グリーンベイ・パッカーズ ニュース

2007年7月29日

ロースター展望 S編

昨年はSSマニュエルのFA補強が大失敗で、ディフェンス最大の弱点となったセーフティ陣。アサインメントミスからロングTDを許すシーンが目立ち、「コミュニケーションミスがTDの原因」という事後説明ばかり聞かされるシーズンだった。FSコリンズが若く荒削り、SSマニュエルは鼠蹊部のケガが長引いてシステムに習熟できなかった、という同情の余地はあるものの、大きなミスがあまりにも多い。両CBは文句なしの力量があるだけに、最後の砦としてビッグプレーを許さない、堅実なプレーがセーフティには求められる。

今オフはFA補強をせず、ドラフト3巡でアーロン・ラウスを指名したにとどまった。プロ3年目のニック・コリンズは先発フリーセーフティ留任が決まっているが、相棒のストロングセーフティは今キャンプでの先発争いしだい。昨年スターターを務めたマーカンド・マニュエル、ケガで1年を棒に振ったマーヴィール・アンダーウッドの争いに3巡指名のラウスが加わってこられるかどうか。

ロースター枠は通常4人で、5人のこともある。先発FSコリンズに加えてアーロン・ラウスも3巡指名なのでまず安泰と思われるが、それ以外はどうなるか全く予想がつかない。マニュエルもアンダーウッドも、スターターと解雇の両方の可能性がある。

ニック・コリンズ Nick Collins

ディビジョンI-AAのベスーン・クックマン大から2005年ドラフト2巡指名で入団。1年目から全試合に先発してまずまずのプレーを見せたが、2年目の昨季は完全に伸び悩んだ。CB並の素晴らしいスピードとパワーがありタックルもしっかりしているが、問題は首から上の部分。読み・判断力・嗅覚といったあたりが未熟で、恵まれた身体能力を活かせていない。自分の責任を認めようとしない精神的幼さや、仲間とのコミュニケーション能力の問題を指摘する声もある。

伸び悩んだ昨季だが最終戦では2INTを含め素晴らしいプレー内容を見せ、3年目への期待は大きい。学習能力が低いのでプロのディフェンスに習熟するまで時間がかかっただけ、と考えたいところだ。いずれプロボウラーになる器、とコーチたちは賞賛しているが、もし今年も伸び悩みが続くようなら、チームとしては困ったことになる。

マーカンド・マニュエル Marquand Manuel

フロリダ大から2002年のドラフト6巡でベンガルズに入団し、1年目から8試合に先発したが、3年目に解雇されてシーホークスへ。プロ4年目はSケン・ハムリンの代役としてスーパーボウル進出に貢献し、その活躍が認められて昨年パッカーズにFA移籍した。SSで即スターターとなったが、鼠蹊部とふくらはぎのケガが尾を引いたせいかプレー内容は非常に悪く、パス守備崩壊の戦犯に。コミュニケーション能力が高いとの評判でリーダーシップが期待されたが、DB陣はバラバラだった。

今オフはケガもなくミニキャンプやOTAにフル参加できており、昨年よりも動きがよくなっているのは確かなようだ。現状では先発ストロングセーフティ扱いだがあくまで仮のスターターで、若手との先発争いが期待されている。

マーヴィール・アンダーウッド Marviel Underwood

2005年のドラフト4巡指名でサンディエゴ州立大から入団。1年目は同期のコリンズのような即戦力にはなれず、2年目の昨季は大きな成長を見せていたキャンプでヒザの前十字靭帯を断裂してシーズンエンドとなった。今オフは順調に回復したもののここまで個人ドリルにとどめており、トレーニングキャンプから復帰の予定(練習量を加減するかも)。今キャンプでの成長が最も期待されている選手の1人で、先発の座をプッシュしてほしいところ。

アーロン・ラウス Aaron Rouse

ヴァージニア工科大から今年の3巡b指名で入団。詳しくはルーキー紹介のページを参照のこと。身長6-4(193cm)と超大型ながら4.55秒のスピードがあり、ビッグプレー能力もある。大学2年目までLBをしており、セーフティ経験は浅い。スクリメージ寄りで守るのはよいが、1on1でのパスカバレッジには不安があるらしい。リスキーな指名と見られており、昨年フルタイムのスターターでなかった選手にプロ1年目から期待するのは無理があるかもしれない。

アタリ・ビグビー Atari Bigby

セントラル・フロリダ大から2005年のドラフト外でドルフィンズに入団し、その後ジェッツを経てパッカーズへ。昨年春にNFLヨーロッパで活躍した後、シーズン半ばにプラクティス・スクワッドから昇格して主にスペシャルチームでプレーした。今春の成長はコーチ陣からかなり高く評価されており、少なくともロースター争いには加わってきそうだ。マイアミの高校ではマーカンド・マニュエルの2年後輩で、今オフも一緒にトレーニングをしていたらしい。

タイロン・カルヴァー Tyrone Culver

フレズノ州立大から昨年のドラフト6巡指名で入団し、アンダーウッドの戦線離脱で3番手Sに昇格した。CB陣の層の薄さもあってダイムバック(6人目のDB)となったが、シーズン後半はダイム隊形がほとんど使われなくなったので、実質的にはスペシャルチーマーだった。身体能力は高くなく、頭のよさで勝負するタイプ。器用な控え選手としては重宝かもしれないが、スターターを狙うポテンシャルがあるかどうか。今年はロースター枠ぎりぎりを争う。

チャーリー・ペプラー Charlie Peprah

アラバマ大から昨年のドラフト5巡指名でジャイアンツに入団したものの、開幕前に解雇されてパッカーズへ。スペシャルチームのみで8試合に出場した。大学2年まではCBをしており、カバー能力のあるFSタイプと思われる。上記ビグビーの好評さと比べると彼の名前を聞くことが少なく、ロースター争いはかなり不利のようだ。

アルヴィン・ナブーフィ Alvin Nnabuife

サザン・メソジスト大から昨年のドラフト外でレイダーズに入団し、シーズン半ばにパッカーズのプラクティス・スクワッドに加わった。今春はNFLヨーロッパに派遣されたが、ケルン・センチュリオンズでスターターにはなれなかったようだ。

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