グリーンベイ・パッカーズ ニュース

2010年7月27日

トレーニングキャンプの見どころ 3

今トレーニングキャンプの見どころをポジションごとに紹介する第3回。また、練習ではどこを見ればよいか、という専門家のアドバイスも。

DL ディフェンシブライン

昨季は期待を大きく上回る働きでラン守備NFL1位の原動力となった。その一角の左DEジョニー・ジョリーが出場停止で今季出られないのは痛いが、チーム側は処分を予想してそれなりに準備してきた。ドラフト2巡でDEマイク・ニール、7巡でDE C.J.ウィルソンを指名し、ライアン・ピケットをNTから左DEに移してB.J.ラジを先発NTに固定。ジョリーがいてもいなくても今季の課題は3rdダウンでのパスラッシュ向上であり、ラジの先発昇格やニール指名はパスラッシュ強化の意図もある。

1年目にあまり活躍できなかったNTラジ(1巡9位指名)がポテンシャルを発揮してくれればDL陣全体の破壊力がアップするが、タフなポジションでシーズンを通して働ける耐久性があるのかどうか。今年はピケットをNTに固定できないだけに、ラジの健康とタフネスが重要になりそう。DEニールは期待の2巡指名といっても、ポジションの性格からして1年目から大きな貢献は期待できない。DEジャリアス・ウィン(昨年6巡)の成長は見込めるが、DEジャスティン・ハレル(2007年1巡20位)の腰痛がぶり返さない保証はない。

3-4転換2年目なのでよくわからないが、ロースター枠は通常6人ぐらい。昨季は開幕時が6人、途中でNTアンソニー・トリビオがプラクティス・スクワッドから昇格して7人だった。今年は、左DEピケット、NTラジ、右DEジェンキンズ、DEニールまでの4人は当確。残りの2枠(または3枠)をDEウィン、7巡指名DEウィルソン、DEハレル、DEロナルド・タリー、NTトリビオの5人で争うことになりそう。

ラジオ解説ラリー・マッカレン : 「練習で見るのは、その選手が相手をヒットしたとき何かが起きるかだ。ただ押しただけなのか、それとも相手が後ろへ崩されるか。サイズがあるだけではダメ。デカくてケンカ好きって奴なら酒場でも見つけられる。サイズとクイックネスだ。そうなると簡単には手に入らない」

「パスラッシャーは手と足を激しく動かし、優位になれるところを探る。この手がダメならあちら、とね。デカいオフェンシブラインマンを相手に正面から揉み合うだけでは、相手の思うつぼだ」

OLB アウトサイドラインバッカー

昨季は新人OLBクレイ・マシューズが右サイドで大活躍し、10サックを挙げてプロボウルにも選ばれた。左OLBでは元プロボウルDEのアーロン・キャンプマン(11週にACL断裂)がいまひとつで、彼の負傷後に台頭したOLBブラッド・ジョーンズ(7巡ルーキー)の方が3-4ディフェンスに合っていた。今春はキャンプマンと再契約せず、ジョーンズが名実ともにスターターに。ジェレミー・トンプソンは首のケガで引退を余儀なくされた。層が薄くなったのにドラフトでパスラッシュLBを指名しなかったのは意外だ。

課題のパスラッシュ向上にもっとも必要なのはジョーンズのパワーアップだ。先発の2年目コンビに続くのはベテランのブレイディ・ポピンガ、昨季途中でプラクティス・スクワッドから昇格したシリル・オビザー、ドラフト外ルーキーのフランク・ゾンボ(セントラルミシガン大)とジョン・ラッセル(ウェイクフォレスト大)。ロースター枠は4人または5人だが、現状では低レベルの控え争いに見える。スターターが負傷した場合、不器用なポピンガを昇格させるより、オールラウンドなILBブランドン・チラーをアウトサイドに回す方が得策だろう。また、開幕までに補強するとしたら、このポジションが最も可能性が高い。

OLBクレイ・マシューズ : 「大学を出たばかりで、パスラッシュができてカバレッジにも下がれる真のアウトサイドLBを見つけるのは難しい。どちらかが得意という選手ならいるけれど、両方兼ね備えている選手はまれだ。パスラッシュができ、カバレッジに下がることができ、タイトエンドと真っ向からやりあえる選手が望ましい」

「4-3のDEとは違って、全プレーでパスラッシュするわけじゃないからね。非常に動きが柔らかく機動力に富んだ、なんでもこなせる選手でないと。セーフティとラインバッカーとラインマンを合わせたようなプレーが必要なんだ」

ILB インサイドラインバッカー

昨季はニック・バーネットがACL手術から復活を果たし、ディフェンス躍進に貢献。A.J.ホークもまずまずの働きを見せたが、パスシチュエーションではブランドン・チラーがホークに代わって入る。今年も似たような起用法になるものと思われ、前述のようにチラーがアウトサイドを兼ねるかどうかだけ。4人目はプロ4年目のデズモンド・ビショップで、4人枠だとすれば、ここまでの4人でほぼ決まり。OLBの控えが低レベルなら、ILBの5人目としてドラフト外ルーキーが食い込む可能性はある。

ドム・ケイパースDC : 「プレーコールを出す選手たちだ。フロントラインをセットさせ、アジャストメントの指示も出す。セーフティがセカンダリーのアジャストメントをするようにね。相手の意図を読み、チームメイトとコミュニケートする、リーダーシップとインテリジェンスがなければならない」

「オールラウンドなエリート級アスリートが望ましい。チームによっては、ガードに勝てるような大きくフィジカルなILBを求めるチームもあるが、我々は違うんだ。私はウチの4人全員を気に入っている。彼らはサイドラインからサイドラインまで追いかけることのできるアスレチックな選手だから」

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