グリーンベイ・パッカーズ ニュース
2008年4月 6日
今週開かれたNFLミーティングで可決された主なルール改正は以下のとおり。可決には多数決でなく32球団中24球団の賛成が必要となる。パッカーズのマーク・マーフィ新社長は初参加だったが、元NFL選手でありカレッジ界での豊富な経験もあるため、積極的に発言して議論をリードする場面もあったようだ。
- ディフェンス選手も1人だけヘルメットに受信装置を着け、コーチのプレーコールを音声で伝達できるようになった。
- 受信装置付きヘルメットにはQBと同じように緑丸のマークがつく。
- その選手が負傷した場合に備えて予備の選手を1人指定しておき、受信装置付きヘルメットをベンチに用意しておくことができる。
- 受信装置付きヘルメットを着けた選手が2人同時にフィールドに入った場合は5ydsの反則となる。
- 昨年は賛成22票で2票足りなかったが、今回は賛成25票で可決された。パッカーズは反対した7球団の1つで、他にもオフェンス系のヘッドコーチのチームからの反対が多かったらしい。
- フォースアウトの撤廃。サイドライン際でジャンプしてキャッチしたレシーバーが着地前に押し出された場合、これまでは「押されなければインバウンズだったはず」と審判が判断すればフォースアウトとしてパス成功が認められていた。しかし今後は、押されようが押されまいが、レシーバーの両足が残っていなければパス失敗となる。
- フォースアウト判定は論議の対象(パッカーズも昨季第6週WAS戦でTEフランクスへのTDパスがアウトオブバウンズ判定に)となることが多かったが、ジャッジメントコールであるため、チャレンジの対象でなかった。今回の改正はそうした曖昧さを解消し、審判の判定基準を一定にするため。
- ただし、ディフェンス選手に(押された程度ではなく)抱え上げられアウトオブバウンズに運ばれたような場合は除く。
- これまでルール改正といえばオフェンスを有利にするものがほとんどだったが、今回はディフェンス有利。たとえキャッチされても着地までに押し出せばよいので、小柄なCBにとっては福音かもしれない。オフェンス側にとってはフィールドの横幅が狭くなることになる。
- 5ydsフェイスマスクの撤廃。フェイスマスクをつかんだ場合はこれまでどおり15ydsの反則だが、偶発的にフェイスマスクに手がかかってもすぐに放せば、今後はおとがめなしとなる。
- コイントス勝者の選択肢が増え、試合前のコイントスで勝った側が「後半開始時のためにキックオフorレシーブorサイドを選ぶ権利をとっておく」ことが可能になる。カレッジではこれまでもそうだったらしい。30対2で可決。
- フィールドゴールの成否がチャレンジ可能となる。
- CLE@BALの試合でブラウンズのKフィル・ドーソンの51ydsFGがバーを越えながら(ビデオ)いったんは失敗と判定され、あやうく試合に負けるところだった試合の反省に基づくもの。2人の審判が間近で見ていても誤審はありうる。
- ただし、ポールの上を越えていったキックの判定は、ジャッジメントコールであるため今後もチャレンジはできない。
可決に至らなかったルール改正案は以下のとおり。
- プレーオフのシード順を変更しようという案は、賛成が少ないため撤回された。これまで地区優勝チームが上位4シードを占め、プレーオフ初戦をホーム開催できたが、地区優勝チームより高勝率のチームがあればそちらを上位にしようという案だった。あまりにも早くシードが決まったためにレギュラーシーズン最終盤が無意味なものになる、という事態を避けようという考え方で、今後もシード順のありかたは検討されるとのこと。
- 背番号や名前が見える程度に髪を切るか、しまい込むべし、というロングヘア規制をチーフスが提案していたが、こちらも投票は行われず、継続審議に。髪型の自由は労使協約で認められていて、それを制限するためには選手会との話し合いも必要であるため。
- 開幕までのロースター枠を80人から86人に増やそうという案も投票には至らず、継続審議となった。NFLヨーロッパ派遣選手はロースター枠の例外扱いだったので80人プラスアルファを抱えることができたが、NFLヨーロッパが廃止された今年はぴったり80人でトレーニングキャンプやプレシーズンゲームを行わなければならない。
カテゴリ : NFL