グリーンベイ・パッカーズ ニュース

2010年4月18日

ドラフトの焦点 オフェンス編 2

今ドラフトでのパッカーズのニーズ、今回はOLおよびTEについて。 

オフェンシブタックル (昨季の総括はこちら

長年オフェンスを支えてきた両OTが高齢化し、今ドラフトでの最重要課題となった。RTマーク・タウシャーはヒザのACL断裂からの復帰がようやく昨季半ば。LTチャド・クリフトンも足首のケガに苦しみ、途中退場4試合、欠場4試合。当初タウシャーの後継者に選ばれたRTアレン・バーバーはパスプロ不振でオフェンスを大混乱に陥れ、世間からは完全にスターター失格と見なされている。4巡ルーキーのT.J.ラングが左右タックルで奮闘したおかげで、かろうじて4勝4敗から盛り返すことができた。(昨季OLの変遷はこちら

今春はLTクリフトンと3年$20ミリオン(記事へ)、RTタウシャーと2年$8.7ミリオン(記事へ)で再契約し、なんとか現状維持は確保することができた。しかしそれぞれ33歳、32歳の彼らと高額契約せざるをえなかったのは、これまでドラフト指名がうまくいかなかった裏返しでもある。テッド・トンプソンGMが2005年に就任して以来のOL指名は以下のとおり。

Ted Thompson's Offensive Linemen Draft Pick
Year Pos. Name Round 結果
2005 C/G Junius Coston 5 モノにならず4年目に解雇
2005 OG William Whitticker 7 モノにならず2年目に解雇
2006 G/T Daryn Colledge 2 先発LGをしっかり確保できず今夏はピンチか
2006 C/G Jason Spitz 3 ケガでウェルズに先発Cを奪い返される
2006 T/G Tony Moll 5 モノにならず昨夏にBALへトレード
2007 T/G Allen Barbre 4 満を持して先発RT昇格したが大失敗
2008 OG Josh Sitton 4 不動の先発RG。唯一の大成功指名
2008 OT Breno Giacomini 5 いまだメド立たず今夏の生き残りも難しそう
2009 T/G T.J. Lang 4 今夏はRTタウシャーに挑戦か。先発LG挑戦も
2009 OT Jamon Meredith 5 1年目の開幕ロースターに残れず(現BUF)

こうしてみると、「指名がうまくいかなかった」というより、両ベテランに頼ってタックル補強を後回しにしてきたツケがついに回ってきた、という方が近い。最高位指名のダリン・カレッジがガード、2番目のジェイソン・スピッツがガード/センターで、タックルは4巡や5巡ばかり。上位指名が当たり前のプレミア・ポジションがこれでは、スターターが育たないのも無理はない。

とはいえ、両ベテランが再契約し、右タックルではT.J.ラングがタウシャーをプッシュしてくれそうなので、現状はどうにもならないほどの戦力不足ではない。ただ、両ヒザに持病を抱えるLTクリフトンが契約満了まで3年間先発を続けてくれると期待するのはいささか無理があり、今年か来年のドラフトで必ず上位指名して後継LTを引き当てる必要がある。問題は1巡23位でよいタックルが残っているかどうか。手が届く範囲なら思い切ってトレードアップするかもしれないし、逆に残っていなければトレードダウンしてディフェンス補強に充てる可能性もある。

ガード/センター (昨季の総括はこちら

右ガードでスターターに昇格したプロ2年目のジョシュ・シットンは昨季OL陣最高の働きを見せ、将来のプロボウラーと期待されている。しかし左ガードでは不動のスターターのはずだったダリン・カレッジが大スランプで、被プレッシャー数もランブロッキングミスの数もチーム最多。今夏はジェイソン・スピッツと先発争いをすることになりそうだ。

センターでは昨夏いったんジェイソン・スピッツがスターターに選ばれたが、序盤から腰のケガで苦しむ間にスコット・ウェルズがプロ入り最高の働きを見せ、先発センターの座をがっちり固めてしまった。スピッツはあらためてチャレンジャーとなり、もし先発LG争いで敗れれば、インサイド3ポジションすべての控えを兼ねることになる。

シットン、ウェルズ、カレッジ、スピッツとそれなりに先発経験のある選手がインサイドに4人揃い、またT.J.ラングも先発LG争いする力がありそうなので、今年はドラフト指名の重要度は高くない。世間のモックドラフトではガード/センターを上位指名する予想もあるが、ここに上位指名権を使うのはぜいたくというもの。あっても下位指名だろう。

タイトエンド (昨季の総括はこちら

プロ2年目のジャーマイケル・フィンリーがプレーオフを含め13試合で61回835ydsを記録し、有力なレシービングTEに成長。実質3番手レシーバーとしてオフェンスの幅を広げてくれた。あとは慢心せず成長を続けてくれればよく、当分スターターの心配はせずにすみそうだ。いっぽうベテランのドナルド・リーは落球などミスが目立ち、あっさりと先発の座を明け渡した。3番手は元ラインバッカーのスペンサー・ヘイヴナーが予想外の急成長を見せ、プレーオフを含めて5TDを記録。まだ伸びシロはありそうなので、3番手クラスとしては申し分ない。

バランスの取れた陣容が整い、今年は補強の必要はなさそう。ケガさえなければ昨季と同じ3人で来季開幕を迎えるのではないか。ドラフト指名はあったとしても下位、よほど魅力的な素材がいた場合だけだろう。

カテゴリ : Draft