今月5日にパッカーズから解雇されたDEマイケル・モンゴメリーが、ヴァイキングスとの契約に合意した。詳細は不明だが、ベテラン最低額に近いあたりの1年契約らしい。DEモンゴメリーはテキサスA&Mから2005年ドラフト6巡でパッカーズに入団し、控えDEとしてそれなりに貢献してきた。しかし昨年再契約した後は3-4ディフェンスにフィットせず、6試合 + プレーオフはアクティブ登録さえされなかった。契約はもう1年残っていたが、みずから球団に求めて解雇されていた。
長きにわたって土日2日間で行われてきたNFLドラフトだが、今年は木金土の3日間にわたって開催される。視聴率の高いプライムタイムに放送するためで、初日は4月22日(木)の19時半(米東部時間)から1巡のみ、2日目は23日(金)18時半から2巡と3巡、3日目は24日(土)午前10時から4巡以降の指名が行われる。会場は今年もニューヨークのラジオシティ・ミュージックホール(5年連続)。放送も例によってESPNとNFL Networkが担当する。
このフォーマット変更は、ドラフト指名のあり方にも影響を与えるかもしれない、とテッド・トンプソンGMは言う。「毎日の最初の指名巡は価値がすこしばかり高いものだ。1日の指名が終わって落ち着いてみると、『なぜ彼がまだ残っているんだ?』 ということがたいていあるからね。そういったわけで、翌日の最初の指名巡の価値が高くなる。欲しいポジション、選手を獲るために、空いた時間を利用してくるチームも多いことだろう。たっぷり時間ができてしまうと、人はいろいろと気を揉むものだ。(準備したボード通りに)淡々と進めるのではなく、『これは何とかしなければ』 とバタバタするかもしれない」
2010 NFL Draft | ||||
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Date | 米東部時間 | 日本時間 | Round | 制限時間 |
4/22 (木) | 7:30 PM | 8:30 AM(金) | 1巡のみ | 10分 |
4/23 (金) | 6:30 PM | 7:30 AM(土) | 2巡?3巡 | 2巡7分・3巡5分 |
4/24 (土) | 10:00 AM | 11:00 PM(土) | 4巡?7巡 | 5分 |
延長戦のルール変更案がオーナー会の賛成多数で可決され、今年から採用されることになった。当面この新ルールが適用されるのはプレーオフ戦だけだが、よい評価が得られれば将来レギュラーシーズンにも採用される可能性がある。今年プレーオフだけ採用したのは、試合が長引くとTV局が放送予定を変更しなければならず不利益をこうむる、という事情もありそうだ。否決されるとの見方も少なくなかったが、実際は28-4と予想外の大差がついた。反対票を投じたのは、ヴァイキングス、ビルズ、レイヴンズ、ベンガルズの4球団。
新ルールは、コイントスに勝った先攻側の有利さを解消しつつ、サドンデスのスリルをできるだけ保つ苦心の作。「改良版サドンデス」とも呼ばれている。カレッジとは違って、両軍に必ず攻撃機会が与えられるわけではなく、「最初のシリーズでFGで終了」という事態を避ける工夫だけがなされているといっていい。新ルールの詳細は以下のとおり。
この新ルールがもし今年1月のプレーオフで採用されていたとしたら、GB@ARIはまったく変わらずにカーディナルスの勝利となるが、MIN@NOはセインツのFG成功の後にヴァイキングスも攻撃権が与えられたことになる。
Compensatory Draft Pickつまり補償ドラフト指名権(用語集へ)として、今年のパッカーズはドラフト5巡指名権(全体169位)を受け取った。この仕組みはNFLの戦力均衡策の1つで、前年のFA流出がFA獲得と比べて多かったチームに対し、3巡から7巡のドラフト指名権32個をNFLが配布するもの。人間が決めるのではなく、契約金額と活躍の度合いに応じて、複雑な計算式で割り出される。各巡の最後に付け加える形になっていて、この指名権はトレードできない決まり。
昨年のパッカーズが失ったFA選手はDTコリン・コール。彼は$21.4ミリオンの5年契約でシーホークスに移籍し、15試合に先発している。獲得したFAはC/Gデューク・プレストンだが、開幕前に解雇のためカウントされなかった。今年配布された指名権は3巡が3個、4巡が1個、5巡が6個、6巡が6個、7巡が16個だった。
今年のパッカーズのドラフト指名権は以下の8つとなった。全指名順はウィキペディア参照。
1巡23位
2巡24位 (全体56位)
3巡22位 (全体86位)
4巡24位 (全体122位)
5巡23位 (全体154位)
5巡38位 (全体169位)
6巡24位 (全体193位)
7巡23位 (全体230位)
勝率とプレーオフ成績が同じパッカーズとイーグルスが巡ごとに交互に23、24位で指名する。なお、昨年レッドスキンズが補足ドラフトで3巡を使ったため今回のドラフトで3巡(4位)指名権を失い、5位以降の球団が1つずつ繰り上がっている。
先日ジャガーズにFA移籍したDEアーロン・キャンプマンがパッカーズの地元両紙に以下のような大きな広告を掲載し、在籍8年間の好意に感謝を述べた。ファンからも記者たちからも「さすがキャンプマン」と称賛が集まっている。
I wanted to take a moment to thank you for your support, encouragement and friendship. It's been an honor to serve this community for the past eight years as a member of the legendary Green Bay Packer organization. Linde and I thank God for the years we've spent in Wisconsin, and we thank you for welcoming us with open arms.
For my family, this time has been so much more than a job. We've experienced many public and private successes that will stand in our memories forever. Most importantly, we experienced them with you.
I look forward to the day when I'll bring my three boys to Lambeau Field and reminisce about what it was like to be part of the Packer Nation.
管理人注: 署名の下に "2 Cor. 5:17,21" とあるのはよくある聖書の引用法で、この場合は「コリント人への第二の手紙 第5章17節、21節」という意味。信仰心の強いキャンプマンらしい。
FA市場も一段落(いつ?)したところで、モックドラフト集の第1回。OT指名予想が多いのは当然のことだが、RB予想も4件。OGマイク・イウパティが残っていれば指名すべきとの見方もけっこうある。
パッカーズはオーストラリア人のPクリス・ブライアンと契約した。Pブライアンは現在28歳、身長197cm、99kgの大型パンター。昨年までオーストラリアン・フットボール・リーグでプレーし、アメフト経験はまったくない。月曜にパッカーズでワークアウトを受けて翌日契約が決まったため、チーフス、49ers、ジャイアンツのワークアウトをキャンセルしたらしい。
昨年秋から彼を教えているのは同じオーストラリア人のネイサン・チャップマンで、代理人も兼ねている。チャップマンは2004年5月にパッカーズに入団したものの、プレシーズン2試合に出場しただけで解雇されている。「彼は私が行ったときよりもずっと準備が整っている。NFLのコーチが何を求めているか、情報を手に入れているしね」とチャップマンは自信を示している。昨年NFLではPサヴ・ロッカ(PHI)、Pベン・グレアム(ARI)、Pマット・マクブライアー(DAL)という3人のオーストラリア人パンターがプレー。
パッカーズは先日Pジェレミー・カピノスを事実上解雇(EFAとしてのオファーをせず)したため、パンターはティム・マステイとこのブライアンだけとなっていて、ドラフト指名の可能性も十分ある。パッカーズは2004年にPジョシュ・ビドウェルの引き留めに失敗してからは失敗続きで、パンターを見る目のなさにかけては定評があるだけに、今年こそなんとかしたいところ。
TEスペンサー・ヘイヴナーがバイク事故を起こして肩甲骨を骨折し、しかも飲酒運転だったために逮捕された模様だ。事故が起きたのは先週土曜の午前2時45分ごろ、彼の故郷カリフォルニア州グラス・ヴァレーで、行き止まりの道でターンをしようとしたところだったらしい。本人はヘルメットをかぶっておらず、肩甲骨の骨折、後頭部と左腕の裂傷、複数の擦り傷を負った。現地警察によると、へイヴナーが担ぎ込まれた病院から警察に連絡があり、飲酒テストを経て逮捕となった。起訴するかどうかは地方検事の判断しだい、とのこと。
LBからTEへのコンバート1年目で4TDを挙げる活躍を見せたTEヘイヴナーだが、この事件はキャリアへの大きな痛手になりかねない。NFL本部も各球団も飲酒運転には厳しい姿勢で臨んでおり、今後の展開しだいでは出場停止処分や解雇のおそれもある。
前日にマッカーシーHCが予言したとおり、FAとなっていたRTマーク・タウシャーがパッカーズとの2年契約に合意した。金額などはいっさい不明。地元ウィスコンシン出身のRTタウシャーは2008年12月にヒザの前十字靭帯(ACL)を断裂したが、昨年10月に再契約してパスプロ向上に貢献。ケガから2年近く経つ今年は、昨年よりも動きがよくなることも期待できる。これでOL陣全員の残留が確実となり、今夏タウシャーはプロ2年目のT.J.ラングの挑戦を受けることになる。
本人は選手会のチーム代表として現在ハワイで会議に出席しており、帰りしだい正式サインとなりそうだ。今春パッカーズから無制限FAとなっていた5人のうち、これで3人がパッカーズと再契約、OLB/DEキャンプマンだけがFA移籍し、残る未契約選手はRBアーマン・グリーンだけとなった。
第6回パッカーズ・ファンフェストが開催され、2000人以上のファン(有料・人数限定)がランボーフィールドのアトリウムに集まった。選手・コーチ・フロント・OB多数が顔を揃え、さまざまなファン参加イベントが行われている。昨日速報した主力2選手の長期契約など、意外なほど話題豊富なイベントとなった。
選手・OB多数が顔を揃えたパッカーズ・ファンフェストの初日、FSニック・コリンズとNTライアン・ピケットがともに2013年までの4年契約にサインしたと発表があった。またマッカーシーHCは、RTマーク・タウシャーとの契約も近いかもしれない、との見通しを明らかにしている。
FSニック・コリンズは先日RFAテンダー(当然1年契約)にサインしたばかりだったが、その後3日間で交渉が急に進展し、念願の大型契約締結となった。総額$26.7ミリオンの4年契約で、そのうち今年受け取るのは$14ミリオン。それ以外の詳細は不明だが、おそらく今季サラリーキャップがないことを活かした「巨額ロースターボーナス型」のはず。彼との長期契約は今年最大の懸案事項だっただけに、これほど早く片付いたことはめでたい。
NTライアン・ピケットは総額$28ミリオンの4年契約で、そのうち$10ミリオンを今年受け取るらしい。彼は先日フランチャイズ・プレーヤーに指名されて$7ミリオン弱の1年契約のはずだったが、それよりさらに増えることになった。プロボウル経験のない30歳のノーズタックルにしては比較的高いように見えるが、後で詳細が判明すれば「実質は意外と高くなかった」ということも多く、第一報は必ずしもアテにならない。
パッカーズは今オフシーズンのスケジュールを以下のように発表した。基本的に昨年と同じ日程で、昨年採り入れた「全員参加のミニキャンプを(通常より遅い)6月下旬に行う」を今年も踏襲している。ドラフト直後にルーキー・ミニキャンプを行い、Organized Team Activities(OTA)、ミニキャンプそしてトレーニングキャンプと徐々にチームに慣らしていく。
OTAは昨年より長く期間を取り、そのぶん休日が多い(労使協定により計14日までと決まっている)。ルーキー・ミニキャンプは屋外で練習できる場合のみファン公開(ただしまだ寒い時期なので屋内が多い)、OTAは週1日だけファン公開日を設ける。ミニキャンプとトレーニングキャンプはファン公開。
トレーニングキャンプの開始日が未定なのは、「プレシーズン初戦の2週間前にならないと開始できない」という規定があるため。プレシーズンゲームの日程が決まれば自動的に決まることになる。
2010 Packers Off-Season Calendar | |||||
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Date | Event | ||||
3月 | 15日 | ? | Offseason Program (自由参加) | 非公開 | |
4月 | 22日 | ? | 24日 | NFL Draft | |
4月 | 30日 | ? | 5月 2日 | Rookie Orientation (Rookie Mini-Camp) | 条件付き公開 |
5月 | 17日 | ? | 6月17日 | Organized Team Activities (名目上は自由参加) | 週1回公開 |
6月 | 21日 | ? | 23日 | Mini-Camp (全員参加義務付け) | 公開 |
6月 | 27日 | ? | 30日 | NFL Rookie Symposium (ドラフト指名選手全員) | 非公開 |
7月 | 17日 | Packers Hall of Fame Induction Banquet | 有料(詳細) | ||
7月 | 末頃 | ? | Training Camp | 公開 |
先日LTチャド・クリフトンがパッカーズと結んだ契約の詳細が判明。予想どおり今季サラリーキャップがないことを最大限に活かした内容であることがわかった。契約ボーナスがないために、たとえ来年春に解雇することになってもサラリーキャップへのヒットは全くない。さらにケガのリスクを考慮して、出場試合数に応じたロースターボーナスを計$60万ドル設定している。詳細は以下のとおり。
FA解禁2日目の土曜深夜、OLB/DEアーロン・キャンプマンがジャガーズとの契約に合意した。契約年数や金額はまだ明らかになっていない。彼は金曜夜に現地に飛び、土曜午後いっぱいをかけてジャガーズのスタッフと過ごしたらしい。4-3のチームへの移籍は確実視されていたものの、ジャガーズは意外、とメディアからは受け止められている。しかし昨年はNFLダントツ最下位の14サックしか挙げられなかったジャガーズにとって、パスラッシュ強化は最優先課題だった。
パッカーズはDEマイケル・モンゴメリーとSマット・ジョルダーノの解雇を発表した。DEモンゴメリーは2005年に6巡指名で入団して以来控えDEとしてプレーしてきた。昨年はいったんFAとなったあと2年契約で残留したが、心配されたとおり3-4ディフェンスのDEには不向きで、出場は前年の523スナップからわずか64スナップに激減。そのためか、本人は先日からチームに解雇またはトレードを求めていたらしい。
Sマット・ジョルダーノはコルツで4年間プレーしたあと昨年開幕前に解雇され、第2週を終えたところでパッカーズと契約。しかし出場はわずか5試合(スペシャルチームのみ)に終わった。セーフティ陣がデプス不足にもかかわらず今解雇されるのは、よほど評価が低かったのではないか。
フリーエージェントとなったLTチャド・クリフトンがパッカーズと総額$20ミリオンの3年契約に合意した。うち$7.5ミリオンが保証されている。クリフトンはFA解禁前日に契約延長交渉がまとまらず、FA解禁初日にレッドスキンズを訪問。再契約は絶望的かと思われたが、「クリフトンはパッカーズ残留を望んでおり、WAS訪問は増額を引き出すため」との情報もあった。「契約せずにWASのオフィスを去った」と報じられた直後、めでたくパッカーズとの契約がまとまった。
ケガがちの33歳にしてはかなりの金額だが、目の飛び出るほどではない。パスプロで頼りになる左タックルとなるとそれだけで相場は高く、しかも後継者のいない状況で、来季パス攻撃がガタガタになるリスクは避けたかったのだろう。もしフランチャイズ指名していたら約$10.7ミリオンなので、それと比べれば$3ミリオン以上節約できたことになる。
米東部時間3月5日0時01分、今年のフリーエージェント市場が幕を開けた。
3月5日に制限つきフリーエージェント(RFA: 用語集へ)となる選手たちへのQualifying Offerが以下のように判明した。「最高」 「高」 「中」 「低」の4通りのうち、パッカーズがどのオファーをしたかをTenderの欄に記した。
Packers 2010 Restricted Free Agents | ||||||
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Pos. | Name | Exp. | Drafted | Tender | Salary | 備考 |
S | Nick Collins | 5 | 2nd | 最高 | $3,268,000 | 2年連続プロボウルなら当然の評価 |
CB | Tramon Williams | 3 | Undrafted | 最高 | $3,043,000 | プレミアポジションだけにリスクは避けたい |
DE | Johnny Jolly | 4 | 6th | 高 | $2,521,000 | こちらも安全策。予想されたより高い |
S | Atari Bigby | 4 | Undrafted | 中 | $1,759,000 | 2巡オファー |
C/G | Jason Spitz | 4 | 3rd | 中 | $1,759,000 | 2巡オファー |
G | Daryn Colledge | 4 | 2nd | 中 | $1,759,000 | 2巡オファー |
FB | John Kuhn | 4 | Undrafted | 低 | $1,176,000 | ドラフト外入団のため、他球団と契約しても代償はもらえない |
CB | Will Blackmon | 4 | 4th | 低 | $1,176,000 | 4巡入団なので、流出の場合は4巡をもらえる |
RB | DeShawn Wynn | 3 | 7th | なし | - | オファーされずUFAに 安価で再契約も |
S | Derrick Martin | 4 | - | - | 先日2年契約を結んだためRFAにならず |
スペシャルチームは散々なシーズンで、終始チームの足を引っ張った。2008年の不振のためマイク・ストックSTコーチが引退に追い込まれてショーン・スローカムSTコーチが内部昇格したが、2009年はさらに成績が悪化。 Dallas Morning News紙集計の恒例スペシャルチームランキングではNFL31位。 Football Outsidersのランキングでは堂々の最下位だった。
とくに悪かったのがパンターのジェレミー・カピノスで、キャンプでは低レベルの争いに勝ったものの、本番ではずっと不振のまま、成長が見られなかった。キッカーのメイソン・クロスビーも終盤にスランプに陥り、勝負どころで痛いミスがあった。ロングスナッパーのブレット・グードはミスらしいミスがなく、ホルダー(QBフリン→Pカピノス)も安定していたので、不振はほぼクロスビーひとりの責任だろう。
カバレッジチームはシーズン中盤まで毎週のようにビッグリターンを許して敗因を作ったが、後半にはなんとか立て直すことができた。パンターの目の前で守るブロッカー役だったFBジョン・クーンは、バッカニアーズ戦で致命的なミスを犯してパントブロック&リターンTDを許し、翌週からはSマーティンがブロッカーを務めた。
リターンチームもキックオフリターン19位、パントリターン23位とパッとしなかった。CBウィル・ブラックモンがシーズン序盤でヒザを負傷してシーズンアウト。2番手格のCBトラモン・ウィリアムズはディフェンスでの重要性からリターナーとして使えず、消去法でWRジョーディ・ネルソンが両方のリターナーを兼ねるハメになった。キックオフリターンは当たり強さを活かして時おり好リターンを見せるが、パントリターンは全くダメだった。
今オフはパンターの強化が最重要課題だ。シーズン終了後にPティム・マステイ(昨年ドラフト外でコルツ)と契約。Exclusive-Rights Free Agent(EFA)となるはずだったPカピノスにはオファーをせず、退団が決定した。残るはNFL経験のないPティム・マステイだけなので、FAかドラフトで必ず動きがあるだろう。今年こそなんとかアップグレードしてほしいところだ。リターナーも一発の魅力のあるRBかWRあたりを獲得したい。ドラフト指名の可能性が高いが、チャンスがあればFAでも。
FG成功率75%の25位タイと不振のシーズンだった。50yds超をやたらと蹴らせるのはマッカーシーHCの悪い癖だが、第15週PIT戦で34ydsを外して敗因となるなど、50yds未満を5本も失敗したのはいただけない。20yds台がパーフェクト、 30yds台が7/9、40yds台が4/7、50yds台が2/6、PAT失敗1回(キャリア初)だった。キックオフは飛距離こそ悪化したものの、わざと転がしたり短く浮かせたりといったコントロールはよかった。オンサイドキックもプレーオフを含めると4回蹴って2回成功している。
プロ3年間で一度も成功率80%を超えていないのは物足りないが、下記Pカピノスと比べると首脳陣の信頼は揺らいでいない様子。それでも、FA市場やドラフトで魅力的な選手がいれば、競争相手として獲得する可能性は大いにある。
2008年シーズン終盤に入団し、昨夏はPデュラント・ブルックス(でん部のケガで不戦敗)に勝って正パンターの座を確保。2年目なので多少は成長すると見込まれていたが、期待は完全に裏切られた。グロス43.1ydsはNFL18位タイと一見まずまずの数字だが、ネット34.1ydsはNFL最下位タイ。カバーチームが拙いのではなく、ハングタイムが短いライナーばかり蹴ってしまうカピノスに責任がある。
今春はEFAとなるはずだったが、昨日パッカーズは彼にオファーをしないことを明らかにし、無制限FAとなることが決まった。事実上解雇といっていい。最低額さえ出したくない、というのはよほど愛想を尽かされたのだろう。本人は、「自分だけのせいじゃない。1人に責任を押しつけるようでは進歩しない」と捨てゼリフ気味のコメント。
2008年プレシーズン最終戦で負傷したJ.J.ジャンセンに代わって入団し、正ロングスナッパーとして2シーズンフル出場。2年間にわたってミスらしいミスが一度もないので、今年も安泰だろう。球団は昨年4月にJ.J.ジャンセンをパンサーズにトレードし、出場試合数の条件を満たしたので、2011年のドラフト7巡指名権がもらえるはず。
心配された3-4ディフェンスへの適応は問題なく進んだ。FSニック・コリンズが6INTを挙げて2年連続プロボウルに選ばれたいっぽう、SSアタリ・ビグビーは良くも悪くもあまり目立たないシーズンだった。ボールを狙いやすいスキームになったせいか、先発2人で10INTを奪うことができたが、パスTD数もレッドゾーンTD率もNFL28位の不振で、パス守備に脆さがあったのは否めない。
控え選手たちは低レベルで、デプス不安はいまだ解消していない。昨年オフにFA補強したSアンソニー・スミスを開幕前にあっさり解雇し、レイヴンズからトレードでSデリック・マーティンを獲得。なぜか生き残っていたSアーロン・ラウス(2007年3巡指名)も第2週を終えたところで解雇。元コルツのSマット・ジョルダーノと契約した。スペシャルチーマーとしてはともかく、マーティンもジョルダーノも先発コンビを脅かすには程遠い。
今年は、ビグビーのいるストロングセーフティ強化が重要な課題、という見方が多い。(OTやCBと違って)それなりに能力のある選手がFA市場に出てくるポジションなので、FA補強に乗り出す可能性もある。仮にビグビーがスターターに残ったとしても、控え組の押し上げが期待しにくいため、ドラフトで補強したいところだ。展開しだいでは思い切った上位指名もありうる。
2008年がまぐれでなかったことを証明する活躍を見せ、2年連続プロボウルに選ばれた。6INT(2年で13INT)、3.5ロスタックル(キャリア最多)を挙げ、ミスタックルも前年より大幅に少ない9回。CB並のスピードを活かしたパスカバレッジに優れ、"Ball Hawk"としてのセンスにも磨きがかかってきた。経験を積んで戦術眼も向上し、フィールド上で出す指示もよくなっている。プレーオフを含め、彼に責任のあったパスTDはわずか2.5回。
プロ5年目を終えて無制限FAとなるはずが、労使交渉が進まないおかげで今春は制限つきFA(RFA)にしかなれない不運。最高額テンダー(1巡+3巡)または2番目のテンダー(1巡)で引き留めることになりそう。代理人は長期契約の締結に自信を示しているが、2年連続プロボウラーとなると相当な要求額になるはずで、難航するかもしれない。交渉が進まなければキャンプ等をホールドアウトする可能性もある。
先発定着から3年目のシーズンは可もなし不可もなしといったところか。開幕戦でヒザを負傷して3試合欠場、その間のディフェンスは不振だった(1勝2敗)。シーズン中盤には4試合で5TDを許したが、終盤には調子を上げ、彼らしいハードヒットも見られた。守備範囲があまり広くないぶん、スクリメージ近くでのプレーを得意とするが、昨年はロスタックルがゼロだった。フィールドで目立たなかったのは、スキーム的にそういう役回りなのか、反応の遅さなど彼の能力不足によるものなのか。
ディフェンスのスターターの中では明らかに力量の劣る選手で、「強力3-4ディフェンスを作るためにはもっとSSに優れたタレントを」という声は根強い。今春はRFAなので、2巡テンダーあたりをオファーされて残留することになりそう。
レイヴンズでは入団から3年間コーナーバックをプレーし(先発3試合)、昨年夏からセーフティに転向。開幕直前にT/Gトニー・モールとのトレードでパッカーズにやってきた。SSビグビーの代役スターターを務めた第4週MIN戦では散々な内容で途中交代させられるなど、セーフティとしてのプレーはよくなかった。しかしスペシャルチームでは中核選手の1人としてエネルギッシュな活躍を見せた。
今春はRFAとなるはずだったが、先日契約延長にサイン。RFAとしての最低額オファーよりも安い。総額$1.9ミリオンの2年契約で、契約ボーナスが$355,000ドル。ベースサラリーは今年が$65万ドル、来年が$75万ドル。ワークアウトボーナスは今年が$45,000ドル、来年が$10万ドル。セーフティとしての伸びシロも見込まれたのかもしれないが、実質的にはスペシャルチーマーとしての金額だろう。
コルツでは控えセーフティ(4年間で先発6試合)としてスーパーボウル制覇も経験したが、昨年開幕前に解雇。パッカーズは第2週を終えたところでSアーロン・ラウスを解雇し、入れ替わりにジョルダーノと契約した。スペシャルチームばかりで、出場はわずか5試合。これといってよいところを見せることはできなかった。
長らくマンカバレッジ中心だったパッカーズにとってゾーンカバレッジへの転換は大きなチャレンジだったが、結果はかなり良好なものだった。名手チャールズ・ウッドソンはオールラウンドな能力をいかんなく発揮し、キャリア最高の働きでNFL最優秀ディフェンス選手に選出された。アル・ハリスも予想以上にゾーンに適応し、NFL5位のパス守備に貢献した。
開幕前にパット・リー(5番手)、第4週にウィル・ブラックモン(4番手)、第11週にハリスがケガで戦線離脱し、シーズン終盤は深刻な戦力不足に。第15週にはQBロスリスバーガー(レーティング121.9)、プレーオフではQBワーナー(154.1)にボコボコにやられてしまった。パスカバレッジの責任だけではないにせよ、有力QB相手ではケイパースDCの手腕でも戦力不足をカバーしきれなかった、ということかもしれない。ハリス不在のためウッドソンを相手エースWRにつけざるをえず、バラエティに富んだ利用ができなくなったのが残念。
両スターターが30代半ばとなったうえ、ハリスとブラックモンがヒザがリハビリ途上、しかも若手の成長が物足りないので、パスラッシュLBと並んでディフェンスの要補強ポイントとなっている。ドラフトでは3巡までに指名があるのではないか。キャンプではアンダーウッドやリーの成長に期待したいところだ。
新ディフェンスで彼のオールラウンドな能力と高い戦術眼がいかんなく発揮され、見事NFL最優秀ディフェンス選手に輝いた。マンカバレッジと違ってQBの目を見て守れるのは明らかに彼向きで、ターンオーバー・プレー15回(9INT・5ファンブルフォース・1リカバー)はダントツのチーム1位。巧みに相手WRの前に体を割り込ませ、たとえキャッチされても常にボールを掻き出そうとする姿勢が素晴らしい。ブリッツやランサポートもよく、CBながらチーム3位のタックル数を稼いだ。
月間MVPを4ヶ月のうち3回も受賞。同一シーズンに3回受賞したのはNFL史上3人目の記録らしい。キャリア6回目のプロボウル選出も果たし、あとはこの活躍を続けて将来の殿堂入りを確実にするだけだ。
2007年まで欠場ゼロだった鉄人ハリスだが、2年連続で大きなケガに見舞われた。2008年は脾臓損傷から欠場わずか4試合で復帰したものの、昨年は第11週SF戦でヒザの前十字靭帯(ACL)を断裂してシーズンエンドに。それまでは、心配されたゾーン守備やオフカバレッジにも問題なく適応し、ランサポートでもアグレッシブなプレーを見せていた。
ヒザのリハビリの様子を本人がYouTubeのビデオで報告していて(パートI・II・III)、非常に興味深い映像が見られる。ILBバーネットは前年同時期にACLを断裂したが、2009年開幕戦から出場。もともとワークアウトの鬼だったハリスだけに、順調な復活を疑う声は聞かれない。まだまだ現役で長くプレーしたい気持ちがとても強い。
3番手CB/ニッケルバックに定着して3年目、ハリス負傷後はスターターを務めた。第13週BAL戦でパスインターフェアを3回取られたのが目立ったが、4インターセプトを挙げるなど全体としてはまずまずのシーズンだった。独特の勝負強さを持っているが、大きなミスも少なくなく、将来スターターとしてやっていけるかどうかは微妙なところ。
リターナーとしては本来ブラックモンに次ぐ2番手の能力があるはずだが、CB陣の層が薄くなったことを考慮して昨年はあまり使われず、パントリターンわずか13回。平均10.4ydsはまずまず。
2008年は初めて全試合出場したが、4年目の2009年は第4週MIN戦でヒザのACLを断裂してシーズン終了。プロ4年間で32試合も欠場している。元気なときも3番手のウィリアムズを脅かすには程遠く、CBとしては伸び悩んでいる。実質リターンスペシャリストにちかい存在だが、そのリターンも昨年はイマイチだった。今週末にはRFAとなるが、リハビリ中ということもあり、おそらく最低額ランクのオファーで引き留められるのではないか。
期待の2年目シーズンは、腰を痛めてキャンプ練習を半分以上休んだうえ、プレシーズン最終戦でヒザを負傷。全治6週間ほどのケガだったが、インジャリーリザーブに入ってシーズンを終えることになった。要は、「ロースターに置いて完治を待つには及ばない選手」と首脳陣が判断したわけで、2巡指名に値するような光るものを見せられずにいるのが現状だ。今年ダメならばバストの烙印を押されても仕方がない。
昨年RFAとしてタイタンズからのオファー(3年$4.5ミリオン)にサインしたが、パッカーズがマッチして引き留め。リーとブラックモンの戦線離脱で4番手に昇格し、さらにハリスの負傷で3番手/ニッケルバックとなった。マンカバーではついていくスピードがイマイチで、ゾーンカバレッジでも判断や読みがよくない。それより悪いのが実戦でのボールスキルで、せっかく相手WRを密着カバーしていても結局なぜか失敗する。
主にスペシャルチーマーとしての再契約だったが、そのスペシャルチームでも反則が多く、目を見張るほどの活躍はしていない。Sデリック・マーティンと契約延長したので、ブッシュはいずれ解雇されるのでは、という見方が出てきている。
6巡指名入団から、1年目は修業の年のはずだったが、上記3選手の戦線離脱で4番手/ダイムバックに昇格。パスカバーでは、終盤になるにつれてテクニックが向上し、それなりに光る物を見せた。おそろしく線が細く、ランサポートではへなちょこアーム・タックルを破られてばかり。今オフはウェイトルームで頑張り、上記の伸び悩み組を追い抜いてほしいところ。マッカーシーHCは2年目選手の中で、このアンダーウッドとOTラングを「期待の成長株」に挙げている。
2008年ドラフト外でチャージャーズに入団、その後ブロンコスのプラクティス・スクワッドからロースターに昇格し、9試合に出場した。昨年はプレシーズン最終戦でヒザを負傷してインジャリーリザーブに入り、その後ブロンコスを退団。リハビリを終えたところで、アル・ハリスを失ったパッカーズと契約した。アンダーウッドが欠場した第15週PIT戦ではダイムバックとして出場、WRマイク・ウォレスに最後のTDパスを許した。それ以外はほとんどがスペシャルチームで、パントチームのガンナーとしてよく頑張っている。
3-4ディフェンス初年度のインサイドLB陣は、リーグ最重量ディフェンシブラインの活躍もあって、まずまずの働きをみせた。前十字靭帯(ACL)断裂から復帰したニック・バーネットは期待以上の活躍。A.J.ホークはよかったり悪かったりだが、移籍2年目のブランドン・チラーが(元気なときは)ヴァーサタイルな働きで契約延長を勝ち取った。
他のポジションと比べて補強の優先度は低く、しかも3選手に大枚をはたいているので、補強があるとしてもドラフト下位指名だろう。サラリーが$4ミリオンを超えるA.J.ホークは放出される可能性もある。
2008年11月に負ったヒザの前十字靭帯(ACL)断裂からみごと復活。チーム最多タックル(キャリア5回目)、最多ロスタックルを記録するなど高いレベルで活躍し、NFL2位のディフェンスに貢献した。復活途上だったシーズン序盤はILBチラーとのローテーション起用をしぶしぶ受け入れ、バイウィーク明けからフル出場。シーズンが深まるとフィジカルなプレーが戻り、プレーコーラーとしてもしだいに向上した。
パスラッシュではILBホークとのクロス・ブリッツが定番で、キャリア最多の4サックを挙げた。ただ、チーム最多の116回ブリッツしてプレッシャー15回は物足りない、と見る向きもある。パス守備のミスがやや多く、カーディナルスとのプレーオフでは2TDパスを許した。
ウィークサイドLBから、3-4ディフェンス導入にともなってインサイドのストロングサイドへ。入団から3年間はフルタイムでプレーしてきたが、昨年はパスシチュエーションで出番を失い、ILBチラーの欠場時だけフル出場した。3WRがベースのチーム相手では、10スナップ以下しか出番のないゲームも。シーズン全体をならすとまずまずのプレー内容だったが、試合ごとにかなり波があった。
インサイドのランに対してはILBチラーよりもフィジカルなプレーをするが、サイドラインからサイドラインまで追う守備範囲の広さに欠け、1on1のパスカバレッジもよくない。ブリッツでのプレッシャー率(プレッシャー3回/ブリッツ70回)はチーム最悪で、ビッグプレー不足は相変わらず。ILBチラーと契約延長したこともあり、アーリー・ダウン専用のホークに$4.6ミリオンのサラリーは高い。残留できたとしても、契約延長(今年が契約最終年)の話は出てきそうにない。
ニッケル守備ではホークに代わってフィールドに入り、実質ホークと並立のスターターといっていい。ILBバーネットが万全でない間はベースディフェンスでも出場。パスカバレッジやパスラッシュにも優れた非常にヴァーサタイルな選手で、5LBの"Big Okie"パッケージでは実質ストロングセーフティとしてプレーした。シーズン前半はよかったが、シーズン半ばで手を骨折すると、復帰後のプレー内容はいまひとつだった。
今春FAとなるはずだったが、昨年12月半ばに4年の契約延長。今年以降のベースサラリーは$1.9ミリオン、2.0ミリオン、$2.7ミリオン、$3ミリオンと比較的リーズナブルで、どうしてもホークを放出しなければならないほど高額ではない。
キャンプでの評判は非常によかったが、今年もスターターになれなかった。"サイコ"パッケージ(1-5隊形)以外はスペシャルチームのみの出場で、スペシャルチーム最多の22タックル。キャンプでは時おりビッグヒットをぶちかまして「ビショップ待望論」が再燃するが、実戦でディフェンスに入ると、判断の拙さや守備範囲の狭さが気になる。ブリッツ22回でプレッシャーわずか1回。
気がつけば勝負の4年目だが、スターターの座はいっこうに近づいてこない。チャンスがあるとすれば、ホークが退団した場合ではないか。