パッカーズは3巡32位でハワイ大のRBアレックス・グリーンを指名。ニーズ的には、2巡のWRコブと比べるとサプライズ気味の指名なのは間違いない。これでRBブランドン・ジャクソン(タイプは違うが)との再契約の可能性が薄くなったかもしれない。また、契約最終年を迎えるRBライアン・グラントの立場も微妙になってきそうだ。
Strengths : サイズ(今年のRBでは最も大きい部類)とスピードを兼ね備え、ハードかつパワフルに走る。クイックな加速でホールを一気に駆け抜ける。キャッチングはかなり上手く、スピードを落とさずにアジャストして捕ることができる。パスブロッキングもまずまず。スプレッドオフェンス一辺倒だったのが心配だが、1月の大学オールスター戦 East-West Shrine Game でフルバック付きのオフェンスにうまく対応し、パッカーズとしては評価を上げたらしい。
QBロジャースと同じButte Community Collegeで2年間プレーし(こちらはオーソドックスなIフォーメーション主体)、無敗の全米王座に貢献。それからハワイ大に移って2年間プレーした。ハワイ大1年目は86回456yds(平均5.26)・2TDだったが、2年目の昨季は146回1199yds(NCAA1位の平均8.2)・18TDと大爆発。レシービングでも27回363yds・1TDを挙げている。
Weaknesses : 過去2年で9ファンブル(4ロスト)とボールセキュリティは大きな課題。やや姿勢が高く、ガタイの割に簡単に倒されることがある。ビジョンや嗅覚に不安が残り、ブロッキングの展開を待たなかったり、カットバック・レーンを見落とすことも。リターナー経験はほとんどない。
パッカーズは2巡最後の32位指名でWR/KRランドール・コブ(ケンタッキー大)を指名。ダイナミックなリターナー兼任WRであるだけでなく、RBやワイルドキャットQBもこなす万能選手だ。ドラフト前には2巡中盤までの指名予想が多く、2巡末ならばバリュー・ピックと言えそう。
Strengths : スナップ後の1歩目がきわめて速い。クイックネスとスムーズな変化で捕まえにくく、コンスタントに相手DBからセパレートできる。キャッチングがよく、体から離れたボールもしっかり捕ることができる。シャープかつ正確なルートを走る。しっかりした下半身でタックルを破ってランアフターキャッチを稼ぐ。小柄だが、プレスカバレッジを振り切るだけのフィジカルさは備えている。ボールセキュリティも安定している。
おそろしくヴァーサタイルなタレントで、控えQB/ワイルドキャットQBを兼ねるだけでなく、ラッシング、リターナー、FGの際のホルダーまでこなす。レシービングは昨季84回1017yds・7TD、通算144回1661yds・13TD。ラッシングは通算228回1313yds(平均5.76yds)・22TD。パッシング(多くは大学1年目)は通算62/122・689yds・5TD・5INT。パントリターンは通算63回619yds(平均9.8)・2TD。キックオフリターンは通算44回1081yds(平均24.6)。
Weaknesses : トップスピードはエリート級ではなく、抜けてからぶっちぎれないこともある。サイズが小さく、RBをやるにはガタイが小さい。ブロッキング力には(一生懸命取り組むものの)おのずと限界がある。レシーバーとしての数字が伸びたのは昨年のことで、アーリーエントリーだけにWRとして経験不足ぎみかもしれない。
Mental : 元QBだけに相手ディフェンスの理解と読みがいい。フットボールへの取り組み方は素晴らしく、研究熱心で同じミスを犯すことが少ない。コーチからの信頼も厚いチームリーダー。ワンダーリックテスト25点は今年のWRトップ20候補の中で最も高い。チャリティ関係にも熱心な模範市民。
パッカーズは1巡最後の32位指名でOTデレク・シェロッド(ミシシッピ州立大)を指名。直前で目ぼしいDEたちが立て続けに売れたので、その他の候補はOLBアキーム・エイヤーズ(UCLA)やOLBブルックス・リード(アリゾナ大)あたりだっただろうか。プレーヤーとしては昨年のOTブライアン・ブラガと対照的なタイプにも見える。
Strengths : 理想的なサイズとアスレチック能力に恵まれ、腕が長く(ブラガより5cm以上長い)と大きな手(11インチ)を持っている。アジリティとクイックネスに優れ、サイズの割にフットワークは軽い。強力パスラッシャーのひしめくSECで3年間先発LTとして頑張ってきた。パスプロでもランブロックでも一歩目のクイックネスが強みで、ランプレーではセカンド・レベルへの到達が速い。ブリッツやスタントなど変化球への対応もよく、裏をかかれることは少ない。
Weaknesses : 体がトップヘビー気味で、時おり腰高になる。パワーが物足りないので、プロで鍛えることが必要。ポイントオブアタックでは馬力で圧倒することができず、テクニックで勝負するタイプ。フィールド上での頑張りに問題はないが、もっと嫌らしいプレーもほしい。どの点をとってもエリート級の部分がなく、左サイドでも右サイドでもガードでも中途半端な選手になりかねない恐れはある。
Mental : ケガを押してプレーするタフネスがあり、フットボール頭もいい。学生アスリートのお手本のような真面目なチームキャプテンで学業成績も優秀。すでに経営学の学位を取得して昨年8月に卒業を済ませている。慈善イベントにも積極的に参加。やや大人しめで、もう少し自信満々なところがあってもいい。
2011年NFLドラフトがいよいよ日本時間29日朝に迫ったので、あらためて概要をまとめてみる。以下はすべて日本時間。
今年のモックドラフト集もいよいよ最終回。前回から更新されていないモックには*印をつけた。
ポジションごとの「シーズン総括と展望」でも取り上げてきたが、今ドラフトでのパッカーズのニーズをかけ足でまとめてみた(FA解禁はドラフトの後と仮定)。ニーズといっても、「大きな穴があいてどうしようもない」というポジションはさいわい1つもなく、「できれば戦力アップしたい」ポジションと言った方がいいかもしれない。魅力的な選手が手に入るなら、ニーズを無視する可能性もかなりある。ドラフトでニーズを埋められなくてもFAがある。
一般的には3-4ディフェンスにおけるパスラッシュの主役となるポジション。左OLBマシューズの逆サイドがタレント不足なのは衆目の一致するところで、もしマシューズが欠場でもしたらパスラッシュ力はガタ落ちになってしまう。ただエリック・ウォルデン、フランク・ゾンボ、ブラッド・ジョーンズといった先発経験ある若手にまだ伸びシロがあるのも事実。
先発右DEカレン・ジェンキンズのFA退団が濃厚となり、左DEで先発経験あるジョニー・ジョリーは無期限の出場停止処分中。そこで昨年の2巡指名マイク・ニールが暫定スターターとなるが、10月に肩回旋腱板の手術を受けて回復途上(経過はすこぶる順調)。もともとトンプソンGMはライン重視のタイプであり、上位指名の可能性は高い。ドラフトで上手くいかなかった場合には、あらためてDEジェンキンズとの再契約に乗り出すかも。
先発LGダリン・カレッジのFA退団が濃厚。また、先発LTチャド・クリフトン(34歳)の選手寿命が終わりにちかく、いずれはRTブライアン・ブラガを左タックルに回すか(昨年来の既定方針)、新たな後継候補を獲ることが必要になる。左ガードだけなら、プロ3年目のT.J.ラングでカレッジの穴は埋まるかもしれない。もし即戦力の右タックルを獲れれば、ブラガを(昨夏によいプレーを見せた)左ガードへ回すこともできる。QBロジャースを守ることが常に最重要課題なので、OL補強はけっして後回しにすべきではない。
ジェームズ・ジョーンズのFA退団が濃厚であり、トップ3と新4番手ブレット・スウェインとの実力差が大きいため。ただ、TEフィンリーが復帰すればそちらにパスがたくさん回るのでWR補強は贅沢かもしれない。それでも、ジョーディ・ネルソンが契約最終年を迎え、育成に時間のかかるポジションであることを考えれば、2巡あたりで指名があってもおかしくはない。これまでトンプソンGMは早め・高めのWR指名を繰り返してきた。
3番手サム・シールズと4番手以降の実力差が大きく、またチャールズ・ウッドソンの衰えにも備える必要がある。
パッカーズ10年間のドラフトを振り返る。後編は2005年から2009年まで。つまりトンプソンGMの時代であり、スーパーボウルへの道のりでもある。年度順全指名リストもご参考に。
ボブ・ハーラン社長はマイク・シャーマンHCからGM職の剥奪を決断し、後任にはロン・ウルフ元GMの愛弟子テッド・トンプソンを選んだ。シャーマン時代の失敗で選手層が薄くなったからか、トンプソンGMは最初の3年間でなんと34人の大量指名。なかでも、いちばん最初のドラフト指名が球団の歴史を変える最高の指名となった。
1巡QBロジャースと2巡FSコリンズはチームの中心選手として優勝の原動力となったが、3人目以降の指名は成功とはいえない。トップ2人も大活躍が始まったのはプロ4年目からで、即戦力が少なかったことが4勝12敗のチーム不振とシャーマンHCの解任にもつながった。
2005 Green Bay Packers Draft Picks | |||||
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Pick | 全体 | Pos. | Name | College | 備考 |
1巡24位 | 24位 | QB | Aaron Rodgers | California | いまやリーグを代表するQBの1人に |
2巡19位 | 51位 | S | Nick Collins | Bethune-Cookman | 3年連続プロボウル |
2巡26位 | 58位 | WR | Terrence Murphy | Texas A&M | 首のケガがあまりにも気の毒だった |
4巡14位 | 115位 | S | Marviel Underwood | San Diego State | ヒザのケガは不運だった |
4巡24位 | 125位 | LB | Brady Poppinga | Brigham Young | ストロングサイドLBで3シーズン先発 |
5巡 7位 | 143位 | C/G | Junius Coston | North Carolina A&T | 身体能力は高かったが |
5巡31位 | 167位 | CB | Mike Hawkins | Oklahoma | すべてにおいて粗削り |
6巡 6位 | 180位 | DE | Michael Montgomery | Texas A&M | 堅実な控えDEだが3-4は不向き |
6巡21位 | 195位 | WR | Craig Bragg | UCLA | プラクティス・スクワッド止まり |
7巡31位 | 245位 | LB | Kurt Campbell | Albany | 出場ゼロ |
7巡32位 | 246位 | OG | Will Whitticker | Michigan State | 1年目はスターターだがそれっきり |
1巡指名QBロジャース指名は決して狙っていたものではなく、運よく24位まで転がり落ちてくれたもの。ここで他球団と同じようにニーズを重視していたら現在の成功はなかった。2巡a指名(CBマッケンジーのトレードで獲得)のFSコリンズだけが1年目からスターターとなったが、3年目までは伸び悩んだ。前任者のFSダレン・シャーパーと同じく、4年目にブレークしてプロボウラーとなり、3年連続プロボウル選出を果たしている。
2巡b指名のWRマーフィはかなり良さそうな選手に見えたが、ルーキーシーズン序盤で首を負傷してそのまま引退。今は母校のある街で不動産業を営んでいる。彼が順調ならば翌年のWRジェニングス指名もなかったはず。4巡a指名Sアンダーウッドは2年目のプレシーズンでヒザの前十字靭帯を断裂し、その後は出場ゼロでキャリアを終えている。4巡b指名OLBポピンガは2年目から3年間先発ストロングサイドLBを務めたが、現在は一介のスペシャルチーマー。
5巡a指名C/Gコストンは恵まれた身体能力をフィールドで活かせず、3年目にRGスピッツの代役で7試合出場したのみ。2球団を経て昨年はUFLでプレーしていた。5巡b指名CBホーキンズはあまりにも粗削りで在籍は1年限り。身体能力が高いのでその後も6球団を渡り歩いたが、けっきょくモノにならなかったようだ。6巡a指名DEモンゴメリーは堅実な控えDEとして6年58試合に出場したが、3-4には不向きのため昨年退団している。
リターナーとしても期待された6巡b指名WRブラッグはプラクティス・スクワッド止まりで、けっきょく出場ゼロ。7巡a指名LBキャンベルも同様。7巡b指名のOGウィティカーは1年目こそ低レベルのベテランを押しのけてスターターに抜擢されたものの、2年目の成長がなかったため解雇。その後ドルフィンズとレッドスキンズに在籍したが出場機会なくNFLを去っている。
◆ ◆ ◆
マイク・シャーマンHCを解任し、マイク・マッカーシーを新HCに選んで迎えた2006年。1992年以来14年ぶりのトップ5指名となった。WRジャヴォン・ウォーカーのトレードで2巡4位指名権を手に入れ、それをさらにトレードダウンして指名権を増やしている。LBホーク、LGカレッジ、WRジェニングス、RGスピッツの4人が即スターターとなり、DEジョリーも2年目にスターター昇格。プロボウラーはWRジェニングス1人だが、実り多いドラフトだったのはたしか。
またこのオフにはCBチャールズ・ウッドソンとDEライアン・ピケットもFAで獲得している。就任以来6年間でトンプソンGMが獲得した高額FAはこの2人だけだ。
2006 Green Bay Packers Draft Picks | |||||
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Pick | 全体 | Pos. | Name | College | 備考 |
1巡 5位 | 5位 | LB | A.J. Hawk | Ohio State | 正直5位指名はもったいなかった |
2巡15位 | 47位 | OG | Daryn Colledge | Boise State | しぶとく先発LGの座を守る |
2巡20位 | 52位 | WR | Greg Jennings | Western Michigan | チームを代表するプレイメーカー |
3巡 3位 | 67位 | LB | Abdul Hodge | Iowa | センスに欠ける選手だった |
3巡11位 | 75位 | G/C | Jason Spitz | Louisville | 先発RGを務めたが先発C争いに敗れる |
4巡 7位 | 104位 | WR | Cory Rodgers | Texas Christian | (またも)キャッチできないリターナー |
4巡18位 | 115位 | CB | Will Blackmon | Boston College | 優れたリターナーだがケガに泣く |
5巡15位 | 148位 | QB | Ingle Martin | Furman | 2年目で解雇 |
5巡33位 | 165位 | T/G | Tony Moll | Nevada | トレードでレイヴンズへ |
6巡14位 | 183位 | DT | Johnny Jolly | Texas A&M | 3年先発したが薬物で出場停止中 |
6巡16位 | 185位 | S | Tyrone Culver | Fresno State | 現在ドルフィンズで控え |
7巡45位 | 253位 | DE | Dave Tollefson | NW Missouri State | 現在ジャイアンツで控え |
1巡指名LBホークは期待ほどのインパクト・プレーヤーではなかったが、ミスの少ない堅実な先発ウィークサイドLB(現在インサイドLB)として働き続けている。2巡a指名LGカレッジは山あり谷ありのキャリアながら、プロ5年間で欠場が一度もない。今年はFAで退団の見込み。この年最大のヒットは2巡b指名のWRジェニングスで、すでに5222yds・40TDを挙げて初プロボウルにも選ばれた。
3巡a指名のLBホッジは完全に期待外れで2年目の開幕ロースターに残れず、その後ベンガルズとパンサーズで控えLBを続けている。3巡b指名のG/Cスピッツは最初の3年間は先発右ガードとして安定した働きをしたものの、'09年にセンターに移ると腰のケガもあって不振に陥り、FAの今年は退団となりそう。4巡a指名WRロジャースはリターナー候補としての指名だったが、パントがキャッチできず開幕前に解雇されてCFLへ。4巡b指名のCBブラックモンは正リターナーとして活躍したシーズンもあったが、ケガに泣かされどおしで昨年退団。
5巡a指名QBマーティンは2年目のロースターに残れず、その後3球団を渡り歩いて最後はUFLへ。5巡b指名のT/Gモールは1年目こそ代役スターターとして10試合に先発したが、その後の成長が見られず、3年目にトレードでレイヴンズへ。6巡a指名DEジョリーは下位指名で最大の当たり。2年目途中からスターターの座をつかんだが、薬物絡みの不祥事で無期限の出場停止処分中。6巡b指名Sカルヴァーは2年目に解雇されてドルフィンズに移り、スペシャルチーマーとしてよく働いているようだ。7巡指名DEトルフソンも2年目に解雇され、現在ジャイアンツで控えとしてプレーしている。
◆ ◆ ◆
今回取り上げた5年間で最も残念なドラフトはこの年。1巡指名DEハレルはトンプソンGM時代最大のバストとなり、2位以下も中核選手に成長せず、ILBビショップが昨季ようやく先発の座を奪っただけ。デプス拡充には役立ったが、やはり低調な内容というべきだろう。契約延長を勝ち取ったのもILBビショップだけで、RBジャクソン、WRジョーンズ、FBホール、Kクロスビーの4人は今年FAとなる。
2007 Green Bay Packers Draft Picks | |||||
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Pick | 全体 | Pos. | Name | College | 備考 |
1巡16位 | 16位 | DT | Justin Harrell | Tennessee | トンプソンGM時代最大のBUST |
2巡29位 | 63位 | RB | Brandon Jackson | Nebraska | 3rdダウンバックとしてなら優秀 |
3巡14位 | 78位 | WR | James Jones | San Jose State | スターターにはちょっと物足りない |
3巡25位 | 89位 | S | Aaron Rouse | Virginia Tech | 長身セーフティの典型的失敗例 |
4巡20位 | 119位 | OT | Allen Barbre | Missouri Southern | ラインマンとしてのセンスに欠けた |
5巡20位 | 157位 | WR | David Clowney | Virginia Tech | 快速WRだがキャッチングに難あり |
6巡17位 | 191位 | FB | Korey Hall | Boise State | スペシャルチームでも頼りになる |
6巡18位 | 192位 | LB | Desmond Bishop | California | 4年目で先発ILBの座を奪った |
6巡19位 | 193位 | K | Mason Crosby | Colorado | もうちょっと勝負強さがほしい |
7巡18位 | 228位 | RB | Deshawn Wynn | Florida | 不熱心な問題児タイプ |
7巡33位 | 243位 | TE | Clark Harris | Rutgers | 現在ベンガルズでロングスナッパー |
1巡指名DEハレルは腰の問題に悩まされ続けたが、元気なときでも先発級の力はない。なんとかキャンプを乗り切った昨季は開幕戦でヒザの前十字靭帯を断裂。今夏が最後のチャンスか。2巡指名RBジャクソンはRBアーマン・グリーンの後任と期待されたが先発では物足りず、もっぱら小技を磨いて3rdダウンバックとして頑張っている。3巡a指名WRジョーンズは3番手としては悪くないが、WRドナルド・ドライバーの後継スターターには物足りない。3巡b指名Sラウスも明らかなバスト。計10試合で代役スターターを務めたがパスカバレッジが安定せず、3年目の序盤に解雇となった。
4巡指名OTバーバーは3年目に先発右タックルとなったがミスを繰り返してサックの山を築き、シーズン半ばで降格。昨年解雇され、シーホークスを経て現在ドルフィンズにいる。5巡指名WRクラウニーは不安定なプレーぶりで1年目のロースターに残れず。その後ジェッツでチャンスをもらったが結局芽が出なかった。6巡a指名FBホールはスターターとしてまずまずの働きを続け、スペシャルチームの中核でもある。6巡b指名ILBビショップは昨季ILBバーネットの負傷でチャンスをつかみ、スーパーボウル制覇に貢献して大型契約を手に入れた。
6巡c指名Kクロスビーは成功率8割を超えたシーズンがなく、FAとなる今年はチームにとって考えどころ。7巡a指名RBウィンは1年目に代役スターターとして平均4.1yds・4TDを記録したものの、精神面の甘さもあってオールラウンドな才能を活かせず、'09年かぎりで退団。7巡b指名TEハリスは1年目の開幕前に解雇されたがロングスナッパーとして活路を見出し、今はベンガルズで正ロングスナッパーを務める。
◆ ◆ ◆
1月にNFC決勝でジャイアンツに惜敗し、3月にはQBブレット・ファーヴが引退を発表。DTコーリー・ウィリアムズのトレードで2巡25位を獲得し、さらに1巡30位からトレードダウンしたので2巡指名権が3つとなった。QBブロームが完全なバスト、CBリーも期待外れ。しかしTEフィンリーとRGシットンがプロボウル級のタレントなので、全体としては合格点と言えるのではないか。
2008 Green Bay Packers Draft Picks | |||||
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Pick | 全体 | Pos. | Name | College | 備考 |
2巡 5位 | 36位 | WR | Jordy Nelson | Kansas State | 今年はスターター昇格なるか |
2巡25位 | 56位 | QB | Brian Brohm | Louisville | けっこう派手なBUST |
2巡29位 | 60位 | CB | Patrick Lee | Auburn | スーパーボウルではまずまずの働き |
3巡28位 | 91位 | TE | Jermichael Finley | Texas | ケガさえなければプロボウル |
4巡3位 | 102位 | DE | Jeremy Thompson | Wake Forest | 脊柱管狭窄症で早期引退は残念 |
4巡36位 | 135位 | OG | Josh Sitton | Central Florida | すでにチーム最高のOL |
5巡15位 | 150位 | OT | Breno Giacomini | Louisville | 長身OTの失敗例 |
7巡 2位 | 209位 | QB | Matt Flynn | Louisiana State | トレードのオファーがあるかも |
7巡10位 | 217位 | WR | Brett Swain | San Diego State | スペシャルチームで頑張っている |
2巡a指名WRネルソンは3番手として安定した働き。スターターに成長できるのか、来春FAとなって出ていくのか、今年が勝負の年になる。2巡b指名QBブロームはまったくの期待外れでQBフリンにも敗れ、2年目にプラクティス・スクワッドに入ったところをビルズが獲得。2年で2試合に先発してわずかレーティング26.0だった。2巡c指名CBリーもこれまでのところ期待外れで、昨季は5番手止まり。しかしCBにケガ人の出たスーパーボウルでは堅実な働きを見せた。
3巡指名TEフィンリーはWRに近いレシービングTEとしてNFLじゅうから恐れられる存在となり、昨季はヒザ半月板損傷さえなければプロボウルまっしぐらの活躍(4試合で301yds)だった。4巡a指名DEトンプソンは3-4ディフェンス移行とともにOLBへコンバートされたが、首を負傷して昨年春に引退を強いられている。4巡b指名RGシットンは知名度の低さで初プロボウルを逃したものの、すでにリーグ屈指のガードと見なされる存在に。TEフィンリー同様、今年は大型の契約延長が待っていそうだ。
5巡指名OTジャコミニは先発RT候補として期待されたが、けっきょくモノにならず昨年解雇され、現在はシーホークスにいる。7巡a指名のQBフリンは期待以上の進歩を見せ、昨年はペイトリオッツをアップセット寸前まで追いつめた。よいオファーが来ればトレードに出すのかどうか、今年の注目点の1つとなっている。7巡b指名のWRスウェインは控えWRの座を確保しているものの、トップ4とは力の差が大きく、スペシャルチーム以外の貢献はほとんどない。
◆ ◆ ◆
トレードアップして獲ったOLBマシューズが大当たりで、はやくもNFLを代表するディフェンス選手の1人に。NTラジも2年目に急成長し、彼ら1巡コンビがスーパーボウル制覇への重要な要素となった。T/GラングはOL4ポジションの控えをこなし、7巡OLBジョーンズも1年目から代役スターターとして活躍した。大ハズレだったのは5巡のOTメレディスぐらいで、その他の3人も控えでそれなりに貢献している。
2009 Green Bay Packers Draft Picks | |||||
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Pick | 全体 | Pos. | Name | College | 備考 |
1巡 9位 | 9位 | NT | B.J. Raji | Boston College | ディフェンシブラインの中心に |
1巡26位 | 26位 | OLB | Clay Matthews | Southern California | リーグを代表するディフェンス選手 |
4巡 9位 | 109位 | T/G | T.J. Lang | Eastern Michigan | 今年は先発LG争いに加わりたい |
5巡 9位 | 145位 | FB | Quinn Johnson | Louisiana State | 破壊力あるが成長がいまひとつ |
5巡26位 | 162位 | OT | Jamon Meredith | South Carolina | アスレチックだがOLのセンスなし |
6巡 9位 | 182位 | DE | Jarius Wynn | Georgia | 2年目はやや期待外れ |
6巡14位 | 187位 | CB | Brandon Underwood | Cincinnati | 昨年はちょっとした不祥事も |
7巡 9位 | 218位 | OLB | Brad Jones | Colorado | もう少しアグレッシブさが欲しい |
1巡a指名のNTラジは1年目こそケガで不本意な内容だったものの、先発ノーズタックルに固定された2年目はプロボウル補欠に選ばれる活躍。並外れた下半身のバネを活かしたパスラッシュも魅力だ。1巡b指名のOLBマシューズは今やスターの仲間入り。パスラッシュだけでなくラン守備やカバレッジにも優れたオールラウンドなところがいい。
4巡指名T/Gラングは1年目から代役LT/RTとして貢献。2年目は手首のケガで十分な成長が見せられなかったが、今年は左ガードでダリン・カレッジの後任スターター候補となっている。5巡a指名のFBジョンソンは時おり破壊力のあるランブロックを見せるが相変わらず不安定。先輩FB2人がFAとなる今年はスターターの座をつかめるか。5巡b指名のOTメレディスはアスレチック能力だけの選手で、開幕ロースターにさえ残れず解雇。ビルズ、ライオンズを経て現在はジャイアンツにいる。
6巡a指名のDEウィンはぎりぎりロースターに残っている。2年目の成長が期待ほどではなく、このままでは来季ロースター入りが危なくなる。6巡b指名のCBアンダーウッドは昨季3番手CB候補となったが期待を裏切り、スーパーボウルではアクティブ登録されず。伸び悩みが続くようだとそろそろクビが危ない。7巡指名OLBジョーンズは1年目に代役として7試合に先発(4サック)したが、昨年は肩のケガもあって伸び悩んだ。気が付けばゾンボやウォルデンの後塵を拝している。
グリーンベイ・パッカーズ過去10年間のドラフトの成果をざっと振り返ってみよう。とはいっても昨年のドラフトを評価するのはまだ早すぎるので、2000年から2009年までの10年間とした。年度順全指名リストもご参考に。
ロン・ウルフGMがレイ・ローズHCをわずか1年で解任し、マイク・シャーマンを新HCに迎えて初めてのドラフト。世代交代期とあってなんと13人の大量指名を敢行した。1巡TEフランクス、2巡LTクリフトン、4巡LBディッグス、7巡RTタウシャーの4人が1年目からスターターとなり、5巡DEバジャ=ビアミラも2年目に大ブレーク。このドラフトの成功が翌年からの4年連続プレーオフにつながった。
2000 Green Bay Packers Draft Picks | |||||
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Pick | Overall | Pos. | Name | College | 備考 |
1巡14位 | 14位 | TE | Bubba Franks | Miami | 何事も堅実。プロボウルは過大評価 |
2巡13位 | 44位 | OT | Chad Clifton | Tennessee | 頼りになるLT。昨季優勝にも大貢献 |
3巡12位 | 74位 | CB | Steve Warren | Nebraska | 大ケガで短命に終わった |
4巡4位 | 98位 | LB | Na'il Diggs | Ohio State | 先発ストロングサイドで安定した活躍 |
4巡20位 | 114位 | WR | Anthony Lucas | Arkansas | 大学でもプロでもケガに泣いた |
4巡32位 | 126位 | S | Gary Berry | Ohio State | ルーキー年に首を負傷して引退 |
5巡20位 | 149位 | DE | Kabeer Gbaja-Biamila | San Diego St. | 球団記録の通算74.5サック |
5巡22位 | 151位 | WR | Joey Jamison | Texas Southern | キャッチできないリターナーで即解雇 |
7巡18位 | 224位 | OT | Mark Tauscher | Wisconsin | LTクリフトンとのコンビで長く活躍 |
7巡23位 | 229位 | DT | Ron Moore | NW Oklahoma | 2年目にATLで1試合だけ出場 |
7巡36位 | 242位 | WR | Charles Lee | Central Florida | 引退後に強盗で服役中 |
7巡43位 | 249位 | LB | Eugene McCaslin | Florida | プロ2年間で出場1試合のみ |
7巡46位 | 252位 | RB | Rondell Mealey | LSU | 1年目に前十字靭帯断裂 |
なんといっても1回のドラフトで今後10年の先発両OTを手に入れたのだから素晴らしい。とくに2巡指名LTクリフトンは11年目の昨季もプロボウルに選ばれ、スーパーボウル制覇に貢献。7巡a指名RTタウシャーも昨季負傷するまで10年以上スターターを務めた。
TEフランクスの1巡指名はTEマーク・チュムラの不祥事で即戦力TE獲得を余儀なくされたため。プロボウル3回はやや過大評価で、RBグリーンの全盛期のおかげでTDを量産でき、NFCのスターTE不足に助けられた結果だろう。4巡a指名のLBディッグスは1年目からストロングサイドで先発の座をつかみ、堅実なアウトサイドLBとして現在もラムズで頑張っている。5巡指名DEバジャ=ビアミラは2年目に13.5サックを挙げて大ブレーク。4年連続2ケタサックなど、通算74.5サックの球団記録を作っている。
3巡指名DTウォーレンは1年目からよく働いたが太ももの大ケガで短命に終わった。4巡b指名WRルーカスはケガのリスクを承知して指名し、やはりダメだった。4巡c指名Sベリーは1年目に首を大ケガしてそのまま引退。7巡e指名RBミーリーも才能の片りんを見せながら入団直後からケガに苦しんで活躍できなかった。7巡c指名WRリーは控えWRとして通算957yds、バッカニアーズではスーパーボウルリングも手に入れたが、引退後に強盗事件を起こして現在服役中のようだ。
◆ ◆ ◆
'90年代の黄金期を築いたウルフGMが2月に突如引退を発表し、彼にとって最後のドラフトとなった。後任GMとなるマイク・シャーマンHCへのよき置き土産とするはずが、結果はキャリア最悪のドラフト。シャーマンHC時代(2000-05)にプレーオフで勝ち切れない遠因ともなった。ここで指名を成功させていれば、翌春にDEジョー・ジョンソンやWRテリー・グレンに無駄な大金を使わずに済んだはず。
2001 Green Bay Packers Draft Picks | |||||
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Pick | Overall | Pos. | Name | College | 備考 |
1巡10位 | 10位 | DE | Jamal Reynolds | Florida State | 球団史上屈指のBUSTに |
2巡10位 | 41位 | WR | Robert Ferguson | Texas A&M | スターターには何かが足りなかった |
3巡9位 | 71位 | CB | Bhawoh Jue | Penn State | CBとSのトゥイーナー |
3巡10位 | 72位 | LB | Torrance Marshall | Oklahoma | 身体能力高いが頭が悪かった |
4巡10位 | 105位 | OG | Bill Ferrerio | Wisconsin | 2年で解雇。先発ゼロ |
6巡35位 | 198位 | TE | David Martin | Tennessee | 2番手クラスでしぶとく生き残る |
QBハッセルベックをシーホークスに譲渡してトレードアップして指名した1巡10位DEレイノルズは、球団史上屈指の大バストに。NFL3年間で18試合出場(先発なし)、3サック。ケガに苦しんだ面があるとはいえ、実際は入団直後からパスラッシュ力の不足は明らかだった。2年目のDEバジャ=ビアミラの台頭がディフェンスを救った。
2巡指名WRファーガソンもスターターに定着できず(6年通算1577yds、その後MINへ)、3巡a指名CB/Sジューもスターターには物足りなかった(SDに移り2年で先発16試合とまずまず)。3巡b指名MLBマーシャルは在籍4年間で先発2試合のみ、'03年には薬物違反で4試合の出場停止。地元ウィスコンシン大出身の4巡指名OGフェラリオはけっきょく先発が一度もなし。
それなりの成功を収めたのが6巡指名のTEマーティンで、細く長く控えTEを続け、ドルフィンズを経て現在もビルズでプレーを続けている。
◆ ◆ ◆
マイク・シャーマンHCがGM兼任となって初めてのドラフト。GM3年間の中では最もよい出来で、2人のプロボウラーを輩出している。せっかく2巡指名権を手放してトレードアップして獲ったWRウォーカーだが、実質3年しかプレーしなかったところが残念。5巡のDEキャンプマンはシャーマンHC/GMにとって最高の指名となった。
2002 Green Bay Packers Draft Picks | |||||
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Pick | Overall | Pos. | Name | College | 備考 |
1巡20位 | 20位 | WR | Javon Walker | Florida State | プロボウラーもトレード後は転落 |
3巡27位 | 92位 | S | Marques Anderson | UCLA | 安定感を欠き2年で解雇 |
4巡37位 | 135位 | FB | Najeh Davenport | Miami (FL) | パワフルな2番手RB |
5巡21位 | 156位 | DE | Aaron Kampmann | Iowa | 連続プロボウル出場。現JAX |
5巡29位 | 164位 | QB | Craig Nall | Northwestern State | 控えQB7年間、先発ゼロ |
6巡28位 | 200位 | OT | Mike Houghton | San Diego State | 1年目で解雇 |
1巡指名WRウォーカーは2年目に急成長し、3年目には1382yds・12TDを記録してプロボウルに選出された。しかし4年目の春に契約への不満からホールドアウトを行い、合流したと思ったら開幕戦でヒザの前十字靭帯を断裂。翌'06年に要求が通ってブロンコスにトレードされた。故障明けながら1,084yds・8TDと頑張ったが、最終戦を終えた夜にCBダレント・ウィリアムズ殺害の瞬間に居合わせ、そこからはメンタルがボロボロに。解雇されてレイダーズに高額FA入団したものの、2年で15回196ydsの体たらくで昨年春に解雇。ヴァイキングスでチャンスをもらったが開幕ロースターには残れず、このままフェードアウトとなりそうだ。
3巡指名のSSアンダーソンはルーキーシーズンこそ代役スターターとして期待を抱かせる働きをしたものの、雑なプレーばかりでけっきょく2年で解雇。4巡指名RBダヴェンポートはFB並のガタイを活かし、控えRBとしてそれなりに活躍。GB・PIT・INDで7年合計394回1819yds(平均4.6)でキャリアを終えている。
5巡指名DEキャンプマンはご存じのとおりプロボウル2回の大出世。5巡指名QBノールは控えQBとしてまずまずのキャリアを築いた(7年間で先発はゼロ)。6巡指名のT/Gホウトンは大失敗で開幕ロースターにさえ残れず、ビルズで1試合だけ出場してキャリアを終えている。
◆ ◆ ◆
5年ぶりの地区優勝を果たした翌年のドラフトは、シャーマンHC/GMにとって大きな失敗だった。1巡指名のLBバーネットだけは成功を収めているものの、それ以外は1人も戦力にならずにチームを去っている。LBハンター・ヒレンマイヤーに至ってはパッカーズから解雇されてベアーズに移り、翌年から先発ストロングサイドLBとして活躍した。
2003 Green Bay Packers Draft Picks | |||||
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Pick | Overall | Pos. | Name | College | 備考 |
1巡29位 | 29位 | LB | Nick Barnett | Oregon State | 不動の先発MLBとして活躍 |
3巡15位 | 79位 | DT | Kenny Peterson | Ohio State | 懸念したとおりのトゥイーナー |
5巡12位 | 147位 | DT | James Lee | Oregon State | 直線スピードが速いだけだった |
5巡31位 | 166位 | LB | Hunter Hillenmeyer | Vanderbilt | ベアーズでしっかり先発SLBに |
6巡39位 | 212位 | OT | Brennan Curtin | Notre Dame | 長身OTの典型的な失敗例 |
7巡31位 | 245位 | CB | Chris Johnson | Louisville | レイダーズでしぶとく頑張る |
7巡39位 | 253位 | WR | DeAndrew Rubin | South Florida | 出場ゼロ |
7巡42位 | 256位 | WR | Carl Ford | Toledo | GBでの出場ゼロ |
7巡43位 | 257位 | LB | Steve Josue | Carson Newman | 2年で退団 |
1巡指名LBバーネットはプロボウルには届かないものの、ディフェンスの中心として長年活躍してくれている。3巡指名のDTピーターソンはDTには馬力が足りず、DEにはスピードが足りない典型的などっちつかずの選手。'06年にブロンコスに移って4年間プレーした。最後の'09年シーズンにはスターターを務めたので、最初から3-4ディフェンスならもっと活躍できた選手かもしれない。
5巡指名LBヒレンマイヤーは1年目の開幕前、プラクティス・スクワッドに入れるつもりで解雇したところをベアーズにさらわれ、2年目から先発ストロングサイドLBとして活躍されてしまった(脳震盪で今年引退の方向)。7巡a指名CBジョンソンはGB時代は芽が出なかったが要するに遅咲きの選手で、ラムズ(主にキックオフリターナー)、チーフスと渡り歩くうちに実力をつけ、レイダーズではこの4年間で26試合に先発して8INTを挙げている。
上記の4人以外はまったくダメ。5巡a指名のDTリーは2年で9試合に出場して9タックルのみでキャリアを終えている。6巡指名OTカーティンは在籍2年で出場ゼロ。7巡b指名WRルービンも出場ゼロ。7巡c指名WRフォードは'05年にベアーズに移り、スペシャルチーム専門で10試合出場したのみ(WRスタッツなし)。7巡d指名LBジョシューはプロ2年目にスペシャルチームで4試合に出場したのみ。
◆ ◆ ◆
NFC決勝を目の前にしてイーグルスに惜敗。優勝を目指してFA補強をしたいがこの時期はサラリーキャップがキツキツの年が続いている。そのぶんドラフトでなんとかしたいが、上位4人がすべてバストという大変な失敗ドラフトとなってしまった。3巡でパンターを指名してコケたのはいまや伝説。シャーマンHCにとってこの2年間のドラフト失敗が翌年のGM職はく奪、トンプソンGM就任に直結した。ただし下位2人はそれなりの成功を収めている。
2004 Green Bay Packers Draft Picks | |||||
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Pick | Overall | Pos. | Name | College | 備考 |
1巡25位 | 25位 | CB | Ahmad Carroll | Arkansas | ボールへのセンスを欠き性格にも難 |
3巡 7位 | 70位 | CB | Joey Thomas | Montana State | 同上 |
3巡 9位 | 72位 | DT | Donnell Washington | Clemson | 2年で出場ゼロ |
3巡24位 | 87位 | P | B.J. Sander | Ohie State | パンターの3巡指名が嘲笑の的に |
6巡14位 | 179位 | DT | Corey Williams | Arkansas State | 精神面に難があるがそれなりに働いた |
7巡50位 | 251位 | C | Scott Wells | Tennessee | OLの柱石として昨季優勝にも貢献 |
連続CB指名を行ったのはエースCBマイク・マッケンジーがトレードを要求したためで、それ自体はやむをえない。1巡指名CBキャロルはスピードスターだがボールへのセンスが悪く反則を繰り返し、また性格にも難があって成長しなかった。3年目の途中で解雇されると、ジャガーズとジェッツにも在籍したがロースターに定着できず(銃器不法所持や覚醒剤で逮捕も)、先月にはAFLハートフォード・コロニアルズのトライアウトに参加している。
3巡a指名のCBトーマスも似たり寄ったりで反則が多く、ちょっとまずいことが起きると性格の悪さを露呈してしまう。プロ2年目途中で解雇されると、セインツ、カウボーイズ、CFLエドモントン、ドルフィンズ、レイダーズと渡り歩いたが、GB退団後の公式戦出場は'05年(NO)と'08年(MIA)の計11試合のみ。3巡b指名のDTワシントンもアスレチック能力だけの選手でDLとしてのセンスがなく、2年間で一度も出場せずにNFLを去っている。
さらにひどかったのが、トレードアップしてPサンダー3巡c指名したこと。パンターには珍しい3巡指名(全体87位はNFL過去15年で最も高い)ながら1年目は先発の座を確保できず、2年目はグロス39.2yds、ネット33.9ydsの大不振でけっきょく解雇。シャーマンHC/GM時代の最悪の指名として語り継がれる存在となった。
6巡指名DTウィリアムズは3年目からスターターとなり、2年連続7サックを挙げてブラウンズにトレード(2巡指名権と交換)。3-4ディフェンスには合わなかったが(精神面の甘さも)、昨年ライオンズに移って全試合に先発している。ごぞんじ7巡指名Cウェルズがこのドラフト最大の成功。ライバルのCスピッツを退け、タフで頭脳的な先発センターとしてオフェンシブラインの柱石となっている。
Press-Gazette紙がパッカーズのドラフト下位指名での成功例トップ10を選んでいるので紹介してみる。基準はドラフト全体150位以下、プロボウル出場経験があること。ドラフト外入団の選手は含まない。(なお過去のドラフト指名リストはDraftHistory.comが便利。パッカーズの年度順、大学別のリストもここにある)
いわずと知れた'60年代を代表する名QBであり、ヴィンス・ロンバルディHCの愛弟子として5回のNFL制覇の立役者となった。当時アラバマ大は名将ベア・ブライアントが登場する直前の低迷時代。肩が弱いなど身体能力に劣るうえ、4年時は先発の座を後輩に奪われたりしたためNFLからの評価は低かった。パッカーズの名人事部長ジャック・ヴァイニシはこの時期にドラフト指名を次々と成功させ、そのタレントが後のロンバルディ時代(1959-1967)に花開くことになった。
全体200位は現在の6巡にあたる。これまでにドラフト指名された殿堂入りQB22人のうち1巡指名が12人を占め、82位より後ろで指名された殿堂入りQBはジョニー・ユナイタス(102位)、ジョージ・ブランダ(119位)、ロジャー・ストーバック(129位)、そしてこのQBスターだけだ。
ハードヒットを恐れぬタフなプレーと魅力的な人柄でファン・フェイヴァリットに。生い立ちについては2002年の「ドナルド・ドライバー物語」も参照のこと。通算パスキャッチ698回はすでに球団記録となり、レシービングydsもジェームズ・ロフトンの持つ9656ydsまであと41ydsに迫っている。1999年といえばWRランディ・モス対策もあって1巡から3巡までDBを連続指名した年で、4巡にはQBアーロン・ブルックス(セインツで活躍)とPジョシュ・ビドウェル(GB→TB→WAS)もいる。
下位指名入団から11年間スターターを務めた鉄人センター。1982年・83年と連続プロボウルに選ばれ、パッカーズの殿堂入りも果たしている。1988年から地元TV局WFRVのスポーツ・キャスターを務め、"Larry McCarren's Locker Room"というパッカーズ番組も持っている。1995年からはパッカーズ戦のラジオ解説を担当し、各種の球団公式イベントでも司会を務めることが多い。
典型的な叩き上げの遅咲き型ガード。NFLヨーロッパ(当時はワールド・リーグ)派遣も経験し、プロ3年目でスターターに。2004年まで6年連続で全試合先発、3年連続プロボウルにも選ばれている。なんと両ヒザの内側側副靭帯(MCL)を断裂(片方は完全断裂、片方は部分断裂)しながら休まず全試合出場したシーズンもある。残念ながらカウボーイズ移籍後は首と腰のケガに苦しんで2年で引退。今年はパッカーズの殿堂入りに選ばれている。
ファーヴの陰で出番がなかったが、プレシーズンでの活躍が注目され2001年ドラフト前のトレードでシーホークスへ。シアトルには彼をよく知るマイク・ホルムグレンHCとテッド・トンプソン人事部長がいた。2年間は苦しんだもののホルムグレンHCの指導で移籍3年目に大きく花開き、プロボウル選出3回、2005年シーズンにはチームをスーパーボウル初出場に導いている。
QBハッセルベックのトレードでパッカーズは1巡17位から10位へとトレードアップし、3巡9位指名権も受け取った。しかし1巡10位で指名したDEジャマール・レイノルズは球団史上に残る大バストとなり、3巡9位指名のCBバウ・ジューも期待外れに終わっている。
OGリヴェラとよく似たタフガイ。先発昇格したプロ2年目にスーパーボウル制覇を経験、ラムズにFA移籍した1999年にもスーパーボウル制覇と、運にも恵まれている。むしろ実力的に花開いたのはラムズ移籍後で、1999年と2001年にはプロボウルにも選出。プロ12年間で172試合に先発し、欠場がわずか2試合しかない。
ロン・ウルフの前任者トム・ブラーツGMの最高の指名かもしれない。プロ3年目からスターターとなり、1994年には初プロボウルに。1995年にビルズにFA移籍すると、17.5サックを挙げてNFL最優秀ディフェンス選手に輝いた。4年連続プロボウルのあとジャガーズに移り、最後はヴァイキングスでキャリアを終えている。引退後はグリーンベイ地区に住んで高校フットボールのヘッドコーチをするかたわら、2006年からはパッカーズの理事も務めている。
こちらはマイク・シャーマンHC/GMの最高の指名といえる。最初の2年間はケガ人の代役スターター、3年目からフルタイムの先発左DEに。2006年には15.5サック、2007年には12サックで連続プロボウルに選ばれた。きわめて研究熱心な頭脳派かつハードワーカーで、ラン守備にも優れる。3-4ディフェンスに不向きのため昨年ジャガーズにFA移籍したが、去り際が見事でパッカーズファンから愛され続けている。2年連続でヒザの前十字靭帯を断裂してしまったのは気の毒。復活に期待したい。
プロ4年目にスターターとなり、QBファーヴのフェイバリット・ターゲットとして一気に飛躍。1995、1997、1998年とプロボウルに3回選ばれている。ところが1999年に首のケガで長期欠場すると、翌2000年春には子供のベビーシッターをしていた高校生相手の暴行疑惑で逮捕され、大スキャンダルとなった。裁判では証拠不十分のためかろうじて無罪になったものの、首のケガもあってけっきょくNFL復帰を断念している。
いまでもウィスコンシンに住んでラジオでパッカーズ戦のプリゲーム・ショーのホストを務めているが、不祥事のせいでファンからはやや冷ややかな目で見られている印象がある。
プロ3年目の1989年にブレークして4318ydsを投げまくり、チームも10勝6敗と17年ぶりの二けた勝利(惜しくもプレーオフには進めず)。プロボウルにも選ばれたが、けっきょく彼が輝いたのはこの年だけだった。その後はケガばかりでシーズンの半分も出場できず、そして運命の1992年9月20日ベンガルズ戦、足首の大ケガで退場すると代役のブレット・ファーヴが活躍し、二度と先発の座は取り戻せなかった。その後はコルツで2年、ライオンズで2年控えQBを務めてキャリアを終えている。
2010年のNFLレギュラーシーズンスケジュールが下表のとおり正式発表された。
Packers 2011 Regular Season Schedule | ||||||
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Date | Opponent | Time | 米TV | 備考 | ||
9/8 | New Orleans Saints | 8:30 p.m. | NBC | Thursday Nighit | ||
9/18 | @ | Carolina Panthers | 1:00 p.m. | FOX | ||
9/25 | @ | Chicago Bears | 4:15 p.m. | FOX | ||
10/2 | Denver Broncos | 4:15 p.m. | CBS | |||
10/9 | @ | Atlanta Falcons | 8:20 p.m. | NBC | Sunday Night | |
10/16 | St. Louis Rams | 1:00 p.m. | FOX | |||
10/23 | @ | Minnesota Vikings | 4:15 p.m. | FOX | ||
- | - | Open Date | - | - | ||
11/6 | @ | San Diego Chargers | 4:15 p.m. | FOX | ||
11/14 | Minnesota Vikings | 8:30 p.m. | ESPN | Monday Night | ||
11/20 | Tampa Bay Buccaneers | 1:00 p.m. | FOX | * | ||
11/24 | @ | Detroit Lions | 0:30 p.m. | FOX | Thanksgiving Day | |
12/4 | @ | New York Giants | 4:15 p.m. | FOX | * | |
12/11 | Oakland Raiders | 1:00 p.m. | CBS | * | ||
12/18 | @ | Kansas City Chiefs | 1:00 p.m. | FOX | * | |
12/25 | Chicago Bears | 8:20 p.m. | NBC | Sunday Night | ||
1/1 | Detroit Lions | 1:00 p.m. | FOX | * |
注: 時間はすべて米東部標準時
スーパーボウル制覇を果たした今年のパッカーズは当然ドラフト最後の指名順となる。そこで、過去20年間の全体32位指名選手について下表にまとめてみた。32位が1巡末となったのはテキサンズの生まれた2002年からで、その前年のQBドリュー・ブリーズは2巡1位だった。
ざっと見てみるとQBドリュー・ブリーズの実績が飛び抜けていて、それからOGローガン・マンキンズ(2005年)がいる他は、プロボウラーは見当たらない。1巡といっても32位では過大な期待は禁物で、「堅実なスターターになってくれれば上出来」といったところか。
Past 32nd Draft Picks | ||||
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Team | Name | Pos. | 備考 | |
2010 | NO | Patrick Robinson | CB | 中盤に代役で先発4試合。今年はスターター昇格なるか |
2009 | PIT | Ziggy Hood | DE | アーロン・スミスの代役で9試合先発 |
2008 | MIA | Phillip Merling | DE | まだ先発に定着できず。昨年はアキレス腱も断裂 |
2007 | IND | Anthony Gonzalez | WR | 先発定着のはずがこの2年はケガの連続 |
2006 | NYG | Mathias Kiwanuka | DE | 通算23.5サック。ラインバッカーと行ったり来たりも |
2005 | NE | Logan Mankins | OG | プロボウル3回。NFLを代表するガードの1人 |
2004 | NE | Benjamin Watson | TE | 通算2865yds・23TD。昨年CLEに移籍 |
2003 | OAK | Tyler Brayton | DE | OAKとCARで92試合先発。15.5サック |
2002 | WAS | Patrick Ramsey | QB | 控えQBを細く長く続ける。この5年間は出場機会なし |
2001 | NO | Drew Brees | QB | セインツを初優勝に導いた現役屈指のエリートQB |
2000 | CLE | Dennis Northcutt | WR | 3球団で10年通算4941yds・18TD。パントリターナーでも活躍 |
1999 | CLE | Kevin Johnson | WR | 最初の3年で2752yds・17TDの活躍も、その後は尻すぼみに |
1998 | IND | Jerome Pathon | WAS | 3球団で8年通算3350yds・15TD。現在はサンディエゴ大WRコーチ |
1997 | ATL | Nathan Davis | DT | 3年で6試合に出場したのみ。その後CFLへ |
1996 | ARI | Leeland McElroy | RB | 2年で729ydsラッシング・3TDのみ |
1995 | GB | Craig Newsome | CB | プロ2年目でスーパーボウル制覇。その後はイマイチだった |
1994 | IND | Eric Mahlum | OG | 4年間で18試合に先発したのみ。彼の直後にWRアイザック・ブルース |
1993 | ARI | Ben Coleman | OT | 10年で4球団を渡り歩いて104試合に先発 |
1992 | OAK | Greg Skrepenak | OT | OAKとCARで56試合先発。政界進出を狙うが買収が発覚して服役中 |
1991 | ARI | Mike Jones | DE | ファーヴ直前の指名選手。4球団で9年通算75先発・27.5サック |
さらに遡るとWRヘンリー・エラード(1983)、Cレイ・ドナルドソン(1980)、NTフレッド・スマーラス(1979)、QBドン・メレディス(1960)、OTボブ・セントクレア(1953)といった名選手も輩出している。殿堂入りはOTセントクレアだけのようだ。
不振をきわめた'09年よりは改善されたものの、Dallas Morning News紙のスペシャルチーム総合ランキングで29位(前年31位)、Football Outsiderのランキングでは27位(前年32位)と、依然として低空飛行を続けている。これでプレーオフを勝ち抜けたのが不思議だが、興味深いことに'09年シーズン優勝のセインツも同じく29位だったらしい。
その中で大きく向上したのがパント・チーム。'09年にネット最下位だったPジェレミー・カピノスを放出し、Pティム・マステイを採用したのが成功した。シーズン序盤こそ苦しんだもののしだいに調子を上げ、好パントを連発して勝利に貢献。グロス11位、ネット16位という数字は一流パンターとくらべて平凡かもしれないが、寒冷地チームでの1年目としては上出来だろう。2年目の今年はさらなる成長に期待したい。
またスタッツには表れないものの、スペシャルチームの反則数は'09年の32回(17試合)から22回(20試合)へと大きく減らすことに成功。1試合あたりの反則数では'06年以来最少だった。とくにシーズン後半はホールディングの反則が激減し、多少はフィールドポジションに貢献できた。
ケガのSウィル・ブラックモンを開幕前に放出したのが響き、リターン・ゲームは相変わらず人材不足。キックオフリターナーはWRネルソン、CBシールズ、CBリー、RBスタークスの4人を使ってみたが、けっきょく誰もエースの座を確保できず、平均20.1yds(NFL26位)に終わった。パントリターナーの方はCBトラモン・ウィリアムズが独占しているが、平均7.9yds(NFL22位)とこちらもいまひとつ。
今年はKメイソン・クロスビーがFAとなる。成績からして高額オファーが来るような選手ではないので、安価で再契約できるはず。ドラフト外かドラフト下位指名のルーキーと競わせることになるのではないか。「パンターとキッカーを合わせて3人」の体制でキャンプを迎えることが多いので、キッカーが2人ならばパンターは競争なしとなる。リターナー候補も新人に期待。リターナー能力のあるWRを2巡から4巡あたりで指名する可能性はかなりある。
FG成功率78.6%と今年も8割を超えられなかった。シーズン前半はCHI戦とWAS戦でのFG失敗が敗戦に直結。シーズン後半はロングFGトライが少なかったせいか成功率を上げた。試合終了直前の決勝FG成功は'07年デビュー戦の一度だけで、彼の勝負弱さがここ数年の競り負けの多さにつながったのは否めない。またキックオフ飛距離のダウンも顕著で、ルーキーシーズンから3年間で43回のタッチバックを蹴っていたのに、昨年はわずか4回だった。
今年は初めてのFAとなるが、さほど高い金を出さずとも再契約はできるはず。今年FA市場に出てくる有力キッカーは飛距離のダウンしたベテラン選手が多いので、もしクロスビーから切り替えるなら新人を選ぶことになるのではないか。今年はFA解禁の方が後になりそうなので、ドラフト下位で優秀なキッカーを獲得できたら再契約を見送る手もある。
昨夏はオーストラリア人のPクリス・ブライアンに競り勝って正パンターの座をつかみ、シーズン序盤は苦しんだものの中盤から調子を上げて優勝に貢献。とくに第8週NYJ戦や最終週CHI戦では好パントを連発して勝利を引き寄せた。グロス43.9yds(11位)、ネット37.6yds(16位)という成績にくわえ、「インサイド20:タッチバック」が25回:5回とプーチパントも上手くなってきた。前任者のPカピノスは15回:10回だったのだから、この部分の改善は目覚ましい。
2008年開幕前にPジョン・ライアン(同じく赤毛)を放出する判断ミスを犯して以来、パッカーズのパンターがシーホークスでのPライアンの成績を上回ったのは初めてのこと。タフな状況でも落ち着いて蹴れることも証明しており、今年はライバルを入団させずに成長を見守るのではないか。フィールドゴールのホルダーとしても、ミスらしいミスを犯していない。
2008年夏の入団以来3年にわたって正ロングスナッパーを務め、スナップミスが一度もない。この商売はそれが全てだ。今年も彼の地位は安泰で、ライバルの入団はないはず。なおデプスチャート上ではRGジョシュ・シットンが2番手ロングスナッパーとなっているが、実戦でスナップしたことはない。
モックドラフト集の今年第3回。前回から更新されていないモックには*印をつけた。
パッカーズの2011年プレシーズンゲームの対戦相手と、大まかなスケジュールが下表のとおり発表された。4戦のうちカーディナルスを除く3戦は昨年と同じ組み合わせとなっている。昨年と同じく第3週コルツ戦が全国放送され、それ以外の3戦の日時は固まっていない。なお、プレシーズンの対戦相手は各球団がそれぞれ独自の話し合いで決めるもので、対戦相手の埋まらなかった球団だけはNFLが斡旋することになっている。
Packers 2011 Preseason Game Schedule | |||||
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Date | Opponent | Time | 米TV | ||
8/11 - 15 | @ | Cleveland Browns | 未定 | state | |
8/18 - 22 | Arizona Cardinals | 未定 | state | ||
8/26 | @ | Indianapolis Colts | 8:00 | CBS | |
9/1 - 2 | Kansas City Chiefs | 未定 | state |
ILB陣と同じく、代役スターターの活躍がチームをよく支えた。SSビグビーに代わる先発ストロングセーフティ探しが昨年の課題だったが、開幕スターターの新人SSバーネットが戦線離脱したあと、万年バックアップのはずのSSチャーリー・ペプラーが期待を大きく上回る活躍を見せた。FSニック・コリンズもパス守備に磨きをかけて3年連続プロボウルに選ばれている。
元スターターのSSアタリ・ビグビーは契約問題でオフシーズン練習を全休したあげく、チーム合流直後に足首を負傷して手術。おかげで新人SSモーガン・バーネットはずっと先発組で経験を積むことができたが、開幕第4週にヒザの前十字靭帯(ACL)を断裂してしまい戦線離脱、SSペプラーの台頭を許した。
今年はすでにSSペプラーが再契約を済ませ、彼に2年目のSSバーネットが挑戦する構図。いっぽうSSビグビーはFA移籍が確実視されている。控え選手のレベルもそこそこ確保できているのでドラフト上位指名の必要はなく、下位で良い素材がいれば、といった程度だろう。
CB並のスピードでフィールドの端から端までカバーする先発フリーセーフティ。3年連続プロボウルに選ばれ、最終週CHI戦ではプレーオフ出場を決めるインターセプト、スーパーボウルでも見事なINTリターンTDで勝利に貢献した。カバレッジの守備範囲が非常に広く、嗅覚にも優れている。ランサポートも意外にフィジカル。過去3年間で17INTを挙げたNFL屈指の"Ball Hawk"だが、昨年はINTチャンスでの落球も5回ほどあった。
最近は以前よりブリッツが増えてきたが、SSバーネットがスターターに成長すればもっと増えるかもしれない。昨年3月には総額$26.7ミリオンの4年契約にサインしている。まだ27歳と若く、ケガを押してプレーしてくれるタフネスもありがたい。
ルーキーシーズンから3年間控えセーフティを務め、'09年にファルコンズで2試合出場したあと昨年春にFAでグリーンベイに出戻り。スターターの器ではないと世間からは見られていたが、じつは人知れず成長していた。新人SSバーネットが戦線離脱すると代役スターターの座をつかみ、予想以上に安定したプレーぶりで故郷北テキサスでのスーパーボウル制覇に貢献。'10年ディフェンスのサプライズの1人だったのは間違いない。
人間的にしっかりしたハードワーカーで、つねに全力を出し切る。アサインメントもタックリングも安定しているが、アスレチック能力は高くなく、パスカバレッジで脆さを露呈することがある。今年は無制限FAとなる予定だったが、3月初めに総額$2.3ミリオンの2年契約にサイン。かなりリーズナブルなお値段で、「スターターが確約されていないスターター」といったところ。今夏は2年目のSSモーガン・バーネットの挑戦を受ける。
ドラフト外入団からプラクティス・スクワッドを経て'07年からスターターに。昨年はRFAオファーへのサインを渋ったあげく、トレーニングキャンプで合流したとたんに足首を痛めて手術となり、新人SSバーネットに不戦敗。復帰後はSSペプラーとのローテーション起用でスターター奪回のチャンスを与えられたが活かすことはできず、スペシャルチーマーとしてシーズンを終えた。今年は無制限FAとなるが、SSペプラーとSSバーネットがいては彼に居場所はないので、再契約はないものと見られている。
昨年のドラフト3巡指名はトンプソンGMにとってキャリア3回目のトレードアップ。SSビグビーのホールドアウトもあって入団直後からスターター扱いだった。シーズンに入ると、苦しみながらもアグレッシブなプレーが増えていただけに、第4週DET戦でヒザのACLを断裂してシーズンエンドとなったのは残念だった。
パスカバレッジでの守備範囲の広さ、ボールへのセンスは非常によいものの、ランサポートでのアングル、タックリング、思い切りのよさ、といった点で今ひとつだったのは否めない。ディフェンスに習熟してくれば、もっと思い切りのよいフィジカルなプレーができるはず。今夏はSSペプラーからのスターター奪回を狙うが、なにしろ大ケガからのリハビリ途上なのでキャンプ初日からバリバリやるのは難しいかもしれない。
3-4経験を買われて'09年春にFA入団したが、プレーぶりが不安定で開幕前に解雇された。その後ラムズを経てジャガーズでプレーしていたところ、昨年10月にケガ人続出したパッカーズがトレードで再び獲得。スペシャルチーマーとして4試合に出場したが、第11週MIN戦で足首を負傷してインジャリーリザーブ入りとなった。トレードの代償は「条件付きの7巡指名権」だったが、4試合しか出場できなかったので条件を満たさず、こちらはドラフト指名権を手放さずに済むようだ。
レイヴンズでは3年間CBをプレー(先発3試合)したあとセーフティに転向。'09年開幕直前にT/Gトニー・モールとのトレードでパッカーズにやってきた。持ち前のスピードを活かしてスペシャルチームの中核の1人として活躍してきたが、'10年第5週WAS戦でヒザを負傷し、インジャリーリザーブに入ってシーズン終了。契約はあと1年残っていたが、3月初めに解雇された。セーフティとしての成長が期待ほどでなかったのだろうか。
例年は3月中にオフシーズンプログラムが始まり、5月・6月は Organized Team Activities(OTA)やミニキャンプ、そして1か月程度の休みを経て7月末のトレーニングキャンプとなる。しかし今年はロックアウトのため、選手は球団施設でトレーニングを行うことができない。これが続けば、たとえトレーニングキャンプ直前に労使紛争が解決しても選手の体に悪影響は残る、と元トレーニングコーチのデイヴ・レディングが率直に語っている。
「このことについて我々はずいぶん話し合ったのだが、トレーニングのシステムを確立できていない選手は厄介なことになるだろう。個人名は出さないが、何もせずに過ごす選手はきっといるはずだ。その状態からチームに戻ってくれば、トレーニングキャンプで問題を抱えることになる。大きいラインマンほど問題になりやすい。肉離れや、疲労から来る負傷だ。ハムストリングや大腿四頭筋のトラブルが増えることだろう」
デイヴ・レディングはNFL25年の経験を持つ大ベテランで、USA Strength and Conditioning Coaches Hall of Fame を含め数々の受賞歴を持っている。昨年はアシスタントに退いて若いマーク・ロヴァットの後見役を務め、シーズンが終わったところで予定どおり引退となった。
「あまりランニングやリフティングやストレッチングをしない選手は問題を抱えることになる。選手の3分の1は、ほおっておいてもやるべきことをやる。そうした連中の心配は要らない。3分の1は、多少刺激を与えてやればまあ問題はない。残りの3分の1は、ただテレビを見ているだけだ」
「OTAやミニキャンプなしでいきなりトレーニングキャンプとなったら、コーチたちは細心の注意が必要だろう。ケガに関してより慎重にならなければならないし、夏を通してそれが必要になる。選手たちを健康に保つのは困難だろう。フットボールのできる体を作るにはフットボールをプレーするしかない。だからOTAなどでフットボールの動きを練習することが重要なんだ」
若手が大きく成長し、パスカバレッジの向上がスーパーボウル制覇の原動力となった。パスヤーデージはNFL5位のまま横ばいだったものの、パスで許したTD数は'09年の29回(28位)から16回(4位)へと激減。それでいてインターセプトはNFL2位をキープしている。投げるところが見つからないカバレッジ・サックも多い。
トラモン・ウィリアムズがアル・ハリスの後継スターターとして初プロボウルにも選ばれ、早くもNFLを代表するシャットダウン・コーナーの1人と見なされる存在に。さらにドラフト外ルーキーのサム・シールズが予想を大きく上回るプレーぶりを見せ、3番手CBとして十分すぎるほどの活躍で優勝に貢献した。NFL最強のセカンダリーと呼ばれるようになったのも、シールズがいてこそだ。
'09年にディフェンスMVPに選ばれたチャールズ・ウッドソンは、純粋なパスカバレッジ能力には陰りが見えるものの、主にスロットのポジションからラン守備にパスラッシュに八面六臂の活躍。CBなのかSSなのかLBなのか、もうよくわからない。いっぽう、もっとも成長が期待されていたブランドン・アンダーウッドとパット・リーの2年目・3年目コンビは伸び悩んだ。シールズにあっさり抜かれただけでなく4番手も確保できず、ベテランのジャレット・ブッシュの後塵を拝したままだ。
大ベテランのアル・ハリス(プロボウル2回)は'09年終盤に負った前十字靭帯(その他いくつもの靭帯)断裂からのリハビリを終え11月初めには出場可能となったが、けっきょくチームは解雇を選んだ。理由はなんといっても新人サム・シールズの存在だろう。4番手以下ではハリスが納得せず、かといって3番手で使うとシールズの成長を妨げることになるからだ。(ハリスはドルフィンズと契約して3試合出場し、ハムストリングを痛めてIR入り。その後解雇された)
今夏は上位3人が安泰、4番手をその他の選手が争う、といった状況が続きそうだ。ウッドソン(34歳)の衰えに備える必要はあるが、両アウトサイドをトラモンとシールズに任せる今の起用法なら、急激な能力ダウンの心配は要らないかもしれない。ドラフトでは展開しだいで上位指名もありうるが、ニーズとしてはOLBやDEの方が重要のはず。
NFL最優秀ディフェンス選手に選ばれた'09年シーズンと比べればトーンダウンしたものの、34歳となっても高いレベルで活躍し、ロッカールームではむしろ存在感を増している。'90年代の故DEレジー・ホワイトを思わせるリーダーシップでチームを引っ張り、悲願のロンバルディ・トロフィーをつかんだ。NFC決勝終了後のスピーチも球団史上に残るユニークなペップトークだった。
カバーCBとしての役割はウィリアムズとシールズに任せ、彼自身はスロットの位置からブリッツ(プレッシャー11回)にラン守備にと「ジョーカー」的な役割を担う。並外れたフットボールセンスと嗅覚をケイパースDCが見事に活用し、ロスタックル数はチーム最多の7回、タックル数はキャリア最多。いっぽう反則はチーム最多の12回を数え、インターセプトも'09年の9回から2回へと大幅ダウンしている。
ドラフト外入団からプラクティス・スクワッドを経て'07年に3番手/ニッケルバックとなり、'09年途中からアル・ハリス(前十字靭帯断裂)に代わってフルタイムのスターターに。昨年開幕前に「カバレッジ能力ではウッドソンより上」とCBコーチが豪語したのが的中し、一人前になるどころか初プロボウルにも選ばれる大活躍。プレーオフでもPHI戦・ATL戦と価値あるインターセプトを連発し、早くもNFL屈指のカバーコーナーとの名声を確立した。
一流WRにもぴったりついていける足と、WRの手にボールが収まる瞬間に叩けるボールスキル、ギャンブルのリスクを計算できる冷静な頭脳と判断力がある。11月末には総額約$33ミリオンの契約延長にサインしたが、今思えばかなりのディスカウント。プレーオフでの大活躍の後だったらさらに$10ミリオン以上必要だっただろう。
2010年最大のサプライズ。ドラフト外入団から3番手CBとなり、期待を大きく上回る働きを見せた。マイアミ大では3年間WRをしたあとコンバートされ、1年だけCBをプレー。身体能力を高く評価されながら経験不足のせいでドラフトされなかった。キャンプでは早い時期から注目され、プレシーズン末には下記のライバルたちをごぼう抜きして3番手に昇格。「新人CBをもっと攻めるべき」との声もあったが、相手QBが投げてこないのは彼がWRをフリーにしないからだ。
40yds走4.3秒を切るチーム随一のスピードスターで、一流どころのWRにもついていき、一瞬遅れても追いつけるだけの足がある。ボールが来てもバタバタせず落ち着いて反応でき、DAL戦やNFC決勝でのインターセプトも新人離れした好プレーだった。ウッドソンをスクリメージ近くで自由に動かせるのも、アウトサイドの彼を信頼できるから('09年プレーオフARI戦ではそれができずに大量失点)。たまにギャンブルが裏目にでることもあるが、経験を積めばよくなっていくだろう。あとは慢心せず伸びてくれれば、いずれはウィリアムズとドラフト外出身の先発コンビとなるのではないか。
カバレッジミスと反則の多さでファンからは忌み嫌われながら、毎年なんとかロースターに残ってしまう。昨年夏も下記の若手2人の伸び悩みで、気が付けば4番手をキープ。最近のケイパースDCはダイム隊形(6DB)をあまり使わないので出番は少ないが、ウッドソンとシールズの途中退場したスーパーボウルでは価値あるインターセプトを成功させた。ゾーンの方が得意なので'09年から3-4ディフェンスになったのは追い風だったが、ミスの多さはあまり変わっていない。
それよりも彼の存在価値はスペシャルチームだろう。以前の反則の多さが影をひそめ、とくにパントカバレッジで大活躍した。最終週CHI戦では敵陣ゴールライン寸前での好カバレッジを連発し、プレーオフ進出に大きく貢献。今年の夏も例年同様のロースター争いが待っている。
2巡指名入団から3年目の昨夏もあまり成長が見られず5番手どまり。シールズの欠場した第5週WAS戦だけ3番手として出場した。最も印象に残る働きはウッドソンとシールズの途中退場したスーパーボウルで、驚くほど安定したプレーぶりで勝利に貢献している。上体ががっちりしていてフィジカルなプレーが身上だが、スピードに欠ける。キックオフリターナーとしても13回平均20.4ydsと今ひとつだった。今年は契約最終年を迎えるが、ここから急成長するようには思えない。
昨年の今ごろはもっとも期待される若手CBとして3番手候補に挙げられていたが、キャンプでは成長を見せることができず、肩の負傷もあって6番手まで転落。昨季もっとも失望させられた若手選手だった。サイズとスピードを兼ね備えているが、精神的に未熟でプロフェッショナリズムに欠ける。スペシャルチームでもプレーオフのPHI戦で手痛いミスを犯し、スーパーボウルではアクティブ登録もされなかった。
昨年6月の性的暴行容疑は濡れ衣と確定して買春の罰金刑で決着したが、チームメイトのパーティに娼婦を呼んでトラブルを招くようでは、仲間の信頼を失うのも無理はない。契約はあと2年残っているものの、今夏も伸び悩みが続くようなら開幕ロースター入りが危うくなってくる。
選手側がロックアウト差し止め命令を求めた訴えについて、ミネソタ州セントポールの連邦地裁において審問が開かれた。スーザン・ネルソン判事は数時間にわたって双方の言い分を聞いたうえで、「裁定まで2、3週かけて検討する」との結論を下し、判事の仲裁で交渉を再開するよう両者に促している。
一見は両者引き分けのように見えるが、選手側はこの法廷での勝利を見込んで3週間のあいだ交渉を拒否してきた(そもそも交渉を決裂させたのも訴訟合戦の方が選手側に有利と踏んだため)だけに、今回のネルソン判事の判断は選手側にとってマイナスかもしれない。
ただ今回ネルソン判事が質問を浴びせた回数では、圧倒的にNFL側のデヴィッド・ボイーズ弁護士(反トラスト法関係では殿堂級の人物らしい)が多かった。一般的な弁護士の経験論から言えば、こうした目に遭わされる側の言い分が(判事の頭の中では)不利であることが多いらしい。そのため、「判事は交渉再開を命じつつ、NFL側がより大きな譲歩をするよう示唆したのでは」との憶測も一部に出ている。
ロックアウトが終わらないこと自体は残念だが、新労使協定の締結のためには必ずしも悪い結果ではない。ロックアウトが違法との判断が下されたらNFL側は即控訴したはずで、おそらく控訴裁・最高裁で決着がつくまでロックアウト解除はなされない。判事が裁定を棚上げした上で両者に交渉再開の圧力をかけたということは、「私の気に入らない動きをすれば不利な裁定につながるぞ」と脅しをかけた、ということでもある。ロックアウトの是非を検討するのに数週間もかかるわけがなく、実際は交渉のテーブルにつかせるための方便だろう。
今回の法廷を傍聴した記者からは、「判事は非常によく準備してきている」 「彼女は本当にNFLシーズン続行を望んでいるっぽい」とのつぶやきも聞かれた。
開幕時と終了時ではすべてが変わってしまったポジション。ニック・バーネットが第4週に手首を負傷すると万年バックアップのデズモンド・ビショップが先発昇格し、彼らしい迫力あるプレーぶりで見事に穴を埋めた。1月には契約延長を手に入れ、来季のスターターを事実上確約されている。
A.J.ホークは開幕戦でまったく出番をもらえず、これがパッカーズ最後のシーズンかと思われた。しかしバーネットの戦線離脱でフルタイムに返り咲くと、非常に安定感あるプレーぶりでシグナルコーラー役として優勝に大きく貢献した。LB陣が許したTDパスが'09年の8.5回からわずか2.5回へと激減したのも、ホークとビショップの頑張りのおかげだろう。ホークも先月5年契約にサインし、来季のスターターの座を固めた。
そういった成り行きで、長年スターターを務めてきたニック・バーネットがあっという間にスターターから転落してしまった。今年は$5.5ミリオンの高額サラリーなので、放出は避けられないと見られている。ブランドン・チラーも控えとしては$2ミリオンは割高で、補強次第では解雇もありうる。
過去2年間は不動のカルテットだったILB陣だが、バーネット放出を考えると、今年はドラフト下位で指名があるのではないか。
元1巡5位指名選手も'09年はパスシチュエーションでサイドラインに退くことが多く、'10年開幕PHI戦でもまったく出番をもらえなかった。「これでは今季かぎりで退団確実」と見られていたが、バーネットの戦線離脱で状況が一変。フルタイムで活躍してチーム最多タックルを記録しただけでなく、シグナルコーラー役としても的確なコミュニケーションで失点NFL2位のディフェンスに貢献した。
常にアサインメントが確かだがプレーに激しさや思い切りに欠ける、という傾向は相変わらず残っている。しかし同じく課題だったパスカバレッジは非常に安定し、彼の責任によるTDパスは'08年第5週以来1回もない。インターセプト3回もNFLの全LB中最多タイ。ブリッツァーとしてはあまり効果的ではない。先月初めに総額$33.75ミリオンの5年契約にサインし、ビショップとともに来季のスターターの座を固めている。
いつまでも控えから抜け出せず不満を漏らすこともあったが、バーネットの戦線離脱でチャンスをつかみ、一気に飛躍した。守備範囲の広さではバーネットにやや劣るものの、ブロッカーを押し返す馬力と激しさがあり、ホークよりも嗅覚に優れる。以前は目立っていたアサインメントミスもすっかり影をひそめた。パスカバレッジでも意外に効果的な働きを見せ、ハードヒットでキャッチ失敗に追い込むプレーもしばしば。
1月には総額$18ミリオンの4年契約を手に入れた。今年が$1.19ミリオン、来年が$2.83ミリオンならかなりのお買い得ではないか。
ルーキーシーズンからディフェンスの中核として活躍してきたが、第4週DET戦で右手首の腱を損傷する大ケガ。シーズン続行も検討したが、大事な利き腕に将来ダメージが残る恐れがあるため手術を選んだ。その間にビショップが急成長し、気がつけば彼の居場所はなくなっていた。ブロッカーの波にさらされる3-4のILBには、サイズと馬力のある上記2人の方が向いていた、ということもあるかもしれない。来月30歳という年齢も彼にとって不利なところ。
すんなりトレード先が見つかればよいが、今年$5.5ミリオン(契約は'12年まで)の高額サラリーのうえ、いったん放出確実ということが明らかになると、買い手は解雇されてくるのを待つことができる。本人の実力に見合ったトレード条件などとても望めず、おそらく(ドラフト4巡以下といった)安い条件で手放さざるをえないだろう。タダで解雇してしまうよりはマシだ。
パスシチュエーションでの起用が多く、開幕戦ではホークを退けてフル出場した。第3週に肩の回旋腱板を損傷すると、手術を受けず回復を待つことを選んだが、第12週で悪化させてしまい、けっきょくインジャリーリザーブ入りして手術となった。パスカバレッジ能力をコーチ陣は高く評価しているものの、昨年はTEに置いていかれる場面も目立った。昨夏のトレーニングキャンプ前半は先発アウトサイドLB候補として練習したが、けっきょくインサイドに戻っている。
今後もパスシチュエーションで活用するならば存在価値があるが、純粋な控えとしては$2ミリオンのサラリーは割高で、ドラフト補強しだいでは放出の可能性もある。
'03年4巡指名でチャージャーズに入団、スペシャルチーマーとして4年間過ごしたあと、'07年から'08年にかけて21試合に先発。'09年7月に解雇されるとイーグルスを経て49ersに移り、主に控えで11試合出場した。昨年開幕前に解雇され、10月末にパッカーズへ。スペシャルチーマーとしてスーパーボウルまで11試合に出場している。3-4経験豊富な選手だが、ディフェンスでの出番はない。もう伸びシロのない30歳なので、残留は難しそうだ。
若きクレイ・マシューズが13.5サックを含むオールラウンドな活躍で、プロ2年目ながらディフェンスMVPにあと一歩まで迫る大活躍。アーロン・キャンプマン(FAでJAXへ)移籍で空いた左サイドへ彼を移したのも大成功だった。
いっぽう右OLBは補強が進まなかったうえにケガが多く、雑草軍団でやりくりする苦しいシーズン。2年目のブラッド・ジョーンズは先発右OLBの座を守ったものの、キャンプから肩の問題に悩まされ、期待ほどの成長を見せることができなかった。6試合出場してサックゼロに終わり、肩の手術を受けるため10月末にインジャリーリザーブ入り。ベテランのポピンガもヒザのケガで同時期に戦線離脱してしまった。
代役スターターとなったのはドラフト外ルーキーのフランク・ゾンボ。元DEだけにラン守備が力強く、パスラッシュでも4サックを挙げる堅実な働きを見せた。ヒザの捻挫でNFC決勝まで6試合欠場したものの、スーパーボウルではチーム唯一のサックも決めている。ゾンボ不在の6試合で代役を務めたのが途中加入のエリック・ウォルデンで、最終週CHI戦では3サックの大活躍でプレーオフ進出に貢献した。
マシューズの逆サイドのパスラッシュ向上は一昨年から続く重要なテーマ。優れたパスラッシャーがもう1人加われば、相手はマシューズをダブルチームしづらくなり、相乗効果が生まれるからだ。各種モックドラフトでも、1巡指名予想がもっとも多いポジションとなっている。DEジェンキンズのFA移籍(見込み)でDE陣のパスラッシュがややダウンすることを考えれば、右OLBのレベルアップはなおさら重要だろう。
プロ1年目から10サックを挙げて新人王を争い、2年目は13.5サック(プレーオフを含め17サック)を挙げてオールプロの1stチームに選出(パッカーズ唯一)。早くもリーグを代表するディフェンス選手の1人となった。パスラッシュだけでなく、ラン守備もバスカバレッジも優れているのが素晴らしいところ。スーパーボウルでは自分の側へのパワーランに苦しめられたが、勝負どころで値千金のファンブルフォースを成功させている。
キャンプからシーズン前半にかけてはハムストリングの問題に悩まされ、シーズン後半はスネの(重度の)打撲でろくに練習できない週が続いた。ずっと元気ならば楽にディフェンスMVPを獲得できていたはずだ。今年の課題はケガを減らすことで、2年連続で苦しめられたハムストリング問題の解消が重要なテーマになるはず。精神的にも非常にしっかりしたハードワーカーで、慢心してしまう心配がないのもいい。
(DEジェンキンズと同じ)セントラル・ミシガン大では4-3のDEで、3-4のOLBはプロ入り後に初めて挑戦した。ドラフト外入団ながらシリル・オビオザー(現ARI)に競り勝って開幕ロースター入りを果たし、下記ジョーンズの戦線離脱でスターターに昇格。スーパーボウルを含めて5サック、6ロスタックル、2ファンブルフォースを挙げ、堅実なプレーで優勝に貢献した。ラン守備ではポイントオブアタックでよく持ちこたえ、パスラッシュでもレパートリーを次第に増やしてきた。LB経験が浅いせいかスペースでの動きは今ひとつ。
現時点で先発右OLBを選ぶとしたら彼かウォルデンだろう。今年はルーキーを加えた先発争いとなるはずだが、まだ伸びシロがありりそうなので2年目の成長が楽しみ。
ミドルテネシー州立大から'08年ドラフト6巡でカウボーイズに指名され、その後チーフスを経てドルフィンズでプレーしていたが、'10年第3週にスペシャルチームで大きなミス(パントブロックの原因を作った)を犯して即解雇。1か月ほどフリーでいたところを、ケガ人続出のパッカーズに拾われた。MIA最後のゲームもGB最初のゲームもNYJ戦だった。
ゾンボが負傷したためNFC決勝まで5試合にわたって代役スターターとなり、最終週CHI戦では3サックを挙げて週間MVPに。ワイルドカードプレーオフでは主に「スパイ」役を担い、QBヴィックのランを8回32ydsに抑えた。トンプソンGMにとって、NTハワード・グリーンとならぶ途中補強のヒットだろう。右OLB候補の中ではおそらくもっともパスラッシュに優れ、パスカバレッジでもミスが少ないが、ラン守備では脆さを抱えている。
1年目は7巡ルーキーながら7試合に先発したが、2年目の昨夏は肩のケガもあって伸び悩んだ。なんとか開幕スターターを確保したものの、けっきょく肩の手術のため10月末にインジャリーリザーブ入り。ラン守備ではポイントオブアタックで頼りになるが、パスラッシュがあまりにも弱い。逆サイドのマシューズが相手の注意を引き付けてくれるのに、彼は6試合でサックもファンブルフォースもリカバリーもインターセプトもなかった。
昨年は10ポンドほどバルクアップしたが、その効果があまり見られなかった。同じような伸び悩みが続けば、今年はスターター争いどころかロースター入りも危なくなる。
かつては先発ストロングサイドLBを3年間務めたが、3-4導入とともにスターターの座を失い、毎年存在感が薄くなってきている。昨年はヒザのケガで10月末にインジャリーリザーブに入ってシーズンを終えた。31歳の今年はサラリーも$2ミリオンを超えるので、いよいよ解雇されるのではないか。スペシャルチームではよく頑張るが、いなくて困るほどの働きではない。
2年目の昨夏も開幕ロースターに残れず解雇され、プラクティス・スクワッドへ。ILBバーネットの戦線離脱に伴って10月半ばにロースターに昇格した。11月上旬にプラクティス・スクワッドに戻るが、1週後に再昇格。ゾンボとウォルデン不在のNYG戦で代役スターターとなってQBヒット3回、ウォルデンの途中退場したNFC決勝CHI戦では、後半まるまる代役出場して3タックルを決めている。インサイドとアウトサイドの両方がこなせる器用な選手で、パスラッシュよりもラン守備に優れる。
'09年ドラフト外で49ersに入団し、昨年はブロンコスでロースター入りを果たしたが10月下旬に解雇。ケガ人続出のパッカーズがウェイバーで獲得した。レギュラーシーズン4試合とプレーオフ全試合に出場し、スペシャルチームでチーム6位の12タックルを挙げている。
モックドラフト集の今年第2回。前回から更新されていないモックには*印をつけた。前回よりもさらにディフェンス指名予想が圧倒的になってきている。UCLAのOLBアキーム・エイヤーズは2巡上位指名予想が多かったが、先日のプロデイでの評判がよかったらしく、パッカーズを含めて1巡下位指名予想が増えてきた。