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Notebook: 大統領にプレゼント
グリーンベイ・パッカーズ ニュース
2011年1月27日
- スティーラーズの新人プロボウラー、Cマーキス・パウンシーは出場が難しそう。AFC決勝冒頭のTDドライブで足首を痛めて退場、ゲーム直後には「出場する」と本人が語っていたが、この日LGクリス・キモアトゥは「彼が出られないのは残念」とコメント。足首でもっとも厄介な"High Ankle Sprain"であり、1か月半ほどかかるのが普通だ。
- カウボーイズ・スタジアムは開閉式ドームだが、スーパーボウル当日は屋根を閉じることが正式発表された。テキサス州アーリントンは2月の平均最高気温16℃・平均最低気温4℃と温暖だが、寒冷前線がやってくるとかなり冷え込むこともある。主催側がそうした場合の準備をせずに済むように、との措置。(3年前の@アリゾナでも屋根は閉じた)
- チーム写真の撮影が来週火曜に行われる予定となっていたが、インジャリーリザーブ入り選手たちの合流は来週木曜。せっかくの記念写真に加われないと知ったILBバーネットやTEフィンリーがTwitterで不満を漏らした。
- 全米の注目が2球団に集まっている時期のため、あっという間にメディアが大騒ぎに。
- 冷淡な扱いだという批判に対し、当初パッカーズ側は「IR入り選手が16人もいて、合計の人数が多すぎるため」と説明していたが、けっきょくIR選手も含めて来週金曜に撮影を行うことを発表。(マーフィ社長の鶴の一声があったかもしれない)
- 変更を喜ぶILBニック・バーネット。「僕にとって重要であるだけじゃなく、他の15人が言い出せなかったからだ。リーダーなら、時には言いにくいこともはっきり言わなければならない。今日は仲間の2人が電話で礼を言ってくれた。自分のしたことが報われた気持ちだ。こうなって本当に嬉しい。この写真に加わることは大きな意味がある。僕らはスーパーボウルのために頑張ってきたのだから。なんとかチャンピオンになって、偉大なランボーフィールドにその写真が永遠に飾られることになれば、と願っている」
- バラク・オバマ大統領との楽しいやり取りは以下のとおり。
- シカゴを地盤とする大統領は当然ベアーズを支持し、「もしベアーズが勝てばスーパーボウルに行く」と先週水曜にコメント。これまで現職大統領がスーパーボウルを観戦したことはないため、本気なのかと話題になった。
- CBチャールズ・ウッドソンはNFC決勝直後のロッカールームでのスピーチで、「大統領がスーパーボウルに来たくないなら、こっちから会いに行くぜ! 1、2、3、ホワイトハウス!」とかけ声をかけてチームメイトを大いに喜ばせた。
- 火曜に一般教書演説を終えた大統領は、翌日のフォローアップとしてウィスコンシン州のクリーン・エネルギー企業をいくつか訪問。空港ではウィスコンシン州のスコット・ウォーカー新知事とジェームズ・シュミット・グリーンベイ市長(どちらも共和)に出迎えられ、CBウッドソンのサイン入りジャージを受け取った(写真)。"ホワイトハウスでお会いしましょう。Go Packers!"とも書かれている。(写真の左端が市長、中央が知事)
- 賭けに負けたためにウィスコンシンを訪れたわけではない、と大統領。「滞在1時間ほどで3つもジャージをもらったよ。みなさんこの話題で押してくる(笑)。ベアーズファンにとってこの日曜はつらい1日だった。しかし、私の望みどおりにならなかったとしても、スポーツ界最大のライバリーの1つが健在であることを見られて嬉しい。来年はこちらがもらうよ、と言っておこう。スポーツマンシップ精神に基づき、スーパーボウルでのパッカーズの幸運を祈っている」
- 水曜の会見でCBウッドソンはオバマ大統領について、「今朝早くあのジャージにサインしたんだよ。せっかくウィスコンシンに来てくれる彼へのプレゼントとして。適切なもてなしをしなきゃいけないからね。僕は彼に投票したし、有権者であり、納税者だ。彼がグリーンベイを応援したっていいだろう?と思ったわけ」
- 殿堂入りQBの後継者として成功するのがいかに難しいか、ESPNが表にまとめている。テリー・ブラッドショーからトロイ・エイクマンまでの9人の殿堂入りQBのうち、成功したのはモンタナ→ヤング(49ers)の1回だけ。ファーヴ→ロジャースはそれ以来の成功例となっている。
- パッカーズディフェンスはドム・ケイパースDCをはじめとしてスティーラーズ卒業生が多く、本家スティーラーズに挑戦する図式でもある。
- ドム・ケイパースはビル・カウアー政権初年度の1992年から3年間スティーラーズのDCをつとめ、その働きが認められてパンサーズの初代HCとなった。その後任がディック・ルボウHC。年齢ではケイパースが13歳も下だが、ルボウはライオンズの名CB(INT62回・プロボウル3回)として14年間活躍したため、コーチの道に入ったのはケイパースが1年早い。
- スティーラーズのディック・ルボウDCは今季限りで契約が切れるため、退団してカーディナルスに移るとの憶測が一部にあったが、「コーチを続けるならそれはピッツバーグ・スティーラーズだ」と本人がはっきり否定。
- OLBクレイ・マシューズは以前からの希望が叶い、ユニリーバ社Suaveブランドのヘアケア製品について、コマーシャル契約を結んだ。スティーラーズではSSトロイ・ポラマル(USCの先輩でもある)が Head & ShouldersブランドのシャンプーのTVコマーシャルでおなじみ。(例1・例2)
- 今季の数字はわからないが、2009年開幕時点では、パッカーズ(10人)がNFL32球団で最も長髪選手の多い球団だった。
- Wall Street Journal紙によると、パッカーズは史上最強の6敗チームとのこと。スーパーボウル出場だからではなく、6敗のすべてが4点差以内だったチームはNFL史上初だからだ。うち延長戦でのFG決着が2回(@WAS、MIA)、終了10秒以内のFG決着が2回(@CHI、@ATL)、ロジャース退場・欠場時の4点差負けが2回(@DET、@NE)。
- 過去には、1987年のレッドスキンズ(スーパーボウル制覇)がシーズン4敗すべて4点差以内だった。5敗すべて4点差以内、というチームはこれまでなく、パッカーズは大幅に記録を更新したことになる。
- 地元紙のベアーズ戦レビューから。
- ベアーズのロッド・マリネリDCはなぜかラン警戒でセーフティを1人ボックスに置いた。QBロジャースのレーティングは55.4でも、内容は決して悪くない。上手いプレーフェイクでセーフティをクギづけにし、CBジェニングスがアウトサイド寄りを守るのを見て、インサイド・ブレーキング・ルートのWRたちに6回もパスを通した。WRがルートをアジャストするのをQBが信頼できるのは、何年も一緒にやってきたおかげ。
- WRジェニングスがこれだけよいプレーをしていれば、QBが常に彼を見るのは無理もない。(落球の原因になることのあった)ボディ・キャッチングの癖がおさまり、自分の手を信頼できている。彼にとって今季最高のパフォーマンスの1つ。
- WRジョーンズは第17週CHI戦(1回8yds)で苦しんで以来、プレーオフ3試合での総出場スナップ数が80回、WRネルソンは116回。今回WRジョーンズの出場26スナップのうち、スロット(主役となることが多い)に入ることは一度もなかった。WRネルソンは出場40スナップのうちインサイドが10回。WRジョーンズがサイドライン際のディープスレットとして危険な存在なのは変わらないが、QBロジャースは3rdダウンでのWRネルソンへの信頼が増している。
- RTブラガは、DEイスラエル・イドニジェにプレッシャーをわずか1回しか許さず完勝。反則4回を犯した第17週CHI戦から見事に立ち直った。
- DEペッパーズはLTクリフトンのサイドからのラッシュが17回、RTブラガのサイドが6回。こちらがダブルチームで対抗したのは37%。途中代役出場のLTラングは苦しんだが、LTクリフトンは2プレーを除いてしっかり抑え込んだ。
- 先発RBスタークス(42スナップ)はフィジカルなプレーで3ydsロスを1ydゲインにするプレーも。ただ、ランフェイク後のDL相手のブロックはもっと良い仕事をしなければ。ブリッツのピックアップでも前に突っ込み過ぎ、あれでは3rdダウンで使ってもらえないのも無理はない。
- RBジャクソン(12スナップ・後半3スナップ)はチェックダウン・レシーバーとして基本に忠実。LBアーラカーを一瞬で置き去りにした16ydsレセプションの他にも、DTマット・トーイーナをチップしてRGシットンを助け、サックから救った好ブロックがあった。FBクーン(26スナップ)は3rdダウンロングでの出番をRBジャクソンから奪ったか。FBクイン・ジョンソン(23スナップ)はLBブリッグス相手など何度かブロックミスがあり、ランプレー失敗につながった。止まったターゲットをぶっ飛ばすことは得意だが、動く相手にアジャストするのがうまくない。
- DL陣の出場スナップ数は、NTラジ(61)、DEジェンキンズ(39)、DEピケット(29)、NT/DEグリーン(16)と、NTラジが突出。
- NTラジはLGクリス・ウィリアムズをカモにし、プレッシャー3.5回のうち3回がLGウィリアムズ相手だった。RGロベルト・ガーザ相手では引き分け止まり。
- DEジェンキンズはプレッシャー4.5回など圧倒的といってよく、ケガからの復帰後のベストゲームだった。もし次のゲームで同じような結果を出せば、(今季で契約が切れるので)ビッグマネーに直結するはず。Journal Sentinel紙は彼をPlayer of the Weekに選んでいる。
- OLBマシューズは過去6試合の40%でダブルチームされてきたが、今回は27%、第17週CHI戦も31%止まり。RTジャマーカス・ウェブ相手にプレッシャー1回と抑え込まれてしまった。
- ILBホークは最もブリッツ機会が多かったが、9回のうちプレッシャー成功は1回のみ。ILBビショップはRBフォーテやTEオルセン相手のカバレッジで好プレーがあり、ブリッツも効果的だった。第3Q途中からOLBウォルデンの代役に入ったOLBフランソワはまずまず。
- ATL戦のCBウィリアムズに続き、今回のヒーローはCBシールズ。第2Q末のインターセプトではスピードスターのWRジョニー・ノックスに完璧についてゆき、ポジショニング、タイミング、手の使い方など素晴らしいの一言。試合最後のインターセプトは、ヘルプの位置を把握し、相手WRのルートをアンダーカットするタイミング判断が見事だった。今季CBシールズにブリッツさせたのは1回だけだったが、今回ケイパースDCは彼を5回もラッシュさせ、サック(わずか2.7秒)、ハリー1.5回と結果を出した。驚くべきスピードと加速だったが、未熟な点もやはりある。コーナールートでWRノックスに24ydsパスを許したり、RBフォーテへの24ydsパスの際もタックリングが悪かった。
- FSコリンズは非常に悪いプレーが2つ。第4Qはじめ、WRノックスへの32ydsパスの際はインサイドに寄り過ぎ、CBトラモン・ウィリアムズが抜かれたあとに追いつくのが遅れた。次のWRベネットへの35ydsTDパスの場面では、インターセプトを狙いに行ってタックルミス。このときはCBウッドソンも彼らしくなくプレーを途中で止めている。
- Pマステイはオージー・スタイルのドロップ・パントを3回うまく蹴ってKRヘスターを封じ込めた。インサイド20が9回のうち5回、あと数インチで6回になるところだった。CBブッシュはスペシャルチームのカバー・エースとして存在感を増している。