グリーンベイ・パッカーズ ニュース
2007年9月 6日
開幕を前に、今年のトレーニングキャンプでの良かった点、悪かった点を、地元記者たちの評価をもとにしてまとめてみる。
- Good : 3巡指名WRジェームズ・ジョーンズ。ミニキャンプから評判はよかったが、フルパッド練習になるとさらによかった。パスキャッチが非常に上手く、特にショートからミドルまでの競り合いに強い、というドラフト時の評判どおりのプレー内容で、キャンプ開始そうそうに3番手の座を確保してしまった。新人WRはシーズンに入ると苦しむのが常なので大きな期待は酷かもしれないが、将来的にはじゅうぶんスターターが務まる器、というのが今の評判。
- Good...? : WR陣はけっきょく昨季終了時の上位4人 + 新人ジョーンズという陣容。5番手ホリデイに敗れて解雇されたWRファーガソン(MINで開幕ロースター入り)を物差しとすれば、昨年よりある程度の戦力アップはできたと言えるだろう。
- Good : QBアーロン・ロジャースは身体的にも精神的にも大きな進歩を見せ、ようやくNFLで先発を任せられるQBに成長してきた。逆にいえば1巡指名入団にしては最初の2年間が物足りなかったとも言えるが、成長するに越したことはない。
- Good : QBブレット・ファーヴに衰えは見られない、という見方が圧倒的。体幹部を重視したオフシーズンのトレーニングにより体のキレは非常にいい。「歳をとって忍耐力がなくなってきた」と本人が自嘲しているように、オフェンスが手詰まりになったときの彼の一人相撲を減らすことは、マッカーシーHCたちの重要な仕事でもある。
- Good : DL陣。飛び抜けた選手はいないものの、キャンプマンを筆頭に高いレベルで粒が揃っており、パッカーズ守備の最大のセールスポイントに成長してきた。4メンラッシュで相手QBにプレッシャーをかけられるのは、数年前のパッカーズにはなかったことだ。
- Good : DTジョニー・ジョリーはプロ1年目の昨季は足首のケガに苦しんだが、今夏は大きな成長を見せてスターターとなった。横幅のあるランスタッファーであるだけでなく、スクリーンパスをINTするなど反応や嗅覚にも優れている。
- Good : DEカレン・ジェンキンズは特にパスラッシュで素晴らしい動きを見せ、今オフの契約延長は当たりだったと評価されている。
- Good : 先発LB陣は充実しておりケガもなく、話題となることが(よい意味で)少なかった。特にキャンプ後半はLBニック・バーネットが素晴らしかったようだ。
- Good...? : アタリ・ビグビーがマーカンド・マニュエルから先発ストロングセーフティの座を奪った。戦力アップと言えるのかどうかわからないが、身体的に万全だった今年のマニュエルを退けたことは評価してもよさそう。
- Good : 控えCB陣は充実した内容のポジション争いを繰り広げ、昨季末に3番手だったパトリック・デンディが最終的には脱落した。昨年の今ごろウェイバーで獲得したジャレット・ブッシュが大きく成長して3番手の座を確保し、4番手のウィル・ブラックモンもちゃんと伸びている。彼らがハリスやウッドソンの後継者となれるかどうかは別の話だが、昨季パス守備の大きな弱点だった3番手・4番手CBはかなり充実したと見られている。
- Good...? : 6巡ルーキーのKメイソン・クロスビーは、昨年1年間経験を積んだKデイヴ・レイナーを退けて正キッカーの座を手に入れた。今年に関しては戦力アップ分はわずかかもしれないが、長期的に見ればポテンシャルは大きい。大学時代に悪天候で強かった実績があるのもうれしい。
- Good : RB陣にケガ人が続出したため見過ごされがちだが、チーム全体としてはかなりケガ人の少ないキャンプを過ごすことができた。現在ロースターにいる選手の中で複数試合欠場予定なのはDEマイケル・モンゴメリーだけ。(復帰は今月下旬か)
- Bad : ランブロッキング。まだ悪いと決めつけるわけにはいかないが、プレシーズン4試合のうち3試合でランが出なかったことは昨年を思い出させる。いっぽうコーチたちは、OL陣は大きく成長したと主張している。ラン攻撃の成否は今年のパッカーズの浮沈のカギを握ることになりそうだ。
- Bad : RB陣。ただでさえ世代交代で不確定要素が多いうえ、キャンプ初日からケガ人続出で不安はつのる一方。3rdダウンバックとして計算できたRBノア・ヘロンまで、プレシーズン最終戦で負傷して今季終了となってしまった。RBモレンシーはなんとか開幕に間に合いそうだが、キャンプなしのぶっつけ本番ではどれだけ期待してよいものか。
- Bad...? : 開幕スターターの2巡指名ルーキーRBブランドン・ジャクソンについて、「穴を選ぶのに躊躇しすぎる」と懸念する声も一部にはある。キャンプ前半にはブリッツのピックアップで苦しむことも多く、1年目からエヴリダウンバックとなるのは荷が重いかもしれない。
- Bad...? : FB陣。昨年スターターを務めたブランドン・マイリーはケガもあって解雇され、今春ドラフト後にLBからコンバートされたコーリー・ホールと、ウェイバー入団したばかりのジョン・クーンというコンビになってしまった。ホールが期待以上の成長を見たとはいえ、この2人ではあまりにも経験が浅く、不安は尽きない。2人ともスペシャルチーマーとしてはかなり期待できる。
- Bad : TE陣。キャンプ初日でハンフリーが戦線離脱してしまい、その他の3番手候補たちも不振だったので、けっきょくドナルド・リーとフランクスの2人制となった。プラクティス・スクワッドにTEが2人いるとはいえ、試合中にどちらかが負傷したらダブルTE隊形を使うことさえできなくなるので、次に補強があるとしたらここのはず。即戦力補強もなく、将来的にも希望の持てない現状では、トンプソンGMの無策を指摘せざるをえない。
- Bad : 1巡指名DTジャスティン・ハレルは、層の厚いDT陣でスターターを争うだけのパワーがついておらず、もし彼が6巡指名だったら解雇されていたかもしれない。上腕二頭筋断裂のため長い間トレーニング不足だったとはいえ、ここまで体力が落ちていたのは計算外。しかし、DTは上位指名でもなかなか1年目は活躍できないのが普通で、2年目・3年目でよくなってくるもの。かつてのDEジャマール・レイノルズ(入団直後からハズレと言われた)のようなバストと決め付ける必要はない。
- Bad : 5巡指名のWRデヴィッド・クラウニーは悪い方の前評判が的中した。線があまりに細く簡単に弾き飛ばされてしまい、パスキャッチも不安定。素晴らしいスピードを活かすためには体作りが必要で、今年はプラクティス・スクワッドで修業させることになった。WR陣にはディープスレットが不在で、3番手から3人はポゼッション型がずらりと並ぶ。
- Bad : 3番手QB候補たちは期待ハズレで、けっきょくQB2人制を取ることになった。プロ2年目のイングル・マーティンは2年目も成長が見られず、一足先に解雇。ドラフト外のポール・トンプソンもパスの精度が低く、プラクティス・スクワッドどまり。たとえば来年ファーヴが引退したとしても、2番手QBを任せられるとは思えない。
- Bad : 控えLB陣。頼りになる先発組との差はかなり大きく、期待以上のプレーを見せたのは6巡指名のデズモンド・ビショップぐらいだった。控えを2人しか確保しなかったのはそのまま実情を表している。
- Bad...? : 3巡指名のSアーロン・ラウスはスペシャルチーマーとして期待されてはいるものの、今年はプロのディフェンスの勉強の年で、セーフティとしてはまだ戦力外として扱われているようだ。