グリーンベイ・パッカーズ ニュース

2008年6月26日

ドラフト指名選手紹介 6: OGジョシュ・シットン

4巡36位 | Josh Sitton | Guard | Central Florida  | Senior |
6-3 (192cm) | 324lbs (147kg) | 40yds/5.18秒 | 1986年6月6日生 |

経歴 : フロリダ州の西端、アラバマ州境にあるペンサコラ出身。高校ではOLで3年間スターターを務め、オール・フロリダ州の2ndチームに選出。DLとしても最後のシーズンには50タックル、6サックを決めている。オーバーン大など複数から奨学金オファーがあった中でセントラルフロリダ大を選んだのは、すぐに出番があると思ったから。その目論見どおり1年目から4試合に先発し、デビュー戦がウィスコンシン大のキャンプ・ランドール・スタジアムだった。

1年目は右ガードで4試合、2年目・3年目は右タックルで全試合先発し、全米9位のラッシング成績に貢献した。4年目の昨季は右タックルで8試合先発したほか、チームメイトのケガのために右ガードで3試合、左ガードで1試合に先発し、ヴァーサタイルな能力をプロのスカウトにアピール。コンバインには招かれなかったが、プロ・デイでは20ydsシャトル4.50秒(全OL中2位)など好タイムを出した。

Strengths : 肩幅が広く、フットワークのよい柔軟なアスリート。素早く外にスライドしてスピードラッシャーを封じ込める。よくヒザを曲げて持ちこたえることができる。しっかり脚を動かし続けドライブ・ブロックができる。TEの外への小さなプルブロックが上手く、セカンドレベルへのブロックも速い。大きなケガがなく、1年目の終盤から42試合連続先発出場した。レッドシャツの年がなかったため、今月22歳になったばかり。

Weakness : プロでタックルをやるには上背がなく、腕が短いずんぐり型。パスプロテクションではアグレッシブなハンドパンチがなく、相手を懐に入れてしまって押し込まれる傾向あり。激しい当たりに欠け、迫力が足りないところがある。柔らかそうな体つきからして、トレーニングが足りているのかどうか(そこがまたタウシャーに似ている)。

メンタル面 : オフェンシブライン向きのタフでアグレッシブなメンタリティを持っている。2004年に注意欠陥障害(ADHD)と診断されたことがあるが、ワンダーリックテスト25点は平均以上の数字で、OLとしては標準的。2006年に飲酒運転と駐車違反で免停処分を受けたことがある。

指名の経緯 : 無名選手だったが、RBケヴィン・スミス(3巡でDETへ)を見るためにセントラルフロリダ大のプロ・デイに集まったスカウトたちの前でよい動きを見せて注目された。とくに強い興味を示したチームの1つがパッカーズだった。トンプソンGMは、「一流のNFL選手であるマーク・タウシャーと比べるのはなんだが、マークと似ている点が多いのはたしかだ。あの動きや、相手の攻撃を吸収しブロックする能力がよく似ている」と評している。一見すごそうに見えない体格ながら、相手を丸め込むように仕留めてしまうテクニックが、タウシャーをほうふつとさせたらしい。

「ドラフト3週間前にパッカーズを訪問したときの面談の内容が素晴らしかった。黒板での演習も非常によく、彼の頭のよさを示した。フィールドでは、いったん彼が相手DLに触れるとまるでVelcro(日本で言うマジックテープ)のようで、彼を突き放すことはできない。そして最大の強みの1つが、あの激しい情熱と大きなエネルギー、ホイッスルが鳴るまでファイトするタフガイだ」とキャンペンOLコーチ。

パッカーズにとって : 入団すぐから先発ガードを争えるか、との質問にキャンペンOLコーチは、「もちろんだ。彼を含めて(先発両OTとCを除いた)13人が先発スポットを激しく争うことになる」と答えている。OGシットンにゾーンブロッキングの経験は?との質問には、「彼らはゾーンも多少やり、パワーギャップ的なスキームもやっていた。だから我々のスキームにうまくアジャストできると思う」

ドラフト直後にキャンペンOLコーチはガードとタックルの両方で考えていると語っていたが、その後のOTAやミニキャンプでは右ガード専業でプレーている。先日のミニキャンプでCウェルズの負傷によりRGスピッツがセンターに回ると、シットンが1stチームの右ガードに入った。昨年右ガードを争ったジュニアス・コストンやトニー・モールが現在それぞれ別のポジションをプレーしているのは、シットンにできるだけチャンスを与えて能力を見極めたい、とコーチたちが考えているからだろう。

パッドも着けないOTAやミニキャンプでラインマンの真価は評価できないとはいえ、先日のミニキャンプでの記者たちの評判はかなりよく、2巡のWRジョーディ・ネルソンと双璧だった。開幕ロースター入りは確実と見られている。「予想以上にアスレチックで、インサイド向きのタフガイだ。将来的にはスピッツをセンターにして彼を右ガードに据えるといいかも」と見る向きもある。

飲酒運転について : 4巡b指名OGシットンと5巡指名OTジャコミニの2人とも飲酒運転で逮捕歴があることについて、トンプソンGM。「まず第一に、飲酒運転というのは重い犯罪だ。両選手にとって大きな過ちであり、我々としてもその点は詳しくチェックした。2人とも過ちを重く受け止め、汚名返上しようと頑張っている。将来に向けて問題になるとは考えていない。我々は個々の人間についてケースバイケースで判断している。誰もが過ちを犯すものだ。よい人間と悪い人間がいて、もし悪い人間だと判断すれば、その選手はチームから取り除くだろう」

セントラルフロリダ大 : セントラルフロリダ大ではSSアタリ・ビグビーの3年後輩にあたり、2004年に1年だけ一緒にプレーしている。同大からのドラフト指名は2000年7巡のWRチャールズ・リー以来2人目。パッカーズでプレーするのはWRリー、Pライアン・フリン(2005年終盤に2試合だけ)、SSビグビー以来4人目となる。

パッカーズを含め3球団で6年間プレーしたWRチャールズ・リーは、すでにコカイン所持で保護観察処分を受けていたが、昨年12月に母校セントラルフロリダ大の学生を相手に拳銃強盗事件を起こし、5年の実刑が先月決まったばかり。

カテゴリ : Draft, Player