も成功したトレードの1つと言われている。ドーシー・レヴェンズの負傷でエースRBの座をつかみ、4年連続プロボウルの大活躍でマイク・シャーマンHC時代を支えた。DBをも振り切るスピードと、タックラーを吹っ飛ばすパワーを兼ね備え、カットバックをせず直線的にフィールドを切り裂く走りが印象的な選手だった。
最も彼が活躍したのは1883ydsを走った2003年シーズン。ジャマール・ルイス(BAL)が2000yds超を走ったのでリーディングラッシャーに届かなかった。 「普通の年ならばリーディングだったんだけどね。」
2007年テキサンズに高額FA移籍したものの、ヒザや足首などの度重なるケガで2年間わずか554yds(平均3.8)しか走れず、けっきょく解雇。前述のように2009年後半にパッカーズに戻って160yds走り、翌2010年は(故郷の)UFLオマハ・ナイトホークスでプレーしていた。
いまもグリーンベイ近郊に住む彼は、修士号取得に向けてウィスコンシン大グリーンベイ校で学んでいるという。また、カレッジのビッグ10ネットワークでサイドライン解説に加わることも最近発表されている。
マッカーシーHCは来週3日間の練習予定を変更し、月・火・水をすべて現地午前11時半開始に(スケジュール表)。これにより、夜7時からの練習は今日が最後となった。朝7時のスタジアム到着から夜10時の終了までダラダラと長すぎて精神的に消耗する、という不満が(すくなくとも一部には)あったことを地元メディアは指摘している。むろん記者たちも夜遅くまで働かなくてよいことを大喜びしている。
マイク・マッカーシーHC。 「この変更はいわばプラン1aで、ずっと選択肢として用意してきたものだ。ここまでインストールのフェーズを順調に進めるとともに、若い選手にはクラスルームで十分な時間をかけて教え、ジムでウォークスルーもできた。今年の(夜練習の)スケジュールは非常に役に立ったと思う。しかしここからは、シーズン中に近い進め方に移っていく必要がある」
SSチャーリー・ペプラー。 「すごくプレーヤー・フレンドリーなスケジュールだ。みんな喜んでいると思うよ。僕がなにか意見を言ったわけじゃないけど、1日がとても長いし、選手だけじゃなくコーチにも負担は大きい。それが変更の理由かもしれないね」
NT B.J.ラジ。 「やるべき仕事を終えるのは大事だけど、僕らのケミストリーのよさをコーチ・マッカーシーは理解してくれてるんだよ。ベテランの多くが残留し、(主力にケガ人が少ないので)練習量もしっかり確保できてる。いまチームをオーバーワークさせてシーズンに入って消耗したのでは実力が出し切れない」
このところのグリーンベイは涼しく、たいへん過ごしやすい日が続いている。今夜も練習開始時が気温22℃、終了時が気温19℃で、長袖をはおっているファンも多い。
昨季はNFLディフェンス最優秀選手の次点だったOLBクレイ・マシューズだが、シーズン後半はすねの疲労骨折(おそらく第8週NYJ戦)を抱えながらプレーしていたことが明らかになった。すねの打撲だけでこれほど練習を休むのはおかしいと誰もがいぶかっていたが、今回初めて真相がわかった。「DEカレン・ジェンキンズ欠場時は君のサックが少なかったが」という質問に対し、そのころ自分が疲労骨折していたせいもある、と本人が話したのだ。
「大ごとにしたくはない。シーズン中には起きることで、自分ではどうにもならない。とにかく練習を休んでゲームデイには参加し、全力を出し切っただけ。(自分や首脳陣の他には)誰も知らなかったことだけど、脚に疲労骨折があった。言い訳にするつもりはない。カレンは素晴らしいアスリートであり、流出はディフェンシブラインにとって痛手だ。しかし同時に、他の選手が伸びてくれるとチームは自信を持っている」
プロ入り後2年間のキャンプはハムストリングの問題で苦しみ、出場できたプレシーズンゲームは2年間でわずか1試合だけ。今年はそうならないよう、オフシーズンは個人トレーナーとともに強化に取り組んだ。かつてNFL球団でもトレーニングコーチを務めたライアン・キャプレッタは、とくに心肺機能の強化を重視したという。(顧客にはDEドワイト・フリーニーやCBアントニオ・クロマティもいる)
「クレイはもともとクイックで瞬発力があるだけに、ウェイトルームでの時間が長く、フィールドでのコンディショニングには力を入れていなかった。そこで今オフは、ウェイトルームももちろんやったが、より耐久力に重点を置いた。キャンプが近づいてきたらフットボールに特化した瞬発力系の運動にシフトした」
その甲斐あって順調なキャンプを過ごしているOLBマシューズ。 「このオフシーズンは、『ケガの予防はこうやるんだ』 と言えるよう、あらゆる努力を惜しまず心肺能力の強化に取り組んだ。それが僕の特性なんだ。フットボールにケガはつきものだけど、今はすごくいい状態だと感じてる。3年目シーズンは過去2年を間違いなく上回る手応えがある」
若手に出番を与えるためもあって、この日はベテラン8人にオフが与えられた。休んだのはQBロジャース、WRドライバー、LTクリフトン、Cウェルズ、DEピケット、NTグリーン、CBウッドソン、FSコリンズといったNFL経験6年以上の選手たち。
休養日明けの練習は、雨天のため今年初めて屋内練習場ドン・ハトソン・センターに。この2年間で初めてのことで、チームは気の毒なファンを少しずつ屋内練習場に招き入れて見学させている(写真)。壁には13個目のチャンピオン・バナーが加わっていた。(写真)
第11回パッカーズ・ファミリー・ナイトがランボーフィールドで開催されたが、スクリメージ練習開始から20分ほど経ったところで「激しい雷雨が間近に迫っている」との予報のため突如イベント終了。選手たちが退場し、観客がおおかた避難したところで、予報どおり大変な雷雨となった。
ファミリーナイトが雨にたたられたのはこの4年間で3回目。2008年は1時間ほど遅れただけで済んだが、2009年のファミリーナイトでは練習開始直前に強い雷雨で退避。2時間ほど待って中止が決定となり、その不手際に批判が集まった。そのせいもあって今は、「選手の安全のため、いったん避難したら再開しない」というポリシーを球団側は設けている。
スタンドは大変な盛り上がりだった
今日はロングボムが多かったQBロジャース
雷雨迫るとの予報で退避
予報どおり大変な雷雨となった
疲れのたまる時期となってケガで休む選手が増えてきた。今年は股関節屈筋(hip flexor)を痛める選手がやたらと多い(これまでろくに調べもせず「でん部の屈筋」と訳してきたが実際はふさわしくないようなので、今後は「股関節屈筋」で行くことにしました)。例年のようなオフシーズンだったらもっと選手の体ができていたと思うか、との質問にマッカーシーHCは、「そう思うね」と答えている。
先日パッカーズと再契約したWRジェームズ・ジョーンズの詳しい契約内容が判明した。総額$9.6ミリオンの3年契約で、契約ボーナス$1.5ミリオン、今夏のロースターボーナスが$95万ドル(合わせて$2.45ミリオンが実質契約ボーナス)。ベースサラリーは今年から順に$1.3ミリオン、$2.3ミリオン、$2.95ミリオン。来年と再来年は$20万ドルずつのロースターボーナス、$10万ドルずつのワークアウトボーナスが設定されている。
FA解禁前に本人が望んでいたよりかなり安い契約なのは間違いなさそうだ。しかしもっと遅れて契約した選手たちは、さらにディスカウントを強いられ、やむなく(来年再び勝負できるよう)1年契約を受け入れる選手も少なくない。昨年は労使協定最終年の特殊FAルールのため、NFL経験が6年ないとFAになれなかった。今年は2年分たまっていたFA選手が市場にあふれたうえ、ドラフトと順番が逆になってしまい、FA選手には気の毒な買い手市場となっている。
午後になって労使交渉がようやく決着し、すぐさま各球団選手会が承認の投票を開始。東部時間午後5時前に正式承認されてめでたく新労使協定(10年有効)が発効し、新リーグ年度に入った。これでようやく、WRジョーンズ、FBクーン、Kクロスビー、LBアシオドゥ、WRスウェイン、TEヘイヴナーといったFA契約選手たちが練習に初参加となった。
ところで、キャンプリポートでILB陣やDL陣(パスラッシュドリル除く)の情報が乏しいのは、ライブ・タックリング練習をまだ行っておらず、ハードヒットをお見舞いする機会がないから。土曜のファミリーナイトでも今年はライブ・タックリング練習を行わない、とマッカーシーHCがすでに宣言している。見る方としては迫力に欠けてつまらないが、今年は各選手の体作りに不安を抱えながらのキャンプ進行なので致し方ない。
フルパッド練習2日目。この日もスタンドは満員となっている。「ファンはおどろくほど注意深くフィールドを見ていて、反応はまるでゴルフトーナメントのよう」とある記者。
長らく未定のままだった優勝チーム恒例のホワイトハウス訪問が、ようやく今月12日(金)に決定した。 「訪問を実現できて喜んでいる。オフシーズンの労使問題のため、適当なタイミングが見つかるかどうか確信できないでいた。ようやくその日取りを見つけることができ、選手たちとみなでオバマ大統領に会いに行けることを心から楽しみにしている」とマーク・マーフィ社長。
12日はプレシーズン初戦@クリーヴランドの前日。地理的にも、ワシントンDCへの中間あたりにクリーヴランドがあるので、旅程上の負担も少ないのだろう。
今トレーニングキャンプ最初の休養日。とはいっても、フィールド練習がないだけでウェイトトレーニング、ミーティング、フィルム反省会などはしっかり行われる。とくに新人選手はプレーブックの勉強が大変で息抜きどころではない。
1巡指名G/Tデレク・シェロッドとFBジョン・クーンの詳しい契約内容が明らかになった。
1巡32位指名G/Tデレク・シェロッドのプロフィールについてはルーキー紹介のページを参照のこと。契約内容は総額約$6.6ミリオンの4年契約、プラス5年目は球団側のオプション(新協定の規定により全1巡指名選手がそうなる)。契約ボーナスは$3.301ミリオン。ベースサラリーは今年から順に37万5000ドル、$67万5000ドル、$97万5000ドル、1.275ミリオン。3年目までは保証されている。
5年目(球団がオプションを行使した場合)のベースサラリーは新労使協定の規定により、「リーグ全体の同ポジションの3番目から25番目のサラリーの平均」となる。
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いったんFAとなって再契約したFBジョン・クーンは総額$7.5ミリオンの3年契約。契約ボーナス$75万ドルに加えて今夏支払のロースターボーナスが$1.25ミリオンなので、実質的な契約ボーナスは$2ミリオン。ベースサラリーは今年から順に$80万ドル、$1.6ミリオン、$1.8ミリオン。出場試合数に応じたロースターボーナスは今年が$20万ドル。来年と再来年は$45万ドルずつ。ワークアウトボーナスは$10万ドルずつ。
契約ボーナスを減らしてロースターボーナスを多くするのは、来年以降のサラリーキャップ負担を減らすための操作。総額$7.5ミリオンはフルバックとしては高めで、やはりランニングバックとしての貢献を含めての額だろう。Newark Star-Ledger紙によると、ジャイアンツはパッカーズよりも高額のオファーをしていたとのこと。
ついに今夏最初のフルパッド練習。特に攻守ラインやLBたちの真価はフルパッドでなければわからないものだ。夜7時で気温28℃はグリーンベイにしてはちょっと蒸し暑いが、スタンドは2000人ほどの観客で満員。これまでで最も長い2時間26分、熱のこもった練習が行われた。
今日も夜7時から。規定によりノーパッド練習のみ。WRジェームズ・ジョーンズとFBジョン・クーンが再契約したが、Kクロスビーらと同様、8月4日まで球団施設で体を動かすことはできない。WRジョーンズより先に正式契約へのサインを済ませたFBクーンがサイドラインに顔を見せ、Kクロスビーやマーフィ社長と談笑している。
FAとなっていたWRジェームズ・ジョーンズとFBジョン・クーンがパッカーズとの再契約に合意した。どちらも3年契約ということ以外は不明。いつも書いているように、代理人が金額をリークしないのは自慢できない金額だからだろう。(球団は公表しない決まりで、いずれ組合関係から詳しい内容が漏れてくる)
WRジェームズ・ジョーンズは先発のチャンスを求めてFA市場に出たものの、ヴァイキングスやジェッツといった移籍先候補が次々と他のレシーバーと契約し、気が付けば目ぼしい買い手はいなくなっていた。パッカーズとしてはFA解禁前に契約延長するよりおそらく数ミリオン節約でき、市場に値段を決めさせる方針が成功したことになる。先日報じられたQBロジャースに加え、WRドナルド・ドライバーもジョーンズとの再契約を球団に働きかけていたらしい。
WRジェームズ・ジョーンズは2007年ドラフト3巡指名でサンノゼ州立大から入団。ジェニングス、ドライバーに次ぐ3番手の座を1年後輩のネルソンと分け合ってきた。昨季終盤からプレーオフではロングパスでの手痛い落球が目立ったが、じつはそれ以外の落球は少なかった。昨季かなりの成長を見せたのは事実で、WRコブの入団と合わせればこれでドライバー後のWR陣は大丈夫かもしれない。
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FBジョン・クーンも事情はWRジョーンズと似ていて、RB/FB市場が予想外にソフトだったため、まだベテランの有名選手が数多く売れ残っている状況。ただFBクーンは最初から「パッカーズとの再契約を優先するが他球団からのオファーも見たい」という意向だった。候補先球団の噂も全く出なかったので、契約は時間の問題と見られていた。
FBジョン・クーンはディビジョンIIのシッペンバーグ大(ペンシルヴェニア)でRBとして大活躍し、2005年ドラフト外でスティーラーズに入団。2007年開幕前に解雇されてパッカーズに移ってきた。昨年はグラント負傷後にショートヤーデージで大活躍したが、RB陣が充実した今年はラン回数が元に戻るかも。ただ、RBブランドン・ジャクソンがFA離脱したので、3rdダウンバックの座を勝ち取る可能性はある。
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いっぽう、パッカーズから解雇されたILBニック・バーネットはビルズと契約。総額$12ミリオン(うち$6ミリオン保証)の3年契約と報じられている。ビルズの次はライオンズ訪問を予定していたが、ライオンズがLBスティーヴン・ターロック(Tulloch)と契約したので、そのままバッファロー滞在を延ばしてサインに至った感じ。