グリーンベイ・パッカーズ ニュース
2007年8月19日
地元メディアの評判を元に、各ルーキーの現状を上位指名から順にまとめてみる。3人連続指名だった6巡トリオが(現時点では)3人とも開幕ロースター入りしそうなのが面白い。
- 1巡指名DTジャスティン・ハレル。昨年9月に負った上腕二頭筋断裂のため、ようやく今キャンプ初日からコンタクト練習を許可されたばかり。全体的な筋力・スタミナともにかなり落ちてしまっており、スターターを担うのはまだ無理。時おり鋭いパスラッシュなど光るものを見せるが、ランストッパーとしての馬力となるとまだ全然足りない。さいわいDTの層はかなり厚いので、シーズン序盤はデプスチャートの下位にとどめ、徐々に力を発揮していってほしいところ。2001年1巡のDEレイノルズは、唯一の取り柄だったパスラッシュが全く通用しないことがキャンプですでに明らかだったが、DTハレルは少なくともレイノルズのようなことはない、と楽観する見方が多い。
- 2巡指名RBブランドン・ジャクソンは、モレンシーの負傷により暫定スターターに。今年のパッカーズはライブ・タックリング練習が少ないこともあり、先発RBとしての重荷を担っていけるかどうかまだよくわからない。パスキャッチでは時おり素晴らしいプレーも見せているが、問題はブロッキング。控えLB連中のブリッツに惨敗を続けるようでは、とてもパスシチュエーションで使えない。かつてRBアーマン・グリーンも、2000年のパッカーズ移籍時はブリッツのピックアップが下手くそで批判されていたが、後には非常に上手くなった。
- 3巡a指名WRジェームズ・ジョーンズは今キャンプで最も評判のよいルーキー。キャンプインからここまでチーム最多キャッチを挙げ、すでに3番手の座を確保している。キャッチングが非常にうまく、がっちりした体を活かして競り合いに強く、ランアフターキャッチのセンスもいい。チームにとっての問題は、3番手ジョーンズ、4番手ルヴェル・マーティン、5番手ホリデイとポゼッション型ばかりが揃ってしまうこと。
- 3巡b指名Sアーロン・ラウスは3rdチームでのプレーが多く、即戦力としてはあまりアテにされていない印象。恵まれたガタイを活かしてスペシャルチームで働かせつつ、セーフティとしては1年間修業させようという考え方かもしれない。
- 4巡指名G/Tアレン・バーバーは期待通りまたはそれ以上の働きを見せ、ロースター入りを確実にしている。今年は先発OL争いの余地がないのが残念だが、昨年だったらLGカレッジやRGスピッツと勝負できたかもしれない。練習のほとんどで(大学で経験のなかった)左ガードをプレーし、左タックルとしてのプレーはごくわずか。LTやLGにケガ人が出たときに、先発に昇格するのが彼なのかモールなのかは微妙なところで、今後3試合の内容しだいか。
- 5巡指名WRデヴィッド・クラウニーは、現時点では開幕ロースター圏外で苦しんでいる。WR陣唯一のスピードスターだが、DBのジャムを振り切ってフリーになることができず、ルート取りもかなり未熟。キックオフリターナーとしてはまずまず評価されており、なんとかスペシャルチームでアピールして5番手か6番手WRに滑り込みたいところだ。このまま行くとプラクティス・スクワッドか。
- 6巡a指名FBコーリー・ホールはLBからのコンバートながら、フットボールセンスのよさを活かして急成長しており、2番手FBで開幕ロースター入りできそうだ。コーチ陣は「FBマイリーのスターターは安泰ではない」という口ぶりだが、これはマイリーに危機感を持たせる意図かもしれない。リターンチームのブロッカーとしてもホールへの期待は大きい。
- 6巡b指名LBデズモンド・ビショップは、ケガに苦しむLBアブドゥル・ホッジ(昨年の3巡指名)を尻目に、2番手ミドルLBとして開幕ロースター入りをほぼ確実にする勢い。ホッジと比べて身長(6-2)があるので、ストロングサイドでも試されることになりそう。
- 6巡c指名のKメイソン・クロスビーは期待を大きく上回る正確性を見せ、Kデイヴ・レイナーとのキッカー争いをわずかにリード。"between a proven kicker with good skills and an unproven kicker with special skills"という難しい選択になる、と高く評価するスカウトも。
- 7巡a指名のRBデショーン・ウィンは体調を崩してキャンプインが遅れ、ようやく合流したと思ったら太ももを痛めてしまった。数少ないプレー機会ではラッシング能力の高さを見せていたが、フィールドに立てないことにはどうにもならない。順調なら来週には復帰できそうなので、残りプレシーズン2試合でなんとか活躍を見せたい。RBが3人枠だと絶望的だが、例年より多い4人枠ならチャンスも出てくる。
- 7巡b指名のTEクラーク・ハリスは明らかに期待はずれで、よほどの成長がないかぎり開幕ロースター入りは難しい状況。今年のパッカーズTE陣はレベルが低いが、その中で彼(とアルコーン)はドナルド・リーやババ・フランクスから大きく水をあけられている。ブロッキングはもとより下手で、キャッチミスも目立つ。ロングスナッパーとしても不安定でLSロブ・デイヴィスとは勝負にならないが、「最近は進歩の兆しあり」との評価もある。その点も考慮してプラクティス・スクワッドに残すかもしれない。
- よい評判が聞かれるドラフト外選手は以下のとおり。
- QBポール・トンプソンはキャンプインからかなりの成長を示し、伸び悩むイングル・マーティン(昨年の5巡指名)と3番手QBを争っている。長身でアスレチック能力の高い黒人QBで、アーロン・ブルックスのようなタイプ。パサーとしてはかなり荒削りだが、メンタル面では非常に落ち着いていてマーティンよりもいいらしい。
- DTダニエル・ミューアはかなり評判が良いようで、「例年ならロースター入りのチャンスがあったが今年は層が厚いので気の毒」と言われている。場合によっては彼を残してコリン・コールあたりをトレードに出す可能性も取り沙汰されている。
- DEラリー・バーダインはパスラッシュで光るものがあり、プラクティス・スクワッドの候補か。
- LBローリー・ジョンソンはウィークサイドLBの控えをトレイシー・ホワイトらと争っており、6人目のLBとして開幕ロースター入りのチャンスがあるかもしれない。