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Packers 27 - 20 Eagles
グリーンベイ・パッカーズ ニュース
2010年9月13日
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1Q |
2Q |
3Q |
4Q |
Total |
Packers (1-0) |
0 |
13 |
14 |
0 |
27 |
Eagles (0-1) |
3 |
0 |
7 |
10 |
20 |
気温は20℃、第2Q末から小雨が降っている。5年ぶりのアウェー開幕戦は、両軍ともケガ人続出の消耗戦となった。パッカーズはイーグルスの強力DL相手に3被サックとパスプロテクションに苦しみ、中盤にオフェンスを立て直して17点リード。後半QBコブに代わってQBヴィックがフル出場すると、全盛期を思わせる自在な走りっぷりを止められず、最後まで苦められた。心配されたスペシャルチームは全体として見事な働きで、勝利に大きく貢献。
試合は序盤からイーグルスのディフェンシブラインに圧倒され、前半だけで3サックと波に乗れないうちに先制を許す。中盤からリズムを取り戻して得点を重ね、イーグルスの初先発QBコブが不振の間に、56ydsFG(球団記録)などで一気に17点リード。しかし後半に入ってQBマイケル・ヴィックがフル出場してくると、得意のスクランブルに翻弄され、あっという間に7点差とされて終盤へ。最後は残り2分で自陣に入られるが、4thダウン1を止めて試合終了。
パッカーズのケガ人は、DEカレン・ジェンキンズ(手の骨折/ギブスをして復帰)、DEジャスティン・ハレル(ヒザ/前十字靭帯断裂の模様)、RBライアン・グラント(足首捻挫/復帰せず)。RBはジャクソンとFBクーンが頑張ったが、DLは4人しかアクティブ登録していなかったためローテーションに苦心した。
第1Q
- GB陣22から、オフサイドもあったがパス3回失敗でパント。
- イリーガルフォーメーション、WRマクリンへの5ydsパスなどで3rdダウン10、OLBマシューズがサックを決めて3&アウト。
- オフサイド、WRドライバーへの7ydsパスで初1stダウン。RBグラントのラン2回で3rdダウン5、WRジョーンズへの7ydsパスでPHI陣へ。サック(フェイスマスク見落とし)を喰らって3rdダウン15、TEフィンリーへのパスがインターセプトされてPHI陣47までリターン。
- WRマクリンのエンドラウンド11ydsで初1stダウン。QBヴィックの6ydsラン、RBマッコイの6ydsランでFG圏内へ。PHIインターフェアなどで3rdダウン21、QBヴィックが13yds走って再びFG圏内へ。45ydsFGが決まって先制。
- GB陣26から。PHIパスインターフェア10yds、WRジェニングスへの15yds、TEフィンリーへの14ydsパスでPHI陣へ。TEフィンリーへの6ydsパス、RBグラントの2ydsラン、5ydsQBスクランブルでFG圏内へ。2回目のサックを喰らって第2Qへ。
第2Q
- サックで7ydsロスして3rdダウン22、RBジャクソンのドローは5yds止まり。49ydsFGが決まって同点。(DEハレル負傷退場)
- PHI陣28から。RBマッコイの3ydsラン、WRマクリンへの6ydsパス、QBヴィックの1ydsランで1stダウン。FBウィーヴァー負傷退場、サック(NTラジ)で3rdダウン19、CBウッドソンのインターセプトはチャレンジで覆ってパント。
- GB陣23から。TEフィンリーへの8ydsパスなどで3rdダウン2、RBジャクソンへのパスはノーゲインどまり。
- PHI陣22から。PHIホールディングなどで3rdダウン14、QBスクランブルを1ydsで止めて3&アウト。
- RBグラントが13yds、8yds、18yds走って負傷退場。GBトリッピング(LGカレッジ)、WRジェニングスへの9ydsパスで3rdダウン9、WRジェニングスに16ydsパス成功。RBジャクソンへの13ydsパスでゴール前7ydsに迫って2ミニッツ。RBジャクソンの1ydsランのあと、WRドライバーに6ydsTDパス成功。
- 残り、1分42秒、PHI陣26から。3rdダウン3でパスが通らずパント。
- 残り41秒、GB陣23から。WRジェニングスへの11ydsパス、オフサイド、WRドライバーへの6ydsパスで1stダウン。7ydsスクランブル、WRジョーンズへの3ydsパス、WRネルソンへの7ydsパスでPHI陣38に進んで最後のスパイク。56ydsFGが真ん中に決まってハーフタイムへ。
第3Q
- QBコブ(脳震盪)が退いてQBヴィックがプレー。23ydsスクランブル、RBマッコイの6ydsラン、RBバックリーへの5ydsパスが通ったところで、CBウッドソンがファンブルフォースしCBウィリアムズがリカバー。
- GB陣38から。RBジャクソンの7ydsラン、ロングパス失敗、WRドライバーへの7ydsパスで1stダウン。TEフィンリーへの20ydsパスでFG圏内へ。FBクーンの12ydsラン、RBジャクソンの11ydsランでゴール前3ydsへ。最後はFBクーンの3ydsTDラン成功。
- キックオフがアウトオブバウンズでPHI陣40から。3rdダウン5から、WRデショーン・ジャクソンに初めてパスが通って1stダウン。3rdダウン3からWRジャクソンへの4ydsパスでFG圏内へ。QBスクランブル31ydsで一気にゴール前に迫り、PHIホールディングのあと、RBマッコイの12ydsTDラン成功。
- WRネルソンの51ydsリターンでGB陣49から。RBジャクソンの2ydsラン、18ydsランでFG圏内に入り、WRジェニングスへ32ydsパス成功。
- PHI陣32から。3rdダウン5からパスの投げそこないでパント。
- PHIのフェアキャッチ反則でGB陣38から。RBジャクソンの3ydsランで最終Qへ。
第4Q
- RBジャクソンの2ydsランで3rdダウン5、パスが通らずパント。
- PHI陣21から。WRマクリンへの10ydsパス、RBマッコイへの8ydsスクリーンパス、GBホールディングで1stダウン。TEセレックへの28ydsパス、WRアヴァントへの9ydsパスなどでゴール前9ydsへ。サック(OLBゾンボ)で3rdダウン、WRマクリンに17ydsTDパスが通って再び10点差に。
- またもWRネルソンの好リターンでGB陣40へ。ランがロスして3rdダウン13、パスが高く逸れてインターセプト。50ydsラインまでリターン。
- WRジャクソンへの12ydsパスでGB陣に入り、3rdダウン9はRBマッコイへのスクリーン27ydsでゴール前10ydsへ。3rdダウン5でTDパスは通らず、23ydsFG成功で7点差に。
- GB陣37から。RBジャクソンの4ydsラン、6ydsランで1stダウン。3ydsラン、ノーゲインで3rdダウン7、パスは通らずパント。
- 残り4分13秒(タイムアウトゼロ)、PHI陣24から。QBスクランブル9yds、16ydsでフィールド中央へ。サック(OLBマシューズ)で3rdダウン13、WRアヴァントへの12ydsパスが通り、4thダウン1となって2ミニッツ。QBヴィックの中央へのランが止まってギャンブル失敗。
- ニーダウン3回で試合終了。
- 先発QBアーロン・ロジャースは19/31、188yds、2TD、2INTでレーティング73.1。
- 序盤はパスプロ不振でリズムを崩し、中盤はなんとか立て直したものの、終盤は雨でボールが滑るせいかコントロールミスが目立った。前半に3サックを喰らい、後半はパスプロ人数を増やしたおかげで被サックはゼロ。そのぶんレシーバーがフリーになれなかった。
- 前半は16/22、129yds、1TD、1INT。後半はわずか3/9、59yds、1TD、1INT。WRジェニングスに芸術的な32ydsパスが通ったほかはいいところなし。
- 第1QのインターセプトはしっかりカバーされていたTEフィンリーに通そうとしてコントロールミス。第4QのインターセプトはWRドライバーに20ydsほどのパスを投げようとして、指を滑らせて大オーバースロー。投げた瞬間に顔をしかめている。
- 被サックは3つとも、ボールの持ち過ぎという感じではない。
- チームラッシングは33回132yds(平均4.0)、1TD。 全体としてはOLが押せていないものの、RBグラント退場後の第3Q最初のTDシリーズでは代役陣がよく頑張った。
- 先発RBライアン・グラントは8回45yds(平均5.6)。第2Qにランブロッキングがよくなったところでの負傷退場が残念。
- RBブランドン・ジャクソンは18回63yds(平均3.5)。レシービングは2回12yds。
- FBジョン・クーンは2回15yds、1TD。12ydsの1stダウンと3ydsのTDラン(ビデオ)なので質が高い。
- WR/TE陣は以下のとおり。
- WRグレッグ・ジェニングスは5回82yds、1TD(ビデオ)。オーバースローのパスを見事にワンハンドキャッチしたスーパープレーもあった。(ビデオ)
- WRドナルド・ドライバーは5回30yds、1TD。エンドゾーンで低く鋭い7ydsパスを見事にキャッチ。(ビデオ)
- WRジェームズ・ジョーンズは2回10yds。
- WRジョーディ・ネルソンは1回7yds。
- TEジャーマイケル・フィンリーは4回47yds。後半はパスキャッチ1回に抑え込まれた。
- 先発OL陣はLTクリフトン、LGカレッジ、Cウェルズ、RGシットン、RTタウシャー。
- 被サックは3回。強力DL陣相手にLTクリフトンとRTタウシャーが大苦戦していた。
- トータルオフェンスはパッカーズ299ydsに対してイーグルスが321ydsと互角。
- タイムオブポゼッションはパッカーズが31分55秒。
- 3rdダウン成功率はパッカーズが6/14の43%。イーグルスは5/13の38%。
- オフェンスの犯したターンオーバーはインターセプト2回。前述のとおり。
- ディフェンスの奪ったターンオーバーはファンブルリカバー1回。
- 後半最初のシリーズ、3プレーでGB陣に攻め込まれたところで、CBウッドソンがファンブルフォース、CBウィリアムズがリカバー。RBバックリーの倒れる寸前にボールを叩きだしたCBウッドソンの見事な瞬間技だった。
- 直後のオフェンスでTDを挙げて17点差とし、結果的にこの差し引きが非常に大きかった。
- CBウッドソンは前半にもCBウィリアムズの弾いたパスをインターセプトしたが、チャレンジの結果、ボールが地面に着いたとの判定で取り消し。
- パス守備はQB2人を21/34、199yds、1TD、0INTのレーティング87.7。
- QBケヴィン・コブは前半だけ出場して5/10、24yds。前半最後は地元の観客からブーイングが起きていた。スクランブルした際にアゴから落ちて脳震盪を起こし、後半はプレーせず。こちらとしては、出場してくれた方がありがたかった。
- QBマイケル・ヴィックは16/24、175yds、1TDのレーティング101.9。前半の出番はデザインされたランプレーが主体(4回20yds)だったが、後半はスクランブルで自在に走り回り(7回81yds)、終わってみればラッシング11回103yds。服役前の全盛期をほうふつとさせる走りっぷりで、これはQB論争が起きそうだ。
- パッカーズ守備のサックは5回28yds。OLBマシューズが2回(コブとヴィック)。NTラジ(コブ)、OLBゾンボ(ヴィック)、DEジェンキンズ(コブ)。NTラジとOLBゾンボはめでたいNFL初サックとなった。
- ラン守備は21回150yds(平均7.1)。エースRBマッコイは7回35yds。QBヴィックにロングゲインを連発されたためにひどい数字に。散々走られたラン守備だったが、最後の4thダウン1だけはよく止めた(ビデオ)。このプレーでもOLBマシューズのプレーが非常によかった。
- 反則はわずか2回15yds。敵地だけになおさら素晴らしい。逆にイーグルスは10回80yds。
- スペシャルチームは下記のように素晴らしい働きで、勝因の1つとなった。相手に良いフィールドポジションを与えたのは、QBロジャースのINT2回だけといっていい。
- キックオフリターンはWRジョーディ・ネルソンが最長51yds(ビデオ)を含む5回平均31.2ydsと申し分ない出来。後半に好リターンを連発してフィールドポジションに大いに貢献した。
- パントリターンはCBトラモン・ウィリアムズが1回10yds、フェアキャッチ4回。相手パントもよかった。
- Pティム・マステイのパントは4回平均41.5yds、ネット平均38.0ydsと安定した内容。最後の1本を除いてハングタイムが十分にあり、有力リターナーのWRデショーン・ジャクソンを最長10ydsに抑え込むことに成功した。
- Kメイソン・クロスビーは、49yds、56yds(ビデオ)を成功させて2/2。どちらもほぼ真ん中。球団記録の56ydsは飛距離十分で、60ydsでも成功していたはず。
- 心配されたカバレッジチームは、WRデショーン・ジャクソンのパントリターンを2回平均7.0yds、CBエリス・ホッブスのキックオフリターンを4回平均23.3yds(最長33yds)に抑え、文句なしの働きだった。
- ケガ人は以下のとおり。
- DEカレン・ジェンキンズが第1Qに左手を骨折。X線検査のあとギブスを着けて復帰。
- DEジャスティン・ハレルが左ヒザを負傷して退場。前十字靭帯(ACL)断裂だと思う、と本人が話している。
- RBライアン・グラントが第2Q半ばに足首を捻挫して退場。最後まで復帰できなかった。
- FSニック・コリンズがろっ骨を負傷。第4QにエンドゾーンでTDパスを叩き落としたナイスプレーの瞬間、ILBバーネットと激突したらしい。
- アクティブ登録から外れたのは、FBジョンソン、TEクウォレス、T/Gラング、T/Gニューハウス、G/Cマクドナルド、DEニール、DEウィルソン、CBアンダーウッド(肩)。
- WRドナルド・ドライバーは通算50TDパスレセプションを達成。故マックス・マギーと並ぶ球団史上4位タイに。
- 第2Q末の56ydsFG成功はKメイソン・クロスビーの自己最高かつ球団記録。これまでの記録は、Kクリス・ジャッキー、Kライアン・ロングウェル、Kデイヴ・レイナーの3人が記録した54ydsだった。
- 欠場のCBブランドン・アンダーウッドは背番号を33番から28番に変更した模様。(先日までRBクレッグ・ランプキンが着けていた)
- パッカーズはシーズンを通してのキャプテンは定めないのが伝統。今日のゲームキャプテンは、QBアーロン・ロジャース、CBチャールズ・ウッドソン、Kメイソン・クロスビー。
- パッカーズにとって@フィラデルフィアではじつに48年ぶりの勝利。1962年11月11日に49-0で圧勝したのを最後に、当地では9連敗を重ねていた。
- ヴィンス・ロンバルディHC唯一のプレーオフ敗戦が1960年12月26日、NFC決勝の@フィラデルフィアだった。今年で50周年となる。
- パッカーズはアウェーでの開幕戦が少なく(たぶんリーグから配慮されている)、1986年以後25年間でアウェー開幕は今回がわずか4回目。マッカーシーHC時代では初めて。
- 1960年代黄金期に名TEとして活躍したTEロン・クレイマーが前日に死去。75歳だった。アスレチック能力に恵まれた彼は名門ミシガン大での活躍でカレッジフットボールの殿堂入り(しかも同大で永久欠番)しただけでなく、バスケットボールでもキャプテンとして同大の通算得点記録を作る大活躍。Sports Illustrated誌が1999年に選んだ「ミシガン州の生んだスポーツ人」ランキングで7位に入っている。