5巡b指名のOTジャマーン・メレディス が正式契約。これでドラフト指名8人のうち下から4人が契約したことになる。
約5週間にわたる夏休みに入った選手たちだが、QBアーロン・ロジャース はほとんど休暇を取らない予定。サンディエゴの自宅で個人ワークアウトをして体を絞ったあと(目標体重を数ポンドオーバー中)、QBブリーズ(SD)、RBトムリンソン(SD)、TEウィンズロウ(CLE→TB)、CBティルマン(CHI)といった一流選手たちと、3週間半にわたって「非常に精力的なトレーニング」を行う予定、とのこと。
今年のオフシーズンを迎えるにあたって、トム・クレメンツQBコーチ は10項目にわたる課題をQBアーロン・ロジャースに与えたという。「このオフ最初に彼に会った日、『ここに10項目のリストがある』 といって彼に渡したんだ。非常に重要なポイントもあったし、純粋に技術的なポイントもあった。このオフシーズンを通して、そういった課題に我々は取り組んできた」。 リストの詳しい内容はわからないが、QBロジャース本人によると、フットワークの改善は重点項目の1つとのこと。ウェストコーストオフェンスにおいてはタイミングが非常に重要で、そのためにQBは正確で安定したフットワークを磨かなければならない、というのは名将ビル・ウォルシュの頃から有名。マッカーシーHCもQB育成においてフットワークを非常に重視している。
昨年7月に鎮痛剤コデインの違法(大量)所持で逮捕されたDTジョニー・ジョリー だが、まだ裁判が始まっていない。このたび3回目の延期が行われ、7月17日から初公判と決まった。初犯なので執行猶予付きとなる可能性は十分あるが、それでも有罪となればリーグ側からの出場停止処分(たとえば4試合)はおそらく避けられない。
2009年6月28日
WRグレッグ・ジェニングスの4年契約の詳細が判明した。契約ボーナスは$11.25ミリオン。今年のベースサラリーが$5ミリオンで、これは保証されている。2010年は$1.85ミリオン、2011年は$2.7ミリオン、2012年は$3.885ミリオン。さらに、2010年以降の3年間はそれぞれ$30万ドルのワークアウトボーナス、1試合出場につき$25,000ドル、つまり全試合出場で年$40万ドルのインセンティブ。成績に応じたインセンティブが2010年は最大$70万ドル、2011年は最大$1ミリオン、2012年は最大$1.25ミリオン。
インセンティブを全て達成してようやく総額$28ミリオン、つまり年平均$7ミリオンを超える。これからピークを迎える若手有力WRとしては、年平均$6ミリオン台なら決して高くはないだろう。「新労使協約が締結できない場合はFAになれない」というNFL4年目選手の弱みに加え、多少譲歩しても短い契約がほしい、という考えがジェニングス側にはあったかもしれない。
WRジェニングスの今年のキャップ額が$8.154ミリオンとなったことで、Journal Sentinel紙によると現在のパッカーズのサラリーキャップの空きは$21.5ミリオン。ルーキー分のサラリーキャップ "Rookie Pool" が$5,443,396ドルなので、それを差し引いても$16ミリオン以上の空きを他の有力選手たちの契約延長に充てることができる。
2009年6月26日
この日はウォークスルーばかりで実戦形式の練習はなく、ごく軽い内容でミニキャンプ最終日 を締めくくった。マッカーシーHCによると、酷暑がその理由ではなく、これまでのOrganized Team Activities(OTA)が充実していたからだ、とのこと。「今日はオフシーズンを通して取り組んできた教育プロセスの仕上げといっていい。(インストールが全て完了したので)キャンプ初日に全員が再集合したとき、『何をすればいいか、どう動けばいいか』 が問題ではなくなり、『どれだけ速く動けるか』 が問題となる」
OGネヴィン・マキャスキル が解雇された。昨季イーグルスのプラクティス・スクワッドにいたところをパッカーズが獲得し、最終盤の3週間にわたってロースターにいた選手。彼が早くも解雇されたのは、若手OL陣のデプスが充実してきた表れだと解釈したいところ。
これで現在契約下にあるのは78人。残る5人のドラフト指名選手と契約して80人枠に収めるには、あと3人がトレーニングキャンプ開幕までに解雇されることになる。
ケガでミニキャンプ練習に参加していない選手たちも、8月1日のトレーニングキャンプ初日には全員復帰できる見込み。ただ、1日1回の練習に制限する選手もいるだろう、とマッカーシーHC。
WRジェニングスが大型契約にサインしたことについて、FSニック・コリンズ 。「彼が契約を手に入れたのは嬉しいよ。グレッグはすごいヤツで、あの契約にふさわしい。できれば僕もそうなるといいけど」
OLBアーロン・キャンプマン は練習に参加したあと、恩師(昨日の記事参照 )を追悼する声明を球団を通じて発表した。自分にとって、そしてコミュニティにとって非常に特別なひとであった、彼の功績は決して忘れ去られることはない、といった内容。メディアの取材には応じていない。
DEジャスティン・ハレル が前日の練習を途中退場したのは、ケガではなく体調を崩しただけとのこと。目標体重の315ポンドを現在15ポンドほど上回っているので、来週水曜からの新婚旅行から帰ってきたら頑張る、と本人。「今年はプロ入り以来最高のオフシーズン(のトレーニング)を過ごしている。だからこの勢いを保って、休暇から戻ったらしっかり準備し、トレーニングキャンプに備えるよ」
2009年6月25日
合意は近いとの見通しを昨日明らかにしたばかりのWRグレッグ・ジェニングスだが、すでに契約に大筋で合意したようだ。あとは細部を詰め、リーグ側の承認を待つだけ。こうした大型契約の場合、インセンティブやエスカレーター条項などややこしい部分で、リーグ側から承認されない場合もたまにある。パッカーズは契約延長を求める選手たちが目白押しの状況だけに、トレーニングキャンプ前に最大の懸案が片付くことはめでたい。
契約の詳細は不明だが、これでWRジェニングスはNFLで2番目に高給のWRになる、と関係筋は話している(最高給はラリー・フィッツジェラルド)。しかしその後のESPN情報によると、4年総額$27.5ミリオンから$30.5ミリオンの間とのこと(プロボウル級の成績を残せば$30.5ミリオンに近づくらしい)。それが本当だとすると、年平均$6.9ミリオンから$7.6ミリオンの間なので、リー・エヴァンズ(BUF)、T.J. フーシュマンザダ(CIN→SEA)やロイ・ウィリアムズ(DAL)、アンドレ・ジョンソン(HOU)よりも少し下になる。パッカーズの中ではQBアーロン・ロジャースに次いで2番目。
契約延長を求めている選手が多いため、この交渉はかなりチームメイトからの関心を集めていたとWRジェニングスは笑う。 「かなり多くの選手と、この件で話をしたよ。ニック(FSコリンズ)とは特にそうだった。ただ、状況は選手によって違うものだし、取り組み方も少しずつ違うものだ。自分とは違った(代理人からの)助言を受ける選手もいるしね」
追記 : 正式契約の締結を球団が発表した。2012年までの4年契約で、実質3年だけの契約延長となる。次は30歳前にまたFAとなれるようにしたかったからだ、とWRジェニングス本人が語っている。
全員参加のミニキャンプ2日目は午前・午後の2回の練習。とくに午後は35℃まで気温が上がり、選手たちもちょっとつらそう。トレーニングスタッフは水分補給を奨励し、練習途中でドロップアウトする選手もいた。
WRローン・サム が解雇された。昨季終盤にプラクティス・スクワッドに入った選手。
前日欠席したCBチャールズ・ウッドソン(チャリティー出席のため)とCBウィル・ブラックモン(結婚のため)がチームに合流し、欠席はOTブレノ・ジャコミニ(足首)だけ。
RB陣の序列 は依然として2番手ブランドン・ジャクソン、3番手デショーン・ウィン、4番手クレイグ・ランプキン。
多くの2年目選手と同じく、TEジャーマイケル・フィンリー は好調なプレーを続けている。
CB陣の序列 は依然として3番手トラモン・ウィリアムズ、4番手ウィル・ブラックモン、5番手パット・リー。
OLBアーロン・キャンプマン はしだいに新ポジションに慣れ、調子を上げてきている。リードブロッカーのFBクイン・ジョンソン(5巡指名)をぼろ切れのように吹き飛ばす場面や、カバレッジでWRに(本来ミスマッチだが)ぴったりついていく好プレーも。
DEジャスティン・ハレル が途中で退場したが、心配するようなことではない、とターゴヴァックDLコーチは説明している。5巡ルーキーのOTジャマーン・メレディスは暑さに参って途中退場。
キックオフリターン 練習では1番手がCBウィル・ブラックモン、2番手がCBトラモン・ウィリアムズ。WRジョーディ・ネルソンはブロッカーとしてだけだったが、CBパット・リーがリターナーに入る場面があった。
リターナーを除くキックオフリターンの1stチーム は、CBブッシュ、OLBブラッド・ジョーンズ、LBチラー、LBビショップ、WRマーティン、FBホール、FBクーン、OTモール、Cプレストン、DEモンゴメリー。
かつてチーフスでマッカーシーHC(当時QBコーチ)の下でプレーした元QBリッチ・ギャノン がゲストとしてミニキャンプを訪れ、サイドラインでマッカーシーHCと談笑している。
この日もOLBマシューズの父クレイJr. は、午前・午後の練習とも食い入るように見つめている。(写真 )
24日朝8時半ごろ、OLBアーロン・キャンプマン の高校時代の恩師、エド・トーマスHCが頭を銃で複数回撃たれて死亡した。犯人はすでに逮捕され、24歳の元フットボール部選手であることが明らかになった。現場はアイオワ州アプリントン=パーカーズバーグ高校のウェイトルームで、他にも50人ほどの生徒がいたが、彼以外の負傷者はいないとのこと。同校フットボール部のヘッドコーチ兼アスレチック・ディレクターを務めるエド・トーマスは、キャンプマン以外にもCケイシー・ウィーグマン(DEN)、Cブラッド・ミースター(JAX)、DEジャレッド・デヴリーズ(DET)といった選手たちをNFLに送り出し、その功績によって2005年の"NFL high school coach of the year"に選ばれている。昨年現地を襲った竜巻の被害(彼の自宅も破壊された)から復興を目指す活動の中心的存在の1人でもあった。今回の悲報はCNNをはじめとした全米メディアでも大きく取り上げられている。
2009年6月24日
契約延長交渉の成り行きが注目されるWRグレッグ・ジェニングスだが、合意は近いとの見方を本人が明らかにした。「いろいろと話し合ってきた結果、僕の見たところ、かなり近いところまで来ている。どうしても合意できないという可能性も残ってはいるけど、僕は近いと思う。『近い』 というのが本当はどれだけ近いのか、実際に契約がまとまるまでは分からないんだけどね」
今年のパッカーズはWRジェニングスとの契約交渉を最優先と位置づけ、彼の後にはたくさんの(今年で契約が切れる)選手が列をなしている。昨季は1,292ydsを記録し、いまや申し分のないエースWRに成長してきただけに、弱気になる材料はほとんど見当たらない。たとえば今春シアトルへ移籍したT.J. フーシュマンザダ(年平均$8ミリオン)のように、大型契約を手に入れるのは間違いのないところだ。
ただしWRジェニングスにも1つだけ不安な点がある。もし期限までに新労使協約が締結できず、来季がサラリーキャップなしのシーズンとなった場合、「来春FAとなるにはNFL6年目を終えていなければならない」という規定があるのだ。そのためWRジェニングスのように2006年に4年契約でNFL入りした選手や、2005年に5年契約でNFL入りした選手はRFAにしかなれず、FA市場でビッグマネーを手に入れることができなくなってしまう。となると、そのリスクを避けるために早めに契約延長してしまおう、という気持ちに傾いてもおかしくない。
「そのとおり。それが僕にとって大事なもう1つの要素だよ。もしそうなったら、損な年代の枠にはまり込んでしまう。労使協約がまとまれば、それで問題ない。でももしまとまらないと、僕は苦しい立場になる」とWRジェニングスは率直に語っている。
「僕は契約問題でチームの仲間に迷惑をかけたくない。チームのリーダーと見なされているのに ? メイン・リーダーというわけじゃなくリーダーの1人という意味だけど ? そのリーダーがチームの邪魔になるわけにはいかないよ。たしかにオフシーズン・プログラムを欠席することもあるけれど、それは契約問題が理由じゃない。フットボールも大事だけど、家族が最優先だからだ。僕には娘が2人いて、下の子は10ヶ月だ。できるだけ娘や妻と一緒にいてやりたい」
全員参加義務付けのミニキャンプ初日。欠席はCBチャールズ・ウッドソン(チャリティ出席のため)、CBウィル・ブラックモン(結婚のため)、OTブレノ・ジャコミニ(足首)の3人で、いずれもヘッドコーチの許可を得ている。
FSニック・コリンズ (契約問題)は先週のOTA出席が顔見せだけだったので心配されたが、今回のミニキャンプでは練習にほぼフル参加。動きからすると、どこも悪くはないようだ。ディフェンス習熟に遅れがあるため、ダレン・ペリー・セーフティコーチがぴったりと張り付き、プレーの合間には2人でさかんに話し合っている。
ILBニック・バーネット(ヒザ)とSSアタリ・ビグビー(足首)はウォーク・スルーだけ参加。
Cスコット・ウェルズ(肩)、LTチャド・クリフトン(肩・両ヒザ)、DEカレン・ジェンキンズ(足首)といったこれまでどおりのリハビリ組に加え、Sアンソニー・スミスが鼠蹊部を痛めて見学組に。
ウォーク・スルーでのディフェンス1stチームは、LDEラジ、NTピケット、RDEジョリー、LOLBキャンプマン、ILBバーネット、ILBホーク、ROLBトンプソン、CBハリス、CBウィリアムズ、SSビグビー、FSコリンズ。
1stチームOL陣 は、LTモール、LGカレッジ、Cスピッツ、RGシットン、RTバーバー。
2ndチームOL陣 は、LTジャマーン・メレディス(5巡指名)、LGネヴィン・マキャスキル、Cデューク・プレストン、RGイヴァン・ディートリック=スミス(ドラフト外)、RT T.J.ラング(4巡指名)。
フルバック陣 では、コーリー・ホールが1番手。5巡ルーキーのクイン・ジョンソンが2番手。
オフェンスの"Play of the Day"はWRジョーディ・ネルソン 。QBロジャースからのタッチパスを左サイドライン際でワンハンドキャッチした。
ディフェンスの"Play of the Day"はCBトラモン・ウィリアムズ 。QBロジャースからWRスウェインへのディープ・スラントを見事に叩き落とした。
今年最も精力的なパント練習 が行われ、ディフェンスのラッシュ付きで両パンターが8回ずつ蹴った。追い風にも助けられ、Pデュラント・ブルックスは51.5yds。Pジェレミー・カピノスは50.5ydsと単純な飛距離ではやや劣ったものの、ゲット・オフ・タイム(捕ってから蹴るまでの時間)とハング・タイム(滞空時間)がよく、総合するとカピノスに軍配が上がった。これまでどおり、蹴る順番もカピノスが先。
ブラックモン不在のパントリターナー 練習は、WRジョーディ・ネルソン、WRブレット・スウェインに加えてFSニック・コリンズも。
パンターおよび両ガンナーを除くパントの1stチーム の顔ぶれは、LSブレット・グード、LBビショップ、LBヘイヴナー、LBチラー、OLBポピンガ、OLBブラッド・ジョーンズ(7巡指名)、TEフィンリー、FBホール。
毎年恒例、ドラフト指名ルーキーたちの家族がミニキャンプに招待され、サイドラインで見学している。OLBマシューズの父、名LBクレイ・マシューズJr. の姿も。
午後の練習はマッカーシーHCによってキャンセルされ、チームの絆を深めるためのボウリング大会が行われた。
2009年6月23日
昨年は巨大なプレッシャーを乗り越えて立派な仕事をしたQBアーロン・ロジャース。先発1年目ながらQBレーティング93.8はNFL6位、パス4038ydsはNFL4位の好成績だ。今年もまたファーヴ騒動が起きてはいるが、昨年のあのプレッシャーとは比べものにならない。「今年の一連の騒ぎには興味がない。本当だよ。自分の仕事、そしてチームの仕事に僕は集中している」
「僕らは毎年ベアーズと2回、ヴァイキングスと2回、ライオンズと2回対戦する、それは知ってる。でもそれ以外のことは、僕に言わせれば新聞を売るための騒ぎにすぎないし、僕がムキになるようなことじゃない。集中の妨げになるような事態はいつだって起こりうる。僕らはなんとかそれに対処するしかない。このチームにはタレントがとにかく豊富だから、僕らを止めるのは僕ら自身しかいない。そして、去年はそういう失敗が多すぎた。そうした雑音に振り回されることさえなければ、僕らには大きな仕事ができるはずだ」
昨年もオーディブルの権限は与えられていたQBロジャースだが、まだ先発1年目とあって、選択肢は多く与えられていなかったという。しかしマイク・マッカーシーHCからの信頼が増した今年は、より自由にオーディブルがコールできるようになる見込みだ。「マイクのプレーコールの仕方が変わってくると思う。今年はスクリメージ上でより大きな責任を持たせてくれるはずだ。QBへの信頼が増すことによって、QBの判断で変更される可能性の高いプレーを選ぶことが増えてくる」
「そしてそれは、僕が準備に費やしてきた努力へのリスペクトでもある。『OK、彼はフィルムを勉強したし、ゲームプランも勉強した。彼に何を期待できるかこちらは把握しているし、予想と違ったものを彼が目撃したら、何をどう変えるか彼は知っているはず』 というふうに見てくれていると思う。選択肢のない固定されたプレーを選ぶのではなくね」
オーディブルの選択肢が少なかったせいか、まだ未熟であったせいか、昨年のQBロジャースはいわゆる「システム・クォーターバック」的な選手に見えることも時おりあった。ファーヴとは正反対の、ミスの少ない、無難な選択をするクォーターバック。それがうまく行く場合も多かったが、もっとリラックスして思い切ったプレーをしてほしいとチームメイトが彼に言ったこともあるらしい。
「まるで彼自身でないように見えたことが何度かあったのはたしかだね」と振り返るのは、ホットラインを組むWRグレッグ・ジェニングス。「なんというか、コーチ達の望むQBになろうとしているかのようだった。マイクが求めたのが悪いと言っているわけじゃない。ただ、アーロン自身ではなかった。『いいか、お前らしくやればいいんだよ』 と言いたくなったよ。ニューオーリンズ遠征で彼にその気持ちを伝えたのを覚えてる。僕がそのことに気がついたのはその高得点ゲーム(29-51で敗戦)でのことだった。プレーしていたのはアーロン・ロジャースじゃなかった。『コーチに型にはめられたアーロンという選手』 だった」
そのエピソードを聞いたマッカーシーHCも、WRジェニングスの考えに同意している。「たしかにそれは一番大事なことだと思うね。アーロン・ロジャースが彼自身のままでいることだ。QBというのは(オフェンスを指揮する)私の延長であると思うか? そのとおり、それは事実だ。しかし、彼が自分の個性に即したプレーをすることは大事だし、そうして初めて、このチームは彼のものになっていくのだと思う」
2009年6月22日
7月の定例株主総会を前に、マーク・マーフィ社長とラリー・ウェイアーズ会計担当が、グリーンベイ・パッカーズの昨会計年度(3月まで)の収支報告を明らかにした。それによると、利益幅は前年の約$23ミリオンからわずか$4ミリオンへと大幅にダウン。しかし世界中で景気が悪化し、NFLでも職員を大量解雇する球団が多いことを考えると、レイオフなしで黒字を出せただけでも上出来と言えるかもしれない。
パッカーズの収益悪化は景気後退だけが理由ではない。全米のパッカーズ人気を支えてきたブレット・ファーヴが大騒動のうえ移籍し、さらに秋が深まるとチームの成績不振も加わった。夏のファーヴ・ショック、秋口のリーマン・ショック、そして6勝10敗ショックのトリプル・ショックにより、ファン心理が大きく冷え込んだのは否めない。
利益が$19ミリオンもダウンしたのは、ご多分に漏れず投資で$16ミリオンの損失を出したこと、プロショップの売り上げダウン、そして選手サラリーの上昇、この3つが大きな要因だとマーフィ社長は説明している。
(選手組合の要求にもかかわらず)会計内容を明らかにしているNFL球団はグリーンベイ・パッカーズだけなので、強欲オーナーたちの懐具合が実際はどうなっているのか、外部からはわかりにくい。とくに、新労使協約へ向けた交渉がこれから本格化するとあって、パッカーズが利益を減らしながらも黒字を確保したことは、選手組合側にとって心強い材料なのではないか、という見る向きもある。
総収入 は$6.9ミリオン増えて過去最高の$247.9ミリオンを記録。
各球団に配分されるナショナル・レベニュー ($147.1ミリオン、そのうちTV収入は$94.5ミリオン)のアップが収入増の理由で、ローカル・レベニューのダウンを補う形となった。前年のナショナル・レベニューは$135ミリオン、うちTV収入が$87ミリオンだった。
各球団独自の収入であるローカル・レベニュー は約$5ミリオンのダウン。チーム成績の躍進もあって一昨年の$93ミリオンから昨年は$105ミリオンへと上昇していたが、今回は$100.8ミリオン。
選手サラリー が$14ミリオンもアップ。それ以外の経費を$6.1ミリオン切り詰めたものの、経常経費は$7.9ミリオン上昇してしまった。
公式プロショップを含むセールス&マーケティング収入 は、前年の$50.2ミリオンから$43.7ミリオンへとダウン。NFC決勝に出場した前年が記録的な売り上げだったため、なおさらダウン幅が大きくなった。ショップを訪れるファンの数はさほど減っていないので、客単価が大きく下がったことになる。
前述のように、投資 で$16ミリオンもの損失。前年は$8ミリオンの利益だった。
大富豪オーナーを持たないパッカーズは、いざというとき(サラリーキャップなしの完全自由競争になるなど)にも球団が存続して競争力を保てるよう "Packers Franchise Preservation Fund" という基金を設け、将来の危機に備えている。2005年に$97.7ミリオンで始まったこの基金は、以後$17.8ミリオン、$10ミリオン、$2ミリオンと積み増してきたが今年の積み増しはゼロ で、総額$127.5ミリオンのまま。貯金に手を付けずに済んだだけマシというところか。
2009年6月20日
今年のOrganized Team Activities(OTA)はこの日をもって終了。
来週は22日(月)・23日(火)・24日(水)と3日間にわたって全員参加のミニキャンプ が行われ、これは全てファン/メディア公開練習となる。表向き自由参加のOTAとは違い、欠席者には罰金を科すことができる。
情報筋の話によると、FSニック・コリンズ が来たのは17日(ファン/メディア公開日)だけ、とのこと。
OTAの出席率の高さについて、QBアーロン・ロジャース 。「自主参加、という言葉が付いてはいるけど、グリーンベイではほとんどないも同然だね。自分たちはチームだということを僕らは理解しているし、共通の目標に向かってここで一緒にやる必要がある。たとえば2005年(シャーマン前HC最終年)のオフシーズンは、朝8時にここに来て、トレーニングを終えて朝10時には家にいる、という感じだった。12人から15人の若手がね。でもマイク(マッカーシーHC)が来て、新しいフィロソフィーに基づくスケジュールを持ち込んだ。3月、4月、5月、6月にやった仕事がシーズンになって活きてくるのだ、とみんな理解して取り組んでいる」
Cスコット・ウェルズ(肩)、OTブレノ・ジャコミニ(足首)、DEカレン・ジェンキンズ(足首)、SSアタリ・ビグビー(足首)といった完調に近いリハビリ組 についてマッカーシーHCは、チームドクターは来週のミニキャンプも休ませてトレーニングキャンプまで復帰を待ちたい考えだ、としている。
QBアーロン・ロジャースは、新人OLの中ではT.J.ラングが一番いい、とした上で、「今の時点では先発RT争いはアレン・バーバー に分があると思う。彼はいい仕事をしているし、とくに頭脳面で僕らのスキームをよく理解している。身体的にも、彼には全て揃っている」
4巡ルーキーのT.J.ラング について、マッカーシーHC。「彼は入団してからかなり成長したと思う。タックルでもガードでも非常に自然だし、それ(複数ポジションをこなせること)はウチのオフェンシブラインに求められていることだ。53人から試合当日の45人を選ぶ上で重要なことだからね。入団後すぐから彼はそうした能力を示した。タックル向きだと思える日もあるし、ガード向きだと思える日もある。そのこと自体、彼の身体面のフレキシビリティを示している」
ハムストリング負傷から復帰してきたOLBクレイ・マシューズ について、マッカーシーHCは「まだ練習量を加減しながらだ」としているが、マシューズ本人は、「先週はちょっとおっかなびっくりだったけど、今週はもう完調だ」と自信を示している。ディフェンス習得に遅れがあるとは感じていないが、いつ1stチームに入れるかはわからない、とのこと。「コーチからは何も言われていない。安心して使えると感じたら、入れてもらえると思う。今は僕の前に選手たち(キャンプマンとトンプソン)がいて、彼らはやるべき仕事をわかっている」
タイトエンドにも挑戦することになったLBスペンサー・ヘイヴナー 。「僕がロースターに残れる可能性を探ってくれている。ラインバッカーは数も多いしね。先週木曜日にこの話が来て、僕は喜んだんだ。詳しく聞いて、しかるべき根拠があると確認できた。僕としてはスペシャルチームの中核となり、控えLB兼控えTEになれたらと思う」
いつのまにか公式サイトのロースター表からRTマーク・タウシャー の名前が消えている。契約が切れてFAとなったので、厳密にはロースターに入っていないタウシャーだが、つい先日まではロースター表に載せてあった。再契約の可能性が完全になくなったことを示しているのかどうか。
2009年6月19日
今年のOrganized Team Activities(OTA)のファン/メディア公開最終日。
契約問題でこれまで欠席していたFSニック・コリンズ が初めて姿を現した。ダレン・ペリー・セーフティコーチのそばで練習を見学し(この日最も重要なインストールの部分だった)、やがてリハビリ組とともに屋内練習場に向かった。どこかケガをしているのか、それとも新ディフェンスに習熟していないためまだ参加できないのか、詳細は不明。マッカーシーHCも会見では詳述を避けた。
これで選手全員が一度はOTAに顔を出したことになる。
主立ったところで欠席しているのはILBニック・バーネットとCBアル・ハリス。ケガによる見学組はこれまでどおり、Cスコット・ウェルズ(肩)、LTチャド・クリフトン(肩・両ヒザ)、OTブレノ・ジャコミニ(足首)、DEカレン・ジェンキンズ(足首)、SSアタリ・ビグビー(足首)といったところ。
1stチームDL陣 は先週と同じく、左からLDEラジ、NTピケット、RDEジョリー。
1stチームLB陣 も先週と同じく、左からLOLBキャンプマン、ILBチラー、ILBホーク、ROLBジェレミー・トンプソン。
先週部分的に復帰した1巡b指名のOLBクレイ・マシューズ (ハムストリング)は2ndチームに入っているが、まだ完全復帰ではないようだ。
ハリス不在のCB陣 では、トラモン・ウィリアムズが1stチームに入り、ウィル・ブラックモンが3番手/ニッケルバック。2年目のCBパット・リーはやはりその次。
SSビグビー(ウォークスルーだけ参加)とFSコリンズのいないセーフティ陣 では、1stチームにアーロン・ラウスとアンソニー・スミス(どちらがSSでどちらがFSか不明。interchangeableかも)。ところが、その後のチームドリルではチャーリー・ペプラーがラウスに代わって1stチームに入った。ということは、3-4経験豊富なスミスが3番手以内を確保しているいっぽう、ラウスは4番手(つまりロースター枠ぎりぎり)さえ危うい、ということだろう。
NT B.J.ラジ はRBグラントへのスクリーンパスをインターセプトするチャンスがあったが、惜しくもキャッチできず。
1stチームOL陣 はこれまでどおり、LTモール、LGカレッジ、Cスピッツ、RGシットン、RTバーバー。
2ndチームOL陣 もこれまでと同じで、LTジャマーン・メレディス、LGネヴィン・マキャスキル、Cデューク・プレストン、RGイヴァン・ディートリック=スミス(ドラフト外)、RT T.J.ラング。
4巡指名ルーキーのT/G T.J.ラング の滑らかな動きをPress-Gazette紙が賞賛。マッカーシーHCもラングを褒めている。
地元両紙がともに挙げた"Play of the Day" は、QBマット・フリンからWRジェームズ・ジョーンズへの約40ydsのパス。まずQBがRBにトスし、RBがスクリメージ手前で止まってQBにボールを戻した。CBブッシュはしっかりとWRジョーンズをカバーしていたが、QBフリンからのロングパスがそのわずか上を通った。
昨年の7巡指名WRブレット・スウェイン は引き続き好調で、手の届くボールは全てキャッチ。
LBスペンサー・ヘイヴナー がタイトエンドとしてプレー。昨年や一昨年もスカウトチームではTE役を務めることがあったが、実戦でプレーしたのは高校以来とのこと。(TE不足を補うため、とか)今日だけの措置かと思いきや、次のミニキャンプやトレーニングキャンプでもLBとTEの両方をやらせてみるつもり、とマッカーシーHCは語っている。最近3-4向きのLBがどんどん入ってきて、存在価値が低下したからかもしれない。
QBアーロン・ロジャース は、前日のファーヴのインタビュー放送は見なかったとのこと。「いいかい、もしブレットがプレーしたいのであれば、プレーするべきだ。僕に言えるのはそれだけだよ。その他となると、僕らが年に2回対戦するチームの選手の1人、ということだけだ」。 ファーヴと対戦する機会を楽しみにしているかと聞かれると、「まだ起きてもいないことについてあれこれ言うつもりはない。もし本当に起きたならば、そのときは僕もよい答えができるだろう」
2009年6月18日
パッカーズはドラフト指名8人のうち、6巡・7巡指名の3選手との正式契約を発表した。いずれも4年契約で、ベースサラリーは最低額。契約ボーナスは、6巡a指名のDEジャリアス・ウィン(ジョージア大)が$105,000ドルから$110,000ドルの間、6巡b指名のCBブランドン・アンダーウッド(シンシナティ大)が$102,200ドル、7巡指名のOLBブラッド・ジョーンズ(コロラド大)は約$60,000ドル。新人にかぎらず球団側は契約内容を明かさないので、詳しい金額が判明するかどうかはそれぞれの代理人しだい。
残るルーキーは5人だが、(今年は2巡・3巡がいないので)問題は1巡指名の2人。今年すでに契約がまとまった1巡指名選手は1位のQBマシュー・スタフォード(DET)と5位のQBマーク・サンチェス(NYJ)だけだ。パッカーズにとっては1巡コンビをキャンプ初日の練習に間に合わせるのが重要な課題だが、上下の指名選手の金額がわかってから交渉する方が楽なので、どの球団もどうしてもキャンプぎりぎりになりやすい。代理人によると、2人ともまだパッカーズとの交渉は始まっていないとのこと。
面白いことに1巡コンビのNT B.J.ラジとOLBクレイ・マシューズはどちらも Athletes First 社のデヴィッド・ダンを代理人としている。今年のパッカーズのルーキー・プール は$5,443,396ドル。片方が多くもらえばもう片方が減ってしまい、代理人にとっては利益相反になりかねない。
上記3人に加え、パッカーズはTEデヴィン・フリシュネクト Devin Frischknecht (真ん中の"k"は発音しないらしい)と契約し、CBジョシュア・アブラムズを解雇した。TEフリシュネクトはワシントン州立大出身のドラフト外ルーキーで、短大を経て3年目から同大に編入。過去2シーズンでパスキャッチ35回412yds、4TDを記録している。TE陣は先週3人が負傷して水曜の最後はフィンリーとハンフリーだけになっていたので、練習の都合のためにTEを補強したのかも。
2009年6月17日
現役復帰を模索するQBブレット・ファーヴがHBO局の生番組に出演し、司会者ジョー・バック (FOXのNFL中継でトロイ・エイクマンと組むアナウンサー)に対して現在の心境を語った。今回の騒動が始まってから彼が公の場で語るのは初めてのことだ。発言の内容はおおむねこれまで報道されてきたとおりで、ヴァイキングスへの惚れ込みようがさらに強調されている印象もある。これを受け、パッカーズの地元メディアは、ファーヴのヴァイキングス入団はもはや時間の問題、という雰囲気になりつつある。
ブレット、来季NFLでプレーする予定? 「あー・・・かもね。いま考えているところだ」
「2週間半前、Dr.アンドリューのもとで手術 を受けた。彼によると、完全に成功したかどうかはおよそ4週間か5週間でわかる、とのことだった」
「去年は、投げることはできたが、痛み はあった。首から腕にかけて痛みがあった。ジェッツでの最終戦を終えたあと、手術が必要だとわかってはいたが、受ける気にはならなかった。だが結局受けることになった。今はリハビリをし、フットボールのできる体に戻そうとしているところだ」
「ヴァイキングスと話し合いはしている。お互いに、興味はあるのかい? といった程度の話に過ぎないけどね。僕が受けた手術のことは彼らも認識している。けっきょくは僕の腕がどうなるか、全てはそこからだ」
日曜にはヴァイキングスのトレーナー に会ったとのこと。「リハビリの助けになるエクササイズについて、それだけだ」
「話し合っている球団はミネソタだけ。僕が16年間やってきたオフェンスと同じ だから、完璧に理にかなっている。僕から教えることもできる。去年のニューヨークは、合流が2週間遅れだから大変だった。それに自分にとって全く新しいオフェンスだったし。悪くはならないだろうとは思ったけどね。ブライアン・ショッテンハイマー(OC)とマンジーニ(HC)は僕がちゃんとコールできる程度にプレーブックを圧縮してくれて、ありがたかった。それでも、全く新しい言葉を学ぶようなものだった」
RBエイドリアン・ピーターソンを擁する強力ランオフェンスやリーグ屈指の強力ディフェンスについて聞かれた文脈の中で、「ウチは 非常によいチームになるだろう」と"We" という言葉を使い、熱愛ぶりを裏付けた。ふつう入団が決まってもいない選手は"We"は使わない。
ヴァイキングスとの契約には何が必要? 「まずなによりも右腕の問題 が解決されなければならない。時が来てもそれが十分に回復しなければ、プレーはできない。去年は同じことを経験し、なんとか頑張り通したけれど、自分のプレーにもチームの結果にも影響を与えてしまった。二度とそれを繰り返すつもりはない。だから手術を受けた」
ヴァイキングスからは決断の期限 を設定された? 「いや、報道されているようなことはない。僕が手術を受けたことを彼らは知っている。コーチ・チルドレスからはOTAに来ないかと言われたんだ。参加するのではなくて。そうした事情も理解はしているけど、僕は行かないことにした。僕とチームに一体感を持たせたい、という彼の意図は理解できるけど、右腕が元通りに治る保証がないと知りながら、メディアの騒ぎを巻き起こすのもどうかと思ったから」
パッカーズファン の神経を逆なですることは、さほど意に介していない様子。
「自分が何をしようと支持してくれる人たち、何をしようと反対する人たち、そして何をしようと関心のない人たちがいるものだ」
ヴィンス・ロンバルディHC の名前を挙げ、「彼は最後にレッドスキンズに移ったけれど、アイツは裏切り者だとか言う人はいないだろう。時が多くの傷を癒すものだ」 とした発言には、すでに批判が少なくない。ロンバルディHCはグリーンベイでオーナーシップの一部を求めて断られ、それを与えてくれたレッドスキンズに移ったが、同地区ライバルに移ったわけではない。論旨のすり替えにすぎない、という見方だ。
表向きはともかく、ファーヴの動機の一部がパッカーズ(トンプソンGM)への敵意/復讐心(or逆恨み)であることは複数の情報筋が認めていること。「グリーンベイには今も最大限の敬意を持っている。本心から言っていることだ」というコメントは、少々しらじらしいと言わざるをえない。
2009年6月16日
このところ、チャリティーイベントが目白押し。
日曜には毎年恒例、ドナルド・ドライバー・チャリティ・ソフトボールが開催された。WRドライバーが主催をファーヴから引き継いで2年目。不景気とあって昨年より観客数がダウンしたが、今年も盛り上がりを見せた。(写真1 ・写真2 )
土曜には、元警備部長のジェリー・パリンズ(現警備アドバイザー)が主催する、第6回Jerry Parins Cruise For Cancer が開催され、多数のバイカーたちが集まった。(写真 )
10日(木)にはこれも毎年恒例、エドガー・ベネットRBコーチ主催のチャリティ・ボーリング大会。選手やコーチ多数が参加した。(写真 )(コーチとRB/FB陣で記念撮影 )
12日(金)と13日(土)には、第39回"Vince Lombardi Golf Classic"が開催された(写真 )。がんで命を落とした名将を記念して1971年に設立された"Vince Lombardi Charitable Funds"は、これまでに約$12ミリオンをがん研究のために寄付している。元QBバート・スターを始め、教え子たちの参加も毎年非常に多い。ゴルフ大会以外にも同基金はいくつものイベント を開催している。
今週はOrganized Team Activities(OTA)の最終週。水曜が最後の公開日となる。
2009年6月13日
今年はセンターに専念しているジェイソン・スピッツ についてマッカーシーHC。「ジェイソンはセンターに馴染んできている。先にガードをプレーして、その後でセンターに移るやり方は、常に効果的だと私は考えている。ジェイソンも先にガードを学んだことが今の役に立っている。ウチのガード陣はセンターと同じように(スナップ前の)コミュニケーションをしているからね。センターというのは、喧しいスタジアムで脚の間からスナップをしなければならない。そのため、両側のガードもコミュニケーションを助ける役目を担っている。だからガードをやるということはセンターの準備になる」
今オフに肩の手術を受けたCスコット・ウェルズ の復帰見通しについてマッカーシーHC。「けさ医療スタッフと話し合ったばかりだが、トレーニングキャンプ初日からフル参加できると強い自信を持っている。ジェイソンとスコットがキャンプで勝負することになる」
OTAでは3週続けて1stチームに入っているOLBジェレミー・トンプソン 。DEからOLBへのコンバートについては、「今年はヒップの柔軟性に重点を置いてトレーニングをしている。ヒップの方向(つまり体の向き)を素早く変えられる、より滑らかなアスリートになれるように。それに持久力も重要だ。(プレー間に)より素早く回復しなきゃいけない」と説明している。「新しいディフェンス、新しいポジションだから、容易じゃないよ。その日教わったことは、夜に復習することにしてる。毎晩1時間かけてね」
3-4ディフェンスにあまり乗り気でなさそうなアーロン・キャンプマン について、QBアーロン・ロジャースがラジオ番組で率直なコメント。「3-4導入にがっかりするなんて、新スキームが自分自身の助けになることを理解していないんだよ。スタッツがあるんだ。過去2年間にベースディフェンスで彼が挙げたサックは、たぶん3つ未満だと思う。たいていのサックは(ニッケルやダイムなど)サブディフェンスで挙げたものだ。相手が3rdレシーバーを投入し、こちらがエキストラ・コーナーを投入するようなシチュエーションだね。今年から3-4になるといっても、それはベースディフェンスのことだ。でもサブになれば、これまでどおり4ダウンラインメンだよ。さらにベースディフェンスでは(予測しにくい)ブリッツを送り込んで1on1のマッチアップが増える(サック機会が増える)んだから、喜ぶ方が当然だよ。ときおりパスカバレッジの仕事をしなくちゃいけないのは事実だけど、ベースディフェンスでサック機会が増えることにどうして喜ばずにいられる?」
来週でインストールの終わる新ディフェンスだが、マッカーシーHCはアサインメントミス が多いことをチーム全体に注意した、とのこと。「今の時期は当然のことだし、特に全く新しいシステムともなればなおさらだ。しかしながら、アサインメントミスというのはコーチと選手の両方に責任がある。コーチは選手全員の呼吸が合うようにしなければならないし、選手がミスをしたのを見て、『クソッ、あいつには2回も注意したのに、あってはならんことだ』 などという姿勢ではうまく行かないものだ。何をすべきか選手たちに正確に把握させるのがよいコーチというものだ。今は我々はその時期にいる」
オバマ大統領 が就任後初めてグリーンベイを訪れ(選挙戦中の昨年9月にも訪問) 、懸案の医療制度改革についてタウンミーティングを行った。会場はグリーンベイ・サウスイースト高校。わずか数時間の滞在のため、パッカーズ訪問の余裕はなかった。エアフォースワンや車列やイベントの様子は、すでにYouTube に多数の動画がアップされている。
2009年6月12日
Organized Team Activities(OTA)のファン/メディア公開3日目。OTA全体としては9日目となる。
主力組で欠席しているのはFSニック・コリンズ (契約問題)だけで、先週や先々週いなかった選手たちも参加している。WRドライバー、NTピケット、CBウッドソンもちゃんといる。
リハビリ組 は先週と大きく変わらず、Cスコット・ウェルズ(肩)、LTチャド・クリフトン(肩・両ヒザ)、OTブレノ・ジャコミニ(足首)、DEカレン・ジェンキンズ(足首)、ILBニック・バーネット(ヒザ)、SSアタリ・ビグビー(足首)といったところ。DEジェンキンズ、ILBバーネット、SSビグビーは今回もウォーク・スルーだけ参加。
授業の都合のため遅れていたRBタイレル・サットン (ノースウェスタン大)がようやく今週初めから合流したが、6巡指名のCBブランドン・アンダーウッド(シンシナティ大)はまだ。
ピケットが合流したため、B.J.ラジはNTからDEに戻っている。1stチームDL陣 は左からLDEラジ、NTピケット、RDEジョリー(ジェンキンズの代わり)。RDEジョリーがどこか痛めてサイドラインに下がると、DEモンゴメリーが1stチームに入った。
ハムストリングを痛めていたOLBクレイ・マシューズ が復帰。まだ一部の練習にしか参加せず、慎重に様子を見ながら復帰させるようだ。
1stチームの右アウトサイドLBはこれまでどおりジェレミー・トンプソン 。逆サイドはもちろんキャンプマン。2ndチームのアウトサイドLBは左サイドがブレイディ・ポピンガ、右サイドはクレイ・マシューズ。7巡ルーキーのブラッド・ジョーンズ は上記4人に次ぐ5番手のようだ。
先週はRTバーバー相手に苦しんでいたOLBアーロン・キャンプマン だが、今回はバーバーを何歩も押し込むなど、かなりパスラッシュがよくなっている。
この日唯一のインターセプトはバーネットに代わってILBに入っているLBブランドン・チラー 。QBロジャースのティップされたパスを地面すれすれでキャッチしたもの。
昨年の2巡指名CBパトリック・リー は相変わらず5番手CBあたりだが、この日もWRドライバーへのパスを叩き落すなど、なかなかよい動きを見せている。
ニッケルおよびダイム隊形 のディフェンスのほとんどで、手をついて構えるパスラッシャーは2人だけで、実質2-4-5隊形(ニッケルの場合)らしい。そうしたパスシチュエーションではNTピケットがサイドラインに下がり、B.J.ラジとジョニー・ジョリーが(4-3のDTのように)ダウンラインメンとなっている。4メンラッシュであっても、その2人以外にどの2人が来るのか、オフェンスには予測がつかない。
こうした起用法からも、B.J.ラジ にはラン守備だけでなくパスラッシュ能力にも期待をしていることがわかる。ピケットとはタイプが違う、と見ているのだろう。
1stチームOL陣 は先週までと同じく、LTモール、LGカレッジ、Cスピッツ、RGシットン、RTバーバー。
2ndチームOL陣 もこれまでと同じで、LTジャマーン・メレディス、LGネヴィン・マキャスキル、Cデューク・プレストン、RGイヴァン・ディートリック=スミス(ドラフト外)、RT T.J.ラング。
フルバック陣 ではコーリー・ホールが1番手。
TEジャーマイケル・フィンリー は11on11練習だけで4キャッチを決める活躍。また、昨年はロースターに残れなかった7巡指名のWRブレット・スウェイン が、今年のOTAでは成長したところを見せている。
11on11練習では、QBロジャース率いる1stチームオフェンスがダウンフィールド を攻めるパスが多く、WRジョーンズやWRドライバーに長めのパスが見事に決まった。しかしこの日はプレッシャーのかかる場面も多く、もし本番であればQBロジャースは3回サックされていたはず、とのこと。
昨年と同じくQBマット・フリンが2番手、QBブライアン・ブロームが3番手という控えQB陣の序列 についてマッカーシーHCは、「その並びでやってはいるが、私はマットとブライアンを同格だと見ている。競争が自然に結果を決めてくれるだろう」と説明している。しかし、11on11練習でのパス機会はロジャース17回、フリン12回、ブローム8回。建前はともかく、2番手と3番手では扱いに差があるのも事実。
今春契約したNTブライアン・ソイ とPアダム・グレースル が解雇された。Pグレースルの解雇についてマッカーシーHCは、「3人のうちで彼が最も強い脚を持っていたのは明らかだった」と振り返っているので、飛距離以外の部分が粗削りすぎたのだろう。
残る2人のパンターのうち、練習で先に蹴るのはPジェレミー・カピノス で、Pデュラント・ブルックス はその後。現時点ではその序列なのだろう。昨季終盤に実戦で蹴った実績があるから、という理由だけかもしれない。
2009年6月11日
ESPNのエド・ワーダーによると、ブラッド・チルドレスHCの設定したデッドラインまでに決断しなかったファーヴについて、ヴァイキングスはさしあたり獲得を棚上げにした、とのこと。ヴァイキングスのロブ・ブレジンスキ副社長からファーヴの代理人バス・クックにその旨を伝えた、と具体的な内容を関係筋が明らかにしている。本当にデッドラインを提示したのか、はっきりしたところはわからないが、あったとしてもかなり柔軟なデッドライン(または「今週決めてくれたらありがたいんだけど・・・」という程度) だったのだと思われる。
「一時的に」ということは完全には断念していないわけで、結局はファーヴの肩しだい、という状況に全く変わりはない。「肩が治るかどうか、もうしばらくなら待ってもいい」という意思表示には、むしろヴァイキングス側の熱心さが強調されてきたような印象もある。要は今回の情報リークは、ファーヴ報道を一時的に鎮静化させ、OTAに参加している選手たちから不満が出るのを抑え、その間にファーヴの肩が回復してくれれば、という意図なのだろう。あるいは、今回の「棚上げ」は、すでに両者の間で始まっている契約(複数年)交渉の戦術の一部なのではないか、という見方さえある。
その後チルドレスHCはミネソタの地元ラジオ番組で、「(デッドラインを設定したということは)絶対にない。ひょっとしたらファーヴ周辺でそのようなことがあったのかもしれないが、私からでないのはたしかだ。いったいどこから出てきた話か見当もつかない」と強く否定している。
2009年6月 9日
ヴァイキングスでのNFL復帰を望むブレット・ファーヴが、すでに先月、右肩の関節鏡手術を受けていたことがESPNの報道で明らかになった。しかしその後にボールを投げてみたところ、期待ほどの回復はなく、本人はいまだ復帰の決断ができないでいるとのこと。手術を受けた正確な日時も、具体的な手術の内容もわからないが、部分断裂していた腱を完全に切り離す "tenotomy" という手技の可能性が高い、と別のESPNの記者は書いている。
というわけで、新事実が明らかになったとはいっても、ファーヴ騒動の見通しについて大きな変化はない。要約すると、1. 復帰への意欲は十分あり(今回の報道でこの点はさらに強まった) 2. 復帰するならばヴァイキングスであり(他からの誘いはない) 3. 肩の状態が最大の障害となっている。
ファーヴの代理人バス・クックは今回の報道について肯定も否定もしなかったが(肯定したも同然だが) 、その2日前のコメントでは、「もし彼が欲しいならば、彼ら(ヴァイキングス)は最大限の努力をすることだろう。ブレット・ファーヴはどの球団にも全く新しい状況をもたらす。今いる他のQBたちを悪く言うわけではないが、ブレットはたいていのQBと比べて別格なのだ」と、セールストークとも取れる発言をしている。ブレットに対してもっと(高い金額で)積極的に誘ってほしい、と代理人が望んでいる、という見方も一部にはある。
いっぽうヴァイキングス側では、歓迎するコメントも一部にはあるものの、往年の名選手フラン・ターケントン がラジオ番組でファーヴ批判を繰り返したり、ミネソタのファンの29%しかファーヴ獲得を望んでいない(獲得すべきでない42%、わからない30%)、という世論調査 もあるなど、歓迎ムード一色とは言えない状況。
サラリーキャップについては、ヴァイキングスは$18ミリオンほど空きがあるので、ファーヴに高額契約を与えることは不可能ではないが、余裕がたっぷりあるとは言えない。今年のヴァイキングスのルーキー分のサラリーキャップ"Rookie Pool" は約$3.06ミリオン。シーズン中の緊急補強用に$2ミリオンほど取っておくとする。もしファーヴが(今年ジェッツから受け取るはずだった)$13ミリオンを望んだとしたらそれでゼロになってしまう。現在暗礁に乗り上げているCBアントワン・ウィンフィールドとの契約延長交渉を前に進めるためには、ファーヴに払えるのは最大で$10ミリオン、できればもっともっとまけてほしい、というところではないか。
追記: ESPNの最新報道では、ヴァイキングスのブラッド・チルドレスHCがファーヴに対し、契約するかどうか今週 決めてほしい、と期限を提示したとのこと。ヴァイキングスはすでに全員参加のミニキャンプを終え、現在OTAが行われているところ。開幕までの準備期間が刻々と減っていくなか、期限を設定するのは球団側としては当然のことで、このままファーヴ問題に振り回され続けるのでは沽券にかかわる、という面もありそうだ。
2009年6月 8日
収入増をはかる新たな方策として、NFL球団は練習ユニフォームにスポンサー名を着けることが可能となり、パッカーズも前向きに検討している。マーケティング&セールス担当副社長のローラ・サンキーは、「リーグがスポンサーシップの新しい分野を切り開いてくれるのはエキサイティングなことですし、パッカーズに関わりたいスポンサーにとっては非常に意義ある新しい機会です。練習ジャージへのパッチはスポンサーにとって非常にユニークで、目に見える形でトレーニングキャンプやチームやファンと結びつくことができます」
欧州などサッカーの世界ではユニフォームへのスポンサーロゴは以前から一般的だったが、アメリカのプロスポーツでも少しずつ広がり始めている。NFLでもタイタンズは(なぜ許可されていたのか不明だが)2年前から練習ジャージにスポンサーのロゴを着けているし、テキサンズもパッカーズと同じく検討を始めているとのこと。
2009年6月 6日
練習内容についてマイク・マッカーシーHC 。「オフェンスは今週、3rdダウンおよびレッドゾーンの新しいプレーのインストールを行った。明日はそのおさらいだ。来週も第4週も同じように行う。その後のミニキャンプで行うのは、(OTAを含めた)オフシーズン・プログラムでやってきたことのおさらいにすぎない。というのは、今年はディフェンスとスペシャルチームが全く新しいものになるから、その2つのユニットがトレーニングキャンプ前に全てのプレーを練習しておく機会を作りたいからだ」
ノーズタックルと左ディフェンシブエンドの両方をプレーしていることについてB.J.ラジ 。「正直言うと、かなり大変なときもあるね。でもNFLのレベルでは、理解すべきことが多いのは当然のことだよ。プレーブックの勉強を続け、できるかぎりのミーティングをこなしていく、自分にできるのはそれだけだ。より早く理解できれば、より大きく進歩できるし、いちいち考えずに体が動くようになる」
ヒザのリハビリからの完全復帰の見通しについてILBニック・バーネット 。「ランニングを始めてから数週間しか経っていない。ドクターから聞いたところでは、スケジュールどおりか少し早いペースで来ている。トレーニングキャンプの初日から完全に復帰できるかどうかはわからないが、シーズン開幕までには100%に戻るだろう」
OLBアーロン・キャンプマン についてマッカーシーHC。「アーロン・キャンプマンのここまでのプレー内容は非常にポジティブだ。(新しいポジションに)とてもよくフィットしていると思う。誰もが彼に期待しているとおりの熱心さで、新しいディフェンスに取り組んでいる」
ハムストリングを痛めて休んでいる1巡b指名のOLBクレイ・マシューズ の復帰見通しについてマッカーシーHC。「今週は休ませる。来週どうするかは、様子を見てからだ」
鼠蹊部を痛めて第1週を休んでいた7巡指名のOLBブラッド・ジョーンズ は今週復帰している。
1stチームの右タックルに入っているアレン・バーバー について、マッカーシーHC。「彼のスキル・セットからして、右タックルが最も向いているように私は思う。左タックルができるアスレチック能力があるのもたしかだ。キャンプマンと毎日対戦するのは素晴らしい練習になる。ランブロッキングではとてもいい仕事をすると思うし、パスブロッキングでも進歩してきている」
トレーニングキャンプ練習の正式スケジュールが発表された(日程表 )。2006年のマッカーシーHC初年度に始まったことだが、暑い日中を避け、朝8時45分からと夕方6時30分からの練習がメインとなっている。水曜に休養日を設けているのもフットボールの世界ではやや珍しいこと。
以下はファンが撮影した水曜の練習風景。NFLの規定により、トレーニングキャンプまでは選手同士がぶつかりあうフィジカルな練習ができないため、パス練習やボールスキルに重点を置いた練習が多いように見える。
DL陣のパスラッシュ練習。黄色い輪を回ってQBダミーにラッシュし、ボールを叩き落としてリカバー
2009年6月 5日
Organized Team Activities(OTA)の2回目のファン/メディア公開日は、先週と違って好天に恵まれ、ようやく青空の下で練習が行われた。
欠席 はNTライアン・ピケット(理由不明)とFSニック・コリンズ(契約問題)。6巡指名のCBブランドン・アンダーウッドとドラフト外のRBタイレル・サットンは今週も授業のため参加できない。
先週の公開日に欠席していたWRドナルド・ドライバー とLBニック・バーネット とCBチャールズ・ウッドソン は元気に参加している。
ケガによる見学組 はほぼ先週と同じ。主だったところでは、Cスコット・ウェルズ(肩)、LTチャド・クリフトン(肩・両ヒザ)、OTブレノ・ジャコミニ(足首)、DEカレン・ジェンキンズ(足首)、ILBニック・バーネット(ヒザ)、OLBクレイ・マシューズ(ハムストリング)、SSアタリ・ビグビー(足首)。このうち、DEジェンキンズとILBバーネットとSSビグビーはウォーク・スルー(ハーフスピードでのフォーメーションチェック)だけ参加し、チームドリルは控えている。
ピケット欠席のため、B.J.ラジ が1stチームのノーズタックルに入っている。左DEにはジョニー・ジョリーが入り、ジェンキンズ不在の右DEにはジャスティン・ハレル。
OLBマシューズがケガのため、右アウトサイドLBは先週と同じくジェレミー・トンプソン 。ILBバーネットの代役はブランドン・チラー。
OL陣は先週と同じ。LTクリフトンとCウェルズがリハビリ中のため、1stチームOL は左からLTモール、LGカレッジ、Cスピッツ、RGシットン、RTバーバー。
新人OLコンビも先週と同じく2ndチーム。ジャマーン・メレディス は左タックル専門、T.J.ラング は右ガードと右タックルを行ったり来たり。FA加入のデューク・プレストン は2ndチームのセンターをプレーし、ガードはやっていないようだ。
4巡ルーキーのクイン・ジョンソンが加わったフルバック争い だが、フルバックが入らないマルチプルWR/TE隊形のプレー回数が多いため、ポジション争いの趨勢はよくわからない。ただFBジョンソンはスペシャルチームのリターンチームでブロッカーとして頻繁にプレーしている。
WR陣では、ジェームズ・ジョーンズとジョーディ・ネルソンがほぼ同じ回数だけ第3WR としてプレーし、現在は同格扱いであることを示している。TE陣ではジャーマイケル・フィンリーが2番手を完全に確保し、トリー・ハンフリーは3番手。
QBアーロン・ロジャース は、レシーバー陣の落球もあって11on11の成績は9/17、1TD(WRマーティン)。レッドゾーンでは4/6、QBドローによるTDもあった。しかし2ミニッツドリルではイマイチで、1/4。TEジャーマイケル・フィンリーの弾いたパスをCBトラモン・ウィリアムズがインターセプト。
控え両QBは波のある内容。2番手QBマット・フリン はCBブラックモンとCBブッシュにインターセプトを献上。3番手QBブライアン・ブローム はTEフィンリーへのTDパスをオーバースローしてSペプラーにインターセプトされたが、その後盛り返してWRパトリック・ウィリアムズにTDパス成功。
OLBにコンバートされたアーロン・キャンプマン は立った姿勢からのパスラッシュに慣れないのか、RTアレン・バーバー相手に苦戦している。
FG練習では、Kメイソン・クロスビー が33ydsから43ydsの距離を8回蹴って7回成功。ホルダーは1番手がQBマット・フリン。2番手ホルダーをPデュラント・ブルックスが務めているのは、パンター争いの順位を示しているのかどうか。
OLBへのコンバート決定以来、メディアに対してコメントを避けてきたOLBアーロン・キャンプマンが、ようやく重い口を開いた。ただし口数は少なく、騒ぎを静めるために渋々インタビューに応じた様子がうかがえる。「新しいテクニック、新しい用語。なにしろ新しいシステムを学ぶのだから、全て目新しいことばかりだ。ディフェンス全員が新しいシステムを学び、僕もその1人。誰にとっても大きな変化だよ。どういうわけか、僕の考えていることをたくさんの人が知りたがっているようだけど」
「僕は新しいことを学んでいる最中だ。好きじゃないと言ってるわけじゃない。ただ学んでいるんだ。たとえば今日も、やり直せたら、と思うようなプレーはいろいろあったけど、それは新しいことを学ぶ際にはつきものだよ。もし選べるなら4-3のDEがいい? 僕に選択の自由はないから」
契約最終年であることについて聞かれると、「ご存じのように、僕は(表立って)契約問題を語ったことはない。契約交渉は2回経験したけれど、僕自身はビジネス面のことを話題にしたことはないし、今後もそれは変えずにいたい。僕はフットボールに集中している。今は大きな変化のときだし、自分はそちらに集中したい」
WRドナルド・ドライバーは先週のOTA欠席の理由を説明し、球団に不満があるわけでないことを強調。先週起こした波紋を静めようと躍起になっている。「契約交渉の手段として欠席したんじゃない。ヨメが親戚の葬式に行かなきゃいけなくて、そのあいだ僕が息子(幼稚園を卒業したばかり)を見なきゃいけなかったんだ」
「僕はアンハッピーじゃない。決してそんなことはない。僕にはちゃんとした契約がすでにある。不平の言える額じゃないよ。ただその契約を改定したいというだけなんだ。金額を増やしてほしいわけじゃないし、契約年数を延長したいわけでもない。僕と球団が話し合っている事柄があって、よい結果になればいいと願ってる。だって、頼んでみるぐらいいいだろう? 球団側はノーと言ったっていいんだから。僕が頼みごとをして、手に入ればそれでいいし、ダメならダメで仕方がない。たいしたことじゃない」
契約のどこを変えたいのか詳述を避けたドライバー。しかし、今年(すでに$1ミリオン受け取り、今後さらに$1ミリオン)と来年($2.8ミリオン)受け取るロースターボーナスを"保証"する形にしてほしいのでは? と質問されると、それを認めた。「そう、そう書いてくれていいよ。僕は契約を見直してほしい。でも、それだけだ。僕にはちゃんとした職があるし、そのことに不満はない」
自分を追い抜いてエースに成長したWRグレッグ・ジェニングスとパッカーズの契約交渉について。「チームはグレッグに$100ミリオンだって与えてほしいよ。グレッグは素晴らしいアスリートであり、たぶん僕よりも長く活躍するだろう。僕はNFL最高給のレシーバーになりたいわけじゃないし、実際そうはならないだろう。僕は十分な給料をもらっているし、そのことに満足している」
2009年6月 3日
先日のOTA公開練習で注目されたのが、OLBクレイ・マシューズがハムストリング負傷で不在の1stチームに、プロ2年目のOLBジェレミー・トンプソンが入っていたこと。先週のインタビューで、ケヴィン・グリーン新OLBコーチが最も目立っている選手として挙げたのもOLBトンプソンだった。2月ごろから「3-4転向で最も利益を受けるのが彼だ」と関係筋はコメントしていたが、今回のことはその評価を裏付ける結果になった。こうなるとブレイディ・ポピンガは左サイドでキャンプマンの控えに回るのではないか、とPress-Gazette紙は気の早い予想をしている。
OLBトンプソンと1巡ルーキーのOLBマシューズが右アウトサイドの先発を争うのは、別の意味でも興味深い。トレードダウン好きのテッド・トンプソンGMが(シーホークス時代を含め)10年間のドラフトで2回だけトレードアップしたのが、昨年の4巡指名のトンプソンと今年の1巡b指名のマシューズだからだ。
DEからOLBへの転向についてジェレミー・トンプソン。「すごくいいね。大好きと言っていい。フリーで動ける機会がすごく増える。ウェイク・フォレスト大では3-4を経験していないけど、大学での経験が活かせる部分も多いんだ。ウチの大学ではディフェンシブエンドもカバレッジに下がるプレーが多かったから。まだ学ぶべきことはたくさんあるけど、大学時代と似た部分が多いのはたしかだ」
ロースター表では270ポンドだが、現在は260ポンドに絞っている、と本人。「このOTAの間、260ポンドでやってみて、調子がよければそのままの体重で行く。もう少し減らす可能性もある。オフシーズン・プログラムの間も、体重を絞ってスピードとアジリティを強化する方向でトレーニングしてきた」
ドム・ケイパースDCも次のように彼を評価している。「トレーニングコーチたちに聞くと、彼はチーム全体のトップ・パフォーマーの1人だという。昨年の体重がいくつだったか私はよく知らないが、現在の彼はとてもいいと思う。フィジカルにラン守備をするのに十分なサイズがあり、カバレッジに下がってもプレーできるフレキシビリティとアスレチック能力がある」
2009年6月 2日
リーグ屈指のプレスカバレッジ能力を誇るCBアル・ハリス だが、3-4ディフェンスの導入で増えるゾーン・カバレッジは不得手ではないかという見られている。「誰がそんなこと言った? スカウトは誰もそんなこと言ってないよ。勉強のため1つ教えておくけどね、ゾーンはマンよりもずっと易しいんだ。それが事実だ。僕がゾーンに向いてない? なぜ? なぜ向いてないんだ? 僕らはプロだ。そこらのヘボい連中とは違う。これまでにプレーしたことのないテクニックなんかないんだよ」
後輩のCBウィル・ブラックモン。「アルはおそらくNFL最高のプレス・コーナーだろう。しかしそれだけでなく、最高のコーナーバックの1人でもある。おそらく、僕が見た中で最高の足を持っている。人それぞれ長所があって、チャールズ(ウッドソン)はボールが宙にあるときには最高の選手だ。それが彼の強みだけれど、チャールズはプレス・カバレッジもできるし、オフ・カバレッジもできる」
ドム・ケイパース新DCを知る人々は、彼は自分のスキームに選手をはめ込むのではなく、手持ちの戦力に合わせて柔軟なディフェンスを構築する、と信頼している。だからもしハリスがゾーンに不向きとわかれば、彼のマン・カバレッジを活かすような使い方をすることになるだろう。 「我々はコーナーバックにゾーンもマンも両方できる能力を求めている。1つのやり方に固執したら、相手は予想しやすくなってしまう。そして我々の見る限り、どちらでも好きな方をプレーできる能力がウチにはある。試合によって変えることもできる」
「ゾーンが増えることは彼にとってたしかに大きなアジャストメントだが、OTAに熱心に参加していることは進歩を助けることになるだろう。彼はハードに取り組んでいる。ここ数日、彼がレシーバーに肉迫してボールを叩き落とすプレーを何度も見ることができた。いつも思っていることだが、マンができる選手であればゾーンを学ぶことはできる。しかし逆に、ゾーンの選手をマンに変えることは容易ではない。このリーグでマン・カバレッジをするのは身体能力が要るからね」
ジョー・ウィット新CBコーチはさらに率直なコメントをしている。「彼の長所が、時にはマイナスに働くこともある。彼はあまりに優れたプレス・ガイであるために、彼にオフ・カバレッジさせることをコーチが恐れることがある。あれほど優秀なプレス・ガイになぜオフをやらせる必要がある?ってことだ。しかし彼にはオフもできるスキルセットがあるんだ。能力はあるが、誰も彼にそれを求めなかった。プレスがあまりに優れていたからだ。我々としては、彼にプレスもさせるし、オフでもプレーさせるつもりだ」
CBハリスはゾーンが苦手、という説が定着したのは、彼自身のミスというよりも、DB陣全体のミスコミュニケーションでビッグプレーを許す場面が多かったからだ。CBブラックモンは次のように説明している。「僕らがいま取り組んでいるのはコミュニケーションの部分だ。去年大きな問題だったのは、コミュニケーションの破綻だよ。だから今の課題はそこ。ゾーンではコミュニケーションがカギになる。レシーバーを受け渡すこともよくあるからね。全員の呼吸が合わなきゃいけない。それが去年の僕らの弱点だった」