グリーンベイ・パッカーズ ニュース
2011年2月11日
マイク・マッカーシーHCがシーズンまとめの記者会見を行った。スーパーボウル勝利で終わっただけに反省点に関するコメントが少ない代わり、下記の2番目から5番目までのリーダーシップに関するコメントがきわめて興味深い。マッカーシーHC自身がヘッドコーチとして成長してきた、と地元メディアが評している部分がこのあたりに具体的に表れているのではないか。
- 「球団にとって素晴らしい時だ。月曜にここで迎えられ、そして昨日のイベントでも大変な数のファンと触れ合うことができ、チームにとって最高の経験ができた。(選手・コーチの)評価プロセスはまだ始まったばかりだ。私とテッド・トンプソンGMにとって、新しいシーズンはもう始まっている。テッドはスカウティング・コンバイン(今月23日から)の前のドラフト・ミーティング2日目に入っているし、もう我々は仕事を再開している。アシスタント・コーチたちは昨日からヴァケーションだ。私は今日・明日とコーディネーターたちとミーティングを行い、(コーチ陣の)評価作業を進めていく」
- 「ヘッドコーチとして最も重要なのは、常にチームの脈拍に指を当てておく(心情を把握しておく)ことであり、それに応じた対応が取れることだ。我々コーチ陣は今季それができたと思っている」
- 「ゲームの準備や練習についてはシーズンを通してあまり変えなかったが、シーズン終盤にはいくつか変えたことがあった。プレーオフで、キャプテンたちにゲーム直前のスピーチをさせたこともその1つ。確信があったわけではないが、私がふと思いついて決めたことだ。就任以来昨年までのチームのリーダーシップに私は満足できていなかったので、今回はリーダーシップを育てるためにまたとない機会だと思った。ゲーム前の最後のメッセージを他者に任せるのはヘッドコーチにとってリスキーな決断だったが、自分の勘に従い、良い結果を引き出すことができた」
- 「私は完璧じゃない。しかし、このヘッドコーチは嘘偽りのない真実を心から話す、と選手たちはよくわかってくれている。我々コーチングスタッフは非常に細部を重視している。そのコーチたちが言うのなら、十分な調査をして根拠のあることなのだろう、と選手たちは理解しているんだ。我々が準備不足でミーティングに臨んだことは一度もないし、先週他チームがやったからウチもやってみよう、などということはない。それを選手たちはリスペクトしてくれている。我々はチーム運営についての信念を貫き、それが終盤からの成功の最大のカギだったように思う。我々はシーズンを通して安定したチームだったと思う。勝敗(10-6)が示すほど弱くはなく、大勝したスコアが示すほど強くもない。非常に安定した戦いをすることができ、それがスーパーボウル・チャンピオンになれた理由だと私は考えている」
- 「誰にでもエゴはあるし、誰もリーダーシップを手放したくはない。大きなオフィスの大きな椅子に座るのは楽しいものだ。しかしチームにとってベストの選択をしなければ。何かが欠けていると感じたら、どうやってそれを育てるかだ。本に書かれていないから、誰も過去にやっていないからといって、尻込みすべきではない。チームにおけるリーダーシップの不足を私は感じていたので、それを伸ばす機会を求めていた。そこへアーロン・ロジャースとチャールズ・ウッドソンが乗り出してくれた。今度はそうした選手が増えていってくれたらと望んでいる。大事なところはそこだ。けっきょくのところ、フィールドでプレーするのは選手たちであって、我々コーチじゃない。我々は賢い選手がほしい。賢い選手をコーチしたい。私は世間から頭がいいと思われる必要などない。もっとも賢い選手たち、もっともタフな選手たち、もっとも規律ある選手たちであってほしいし、それは彼ら自身から引き出すしかない」
- 「スーパーボウルの準備プロセスについて、詳しい検証も始めたところだ。なにがうまく行き、どこに改善の余地があったか。練習開始の時期を遅らせて、事務的なことを先に済ませたことはぴったり当たったと思っている。90%のゲームプランのインストールを現地入り前に済ませ、残りをテキサスで行ったこともね。ハイランド・パーク高校のインドア施設は本当に立派だった。現地での1週間の進め方はとてもよかったと思っている」
- 来年はもっとタレント豊富なチームになるのでは? 「タレント。力強い言葉であり、フットボールチームの大事な要素だ。しかしもっとも重要なのは、来季我々が最高のフットボールチームになることだ。もっともタレント豊富なチームがスーパーボウルを勝たないことが時々起こる。今季我々はたくさんのタレントをケガで欠きながら、NFL最高のフットボールチームとなった。これは我々にとって素晴らしい教訓だ。昨年キャンプを終えたとき、これは紙上ではタレント豊富なチームだと私は感じていた。(優勝候補と称賛されても)第2週や第3週に優勝が決まるわけじゃなく、シーズン最後まで戦って初めてわかるものだ」
- 自らの成功に対処するのが最大のチャレンジ、というのが口癖ですが。 「それは今ここから始まっている。球団のトップから、そしてフロントから始まる。全員がチームの勝利のために最善の決断を下すことだ」
- 「(優勝したことで)自分の日常生活に変化は起きてほしくない。尊敬され、とても居心地よく暮らしているから。自分より家族のことの方が心配は大きいが、グリーンベイではその心配はないと思っている。私は毎日スターバックスに行くし。そうそう、今朝は"congratulations"と書かれたカップだったよ。しかしそれ以外は、いまのところ変化はない」
- ロックアウトとなってミニキャンプやOTAが行えない場合の各自トレーニングについて。 「世間が思うほど我々にとって不慣れな状況ではない。オフシーズンにはここを離れてトレーニングを行う選手も多いし、その場合は彼らの使うトレーニング施設と密接に連絡を取り合っているからね。だから、『球団でトレーニングできなくなったらどうなるんだ』 と世間が思うほどには私は心配していない。他球団の選手もふくめ、集まって練習するグループもあるし、選手たちの体作りは大丈夫だろう。我々は労使協定で許される範囲で彼らと連絡を取り合っていく。不確定なことがあまりにも多いのはたしかだが、できる範囲のことをやっていくしかない」
- オバマ大統領からの祝福の電話について。 「その出だしが、『これはベアーズファンにとってつらい電話だが』 だったよ(笑)。 フットボールにとても詳しく、ゲームもちゃんとご覧になったようだった」
- 「ホワイトハウス訪問の時期についても、労使問題が影響を与えそうだ。伝統的に優勝チームは春に訪問をするもので、(選手が集合する)ミニキャンプやOTAの機会に行うことが多い。いまのところ(ロックアウトで活動停止の可能性があるため)日取りを決めることはできない」
- スーパーボウル・リングのデザインについて。「私がリングのデザインなどとんでもない。それはここで認めておく。昨日は選手たちからたくさんのアドバイスがあった。決定したときには、さぞダイナミックなデザインになっているであろうことは確信しているよ」
- オーナー側に配慮して18試合制に中立の態度を取るヘッドコーチが多いが、彼は否定的(選手寄り)なコメント。「私としては16試合をかろうじて終えることができたのだから。言いたいことはわかってもらえると思うが」