グリーンベイ・パッカーズ ニュース
2008年3月 6日
現地火曜午後、マイク・マッカーシーHCとテッド・トンプソンGMが肩を並べて記者会見を行った。2人がそろって黒を着ているのも偶然ではなさそうだ。
- 最初にファーヴ本人から引退の意思を伝えられたマッカーシーHCで、月曜夜7時のことだったという。「その後テッドに私から連絡した。夜9時か9時半ごろもう一度ブレットと話をした。テッドは今朝ブレットと話し合った」
- ファーヴが決心を変えるようマッカーシーHCから説得したのか? 「先週木曜に彼と話し合ったのはまさにそうした内容だった。さまざまなシナリオを検討し、その良い点と悪い点、毎日の細かなことの中で、彼の助けになるような変更ができないかどうか。しかし結局のところ、フィジカル的に問題はなくても精神的に疲れ果てていると、話はそこに戻ってきてしまった。昨夜最終的な決断を聞いて、私が驚いたのは言うまでもない。娘(15歳の一人娘)のバスケットボールのパーティに歩いていく途中で、私はその場に立ち尽くしてしまった。しかしこれは彼が考え抜いて決めたことだ。先週木曜の話し合いの最後の彼の言葉は、正しい決断を下すために心の奥底まで掘り下げて考える必要がある、ということだった」
- マッカーシーHCとしてはファーヴの精神的な疲れについて昨季なにか感じた? 「重荷が大きすぎるなどと彼がはっきり示すことはないが、いろいろ話し合ってきたことではある。ある日などは練習について20分にもわたって彼と話をした。練習におけるQBの重要性、練習で彼がテンポを非常に高く保つことの重要性。チームメイトでさえ気がつかないようなたくさんの細かなことを、QBというのは実行しなければならないのだ。そういった日々の細かなことの積み重ねが、彼を消耗させていったんだ」
- 決心を覆す可能性は?ある時点では現役続行を決めていたのでは? 「そうしたことは全て憶測にすぎない。私自身のブレットとの会話ではそういうことはなかった」
- テッド・トンプソンGM。 「この決断は複雑なものだ。プレーしたいかしたくないか、といった単純なものではなく、私の想像さえ超えた複雑さだろう。ブレットは史上最高のフットボールプレーヤーの1人だ。彼はいくつかのことを知りたがった。私が彼をまだ欲しがっているか、自分はまだプレーできる力があるか。その質問に対してマイクも私も強く肯定した。そのうえで、彼が決断を下すために、その他の複雑な事柄を考慮しなければならなかった。期待を背負ってあれほど高いレベルで長くプレーし続けてきた選手なのだ。人が思うほど単純なことではない」
- 「自分は(球団側から)現役続行をじゅうぶん強く望まれてはいないとブレットは感じている」とファーヴの兄スコットや代理人が語ったことについて、トンプソンGMが反論。「私は強く望んでいた。マイクも私も、(ファーヴの決断を待つ態度は)昨年と同じアプローチだった。その前の年は、マイクが新任だったから多少違ったアプローチをとった。新コーチを知ってもらう必要があったからね。しかし昨年と今年は同じだ。マイクが常にコンタクトをとり、私も時おり連絡をとる。しかしどの年も、誰にも圧力をかけられずにブレット自身が決断を下すことが重要だ、と我々が感じていたことに変わりはない。どちらの結論にせよ、説得されて選ぶことをブレットは好まない。自分はプレーできるか? チームは自分を望んでいるか? こちらの答えはどちらもイエスだ。しかし、それ以外のことを考慮して彼は決断しなければならない。コミュニケーションは常にオープンで、彼が正しい結論を下すために十分な余裕を与えたと我々は感じている」
- マッカーシーHC。「ブレット・ファーヴがもはやグリーンベイ・パッカーズのクォーターバックではない、という現実を実感したのは、ようやく今朝になってからだ。昨夜は違っていた。ブレットはプレーしてくれると思っていたから。私との話し合いの中で彼の口から引退という言葉が出たのは、先週が初めてだった。これは完全に個人的な決断であって、さきほどテッドが言ったように、我々みなが彼の現役続行を望んでいた。ブレット・ファーヴのキャリアが続くことをどうして望まずにいられるだろう? 」
- パッカーズの今後の展望について、トンプソンGMは詳述を避けた。「今日はブレットにもっと焦点をあてるべき日だからね。ブレットなしでやっていかなければならない、と考えただけで少々恐ろしい気持ちになる。1992年第3週に初めて登場し、それ以来ずっと彼が先発QBだったのだから。私はコーチ・ホルムグレンと共に何年かシアトルにいたが、第3週あたりでQBが壊れ、次のQBも第6週あたりでケガをしてしまったことがあった。『なのにグリーンベイでは、ずっと同じQBがプレーしている』と我々は思ったものだよ。それが現在まで続いたんだ。だから少々恐ろしい気持ちにはなるよ。同時に、今後の我々に課せられた使命も理解してはいるが」
- なぜスーパーボウルを狙えるいま引退するのかという質問に対して、「それについてはいずれブレットが話すだろう」とトンプソンGM。
- 引退の決断を今後後悔する可能性についてファーヴと話し合ったか、という質問に対してマッカーシーHC。「もちろんだ。昨夜だけでも、彼が今後経験するであろう現実について、我々は話し合った。秋になってフットボールが始まったときがおそらく一番つらいだろう、と家族で話し合った、と彼は私に教えてくれた」
- ESPNが明らかにした本人からのボイスメールの中で、高い期待を上回る活躍を毎週求められるストレスをファーヴが語っていることについて、マッカーシーHC。「そう、彼はチャンピオンであって、さらにもう1つチャンピオンシップを望んでいた。それは明らかなことだ。彼の昨季のプレーぶりをフィルムで見ても、スタッツを見ても、その力があることを雄弁に物語っている。優勝経験のある者がさらなる優勝のため自分を限界まで自分を追い詰めるのは当然の成り行きだろう。ストレスという言葉を使っていたが、ブレットをもっとよく表す言葉があるとすればそれは情熱(passion)だろうと思う。彼はきわめて情熱的な人間であり、そのことは彼のフットボールへの用意周到さにも、フィールドでのパフォーマンスにも表れている」
- この2ヶ月間のファーヴとの話し合いでランディ・モスの話題は出てきたか? もしモスを獲っていたらファーヴの決断は変わっていたと思うか? という質問に対してマッカーシーHC。「シーズン終了後の話し合いにおいて、どの選手獲得についても一度も話題には上らなかった。ここで起きたのはそういうことだ。テッドが言ったようにこれは別の問題だ」
- 将来ファーヴが大好きなトラクターから降りて、解説者やコーチになる姿を想像できるか、と聞かれたマッカーシーHC。「私は驚くね。彼はそういった仕事でも優秀だろうけれど、あまり頻繁には自宅のフェンスから出てこないだろう」