グリーンベイ・パッカーズ ニュース
2010年9月 5日
まずは前回記事の解雇選手リストを参照のこと。今年のサプライズはTEスペンサー・ヘイヴナー(昨季4TD)が解雇されてドラフト外ルーキーのTEトム・クラブトリーが勝ち残ったこと。G/Cディートリック=スミスが解雇されてG/Cニック・マクドナルドが勝ち残ったこと。TE4人体制は予想されていたが、2年連続でFB3人にするとは驚き。FBジョン・クーンを半分RB扱いとしてRB2.5人制といったところか。
以下はまず各ポジションの勝ち残り組を挙げ、その後で細かい点を分析していく。
- QB(2) ロジャース、フリン
- QBブライアン・ブロームを解雇した昨年と比べて今年は無風。
- このところ良くなってきたQBグレアム・ハレルがプラクティス・スクワッドから横取りされる可能性を指摘する声もあるが、他球団がそこまで評価しているかどうか。
- RB(2) グラント、ジャクソン、(PUP/スタークス)
- 異例の2人体制だが、FBジョン・クーンがけっこう走れるので2.5人体制。昨季も試合当日には2人しかアクティブ登録しないゲームがかなりあった。今後補強の可能性は十分ある。
- プレシーズン終盤で頑張ったRBクレッグ・ランプキンだが、FBの方を優先されてしまった。まだプラクティス・スクワッド資格あり。
- FB(3) ホール、クーン、ジョンソン
- なんと2年連続でFB3人体制となった(1人の球団も少なくない)。3人残した理由は昨年と同じ。コーリー・ホールとジョン・クーンはスペシャルチームの中核選手であり、パワフルなランブロックのクイン・ジョンソンは将来性が捨てがたい。
- ジョン・クーンはゴール前や緊急時のボールキャリアーを兼ねる。レシービングではコーリー・ホールが優れる。
- 将来性を認められたとはいえ、ベテラン2人が残ったのはクイン・ジョンソンがレシービングやスペシャルチームで成長していない不満の表れでもある。
- WR(5) ジェニングス、ドライバー、ジェームズ・ジョーンズ、ネルソン、スウェイン
- TE(4) フィンリー、ドナルド・リー 、クウォレス、クラブトリー
- 異例のTE4人体制だが大方の予想どおりでもある。
- 昨季3番手TEとして4TDを挙げたスペンサー・ヘイヴナーの解雇が今年最大のサプライズだった。直前までトレードを模索したらしい。LBもこなせるヴァーサタイルな能力が自慢だが、どちらのポジションでもロースター枠ぎりぎりのレベルで、特に優秀だったわけではない。
- もう伸びシロのないドナルド・リーをトレードする手もあったが、フィンリーのケガが恐ろしい。
- TEトム・クラブトリーはキャンプでの内容が非常によく、なんとか残すべきとの声も大きかった。プラクティス・スクワッドに入れたくても、その前に他球団に獲られる恐れが大きかったのだろう。
- OL(10) LTクリフトン、LGカレッジ、Cウェルズ、RGシットン、RTタウシャー、T/Gブラガ、C/Gスピッツ、OTラング、T/Gニューハウス、G/Cマクドナルド
- 昨年ロースター入りした3人が解雇されている。
- 報道によると、他球団からのトレードのオファーを断ってC/Gジェイソン・スピッツを残留させた。彼を放出した場合のケガのリスクを考えれば無理もない。
- 昨年ドラフト外でロースター入りしたG/Cディートリック=スミスも解雇。2年目の成長が期待外れだったのだろう。ボーダーライン上と見られていたが、C/Gスピッツの実績と新人G/Cマクドナルドの将来性に敗れた。
- ドラフト外ルーキーのG/Cニック・マクドナルドがディートリック=スミスを逆転してロースター入り。プレシーズン後半に株価が急上昇していたとはいえ、やはりサプライズ。ディビジョンIIのグランド・ヴァレー州立大(ミシガン州)の出身。
- 昨季先発右タックルとして大失敗した4年目のT/Gアレン・バーバー(腰)はとりあえずインジャリーリザーブに入ったが "Injury Settlement" がまとまりしだい解雇となる見込み。アスレチック能力がフィールドで活かせないOLの典型だった。
- 3年間我慢して育ててきたRTブレノ・ジャコミニもついに解雇。練習では成長を見せるものの、実戦になるとパスプロのミスが多すぎた。まだプラクティス・スクワッド資格があるようなので、他球団が獲得しなければキープするのでは。
- 控えにスピッツ、ラング、ブラガの3人がいるのは申し分ない。OLのデプスにこれだけ安心できるのはいつ以来だろう。ニューハウスとマクドナルドは実質レッドシャツで体作り。
- DL(6) NTラジ、DE/NTピケット、DEジェンキンズ、DEニール、DEハレル、DEウィルソン
- NTアンソニー・トリビオは2年連続でプラクティス・スクワッドの見込み。実質3番手NTとなる。
- 昨年の6巡指名DEジャリアス・ウィンは今夏の成長が期待外れで、解雇は順当。
- がけっぷちのDEジャスティン・ハレルが辛くも生き残った。能力的には1巡バストが確定しているが、控えDEたちの中では力がある方。DEジョニー・ジョリーの出場停止処分にも助けられた。
- 7巡ルーキーのDE C.J.ウィルソンは目立った活躍ができていないが、なんとかロースターに残った。まだローテーション起用に加わるのは難しそうなので、今年は体作りの年か。
- LB(8) OLBマシューズ、OLBジョーンズ、ILBバーネット、ILBホーク、ILBチラー、ILBビショップ、OLBポピンガ、OLBゾンボ
- プレシーズンで活躍したドラフト外ルーキーのOLBフランク・ゾンボがパスラッシュ力を武器にロースター入り。
- OLBシリル・オビオザーを推す見方もあったが、僅差でゾンボに敗れた。2年目の彼よりも新人のゾンボの方が伸びシロがある、とみなされたのかも。
- 先発のマシューズ(ハムストリング)とジョーンズ(肩)が回復途上であるだけに、控えOLB陣のレベルの低さが懸念されている。課題だったパスラッシュ向上が達成できたとはとても言い難い。
- CB(6) ウッドソン、トラモン・ウィリアムズ、アンダーウッド、リー、ブッシュ、シールズ、(PUP/ハリス)
- ジャレット・ブッシュは今年もしぶとかった。スペシャルチームで反則を犯してはファンから憎まれる状況が続きそう。アル・ハリス(ヒザ)が復帰すれば解雇となるはず。
- ドラフト外ルーキーのCBサム・シールズのロースター入りは早くから予想されていたとおり。
- S(4) コリンズ、モーガン・バーネット、マーティン、ペプラー、(PUP/ビグビー)
- セーフティに転向したSウィル・ブラックモンはリターナーとしてロースター入りが確実視されていたが、プレシーズン第3戦でヒザ(昨年ACL手術)を悪化させてインジャリーリザーブへ。"Injury settlement"がまとまりしだい退団の見込み。
- アタリ・ビグビーのPUP入りでチャーリー・ペプラーが生き残った。
- ST(3) Kクロスビー、Pマステイ、LSグード
- Pティム・マステイがPクリス・ブライアンを破って正パンターに。昨年と似た展開だが、Pジェレミー・カピノスと比べれば明らかにグレードアップといえる。
- 球団はPクリス・ブライアンに対して「プラクティス・スクワッドの候補」と伝えたらしい。本当ならばちょっと興味深い。この半月ほどPマステイの出来が勝っていたが、Pブライアンの伸びシロに未練を感じているのか、Pマステイの不安定さを懸念しているのか。
- LSブレット・グードは先日のチーフス戦で頭を打ったが、チームドクターからはすでに復帰許可が下りたとのこと。
- 今後補強の可能性があるとすれば、RB、OLB、DB、KRあたりか。しかしウェイバー優先順は昨季の成績に基づくので、ドラフトと同じくパッカーズは全体23位。欲しい選手を横取りされる可能性は高い。
- 今後どこかを補強した場合に解雇される有力候補は、CBブッシュ、Sペプラー、G/Cマクドナルドあたりか。
- ドラフト指名7選手が全員生き残った。そのうえドラフト外ルーキーが3人(CBシールズ、OLBゾンボ、G/Cマクドナルド)も残ったため、今年のルーキーは合計10人。