グリーンベイ・パッカーズ ニュース

2008年2月25日

シーズン総括と展望 WR編

このシーズン最も成長したユニットで、QBファーヴとともにチーム躍進の原動力となった。過去2年はドライバーの孤軍奮闘ばかりが目立ち、彼が止められたらそこで終わり、という印象だった。しかし昨年は大幅な底上げに成功し、好調ファーヴがマルチWRセットを自在に使いこなして相手ディフェンスを翻弄した。NFL1位の2294ydsをランアフターキャッチで稼ぎ出しており、5人合わせたユニットとしてはNFL屈指、という声も少なくない。

2年連続でドライバーがプロボウルに選ばれたものの、TD数やビッグプレー能力からしてジェニングスが実質エースに成長したと言ってよさそうだ。契約最終年を迎えるのはコーレン・ロビンソンだけで、契約の面でも将来的な心配はあまないなく、大物FAやドラフト上位指名は今年はなさそう。ただ、ジョーンズ、マーティン、ロビンソン、ホリデイとポゼッション型ばかりでバカッ速い選手がいないので、リターナーを兼ねられるような選手を下位指名か。

ドナルド・ドライバー Donald Driver

4年連続5回目の1000ydsを記録し、2年連続3回目のプロボウルに選出された。しかし82キャッチ・1048yds・2TDはどれもこの4年間で最低で、1キャッチ平均も例年の14yds台から12.8ydsにダウン。力が落ちたというよりも、ここぞという場面でQBファーヴが彼よりもジェニングスを頼りにするようになってきたというべきか。

134回パスが来たうち落球は2回だけで、落球率1.49%は自己ベストでチームベスト。体作りは万全なので33歳となっても衰えは感じられず、あったとしてもかなり緩やかだ。そのことはNFC決勝での90ydsタッチダウンにも表れている。昨夏には2010年までの契約延長にサインしている。

グレッグ・ジェニングス Greg Jennings

プロ2年目は(3試合欠場したので)1000ydsには届かなかったものの12TDはダントツのチーム1位で、すでにドライバーをしのいでエースになったという声が多い。ショートパスをロングゲインにしてしまうランアフターキャッチのキレとセンスが素晴らしく、1回平均17.4ydsはNFL3位。戦術眼もQBファーヴとの呼吸も申し分ない。ただシーズン後半には、捕った後のことを考えるのかイージーな落球がやや目立った。

これといった欠点が見当たらず、来季の目標はとうぜんプロボウル。4年契約の3年目に入るところだが、今年中に契約延長をするかもしれない。

ジェームズ・ジョーンズ James Jones

ドラフト3巡指名入団し、期待どおり3番手を務めた。47キャッチ676ydsはどちらもルーキーWR3位だが、シーズン後半には明らかに「ルーキーの壁」にぶち当たって成績がダウンした。4WRや5WR隊形を多用するなか、ロビンソンやマーティンが頼りになるので、信頼しきれない新人WRにわざわざ投げることはないとファーヴから軽視された面もありそうだ。

パスキャッチが非常に上手く、体から遠いボールでも難なく引き寄せる技術が最大の武器。212ポンドのガタイがあってミドルでの競り合いに強い。まだ未熟な点は多いが、経験を積めば改善するだろう。とはいえ、スピードがなくクイックネスも並なので、将来1200yds級のレシーバーに成長するような器ではないかもしれない。

コーレン・ロビンソン Koren Robinson

シアトルからミネソタ時代はアルコールやドラッグがらみの不祥事が続いたが、昨夏刑期を終えて出所してからはしっかりやっているようだ。1年間の出場停止処分を終えて第9週から出場し、パスキャッチ21回241yds、キックオフリターンは25回平均23.8ydsとまずまず。相手ディフェンスの読みなど戦術眼は頼りになるものの、もともと40yds走は4.6秒クラスでビッグプレー能力はあまりない。

もう伸びシロがないうえヒザに問題を抱えているので、ホリデイたちの成長しだいでは来季の開幕ロースターに残れない可能性も十分ある。

ルヴェル・マーティン Ruvell Martin

2006年後半は3番手を務めたが、ジョーンズ入団とロビンソン復帰で割を食い、わずか16キャッチに終わった。それでもマルチプルWRセットの一角として242yds・4TDを挙げ、特にレッドゾーンでは6フィート4(193cm)の高さが活きる。ランブロッキング能力はWR陣ナンバーワンで、RBグラントのロングゲインに貢献するシーンが何度もあった。ロビンソンもそうだが、チームによっては3番手が楽に務まるはず。

ショーン・ボディフォード Shaun Bodiford

6番手WR兼リターナーとして9月末に再契約。しかし上位5人にケガが少なかったため出場6試合のほとんどがスペシャルチームで、シーズン最終戦にようやくプロ初キャッチを挙げることができた。5フィート11(180cm)の小兵で飛び抜けたスピードがあるわけでもなく、リターナーとしてよほど頑張らないと来季のロースター入りは難しいかもしれない。

カーライル・ホリデイ Carlyle Holiday

2006年終盤はマーティンに次ぐ4番手WRを務め、昨夏もロバート・ファーガソンを退けて開幕ロースターを果たしたが、開幕戦でヒザを負傷してインジャリーリザーブに。3番手争いをしていただけに残念なシーズンだった。スピードはそこそこだが6フィート2(188cm)のサイズがあってセンスがいい。ノートルダム大では3年まで先発QB(ブレイディ・クインの前任者)だったためWR経験が浅く、まだ伸び盛りといっていい。

カテゴリ : Player