過去の記事 |
2009年 >
04月 >
Draft Notebook 2: OLB Clay Matthews
グリーンベイ・パッカーズ ニュース
2009年4月29日
- わずか1シーズン弱の先発経験しかないのにこれほど評価されるのは、いかにめざましいプレー内容だったかを示している。USCではDE/OLBハイブリッドのポジションをプレーし、パスラッシュにもパスカバレッジにも優れているヴァーサタイルな選手のため、3-4のアウトサイドLBはパーフェクト・フィットと見られている。サイズとスピードが素晴らしいだけでなく、スムーズな方向転換などクイックネスやアジリティもいい。
- 意志の力であの見事な体を作り上げ、ウォークオン入学からスター選手へと上り詰めた、たいへんな努力家。そうした人格面の評価が非常に高い。スター選手の息子として甘やかされたのではなく、かえって普通より厳しく育てられた印象。
- 国際関係学の学位をとって昨年12月に卒業を済ませている。副専攻は商法。ワンダーリックテスト27点も、LBの水準をかなり上回る。
- 昨季序盤にスターター昇格したという経験の少なさが最大の懸念材料。"One Year Wonder" でないのかどうか。その昨季の成績は96タックル、うち13.5ロスタックル、5.5サック。
- 控え生活が長かっただけに、スペシャルチーム経験は非常に豊富。サイズとスピードを兼ね備えアグレッシブなメンタリティもあって、「今ドラフト最高のスペシャルチーマー」との評価もある。
- USC入学時はセーフティをプレーしていて、パスカバレッジの動きにその経験が活きている。
- 有名なフットボール一家の出身で、正しくは「クレイ・マシューズIII世」となる。
- 祖父クレイSr.(80歳)はかつて49ersでOT兼DEとして4年間プレーした。
- 父クレイJr.は名ラインバッカー。息子と同じくUSCから1巡指名され、ブラウンズで16年(1978-93)、ファルコンズで3年(1994-96)、計19年間大活躍した。通算69.5サック、16インターセプト、プロボウル4回。引退後は自動車ディーラーを営むかたわら高校のコーチを務め、息子のディフェンシブコーディネーターでもあった。
- 叔父ブルースはNFL史上最高の鉄人ラインマンで、オイラーズ/タイタンズでガード/センター/タックルとして活躍し、史上最多先発(292)、プロボウル14回、とうぜん殿堂入りを果たしている。彼もまたUSCからドラフト1巡指名。兄弟でUSCの殿堂入り。
- 弟ケイシーはオレゴン大で先発LBを務めている。レッドシャツを経ず入学2年目の昨季スターターの座をつかんだ。
- 兄カイルもUSCでセーフティだったらしい。
- 従弟のケヴィン(ブルースの息子)は、テキサスA&M(マイク・シャーマンHC)で先発センターを務めている。「ケヴィンも僕と同じウォークオンで入学し、やがて奨学金を手に入れて、いまや先発センターだ。どういうわけか僕らマシューズ家は、最初は実力に見合ったリスペクトをもらえないみたいだ。でも最後にはいい結果になるし、大事なのはスタートじゃなくてフィニッシュだからね」
- 「血統は重要だ。私は遺伝子というものを信じている」と語るスカウトがいる一方で、「それならLBボビー・カーペンター(父ロブはRBとして活躍したが息子は1巡バスト)の失敗例はどうなるんだ」との声も。
- マシューズ本人のコメントから。
- 「トレードアップして自分を指名してくれたのは、チームがどれだけ熱心に僕をほしがってくれているかを示しているし、インパクトを与えることを期待されていると思う」
- 「ウォークオンでUSCに進んだのは単純な話で、オファーがなかったからだ。高校では父がコーディネーターだったのに、僕はアンダーサイズ(わずか160ポンド)だったため3年生になっても先発させてくれなかった。それだけでも僕の出自がわかるだろう。4年生になって多少ウェイトを増して身長も数インチ伸びた。でも誘ってくれたのはジュニア・カレッジやディビジョンI-AAの学校ばかりだった」
- 「あのときから5年経って、いま僕は1巡指名選手としてここにいる。典型的なキャリアではないけれど、だからこそユニークなストーリーとして注目してもらえるわけだしね」
- フットボール一家に育ち、こうなる宿命だと思っていた? 「それは間違いないね。子供の頃から、大きくなったらこうなるんだろうと思っていた。もちろん、これほどハードワークが必要だとは知らなかったけれど。宿命づけられていた気はするし、ファミリーの伝統を守ることができて僕は幸運だ」
- マシューズという家名のプレッシャーについて。 「プレッシャーは大好きだし、家名のプレッシャーなら望むところだよ。自分たちと同じような選手になれとか、自分たちを超えろだとか、父や叔父から圧力をかけられたことはない。彼らは僕のすることを常にサポートしてくれるし、幸運にも僕は望むとおりにすることができている。しかし同時に、彼らの跡を継ぐのは容易でないと僕も覚悟してる。だから求められた以上の努力をして、自分になれる最高の選手になるだけだ」
- テッド・トンプソンGMの記者会見から。
- 珍しいトレードアップ(キャリア2回目)について。 「本来の順位で獲れそうな選手と、トレードアップして獲ろうとする選手との兼ね合いを考えなければならない。我々はかなりクレイに照準を合わせていた。彼はウチのディフェンスにものすごくよくフィットすると我々は考えている」
- ただのワークアウト・ウォリアー(40yds走などが速いだけのアスリート)だという心配は? 「彼のプレーだ。彼は素晴らしいゲームをする。彼の特色は、クリーヴランドで長く長くプレーした父のクレイと似たところがある。手を伸ばして相手OLと組み合って、普通なら地面に倒れるところを彼はもちこたえることができる。パスラッシャーとしてもランディフェンダーとしても実績を残しているが、スペースでのセンスの良さとアスレティシズムも兼ね備えている。彼がチームにもたらすものはとても多いと考えている」
- USCのプロ・デイ映像の開始23秒あたりで、マシューズの左横でキャップをかぶってサングラスをかけてノートを胸に抱えているのが実はテッド・トンプソンGM。
- ケヴィン・グリーンOLBコーチの記者会見から。
- 「彼の血筋については誰もが知っている。しかし彼が話すのを聞いただけで、彼が自分に使命を課しているのが伝わってくる。自分自身の足で立ち、自分自身が偉大な選手と見られるようになりたい、という目標をね」
- 「元ウォークオン入学、という事実だけでも惚れ込まずにはいられない。こうした選手たちは、わずかずつ這い上がってこなければ成功は手に入らない。何一つ容易には手に入らない、と身にしみてわかっている。天からの贈り物のように奨学金をもらった選手じゃないんだ」
- 「3-4のアウトサイドLBの3つの役割について、彼に伝えておいた。大型ストロングセーフティのようにカバーできなければならない。ポイントオブアタックでハードにラン守備をしなければならない。そして285ポンドのディフェンシブエンドのようにパスラッシュしなければならない」
- 「彼の役割は、頭脳面でも身体面でも非常に大きな仕事になる。高いアスレティシズムが必要だし、スキームの中でどのような役割を担うか、深い理解が必要だ。彼なら大丈夫だ。頭のいい子だ」