グリーンベイ・パッカーズ ニュース

2010年8月21日

WRドライバーのスロット独占解消へ

ウェストコーストオフェンスにおいては、エースWRをフランカーに、3WRセットならスロットに配するのが常道といっていい。スナップ前にモーションでき、スクリメージラインから離れるので相手CBのジャムを受けずにリリースでき、フィールド中央に近いので相手の動きを察知しやすく、サイドラインから遠いぶんルートの幅が広く、QBにプレッシャーがかかったときのホットレシーバーにもなりやすい。だから、もっとも能力が高く、戦術眼に優れ、QBと瞬時の意思疎通ができる優秀なレシーバーがスロットに入るものだ。

マイク・ホルムグレンがパッカーズにウェストコーストオフェンスを導入して以来、スターリング・シャープ、ロバート・ブルックス、アントニオ・フリーマン、そしてドナルド・ドライバーが担ってきた(1例)その花形ポジションに、今夏は異変が起きている。ドライバーの独占ではなくなり、WRジェニングス、WRネルソン、WRジョーンズ、それにTEフィンリーがかわるがわるスロットに入っているのだ。WRドライバーに衰えは見られないので、若手が信頼できるレシーバーに育ったこと、それに戦術的な自由度を増すことが大きな理由だ。

WRドライバーはこの変化をポジティブにとらえている。「1人の選手が1人のポジションじゃなくなった感じだ。レシーバーを散らし、全員にオープンになる機会を与えるやり方を始めている。僕はこれまでいつもスロットに入ってきた。相手としては、誰が何をするか予想がしやすいよね。でも今は、グレッグ(ジェニングス)と入れ替わってアウトサイドに行ったり、ジャーマイケル(TEフィンリー)がフランカーになって僕がスロットに戻ったり、選択肢がたくさんある」

ジョー・フィルビンOC。「スキームを大きく変えることなく、選手たちを違うスポットに動かせれば、それはこちらのアドバンテージになる。相手としては、80番(ドライバー)がスロットに入ればこうするだろう、88番(フィンリー)が入ればこうするだろう、とオーディブルで対応できた。それを変えることで有利な状況を生み出せれば、というのが我々の意図だ」

スロットでのプレーを最も望んでいるのはTEフィンリーだろう。昨季は、レシーバーに入ったプレーのうちスロットはわずか25%だった。「スロットならクイックなCBを相手にせずにすむしね(CBは両WRに、フィンリーにはセーフティがつく)。それが僕の望みだ。ボールが来るのはスロット。A-Rodもスロットに投げるのが大好きだし」

WRグレッグ・ジェニングス。「僕らは固定したポジションをやめたいんだ。以前は、ハドルを解いたら僕が左に、ドナルドが右に行くと相手もわかっていた。それをわからなくしたい。すごくフレキシブルになるのは間違いないよ。いつも同じフォーメーションで各自が同じポジションに入っていたら、選択肢が限られてしまうから」

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