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2011年6月19日
- QBアーロン・ロジャースが故郷カリフォルニア州チコで弟のジョーダンとともにワークアウトをする映像。ジョーダンも兄と同じくButte Collegeでプレーし、昨年ヴァンダービルト大に編入した。体格も兄とほぼ同じ。昨年は肩のケガで棒に振ったが、今年は先発QB争いに加われるか。
- QBアーロン・ロジャースはこのオフに食生活を改善し、昨季(公称225ポンド)よりも10ポンドから12ポンドほど絞ったとのこと。「スーパーボウルとその後の騒ぎの中で、230ポンド台まで増えてしまったからね。僕としては異常なレベルだ。僕は食べることが大好き。甘いものが大好き。ハンバーガーもステーキもポテトも大好き。ただもう少しヘルシーになりたかったから、このオフシーズンに、栄養学に詳しい人と一緒に取り組み始めたんだ」
- 昨年キャンプで足を骨折してインジャリー・リザーブで過ごしたCBジョシュ・ベルは、スーパーボウル・リングをもらえなかった。理由は不明。昨季インジャリーリザーブで過ごした選手の中でリングがもらえないのは彼だけのようだ。Press-Gazette紙が情報筋から聞いたところによると、昨季開幕前に球団側がInjury SettlementをオファーしたのにCBベルがサインせずインジャリーリザーブに居座り(サラリーを全額払わなくてはいけない)、そのことに球団側が憤慨していた、という事情があるらしい。スーパーボウルのダラス遠征に帯同しない唯一の選手でもあった。
- 昨季途中で解雇したCBアル・ハリスにはリングを与えるとマーク・マーフィ社長が明言したが、今回のセレモニーには出席せず。球団から招待されなかったのか、本人が出席を断ったのかはわからない。
- リング・セレモニーが終了したことで、残るイベントはホワイトハウス訪問だけ。ロックアウトが続いているため予定が立てられないが、こうなると(新労使協定がまとまった後)トレーニングキャンプ中の休日を充てるのが現実的な線かもしれない。昨年のセインツは同じくキャンプ中の8月9日の訪問だった。
- 今月11日にはランボーフィールドでケニー・チェズニーのコンサートが開催され、4万人を超えるファンがスタジアムを埋めた(写真)。今回の"Goin' Coastal"ツアーには、ランボーフィールドを含め10か所もNFLスタジアムが含まれている。おなじみ"The Boys of Fall"の長いイントロではマイク・マッカーシーHCが紹介され、ロンバルディ・トロフィーを持って舞台に上がると場内は大変な盛り上がりに。(ファン撮影ビデオ)
- ランボーフィールドでのコンサートは1985年のSurvivor以来26年ぶりとあって、フィールドの芝の傷みが心配なところ。そもそも、ずっとコンサートを行わなかったのもその懸念のためだ。コンサート翌日の様子はこんな感じ。ステージは南側エンドゾーンあたりだったので、茶色く変色しているのはステージの前あたりだろうか。
- 2007年春に導入した Desso GrassMaster は、3%ほどの人工芝が天然芝を補強するシステムで、シーズン中の傷みが少なくなったとパッカーズは高く評価している。ただ、傷んだ部分の芝だけ入れ替えることができなくなったので、春先に種を蒔いて育成を促す方法を採っている。プレシーズンゲームまで2か月以上ある「5月15日から6月15日の間」ということで今年のコンサートを組んだが、芝が最も伸びる時期はもう過ぎているのだという。球団の収入を増やすためにこうした大イベントを活用したいところだが、来年以降も開催するためには、今後2か月の芝の回復を見極める必要がある。
- ESPN The Magazineの調査による「全米最高のスポーツ・フランチャイズ」ランキングでパッカーズが8年ぶりに1位に選ばれた。採点ポイントは、Bang For The Buck(過去3年の収入と勝利数の割合)、Fan Relations(いかにファンを大事にするか)、Affordability(チケット・駐車場・売店等の価格)、Stadium Experience、Players、Coaching、Title Track(過去の優勝回数・今のファンが生涯に何度優勝できそうか)の7つとなっている。昨年のパッカーズは9位で、成績のよかった年は当然ランクが上がる。Stadium Experienceでは毎年1位か2位をキープしている。
- 音楽好きのQBアーロン・ロジャースは2009年にレコード・レーベル"Suspended Sunrise Recordings"を立ち上げているが、最近も故郷チコ出身のバンド"The Make"のレコーディングを行っている。
2011年6月18日
待ちに待ったスーパーボウルリング・セレモニーがランボーフィールドのアトリウムで開催され、選手・コーチ・球団職員がスーパーボウル・リングを受け取った。レッドカーペットに始まる夫人同伴の豪華パーティの形式で、パーティの内容は公開されていない。
各人の前に名前入りの箱が置かれたものの、各種スピーチが終わって合図が出るまでは開けさせてもらえない。いっせいにオープンとなったとたん、選手たちが写真に撮ってTwitterでファンに報告している。リングのデザインについてマーク・マーフィ社長。「選手たちは大きいものを、豪華なものを望んだ。そのとおりにうまくできたと思う」
CBチャールズ・ウッドソン。「僕らは素晴らしいことを成し遂げたけど、仕上げが悪ければ意味がないからね。これがすべての頂点だよ。スーパーボウル・チャンピオンの1人として、自分の居場所ができたような気がする。これまで見たことのないような美しいリングだ。これ以上豪華にはできないだろう。今夜はこれをたっぷり楽しんで、NFLはロックアウトを終わらせ、僕らは2つ目のリングを手に入れる準備を始めなければ」
WRドナルド・ドライバー。「これ以上のものはない。素晴らしいリングだ。想像していた以上だった。これこそ僕やウッド(ウッドソン)が夢に見ていたものだ。ただ、僕は最後のマイルストーンに到達したわけじゃない。40歳までプレーを続けたいんだ」
マイク・マッカーシーHCが選手たちと会うのは4か月ぶりだ。「我々はあまりにも長く離れ離れになっていたからね。こうして個人的に会えるのは素晴らしいことだ。誰もが、次の戦いへと意欲を燃やしている。しかしその前に、この一章をこうして書き終えることが大事だ。今夜の催しはホームラン、いやグランドスラムだった。素晴らしい夜だったよ」
- 球団の説明によるリングの概要は以下のとおり。球団史を盛り込むデザインとなっている。
- 頂点のGマークには13個のダイヤモンドが使われ、史上最多13回のNFL制覇を記念している。
- Gマークの周囲には92個の小さなダイヤモンドが埋め込まれ、球団創立92年を示している。
- フットボールの形のダイヤモンドを4隅に配し、4回のスーパーボウル制覇を示している。
- サイドには、片方がPACKERSの文字とロンバルディ・トロフィー。もう片方には姓とランボーフィールドと背番号が浮き彫りに。「トロフィーを故郷に取り戻した」ことを示した意匠となっている。
- リングの内側には、片側がGマークとプレーオフ4試合のスコア。もう片側には大きな「1」の横に「Mind, Goal, Purpose, Heart」の文字が彫られている(下のJostens社ビデオにちらっと出てくる)。NFC決勝に勝った後のCBチャールズ・ウッドソンのスピーチ(ビデオ)を記念したものだ。
- ダイヤモンドは合計3.35カラット。ベースはプラチナとゴールド(18金)で出来ている。
- 重さは4オンス強(116g)。こちらの記事によると昨年のセインツのリングは2オンス強だったので、2倍ほどの重さがある。選手やマッカーシーHCも、このずっしりした重さのことを口々に語っていた。
- スーパーボウル前夜、最終ミーティングを終えたところで選手全員がリングのサイズを測った。「勝って当然」といった傲慢な行いは負けた場合に批判を受けることが多いだけに、マッカーシーHCのこの決断はちょっとした話題となった。
- パッカーズがリングを発注したのは業界最大手のJostens社(アメリカでは卒業リングなど記念リングの需要が非常に多い)。昨年のセインツのようにTiffany社を起用した例もあるが、スーパーボウルリングでは第1回のパッカーズ以来Jostens社が圧倒的多数を占めている。
- 「NFLが1個につき$5000ドルを150人分支給する」という規定があり、つまり最大$75万ドルまではNFLが負担してくれる。
- しかし実際の価格は1個$2万ドルから$3万ドルとも言われており、もし$2万ドルを150人分とすると総額$300万ドル。NFL負担分を差し引いて、$225万ドルを球団が負担することになる。
- 秘書に至るまでフルタイムの職員全員にリングを配る模様なので、150人を大幅に上回るのは間違いない(昨年のセインツは219個)。また、パッカーズは45人の理事にも別バージョンのリングを配るのが恒例になっている。
- 夫人たちにはペンダントが贈られた。(WRスウェイン夫人による写真)
- ファン向けにもさまざまなリングがオーダーメイド販売される。Packers Pro Shopのリングのページは、「一般ファン」 「株主」 「シーズンチケットホルダー」の3つに入り口が分かれ、株主やシーズンチケットホルダーには特別なリングが用意されているようだ。こちらのブログに株主向けのリングが紹介されている。
- パーティ前のレッドカーペットの様子はこちら。女子注目の独身コンビ、QBロジャースとOLBマシューズは単独での出席だった。ケヴィン・グリーンOLBコーチはタキシード。
- WR陣およびロビンソンWRコーチの夫人が並んだ記念写真。(右からジェニングス、ドライバー、ネルソン、ジョーンズ、ロビンソン、スウェイン)
- ロンバルディ時代に活躍した元LBデイヴ・ロビンソンによると、初代スーパーボウルリングは球団から郵便で送られてきたという。前回1997年のセレモニーも今年と同じく非公開で、地元のカントリー・クラブで内輪のパーティを行った。
4つのスーパーボウルリング
NFL制覇13回 スーパーボウル制覇4回の歴史が盛り込まれた
サイドには名前とランボーフィールドと背番号が浮き彫りに
こちらのサイドはロンバルディ・トロフィー
内側にはプレーオフ4戦のスコア
いちばんラフな格好で来たCBチャールズ・ウッドソン
うっとりとリングを眺める マイク・マッカーシーHC
ついに念願のリングを手に入れた WRドナルド・ドライバー
7つのリングを持つオレニチャック家を取り上げたニュース映像
亡き父ドミニクはパッカーズ社長、息子は現理事
2011年6月11日
WRグレッグ・ジェニングス主催チャリティ・ゴルフ・トーナメントが開催され、パッカーズ選手多数が参加した(写真)。RTマーク・タウシャーも久しぶりに顔を見せてインタビューに答えたが、(引退も含めて)今後のことははっきりしない、と語っている。負傷中に新人ブラガに先発RTの座を奪われ、2月末には彼に減俸を求めることを匂わすマッカーシーHC発言もあった。4月のドラフトではOTデレク・シェロッドが1巡指名され、33歳のタウシャーが先発の座を奪い返す可能性は低くなる一方だ。
「手術した肩の状態はいいよ。リハビリはうまく行ってる。手術前はすごい痛みがあったけど、ずっとよくなった。今は肩を100%の状態に戻すことに集中している。 来季プレーするか? 自分でもまだはっきりしないんだ。ロックアウトが終われば、自分の状況がどうなっているか、はっきりするだろう。それからじっくり考え、次のステップをどうするか結論を出すよ」
10年前にはRTアール・ドットソンが、若きタウシャーに先発の座を奪われたあと2年間ほど安いサラリーで控えを務めたことがあり、今はタウシャーが同じ状況になろうとしている。どの程度の減俸を求められるのか、交渉などなく単純にカットされるのか、FA市場に出たとして他球団で先発のチャンスがあるのか、控えに甘んじるよりは引退を選ぶのか。おそらくそういった選択肢を検討することになるのだろう。
ウィスコンシン大とパッカーズへの長きにわたる貢献を称え、この6月10日をマーク・タウシャーの日とする、とスコット・ウォーカー知事が宣言。この日のゴルフ・イベントの中でも、WRジェニングスがタウシャーを顕彰する機会を作ったり、ウィスコンシン大のマーチング・バンドが同大の応援歌を吹奏する場面もあった。
「昨季は素晴らしいシーズンだったよ。そりゃあ自分で最後までプレーしたかったけど、あのような成り行きでシーズンを終えることができて最高だった。ケガさえなければよかったとは思うけど、キャンプから目指してきた目標が達成できたんだからね。32球団が1つのゴールを目指し、僕らがその頂点に立つことができた。ほんとうに特別なことだ」
2011年6月 6日
WRドナルド・ドライバー主催のチャリティ・ソフトボールゲームが開催され、満員御礼・過去最高8349人のパッカーズファンがアップルトン市の Fox Cities Stadium につめかけた。同イベントは2008年にドライバーが受け継いで以来4回目、ファーヴ主催の時代から数えると12回目の開催となる。今年はチケットが完売し、ファーヴ時代の最高に並ぶ観客動員数だった。ドライバーとロジャースへの声援がひときわ大きく、ドライバーの7歳の息子クリスチャンの人気も高い(写真)。
前座のホームラン・ダービーでは、昨年チャンプのQBマット・フリンを破ってRTブライアン・ブラガが6HRで勝利。ゲームは例によってオフェンス対ディフェンス。Pティム・マステイの連続ホームランなどで大量リードしたディフェンスに対し、オフェンスも終盤にQBアーロン・ロジャースの2打席連続HR(とうぜんチャンピオン・ベルトのポーズ)などで追い上げたが、けっきょくディフェンスが18-16で逃げ切り。4打数4安打2HRのPマステイがMVPに選ばれた。
6巡ルーキーのOLBリッキー・エルモアが先制ホームランを放ったほか、4巡指名CBデヴォン・ハウス、5巡指名TE D.J.ウィリアムズ、6巡指名ILB D.J.スミスといったルーキーたちも参加して先輩選手と初顔合わせ。収益(約$20万ドルの見込み)はドナルド・ドライバー財団を通して、北東ウィスコンシンおよびヒューストンのホームレス家庭への支援、スペシャル・オリンピックなどに寄付される。
以下は地元TV局のニュース映像から。
2011年6月 5日
ドラフト指名選手紹介の最後は7巡30位(全体233位)指名のDEローレンス・ガイ(アリゾナ州立大)について。指名直後の記事も参照のこと。高校・大学と主にDTをプレーしてきたが、パッカーズでは3-4のDEに挑戦することになる。
- ネヴァダ州ラスヴェガス出身。父は男手ひとつで3人の息子を育てた。末っ子のローレンスは高校では主にDTをプレーし、3年時は89タックル・12サック、4年時は102タックル・15.5サックの大活躍。卒業時は全米からも高く評価され(ESPNでは州内のDTランク1位、Scout.comではDLとして全米12位)、アリゾナ州立大のほかミシガン、ネブラスカ、オクラホマ、テネシー、オレゴンといった数々の有力大から誘いがあった。
- 注意欠陥障害と失読症のため、特殊学級に入れられた時期も(中学のころか)。太った典型的ないじめられっ子で、彼をいじめていた子を殴った兄が法的処分を受けたこともあった。父が学校を説得して一般学級に戻ったちょうどそのころ、彼の体は大きくなりはじめ、みるみるうちにフットボールで頭角を現した。
- アリゾナ州立大でも最初は学業で苦労し、いったんは落第寸前に。かつての特殊学級のようで嫌だと渋る彼をフットボール部の学業カウンセラーが説得し、同大の Disability Resource Center に通うことになった。同センターでは全クラスで個人チューターの指導を受けることができ、新しい勉強の仕方を教わり、試験では必要なだけ時間をかけてよくなった。懸命な努力の甲斐あって成績はぐんぐん向上し、昨年の春学期は平均成績点3.5点(4点満点)。同大が学業優秀なアスリートに与える"Scholar Baller"の称号も手に入れた。
- フットボールでは、レッドシャツを経ず大学1年目から8試合に先発(全試合出場)して44タックル・2サック。2年目は37タックル・4.5サック。3年目の昨季は41タックル・1.5サックと、数字的には3年間横ばいが続いている。ポジションは主にDT(3テクニック)で、パスシチュエーションではDEに入ったり、3-4隊形のノーズタックルをやることもあったらしい。
- 学習障害と闘ってきた経験を買われ、地元の子供たちにスピーチをする側に回ることに。周囲の目を恐れたり障害を恥じることなく、専門家の助けを積極的に受け入れよう、と訴えている。
- それだけに、大学卒業を棚上げにしてアーリー・エントリーする決断は、周囲の誰にとっても驚きだった。 「新しいことにチャレンジしたい。NFLは最大のチャレンジだ。僕にはすごい熱心さがある。自分ならやれる。3年間プレーしたチームと別れるのは一番難しい決断だった。いずれ学位を取る考えはまったく変わっていない。目標の1つとして、部屋に掲げてあるんだ」
- レッドシャツを経ず、3年プレーしてアーリー・エントリーしたのでまだ21歳2か月の若さ。
- パッカーズにとってアリゾナ州立大からのドラフト指名は、1995年1巡のCBクレイグ・ニューサム以来16年ぶり11人目。最も長く活躍したのは1985年5巡のLBブライアン・ノーブル(117試合出場)。現在のロースターにはRBディミトリ・ナンスがいる。
- コンバインでは40yds走4.96秒をはじめとして、DTとしては平均的な数字が並んでいる。コンバインでは多くの球団と各15分の面談をこなさなければならないが、理解に時間がかかるたちだけに、面談の出来は芳しくなかったらしい。4巡あたりの予想が多かったのが7巡まで落ちたのは、そういったことも理由か。
- 4-3ではDEとDTのトゥイーナー気味で、3-4のDEにはうってつけのタイプに見える。身体能力に頼ったプレーぶり、テクニック的にはやや未熟。それだけにもう1年大学に残るべきという声が多かった。
- パッカーズでは先発右DEのカレン・ジェンキンズがFA移籍の見込みなので、右OLBと並んで最重要補強ポイントと見られ、7巡まで指名がなかったのは意外なところ。現時点では、2年目のマイク・ニールが暫定スターター、控えをハワード・グリーン(NT兼任)、C.J.ウィルソン、ジャリアス・ウィン、そしてこのローレンス・ガイたちが争うことになりそう。
- 背番号は未定。大学時代は50番だった。
- 本人のコメントから。
- 「僕はクイックなプレーヤー。ハードヒットが好きだ。これがオレだ、と見せつけるようなね。それにプレー途中で諦めるのが嫌い」
- 几帳面にも全球団の電話番号を登録してあったので、パッカーズからの指名電話だとすぐにわかったという。 「ドラフト前に接触してこなかったから、パッカーズの指名は正直とても驚いた。ダラス、サンフランシスコ、マイアミ、ヒューストン、シアトルといった球団を考えてた。この2か月のうちにコンタクトがあった球団から指名されるものと。今は素晴らしい気分だし、スーパーボウル連覇に自分も貢献できると期待してる。(指名直前に)パッカーズから電話があって、グリーンベイ・パッカーズの一員になりたいかと聞かれ、『もちろんです!』って答えたよ。 よいチームどころじゃない、素晴らしいチームなんだから」
- 注意欠陥障害と失読症の影響は学業だけでなくフットボールにも及ぶ。 「プレーブックを見て、そのとおりに体を動かしてみて、またプレーブックを見る、というやり方。なんでも図に描いたりして、ビジュアル化するのがいい。何度も体を動かしてみて、完璧にしていく。すべてのプレーでそれを繰り返すんだ。頭の中とフィールド上で体を動かして。自由時間には自分の部屋でもそれをやっている」
- 「ネガティブなことを信じず、ポジティブな人間でいようと努めている。人から尊敬される人間になろうと。学習障害のある学生というステレオタイプを打ち破ろうと努力してる。アスリートについてのステレオタイプな見方が僕は好きじゃない。僕はフットボールだけの人間じゃない。そんな風に見られたくない」
- 学習障害を乗り越えて大学フットボールで成功を収めたため、問題児たちを前に講演をすることも少なくない。 「子供たちは僕の目を見て僕の物語を聞き、僕の経験したことを理解し、自分の人生に希望を持ってくれる。それを見て僕も胸がいっぱいになる」
- 指名直後、電話でパッカーズのコーチたちとひと通り話を終え、ようやくNFL入りの実感が湧いた彼はため息をついた。 「特殊学級にいた8年前、誰がこんなことを想像しただろう? これだけ多くの困難と闘わなければ、僕はいまこうしてここにいなかったと思う。おかげで僕はより強い人間になれた」
- テッド・トンプソンGM。 「彼はとても速く走れるビッグマンだ。アーリーエントリーでもあり、まだ成長途上だと思う。ディフェンスのスタッフ、とくにマイク・ターゴヴァックDLコーチが彼のことをよく研究した。ウチのディフェンスを向上させてくれる能力を彼は数多く持っている」
- アリゾナ州立大のクレイグ・ブレイDCは、かつてオレゴン州立大でILBニック・バーネットを指導したこともある。
- 「彼はウチの最高のインサイド・ガイ(つまりDT)だった。インサイドの選手がダブルチームされるのは普通だが、彼はその頻度がさらに高かった。相手はチョップ・ブロック(映像)やカット・ブロックを仕掛けてきた。そうしたことで結果を出せず、彼もフラストレーションをためていた。それもアーリー・エントリーの理由の1つだろう。自分ばかり狙われている、というのがね」
- 「40yds走のタイムだけでは(彼の速さは)十分表現できないと思う。なぜあれに追いつけるんだ、と驚かされる場面がこれまで何度もあった。モーターがフル回転しているときの彼はすごいよ。あと彼に必要なのは、よりクリエイティブなパスラッシュと、スクリメージでより激しくプレーすることだ」
- 「時間はかかるけど、彼はとてもよくフットボールを学んだよ。キャリアを通して非常にアサインメントがたしかだったし、アサインメント・ミスは滅多に犯さなかった。ウチはNFLのような複雑なディフェンスではなかったが、彼がよい仕事をしていたのはたしかだ」
- 「大学に入ったころと同じように、プロでは無名の存在に戻ることができる。キャンプで経験を積めば、きっとチャンスがあると思う。7巡指名選手としては、あらゆる機会をつかんでよい印象を与え、それを積み重ねていかなければならない。よい結果が出るのを期待している」
これまで紹介したルーキー情報はすべてルーキー紹介のページにもまとめてあります。
2011年6月 4日
パッカーズはプロ人事副部長のエリオット・ウルフを人事副部長に昇格させることを発表した。これまでは自球団を含めたNFLやCFLやUFL選手など(以前はNFLヨーロッパも)の評価を担当してきたが、今後はドラフトを含めてすべての人事に関わることになる。とはいっても、これまでもドラフト評価をアシストして大きな成果を残しているので、(昇給のほかに)仕事内容が大きく変わるわけではない。この昇進により、トンプソンGM、レジー・マッケンジー人事部長、ジョン・ドーシー・カレッジスカウト部長に次ぐ人事部門の4番手となるはずだ。
エリオット・ウルフはまだ29歳の若さ。90年代黄金期を築いたロン・ウルフ元GMの息子であり、顔立ちもよく似ている。10歳の頃からランボーフィールドに来て父のフィルム分析をアシストし、1993年以来パッカーズの全ドラフトに精通。マイアミ大在学中はフットボールのリクルーティング部門をボランティアで手伝っていた。卒業直後の2004年から(父は引退していたが)マイク・シャーマンHC/GM時代のパッカーズに加わり、レジー・マッケンジーの下でプロ人事アシスタントに。その仕事ぶりが認められて2008年春にはプロ人事副部長に昇進していた。
もともとアメリカはコネ社会であるうえ、フットボールのコーチやスカウティングの世界ではコネクションが物をいうことが多く、どこを見ても有名コーチやGMの息子は多い。最初のチャンスをつかむ上で圧倒的に有利なのはたしかだが、そこから出世できるかどうかは本人の実力しだい。エリオット・ウルフはすでに数年前からその眼力で評価が高く、球団内のライジング・スターとも言われていた。
2011年6月 2日
パッカーズのOLたちがテネシー州ナッシュヴィルで合同ワークアウトを行った。詳しい内容はわからないが、午前にトレーニング施設でワークアウトを行い、午後はゴルフやバスケなど親睦を兼ねた企画。日曜夜に集合し、水曜に解散となったようだ。場所がナッシュヴィルなのはLTクリフトンとCウェルズ(どちらもテネシー大)が同市近郊に住んでいるためで、指導もCウェルズのトレーナーである M.A.D. Sports Training 社のジャド・グランゾウに依頼した。
参加者はLTクリフトン、Cウェルズ、RGシットン、RTタウシャー、T/Gラング、T/Gニューハウス、C/Gディートリック=スミス。夫人が出産を控えているLGカレッジ(しかもFA移籍の公算も大きい)と、ドラフト指名ルーキーOL2人は参加していない。参加予定だったRTブラガはシカゴからのフライトがキャンセルになったため取りやめている。
ワークアウトを企画したCスコット・ウェルズ。「何人かが電話をかけてきて、やりたいと言ってきた。先行き不安のオフシーズンが長く続いて、みんな精神的に参ってしまいそうだと思った。例年なら毎日同じ連中と顔を合わせることができるのに、今はそれができず、いつまた会えるかわからないんだから。集まって一緒に過ごし、ワークアウトする必要があると思った。互いの状況をチェックして、それぞれでやっているトレーニングが適当かどうか、ちゃんと体ができているか、比べることができるしね」