グリーンベイ・パッカーズ ニュース

2009年2月10日

アンドリュー・ブラント: プロボウル・ウィークの恐怖

昨年1月にパッカーズを退団したアンドリュー・ブラントが、選手サラリー担当副社長だったころのプロボウルの思い出について、興味深いコラムを書いている。

私はいつも"プロボウル・ウィーク"が嫌いだった。とはいっても嫌いなのはプロボウル前の週ではなく、プロボウル後の週のことだ。魅惑の島々への旅を終え、選手たちが本土に戻ってくる。現地でたくわえた知識やアイディアや見解、そして要求をたずさえて。

ハワイでの2月第1週ほどNFLのタレント集団が集まる機会は他にない。そのため、エージェントやアドバイザーや取り巻きたちもたくさん集まってくる。そういった「ささやき屋」がフル回転し、キミはいかに不当に扱われているか、いかに安すぎるサラリーで働かされているか、より大きな契約を積極的に求めない今の代理人をいかに解雇すべきか、といった話を選手たちの耳に吹き込んで回るのだ。

首謀者はたいていエージェントで、もうじき大型契約を手にしそうなNFLのトップスターたちと付き合いを深める手段として、プロボウル旅行を活用している。

たとえばドリュー・ローゼンハウス。プロボウル・ウィークになると彼は、ホテルでも公式イベントでもロビーでもプールでも選手の個室でも、あらゆるところに姿を現す。将来の顧客たる選手たちと接触する機会をなんとかして作り出し、自分こそがキミを裕福にし、キャリア上の野心を実現する代理人であると説得するのだ。じっさい彼の顧客である選手たちが多数プロボウルに出場していて、自らの優秀さに気付いていない選手の「転向」を手助けする。チャド・ジョンソン、クリントン・ポーティス、テレル・オーウェンスといったおしゃべりな選手たちだ。

これまでに私は、「プロボウル後の不満増大」に何度も遭遇した。CBマイク・マッケンジー(管理人注 : プロボウルには出ていないので思い違いだろう)、RBアーマン・グリーン、WRジャヴォン・ウォーカー、WRドナルド・ドライバー。マッケンジーとウォーカーは(別の代理人を解雇して)ドリューを雇い、その直後からトレードへの熱心な働きかけが始まった。グリーンやドライバーはトレードを求めなかったものの、「ささやき屋」たちと1週間を過ごしてからは、もっと高額の契約が自分にはふさわしいと感じるようになった。

契約交渉担当として私が肝に銘じていたのは、彼らのエゴや不安感を決して見くびってはならない、ということだ。プロボウル・ウィークは多くの選手たちの気持ちに影響を与え、本土へ帰ってからの困難な話し合いに結びつくこともあった。試合が終わって帰国便が着陸したらすぐにでも、電話が鳴ることを私は覚悟したものだ。いつ鳴るのか、どんな要求なのかはその時どきだが、必ず来るとわかっていた。プロボウルの翌週には、リーグじゅうのチームがそうした電話を恐れ・・・じっさいに受け取ることになる。 

カテゴリ : Contract/Personnel