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Notebook: 人工照明で芝の育成
グリーンベイ・パッカーズ ニュース
2010年10月20日
- 今季のトレード期限は火曜午後3時(グリーンベイ時間)だったが、何ごともなく過ぎた。期限最終日のトレードはNFLじゅうで1件だけ。
- これまでの期間は、NFL経験4年未満の選手が解雇された場合のみウェイバーにかけられ、NFL4年以上のベテランは即無制限FAだった。しかし今後は解雇された全選手がウェイバーの対象。つまり成績の悪いチームが入札に勝てる。ただしウェイバーで獲得した場合は旧契約を引き継がなければならないため、高額選手についてはウェイバー期間(まる1日)が終わって無制限FAとなるのを待って交渉する手もある。
- オフェンス不調についてマイク・マッカーシーHC。「タイミングが十分合っていない。それが全てなのに。プロテクション、クォーターバックのフットワーク、レシーバーのルート・ランニングといったことだ。そうしたタイミングがしっかり合っていればプレーはとても容易に見える。そうでないときは、先日のようになってしまう」
- 相手パントの際のイリーガルフォーメーション反則について、マッカーシーHCは依然として判定ミスを主張。判定について試合後もしつこく文句を言うと罰金処分を喰らうが、今回はそんなことは気にしていないように見える。
- 公式サイトのデプスチャートがアップデート。新加入のSアンソニー・スミスが2番手SSに入った他、TEアンドリュー・クウォレスが3番手から2番手に上がっている。
- ランボーフィールドでは、人工照明を使って芝の生育を助けるStadium Grow Lighting(SGL)というシステムの試験運用を始めた。秋が深まるにつれ太陽が低くなり、スタンドに遮られて直射日光が当たらなくなるためだ。詳しくは不明だが、フィールドの30%ほどを覆う照明が少しずつ動いていくらしい。このSGLシステムによって、芝の生育シーズンが1か月か2か月伸びることをスタジアム関係者は期待している。
- 人工照明といえばマリファナ栽培でもおなじみ。それはともかく、今回のシステムは2004年ヨーロッパのサッカースタジアムで使用が始まり、今年の南アフリカ・ワールドカップでも使われた。フィールド・マネージャーのアレン・ジョンソンによると、先週(一定の長さに)芝を刈ったところ、人工照明を使った部分は他の部分とくらべ、刈り取った長さが2倍ほどだった、とのこと。こうした良好な結果が今後も続けば、本採用となりそうだ。
- 各地元メディアによるドルフィンズ戦レビューから。
- (脳震盪の影響かどうかわらかないが)QBロジャースはポケットでの落着きに欠け、いつもなら簡単に通せるパスが通せなかった。ランを多用してQBを助けるべきゲームがあるとすれば、こういう時ではないか。
- 今季最初の3試合ではQBロジャースに責任のある被サックはゼロだったのに、この3試合で5.5回。判断の遅れや、逆に早逃げが裏目に出てサックを献上している。
- TEフィンリーの抜けた穴はいかんともしがたい。今回はゼロTE隊形を21回も使わった。開幕から5試合はそれぞれ6回、2回、0回、1回、3回だった。
- 先週はマックス・プロテクション(7人以上のプロテクション)が6回だったが、今回は13回もあった。
- パッカーズにとっては定番中の定番であるスラントのパスだが、最近はなぜか激減。今回も15ydsぐらいのカムバック系のパスが主体で、スラントは1回か2回しか投げなかった。(しかも失敗)
- 若手有力CBの1人であるヴォンテ・デイヴィスに対し、WRグレッグ・ジェニングスは完勝を収めた。6回133ydsはすべてCBデイヴィス相手に挙げたもの。
- RBブランドン・ジャクソンはこのところ、穴に飛び込む前の迷いがなくなって良くなってきた。
- 今季RBグラントが戦線離脱して以後、ジャクソン/クーンによる1stダウンでのランプレーは1回平均5.6ydsと意外なほどよく出ていて、昨季RBグラントの4.6ydsを上回っている。先週ジャクソンの71ydsランがあったので、両年の最長ランを差し引いて計算しても、4.4yds対4.3ydsで今年の方がいい。
- RBの前にFBを2人置く逆ウィッシュボーン隊形は2回あったが、どちらもランプレーではなく、サイドライン際のWRジェニングスへのパス。うまく成功している。
- 相手はOLBマシューズをダブルチームする必要がなかったため、そのしわよせはDEジェンキンズに。これまでは1on1勝負を謳歌してきたDEジェンキンズだが、今回はダブルチームされて苦戦した。そのうえケガ人のため70スナップも出場せざるをえず、消耗が目立った。これはB.J.ラジ(全81スナップ中78スナップ)も同様。
- OLBポピンガが前半最後に負傷退場するまで、OLBブラッド・ジョーンズはベースディフェンスしかプレーせず、ニッケル隊形ではOLBポピンガとOLBゾンボがプレー。OLBジョーンズのパスラッシュ不振のためと思われる。OLBポピンガ退場後はOLBジョーンズとOLBゾンボが出ずっぱりで、OLBフランソワは1シリーズだけ出場。
- ドルフィンズがマックス・プロテクションを多用してくるとわかってから、ケイパースDCはほとんどブリッツ(5人以上ラッシュ)を入れなかった。毎試合20回前後ブリッツを入れているが、今回は10回だけ。6人のラッシュはわずか1回だった。
- ディフェンス隊形はベースディフェンスが32回、ニッケルが44回、サイコ(1DL-5LB-4DB)が2回、"Hippo"(4DL-4DB-3DBのショートヤーデージ用)が3回。"Hippo"のときにT/G T.J.ラングが投入された。
- FBクイン・ジョンソンが相手パントに手が届いたのはCB/Sジャレット・ブッシュのフェイントが効いたおかげ。アウトサイドでジャマー(相手ガンナーを邪魔する役)だったCBブッシュがパンターへラッシュする構えを一瞬見せたため、相手ブロッカーがプロテクションを少し外にシフト。そのためFBジョンソンがスウィム・ムーヴでインサイドを突破する隙ができた。
- リターナーとしては不振のCBパット・リーだが、それ以外のスペシャルチームではかつてない頑張りだったかもしれない。パントカバレッジとキックオフカバレッジで好タックルが2回。パントリターンチームでも好ブロックがあった。
- シーズン中に補強したRBディミトリ・ナンス、LBモーリス・シンプキンズ、LBロバート・フランソワといった選手たちはスペシャルチームでパッとしない。これでOLBポピンガが抜けるとさらにキツくなりそうだ。