グリーンベイ・パッカーズ ニュース

2009年7月21日

ロースター展望 DE編

3-4ディフェンスへの転換により、ディフェンシブエンドの役割も大きく変わる。パスラッシュの主役の座はアウトサイドLBに移り、DEはブロッカーを受け止めて後ろのLBたちにタックルさせる地味な役割(5月の記事参照)。これまでよりもサイズや馬力が必要になる。アーロン・キャンプマンやジェレミー・トンプソンら軽量組はアウトサイドLBにコンバートされ、ジョニー・ジョリーとジャスティン・ハレルがDTからDEに移ってくる。

右DEのスターターはこれまでどおり、昨季を胸筋断裂で棒に振ったカレン・ジェンキンズ。左DEはジョニー・ジョリーかと思われたが、1巡指名ルーキーのB.J.ラジが先発の座を奪いそうな情勢だ。どの選手も3-4経験がないこともあって、控え争いは混沌としている。ロースター枠はよくわからないが、DL全体で7人か8人。DEだけで4人か5人、プラスNTラジといったところ。

カレン・ジェンキンズ  Cullen Jenkins

セントラル・ミシガン大から2003年のドラフト外で入団、NFLヨーロッパ派遣を経た2年目に初ロースター入りを果たし、3年目の2005年に先発DTに昇格。2006年終盤からはバジャ=ビアミラを退けて右DEに移り、スターターを務めてきた。昨季序盤はチーム最多プレッシャーを挙げる大活躍を見せていたが、第4週バッカニアーズ戦で胸筋を断裂してシーズンエンド。彼の戦線離脱でDLの戦力が大きく低下し、やがてディフェンス全体の不振につながってしまった。

昨年までと同じ先発右DEとはいえ、長所のクイックネスが活かしにくくサックが稼げないポジションになったのは少し気の毒。もともと305ポンドの重量級DEなので3-4のDEにはぴったりの感じだが、身長(6-2)や腕の長さといった点で3-4に向いているのかどうか。胸筋断裂に加えてオフには足首の手術も受けており、まずは体調を100%に戻すことがカギになる。

ジョニー・ジョリー Johnny Jolly

テキサスA&Mから2006年のドラフト6巡指名で入団、2年目に急成長してスターターの座をつかんだ。しかし3年目の昨季の成長ぶりはいまひとつで、物足りないプレー内容。勝手な動きをして守るべきギャップを守らないプレーが時折あり、コーチ陣から叱責される場面もあった。昨夏に逮捕された事件では今季中か終了後に裁判が待っていて(詳細は18日の記事参照)、有罪ならばリーグからの処分は避けられない。

B.J.ラジ入団前は先発左DEの最有力候補だったが、OTAやミニキャンプでのラジの動きがよく、首脳陣の考えはラジ先発に大きく傾いてきたらしい。今年が契約最終年ではあるが、地元ヒューストンでの交友関係など私生活上のリスクが大きいだけに、そう簡単には契約延長してもらえないのではないか。

マイケル・モンゴメリー Michael Montgomery

ジョリーと同じくテキサスA&Mから2005年のドラフト6巡指名で入団。それなりに成長はしてきたものの、パスラッシュ・ラン守備ともスターターとしては物足りず、ジェンキンズの穴を埋めるには程遠かった。3-4は不向きと見られていたので、今春FAとして移籍濃厚と言われたが、けっきょく買い手が付かずパッカーズと安価な2年契約。今夏はハレルやウィンと控えDEの座を争い、ロースター残留を目指す。DE陣最軽量の273ポンド(公称)なので、多少バルクアップは必要のはず。

ジャスティン・ハレル  Justin Harrell

テネシー大から2007年のドラフト1巡16位で入団したが、これまで2年間はケガばかりでほとんど戦力にならず、トンプソンGM時代に入って最大のBUSTといっていい。プロ1年目は、在学中に負った上腕二頭筋断裂の影響がシーズン中まで残った。期待された2年目は春先に腰を負傷し、治りかけてはぶり返すことがけっきょくシーズン末まで続いた。今春は腰痛がようやく治って元気にOTAに参加できたが、ミニキャンプでの動きを見た記者たちの評判は芳しくない。

3-4となった今年は、ジョリーと同じくDTからDEにコンバート。マッカーシーHCは当初「NTとDEの両方で使ってみる」と語っていたが、ここまでDEばかりなのは、やはりNTには馬力不足(または腰痛再発が怖い)と見なされているからではないか。1巡指名から3年目、今夏のキャンプで結果を出せなければ解雇されてもおかしくない。

ジャリアス・ウィン Jarius Wynn

ジョージア大から今年のドラフト6巡a指名で入団。最初はジュニアカレッジのジョージア・ミリタリー・アカデミーで大活躍し、ジョージア大に途中編入して2年間プレーした。編入1年目はDEとDTの両方で控えとしてプレーし、昨季は先発DEを務めた。大学最後の2試合が素晴らしい出来で、才能が花開きつつあるのではないかという期待がある。チーム側は大学時代よりも15ポンドほど増やすことを望んでいるらしい。残れなければプラクティス・スクワッド。

アルフレッド・マローン Alfred Malone

トロイ大から2005年のドラフト外でテキサンズに入団し、2007年末にパッカーズのプラクティス・スクワッドへ。昨年12月の初めにロースターに初昇格し、4試合に出場して4タックルを挙げた。パスシチュエーションで登場してインサイドからラッシュする仕事がメインだったようだ。3-4に移行する今年はDTからDEに移り、上記選手たちとロースター枠ぎりぎりを争う。

ロナルド・タリー Ronald Talley

デラウェア大出身のドラフト外ルーキー。身長6フィート3(191cm)、体重282ポンド(128kg)。ノートルダム大で2年プレーしたあと、同大に転校した。先発DEを務めた2年間で計89タックルを挙げている。サックは2年で6.5回だけで、スピード(5.15秒)はさほどでもない。

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