グリーンベイ・パッカーズ ニュース

2010年2月20日

シーズン総括と展望 TE編

プロ2年目のジャーマイケル・フィンリーがレシービングTEとして躍進し、55回676yds(13試合)を稼いでパスオフェンスの主役の1人となった。スピードでフィールドを縦にストレッチし、エンドゾーンでは高さ勝負で相手DBにことごとく競り勝った。パッカーズでこれほどアスレチック能力の高いTEは、1996年のキース・ジャクソン以来。プロボウル出場3回のババ・フランクスは一度も500yds以上キャッチしたことがない。

元スターターのドナルド・リーはわずか260yds、1TDと成績が落ち込み、イージーな落球も目立った。地味な役割に回されたのはたしかだが、それにしてもひどい不振だ。いっぽう、元ラインバッカーのスペンサー・ヘイヴナーが転向1年目で3番手TEの座をつかみ、少ない出番で4TDを決めたことがちょっとした話題となった。

フィンリーとヘイヴナーはまだ伸びシロがあると考えれば、補強の必要性は大きくない。リーもやや給料が割高とはいえ、それなりに実績もあるし、2番手TEとしてならそう悪くないだろう。FA補強するほどではなく、ドラフト下位で魅力的な素材がいれば、といったところ。

ジャーマイケル・フィンリー Jermichael Finley | Tight End | Texas
6-5 (195cm) | 247lbs (112kg) | 3年目 22歳 | 2008年ドラフト3巡

1年目は生意気発言ばかりが注目されたが、2年目に早くも大器が花開いた。ほぼ4試合を休みながら、プレーオフを含めてパスキャッチ61回835ydsを稼ぎ出し、QBロジャースのフェイバリット・ターゲットとなった。負傷欠場中にオフェンスが手詰まりになったことからも、彼のありがたみがよくわかる。難しいパスをいとも簡単に競り勝ち、イージーな落球も非常に少ない。まだ改善の余地があるとはいえ、ルート取りもよいセンスをしている。サイズとスピードを兼ね備え、相手コーディネーターにとってはマッチアップに頭が痛いはず。

実質WRとしての起用が目立つフィンリーだが、ブロッキングも努力を重ねてかなり向上してきている。2年間で一度も反則を犯していないのも立派。あとは慢心さえなければいずれプロボウラーになれるのではないか。

ドナルド・リー Donald Lee | Tight End | Mississippi State
6-4 (193cm) | 248lbs (112kg) | 8年目 29歳 | 2005年FA(MIAで2003年5巡)

2007年からスターターを務めてきたが、躍進のフィンリーにあっさり先発の座を奪われた。ワイドにセットするのはフィンリーばかりで、彼は通常のインラインにセットする仕事ばかり。集中力を欠いたのか、落球率はチーム最悪の14.6%。エンドゾーンで胸に当てて落とした失態が2回もあった。ブロッキングではまだフィンリーよりすこし上。先発の座を取り戻すのは無理にしても、来季は立ち直って、堅実な2番手として踏みとどまってほしいところだ。

スペンサー・ヘイヴナー  Spencer Havner | Tight End | UCLA
6-3 (191cm) | 250lbs (113kg) | 2年目 27歳 | 2007年ドラフト外

過去2年間はストロングサイドLBとして主にプラクティス・スクワッドにいたが(出場4試合)、昨年春にタイトエンドにコンバートされると、大方の予想を裏切って3番手TEの座をつかんだ。全試合に出場し、フィンリーの欠場時など4TDの活躍だった(シーズン7キャッチのうち4つがTD)。フィンリー復帰後はレシーバーとしての仕事は少なかったが、ブロッカーとしての出番は多かった。アスレチック能力はフィンリーに及ぶべくもないが、ゾーンのシームを見つけるところなどセンスを感じさせる。

スペシャルチームでも中心選手の1人で、チーム3位の20タックルを挙げている。シーズン中は"TE/LB"という表記だったが、今は"/LB"がとれているので、ようやくTE専任にさせてもらえたかもしれない。

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