グリーンベイ・パッカーズ ニュース

2007年9月27日

Johnny Jolly: Growing Up In A Hurry

トレーニングキャンプで急成長を見せて開幕スターターも務めたDTジョニー・ジョリー。馬力やスピードだけでなく、センスのよいプレーはDL陣の貴重な戦力となっている。しかし成長したのはフィールド上だけのことではない。このオフシーズンに彼は、「独身生活を謳歌する裕福なアスリート」から一夜にして「悪戦苦闘するシングルファーザー」にならなければならなかったのだ。

ミニキャンプ中の5月19日夜、DTコーリー・ウィリアムズの家で同僚たちとビリヤードを楽しんでいたとき、ヒューストンに住む母から電話がかかってきた。ジョリー家の友人の娘で、実の姉弟のようにして育ったケイシャが自動車強盗に殺されたというのだ。まだ34歳の若さで、あとには7歳の双子の男の子たちが残された。「信じられなかった。あってはならないことだ。ケイシャとは何年もひとつ屋根の下で育ち、2日前にも電話で話したところだったのに」

コーチから許可をもらって翌朝ヒューストンに帰ったジョリーは、7歳の男の子たちに母親の死を伝える役目を、家族から任せられた。彼は子供たちを可愛がり、極めて親しい間柄だったからだ。もうじきやってくる8歳の誕生日に母さんはいない、いやこれからずっといないのだと、まだ24歳の彼が教えてやらなければならなかった。甥っ子たちが落ち着くまで、自分がそばにいてやろうと彼は決心した。

6月のOTA出席のためグリーンベイに戻ったほかは、7月末のトレーニングキャンプ開始まで彼が子供たちの面倒を見た。「ショッピングモールとかあらゆる所に連れて行ったよ。彼らがリラックスして、つらいことをあまり思い出さずにすむように。トレーニングキャンプのスタートで大変だったのは、子供たちも一緒にグリーンベイに来て、ここで学校に通いたいと言ったことだ。僕もそうしたかった。でもシーズンが終われば僕もヒューストンに帰るんだし、学年途中で転校させたくなかった。だから僕には大事な仕事があると教え、ヒューストンで全てうまく行くようにする、と納得させなきゃいけなかった」。子供たちはジョリーの母親が預かることになった。

きついキャンプの最中も、ジョリーは毎晩イティとタークの双子に電話をかけた。2人はもう彼をダディと呼ぶようにさえなっていた。フットボールシーズンのことを何でも知りたがり、夏の子供向けフットボールキャンプに参加させると、その興味は強まるばかりだった。「イティは僕と同じディフェンシブ・タックルをやると決心してるようだ。フィールドで一番ちっこいくせに」とジョリーは笑う。

「マッカーシーHCやロバート・ナンDTコーチ、DTライアン・ピケットやジョージ・クーンス(選手の世話役だったがその後退団)など、みんなケイシャの葬儀に参列してくれて、僕を支えてくれた。その他のチームメイトからも数え切れないほど電話をもらった。グリーンベイは僕のもうひとつの家族だ。このような悲劇を経験しているとき、みんなが本当の家族のように手を差し伸べてくれる。僕の家族にまで電話をくれて、親身にサポートしてくれる」

子供たちのことでトレーニング不足だったためキャンプ初日の体力テストには合格できなかったが、その後の躍進は目覚しく、みるみるうちにデプスチャートのトップまで上りつめた。「彼は故郷に帰ってたくさんのことに対処しなければならなかった。家庭を大事にしつつ、仕事もしっかりやることを学ばなければならなかった。多少は出遅れたが、すぐに復調したよ。このオフシーズンの成長はみなさんごらんの通りだ。ジョニー・ジョリーのことは本当に嬉しいね」とロバート・ナンDTコーチ。

強盗殺人事件は解決されていないが、その件は故郷の母に任せ、捜査状況を時おり連絡してもらっていると彼は言う。悲劇のいっぽうで、7月4日にはジョリーの妹が双子の女の子たちを出産するという嬉しいニュースもあった。「いずれは、僕がケイシャの息子たちを育てていくつもりだ。彼女がいなくなった今、僕が世話を引き受けて立派に育てることを彼女も望んでいるはずだから」

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