グリーンベイ・パッカーズ ニュース

2008年7月 6日

ドラフト指名選手紹介 8: QBマット・フリン

7巡2位 | Matt Flynn | Quarterback | Louisiana State  | Senior |
6-2 (188cm) | 227lbs (103kg) | 40yds/4.80秒 | 1985年6月20日生 |

経歴 : テキサス州タイラー出身。高校では走れるQBとして大活躍し、4年時はパスで9TD、ランで12TDを挙げた。有力選手ひしめく同州でトップクラスのQBと評価されてニック・セイバン率いるルイジアナ州立大に進むが、不幸にも同期にジャマーカス・ラッセル(現OAK)がいた。3年間は控えに甘んじたものの、ラッセルが1年早くNFL入りした昨年先発QBに昇格し、同大をNCAA王座に導く活躍を見せた。オハイオ州立大とのBCSチャンピオンシップでも4TDを成功させ、優勝に貢献している。

2006年までの3年間はフィールドゴールのホルダーとして38試合に出場している。

Strengths : まずまずの肩の強さがある。フットワークがよくメカニックがしっかりしていて、リリースもクイック。ミドルレンジまでのパスのタッチがよくコントロールが正確。頭がよく、判断がしっかりしている。リーダーシップを含めた精神面は高く評価されている。40yds走のタイムではQBブロームに劣るものの、昨年215ydsを走って4TDを挙げるなど、実際のフィールドではけっこう足を活かしたプレーをしている。

Weakness : スケールの大きさを感じさせるものがなく、スターターの器でないと見られている。サイズが小さめで強肩ではなく、パスの正確性も「そこそこ」どまり。狭いところに合わせるタイミングも今ひとつ。プレッシャーをかわすクイックネスやアジリティに欠けるのか、ボールを持ちすぎてサックをくらう癖がある。先発経験が1年しかないため、相手ディフェンスの読みなど戦術眼にまだ未熟な点が多い。今オフに肩の手術を受けたのは減点材料だが、OTAやミニキャンプではすでに普通にプレーできている。

メンタル面 : ワンダーリックテスト26点はQBとしては平均的な数字。精神的にタフで気骨のあるタイプで、リーダーシップ、勝負強さといった"Intangibles"に優れた選手と見られている。

指名の経緯 : 事実上ロジャースの控えがいない状態でドラフトを迎えたが、2巡のQBブロームとあとはベテランのFA選手でまかなうだろう、という見方が一般的で、2人目のQB指名はやはり意外。「若手ばかりのQB構成でもかまわない」というマッカーシーHCのコメントが、強がりでなかったことが証明されたことになる。その後、パッカーズがドラフト前にQBダンテ・カルペッパーに$1ミリオンのオファーをして断られていたことが明らかになった。

フリンを指名した理由についてトンプソンGM。「我々はかなりマットを気に入っていて、それが7巡でも残っていたということだ。彼が残っていたのはとても驚いた。試合に強いタイプだ。ジャマーカス・ラッセルがいたために1年しか先発経験がないが、見れば見るほど我々は気に入ってきた。それにQBというのはデプスが重要なポジションだし、この3人がいればチームの助けになると思っている」

パッカーズにとって : 前述のように、一般的にはスターターの器ではないと見られていて、将来「頼れる2番手」に成長すれば十分だろう。キャンプの結果フリンの能力が物足りないと判断すれば、ロースター入りさせずに(昨年のように)QB2人体制をとる可能性もある。その場合はプラクティス・スクワッドの有力候補。

90年代にはドラフト下位指名からマーク・ブルネル、タイ・デトマー、マット・ハッセルベック、アーロン・ブルックスといった先発級QBを輩出したパッカーズだが、2000年以降はあまり成功していない。

控え期間の長さ : テキサス州の有力QBとして進学したものの、大学3年までQBジャマーカス・ラッセル(現OAK)の控えに甘んじた。しかし2005年シーズン末のボウルゲームでは、負傷欠場のラッセルに代わって初先発し、ランク9位のマイアミ大に40-3の大勝を収めている。初めてフルタイムの先発QBとなった昨年のLSUは、12勝2敗でみごと全米制覇。最後のBCSチャンピオンシップでも彼が4TDを挙げて優勝の原動力となっている。

3年間控えを務めた経験についてQBフリン本人は、「たしかにつらい状況だった。2003年にジャマーカスと一緒にLSUに入ったんだ。(先発はラッセルだったが)彼とは毎年タイトなバトルをしたし、大きな差があったとは思わない。そういった経験全てが将来の助けになると思いたい」と振り返っている。QBブロームと同期入団となったことについては、「ある意味で、僕とジャマーカスのいた状況と同じだね。お互いに切磋琢磨して、2人ともよりよく成長していけると思う」

肩の強さ : 「僕はアスレチックなプレーヤーだし、ほとんどのパスは投げられると思っている。大学時代にはストロングアームの持ち主でないと言われたけど、そりゃあジャマーカスが100yds投げるのを見れば、隣の僕は見劣りしてしまう」

ルイジアナ州立大 : LSU出身のパッカーズ選手といえばなんといっても殿堂入りFBジム・テイラー。しかしそれに次ぐ選手となるとDEアブナー・ウィンバリー(1950-52)の35試合出場が最多で、目立った活躍をした選手はいない。ドラフト指名は2000年7巡のRBロンデル・ミーリー以来で、フリンがパッカーズ史上10人目。移籍組ではSマーク・ローマン(現49ers)やDTケンドリック・アレン(現MIN)も同大の出身。

カテゴリ : Draft, Player