グリーンベイ・パッカーズ ニュース

2008年10月25日

ファーヴが疑惑を一部認める

「第2週GB@DET戦の前にファーヴがライオンズ側に電話して情報提供した」との報道について、QBブレット・ファーヴが水曜の定例記者会見の大部分を費やして弁明を行った。 つい2日前には「まったくの大ウソ」と否定していたのが一変し、友人であるライオンズのマット・ミレンGM(当時)とパッカーズのオフェンスについて電話で話していたことを認めている。

ただし電話をかけてきたのはミレンの側であり、時間は15分から25分ほどで、そのうちフットボール関連は半分ほどだった、おそらくミレンはパッカーズの情報を探る意図だったと思う、去年DETに完勝したゲームのオフェンスが話題に上った、ただゲームプランなど機密情報は話していない、自分はパッカーズで1年以上プレーしていない(実際は8ヶ月弱)、とファーヴは説明。話した相手はミレンだけで、コーチたちとは話していないとしたものの、ミレンがスピーカーフォンを使って他のスタッフと一緒に聞いていた可能性はある、と認めている。

ジェッツのオフェンスを必死で習得すべきときに1時間も1時間半も他球団のGMと話したのか、という批判に対しては、「NYジェッツの勝利を助けるために自分はベストを尽くしている。パッカーズを負けさせるために時間を費やしてなどいない。電話がかかってきたのもジェッツの球団本部から車で帰る途中だった」としている。

「移籍後に古巣の情報を流すのはNFLでは日常茶飯事」とファーヴはいくつもの例を挙げたが、関係のない他球団への情報提供となるとまったく別の次元なのは明らか。CBチャールズ・ウッドソンが「もし彼から電話をかけたのなら・・・」と厳しく批判したことを聞くと、「(パッカーズの選手たちが)洗脳されてるとは言いたくないが・・・」と例によってパッカーズ首脳を遠回しに批判した上で、「僕から電話をかけたわけじゃない、とチャールズに伝えてくれ。僕からかけたわけじゃない」と繰り返した。

本当のところはどうだったのか、ロッド・マリネリHCか誰かが衝撃の告白でもしないかぎり調べようがない。たとえ本当であったとしても実際に害を与えるほどの情報提供は難しいのが実情で、またNFLの規定に違反してもいないことから、今回の件はこれで立ち消えとなる可能性が高い。とはいえ、ファーヴは今夏の現役復帰騒動での身勝手な言動と合わせ、その発言の信頼性、人柄への好感度が大きくダウンしたのはたしか。今回の騒動でも、「憎さ余ってこうしたこともやりかねない」と世間から見られたことが、騒ぎを大きくした観は否めない。

また今回は、ファーヴ側と癒着したESPNの報道姿勢にも疑問の声が上がっている。FOX報道を受けて各メディアがこの噂を取り上げるなか、今回のファーヴの記者会見が終わるまで3日間、ESPNはまったく報道しなかった。しかも最初の全面否定から一転、ミレンGMとパッカーズのオフェンスについて話し合ったことを認めたというのに、ESPNの見出しは「ファーヴが否定」というもの。ESPN社内の情報提供者が明らかにしたところによると、「この件は報道するべからず」という具体的な指示が社内で回っていたとのこと。普通の報道機関であれば理解できるが、これまでは根拠のない噂も率先して煽ってきたESPNだけに明らかなダブルスタンダードで、「そうまでしてファーヴに媚びるのか(または、進んで利用されるのか)」と批判の声も出ている。

カテゴリ : Player, Scandal