グリーンベイ・パッカーズ ニュース

2008年2月29日

シーズン総括と展望 DT編

飛び抜けた選手はいないが粒が揃い、ディフェンスで最も層の厚いユニット。レベルが高いため大量6人をロースターに入れて開幕を迎えたが、それが結果的に好判断で、2人が大ケガで戦線離脱してもなんとか持ちこたえることができた。

プロ2年目のジョリーの急成長もあって、開幕から9試合のラン守備はNFL8位の平均92.9yds。しかしコールとジョリーが相次いで戦線離脱するとローテーションが苦しくなって次第に疲弊し、プレーオフを含めた9試合では108.1ydsを許した。それでもラン1回平均3.88ydsはパッカーズとしては2000年以来ベストの成績だった。いっぽうパスラッシュも2人の戦線離脱により悪影響が出て、特にウィリアムズは出ずっぱりに近くなってパフォーマンスがダウンした。

ウィリアムズをフランチャイズ指名したことによりデプスは十分で、今年は大きな補強はなさそうだ。むしろハレルやムーアなど2年目選手たちがこのオフシーズンに成長することで底上げを図りたいところ。

ライアン・ピケット Ryan Pickett

不動の先発左DT。頼りになるランストッパーとしてライン中央をしっかり持ちこたえてくれた。押されないだけでなくボールのありかを素早く見つける判断がよく、タックル数はDEキャンプマンに次いでDL中2位。移籍2年で1サックしか挙げておらず、パスシチュエーションではサイドラインに下がる。2006年春に結んだ総額$14ミリオンの4年契約をかなり上回る働きをしており、今年あたり契約アップグレードの可能性のある選手の1人。

コーリー・ウィリアムズ Corey Williams

今年FAとなる予定だったが、先日フランチャイズ指名されて残留が確実となった。2年連続7サックはDTとしては素晴らしい数字で、昨年はラン守備も改善して穴のないDTに成長してきた。ジョリーとコールの戦線離脱で出番が増え、出場スナップ数は前年の569スナップから777スナップに急増。開幕から10試合で6サックしたものの、その後の8試合で1サックしか挙げられなかった。

フランチャイズ指名で引き留めた後に長期契約交渉をすることも多いが、今年のパッカーズは今のところその動きはない。ビッグマネーを手にすると慢心してしまいそうなタイプだけに、$6.363ミリオンの高額サラリーを我慢しても1年契約のまま残し、(選手が必死で頑張る)コントラクト・イヤーにしておきたいのかもしれない。(管理人注 半日後にトレードが決定)

ジョニー・ジョリー Johnny Jolly

ドラフト6巡指名から2年目に急成長を見せて開幕スターターを勝ち取り、第11週パンサーズ戦で肩を負傷するまで、ウィリアムズと交互にスターターを務めた。エネルギッシュなラン守備を得意とするタイプでパスラッシュはそれほどでもないが、スクリーンパスへの反応やパスディフレクトなどセンスのよい動きをする。彼の不在がプレーオフでは大きく響き、また彼の大ケガがなければウィリアムズのフランチャイズ指名はなかったかもしれない。

12月11日に肩の回旋腱板の手術を受け、7月末のトレーニングキャンプには間に合わない可能性もある。予定どおりなら開幕戦出場は問題ないはずだが、伸び盛りの時期に十分なトレーニングを積めないことが残念。

ジャスティン・ハレル Justin Harrell

驚きのドラフト1巡指名だったが、ファンの不満を払拭するルーキーシーズンではなかった。大学4年目に上腕二頭筋を部分断裂した影響もあって、まだプロの体ができておらず、最初の11試合で9回インアクティブ。12月に入るとプレーぶりが改善され、簡単には倒されなくなった。タックル数を出場スナップで割った比率ではDL中トップで、6.3スナップに1回タックルを決めている。しかしパスラッシュでは、今季一度もプレッシャーをかけられなかった。

彼のルーキーシーズンが期待はずれだったことは、上記ウィリアムズのフランチャイズ指名にも影響したはず。しかしDTは一人前になるまでに2年か3年はかかるのが普通(ピケットもプロ1年目は先発ゼロ)なのでまだ見限るのは早い、という見方が一般的だ。

コリン・コール Colin Cole

ハレルと4番手争いをしたが、第12週ライオンズ戦で前腕を骨折してシーズンエンド。2003年のドラフト外なので実質プロ5年目を終えたことになるが、出場試合数の関係で正式にはまだ3年目終了扱いで、今春制限つきフリーエージェントとなる。重心の低い堅実なランストッパー。そろそろ伸びシロもなさそうなので、パッカーズ側はオファーしない可能性もある。

ダニエル・ムーア Daniel Muir

ケント州立大から昨年のドラフト外で入団し、ロースター入りを果たした。出場はわずか3試合だったが、ピケットが欠場したレギュラーシーズン最後の2試合は出番が多く、光るものを見せたようだ。馬力もあるが大学ではDEとしてもプレーしていて、パスラッシュもいいらしい。異例のDT6人枠にまでして彼をロースターに残しておいたのは、首脳陣の期待の大きさの表れだろう。

コンラッド・ボルストン Conrad Bolston

メリーランド大から昨年のドラフト外でヴァイキングスに入団。プラクティス・スクワッドから昇格して1試合に出たところで解雇され、ケガ人で手薄になっていたパッカーズが獲得した。レギュラーシーズン最終戦で出番をもらったがプレー内容はイマイチ。横幅のあるランスタッファーで、パスラッシュは不得手なタイプらしい。

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