グリーンベイ・パッカーズ ニュース

2009年11月19日

CBアル・ハリス: 息子の難病

アルシナード・ハリスJr.が生まれたとき、父アル・ハリスはまだ大学生。NFL入りしたときもまだ2歳だったが、やがてパッカーズに移ってリーグ有数のシャットダウン・コーナーとなり、プレーオフでサヨナラINTリターンTDを決めたのははっきりと記憶にあるという。2007年末に初めてプロボウルに出場したときは12歳になっていて、その喜びを親子で分かち合うことができた。

普段のCBアル・ハリスはフロリダで妻や次男と暮らし、長男アルJr.はアトランタで母と2人暮らし。それでも父子の絆はとても強い、と2人は声を揃える。アルJr.も中学でフットボール選手として活躍し、ポジションも父と同じコーナーバック。長身でスリムな体型もよく似ている。

そんなアルJr.の体調に異変が生じたのは、父の初プロボウルのため家族一緒にハワイ旅行に出かけたときのことだった。ホノルルについてすぐ、胃痛、血便、体重減といった症状に見舞われた。「そのときはただの胃炎だと僕らは思ったんだ。でも普段は弱音を吐かない息子があんなに痛がるんだから心配になった。どこかおかしいに違いないと」

治療を受けていったん症状が改善したアルJr.だったが、アトランタに戻ったところでぶり返した。CBハリスがフロリダから駆けつけると、息子は病室でぐったりとして輸血を受けていた。「ハワイとアトランタで2回誤診されたようなものだ。アトランタでも最初は胃炎だと思い、全く逆効果の投薬をされてしまった」。 CBハリスは息子の病室でネットを使って調べ、そのうちようやく医師が本当の病名を突き止めた。クローン病だった。治療によって緩解させることはできるが、今のところ根治治療の方法が見つかっていない原因不明の難病だ。

クローン病といえばジャガーズのQBデヴィッド・ギャラードが有名で、TVコマーシャルなど募金・啓蒙活動にも関わっている(映像1映像2)。ギャラードは2004年春に発病、体重を35ポンド(16kg)失い、投薬治療でも間に合わなくなって、手術で腸を12インチ(30cm)切除。ジャガーズで先発QBの座を奪ったのはその後のことだ。「僕もすぐにデヴィッド・ギャラードに相談をして、最高の治療ができる環境を調べ始めた。デヴィッドは専門家の名前を教えてくれた。資金はあるのだから、息子に最高の治療を受けさせてやりたかった」

こうして本格治療を受けた甲斐あって、アルJr.の病状は改善してきている。投薬量も減り、食事や運動の制限もいまは必要なくなったという。今週14歳の誕生日を迎える彼は、フロリダ州フォートローダーデールの高校に進学してフットボールを続けることになっている。フットボールの名門であることに加え、CBハリス(ポンパノ・ビーチ在住)が息子を自分のそばに来させたいと希望したからでもある。

息子の病気に触発され、CBハリスは最近みずからの財団を設立した。難病に苦しむ子供たちのためのキャンプを行ったり、クローン病研究や啓蒙のために活動をしていきたい、とCBハリスは語っている。

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