今季レギュラーシーズンのチームスタッツのまとめ。今季前半終了時・2008年・2007年のスタッツも参照のこと。
ディフェンス | ||||||||||||||
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Total | 失点 | ラン | ラン(1回) | ランTD | FumRec | パス | パス% | パスavg | パスTD | INT | Rating | サック | 3rd% | Red |
284.4 | 18.6 | 83.3 | 3.6 | 5回 | 10回 | 201.1 | 54.4% | 6.4 | 29回 | 30回 | 68.8 | 37回 | 36.0% | 59.1% |
2位 | 7位 | 1位 | 2位T | 1位T | 17位T | 5位 | 2位 | 5位T | 28位T | 1位 | 4位 | 11位T | 9位 | 28位 |
トータルディフェンスが20位から2位へとジャンプアップ。OLBキャンプマンとCBハリスの戦線離脱をルーキーたちの活躍で補ったと考えると、戦力的には昨年とさほど変わらないはず。ドム・ケイパース新DCによる3-4へのスキーム転換が大成功を収めたのは間違いない。
ヤーデージのわりに失点がやや多い。オフェンスはターンオーバーを与えない(ギブアウェイはNFL最少)のだから、スペシャルチームがヘボくてフィールドポジションが不利なこと、それに後述のようにポッキリ折れる傾向のあったパス守備のせいではないか。
ディフェンスコーチ総退陣の最大の理由だったラン守備が26位から1位へと大躍進。こちらが早めにリードして相手ラン回数が少なくなった傾向はあるものの、1回平均が4.6yds(26位)から3.6yds(2位タイ)と向上したのだから文句なし。決して弱体ランオフェンスのチームばかりと当たったわけではなく、RBスティーヴン・ジャクソン(STL)、RBエイドリアン・ピーターソン(MIN)などラッシング成績上位のRBたちをしっかり抑え、ランTDの少なさでもNFL1位。
いっぽうパス守備5位は、明らかに不振 or 未熟な相手QBに恵まれたおかげ。プロボウル級の有力QBを封じ込めたのはカウボーイズ戦だけで、QBカーソン・パーマー(レーティング93.3)、QBファーヴ(2試合で158.3)、QBロスリスバーガー(121.9)、さらにプレーオフではQBワーナー(154.1)にコテンパンにやられている。未熟なQBを3rdダウンロングに追い込んで多彩なブリッツで圧倒する、という手が有力QB相手に通じなくなると、ガタガタに崩れてしまう。
"Ball Hawk"ぞろいのDB陣がインターセプトを量産したのは昨季と同様で、今季後半だけで18INTを奪ってNFL1位に輝いた。昨季まではQBに背を向けるプレスカバレッジであれだけINTを稼いでいたのだから、ボールを狙いやすいスキームになれば増えるのが当然だろう。サック数は今季前半29位タイと伸び悩んだが、後半はOLBマシューズの台頭で11位タイまで上昇。そうしたビッグプレーが多いいっぽうで、パスTD数は28位タイ(レッドゾーンTD率も28位)と非常に多く、やられるときは簡単にTDパスを許す脆さが数字にはっきり表れている。
スペシャルチーム | |||||||||||
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Kickoff | Punt | Kickoff Ret | Punt Ret | Field Goals | |||||||
Avg. | TB | Coverage | Avg. | In20 | TB | Coverage | Net | 成功率 | 回数 | ||
62.8 | 12回 | 22.8 | 43.1 | 15回 | 10回 | 10.1 | 34.1 | 22.1 | 6.9 | 75.0% | 27回 |
24位 | 12位 | 17位 | 18位T | 32位 | 28位T | 24位 | 31位T | 19位 | 23位 | 25位T | 6位T |
スペシャルチームはほとんどの部門でNFLの下位に苦しみ、昨年STコーチを交代させてさらに悪化してしまった印象だ。カバレッジチームは後半多少立て直したものの、パント、FG成功率、リターンチームはどれもNFL最低クラス。2007年シーズン(13勝3敗)はスペシャルチームのおかげで勝てた試合がいくつもあったが、今季は最初から最後までチームの足手まといだった。
キックオフの飛距離は昨季の15位タイから24位に悪化。タッチバックも昨季の17回から12回に減ってしまった。カバレッジチームは今季前半は毎週のようにビッグリターンを許してキックオフ26位、パント30位だったが、後半は立て直してなんとか17位と24位でシーズンを終えることができた。リターンTDを一度も許さなかった(12チーム)のは評価できる。
いっぽうパンターのジェレミー・カピノスの不振はシーズン後半もひどくなるばかりで、ネット平均はNFL最下位のままだった。キック力がないなら普通はもう少しショートパントのコントロールがよさそうなものだが、インサイド20に落とした回数は最下位、逆にタッチバック回数は28位タイの多さなのだから目も当てられない。
キッカーのメイソン・クロスビーも、成功率75%の25位タイと不振のシーズンだった。FG距離は20yds台がパーフェクト、30yds台が7/9、40yds台が4/7、50yds台が2/6。 キャリア初のPAT失敗もあった。オフェンスが好調なためFG回数自体は多い。寒冷地であるせいか、対戦相手のFG成功率も76.5%と決してよくなかった。
リターンゲームは昨季同様パンチに欠け、人材不足がはっきり表れている。キックオフリターンが多少マシになったとはいえ、それは昨季(最下位)がひどすぎたせい。今季最長リターンは54ydsで27位。CBブラックモンの戦線離脱もあってパントリターンはさっぱりで、2年連続で6yds台(NFL平均は8.5yds)の体たらくが続いている。今季スペシャルチームによるリターンTDが一度もなかった14チームの1つだった。