グリーンベイ・パッカーズ ニュース

2010年4月16日

ドラフトの焦点 オフェンス編 1

今ドラフトでのパッカーズのニーズをまとめてみる。今回は下記の4ポジションについて。 

クォーターバック (昨季の総括はこちら

2008年2巡指名のQBブライアン・ブロームに早くも見切りをつけ、先発アーロン・ロジャース、2番手マット・フリンの2人体制でシーズンを乗り切った。ロジャースが立派なフランチャイズQBに成長したので当分はスターターの心配はないが、ファーヴほどの頑強さがあるわけではなく、あれだけヒットを喰らって欠場せずにいてくれる幸運が今後も続く保証はない。フリンはプロ2年間で着実な成長を見せたものの、しょせんスターターの器でないことははっきりしている。たとえばロジャースが骨折して1ヶ月休んだとき、少しでも星を拾ってプレーオフの望みをつなげてくれるような頼りになる控えQBがほしいところ。

パッカーズのことなのでFAでベテランQBを獲る様子はないが、2人体制を続けることも考えにくいので、今年はそろそろドラフト指名があるはず。ロン・ウルフ元GM時代は1992年から1999年まで7人ものQBをドラフト指名し、一人前に育ててはトレード材料にしていた。今春マッカーシーHCはティム・ティーボウ(フロリダ大)などプロ・デイを精力的に回り、QBたちをチェックしている。育てがいのありそうな選手を下位で指名する可能性が高いが、よほど魅力的な選手が残っていれば3巡あたりで指名してもおかしくない。

ランニングバック (昨季の総括はこちら

ライアン・グラントが1253yds(平均4.4yds)を走り、プロボウルにあと一歩で繰り上げ出場できる活躍。控えRB陣は馬力のアーマン・グリーン(33歳)と3rdダウンバックのブランドン・ジャクソンで、まずまずバランスの取れた陣容だった。派手なプレーは少ないが、グラントはファンブルロストがわずか1回。それでも優勝を狙うとなると、もうひとつ飛び道具が欲しいのは事実で、3rdダウンバックにビッグプレー能力を加えたいところ。また、グラント自身も3年間フル出場しているので、そろそろ大きなケガがあってもおかしくない時期にさしかかる。

再びFAとなったグリーンとの再契約をパッカーズは今のところ見送っており、ドラフトかFAでなんらかの補強があるのは確実。つい先日は「ブライアン・ウェストブルック(元PHI)に興味」と報じられたばかりだ。「先にFA補強を済ませてドラフトでは他の要補強ポジションに注力」というのもひとつの方法であるし、逆に「ドラフトでよいのが獲れなければFAで」という順序もアリだろう。順当ならドラフト2巡から4巡の間、場合によっては1巡指名さえありうる。おそらくグリーンとの再契約は、補強がうまく行かなかったりケガ人が出たりした場合の最後の手段、とチーム側は考えているのではないか。

フルバック (昨季の総括はこちら

ジョン・クーン、コーリー・ホール、新人クイン・ジョンソンという超異例の3人体制でシーズン最後まで押し通したが、それだけの価値があったかどうかはわからない。3人残したのは戦術面の都合ではなく、「器の大きいジョンソンを育てたいが、ベテラン2人のスペシャルチーム能力も捨てがたい」という思惑によるもの。さすがにそれを今年も続けることは考えにくく、クーンとホールのどちらかがキャンプでの争いに敗れてチームを去ることになりそう。

昨年は「ドラフト指名の可能性がオフェンスで最も低い」と書いたら指名があったが、今年こそは指名なしだろう。 

ワイドレシーバー (昨季の総括はこちら

グレッグ・ジェニングスはプロボウルこそ逃したもののエースWRにふさわしい働きを見せ、ドナルド・ドライバーも34歳とは思えない活躍でキャリア7回目の1000ydsシーズン。世間的には「デプス十分」と見られているWR陣だが、3年目のジェームズ・ジョーンズ(32回440yds)と2年目のジョーディ・ネルソン(22回320yds)の3番手争いがやや低調で、彼らのどちらかが将来スターターになれる器なのかどうか。5番手のWRブレット・スウェインはヒザの前十字靭帯断裂からリハビリ途上。

昨年は5年ぶりにWR指名がなかったが、RBと比べて育成期間の長いWRは早め・多めにドラフト指名するトンプソンGMなので、今年は指名があるはず。リターナーのタレント不足も深刻なので、リターナーを兼ねられる選手なら理想的。ニーズ的には下位指名で十分と見られているが、(RBと同様に)魅力的な素材がいれば上位指名があってもおかしくない。たとえば、注目の問題児WRデズ・ブライアント(オクラホマ州立大)が1巡下位まで残っていた場合、1998年のランディ・モスの再現となるのかどうか。

カテゴリ : Draft