グリーンベイ・パッカーズ ニュース

2007年7月28日

ロースター展望 CB編

ハリスとウッドソンはリーグ屈指の先発コンビだが、逆に3番手以降となるとリーグ屈指の低レベルかもしれない。今オフはフランク・ウォーカーをFA補強したが先発を脅かすような選手ではなく、ドラフトでも指名はなく、プロ2年目のブラックモンの成長に期待するのみ。ニッケルバックの出番は全スナップ数の半分ほどあるものなので、パス守備の安定のためには若手の底上げが非常に重要となる。ハリスが32歳、ウッドソンも30歳と微妙な年齢にさしかかっていて、将来への不安は大きい。

ロースター枠はDB全体で通常9人。10人のことも少なくない。CBは5人か6人。両先発に加えブラックモンとウォーカーもおそらく当確と思われるので、デンディとブッシュで5つ目のイスを争うか。

アル・ハリス Al Harris

テキサスA&Mキングズヴィル校から1997年の6巡指名でバッカニアーズに入るが、翌年イーグルスに移ってから徐々に力をつけた。リーグ最高の3番手CBと評価されるようになり、2003年のトレードでパッカーズに移ってついにスターターに。2004年のCBマッケンジー移籍後は若いDB陣の大黒柱となり、昨年ウッドソンが加入しても彼が常に相手エースWRを担当した。6フィート1(185cm)のスリムな長身で、長い腕を活かしたバンプ&ランを得意とするプレスカバレッジ職人。

インターセプト能力ではウッドソンに劣るものの、純粋なカバレッジ能力ではハリスの方が上で安定感もある。左右のサイドを固定せずハリスが相手エースをシャットアウトし、2番手以降のレシーバーに投げたパスをウッドソンが狙う、というのが昨年の勝ちパターンだった。体調管理も万全な真のプロフェッショナルだが、すでに32歳で、いつ衰えが始まってもおかしくない。

チャールズ・ウッドソン Charles Woodson

ミシガン大ではハイズマン賞を受賞し、1998年のドラフト1巡4位でレイダーズへ。リーグ最高のCBの1人として4年連続でプロボウルに選ばれたが、その後の4年間はケガも多く不安定なプレーぶりで評価を下げた。昨年FAとなり、比較的安い契約ボーナスでパッカーズにやってきた。序盤はやや不安定でビッグプレーを許すシーンもあったが、ハリスが相手エースにつくようになると調子を上げ、NFCトップの8INTを挙げてシーズン後半のディフェンス向上に貢献した。

惜しくもプロボウルを逃したものの、ESPNのKC・ジョイナーによると、昨季60回以上パスが来たCBの中で1回あたりのパス成功yds(YPA)はNFL2位で、彼を下回る数字はCBチャンプ・ベイリー(DEN)だけだった。特にボールスキルは素晴らしいものがあり、インターセプト以外にも、パスを叩き落したりかき出したりするプレーが非常に巧み。昨季はヒザや肩を痛めながら頑張って全試合に出場しパントリターナーも務めていたが、綱渡りだったことは否めない。CBの層が薄いため彼が負傷した場合の痛手は大きく、今年はなんとか別の選手にパントリターンを任せたいところ。

ウィル・ブラックモン Will Blackmon

昨年のドラフト4巡指名でボストン・カレッジから入団し、ミニキャンプでは非常に評判がよかったものの、そこで足を骨折してしまい大幅に出遅れ。10月半ばにようやく初出場したがスペシャルチーム以外では出番がなく、4試合出場したところでわき腹を痛めてシーズンエンドとなった。今春の期待は大きく、ミニキャンプ等ではニッケルバック/3番手CBとしてプレーしていたが、6月のOTAで鼠蹊部を負傷してしまった。

大学4年目にWRにコンバートされてすぐ活躍したように非常に優れたアスリートで、スムーズかつ柔軟な動きができてボールスキルもある。大学ではキックオフリターナー実績も豊富。ただ、どうもケガが多く、「けっきょくケガで力を出し切れずに終わるタイプでは」との懸念も聞かれるようになってきた。

フランク・ウォーカー Frank Walker

今年のパッカーズ唯一のFA補強選手。ディビジョンIIのタスキーギー大(アラバマ州)から2003年ドラフト6巡でジャイアンツに入団し、1年目から7試合に先発出場したが、コフリンHC就任以降は出番が減っていた。今春$1.24ミリオンの1年契約でパッカーズに移籍し、ブラックモンらとニッケルバック/3番手CBの座を争う。サイズは小さめだが40yds走4.3秒台の素晴らしいスピードがあり、ゾーンよりもプレスカバレッジを得意としている。

スモールカレッジ出身に加え、まだ25歳と若く荒削りなので、伸びシロは残っていそうだ。スペシャルチームでは、パントカバレッジチームのガンナーとして活躍するなど、しっかりした実績がある。

パトリック・デンディ Patrick Dendy

ライス大から2005年のドラフト外で入団、プラクティス・スクワッドからシーズン半ばに昇格して4試合に出場した。2年目の昨季も最初はプラクティス・スクワッドだったが10月初めにロースター入りし、解雇されたCBアマド・キャロルに代わってニッケルバック/3番手CBを務めた。キャロルと比べて反則がほとんどなく、安定したプレー内容でパス守備の向上に貢献した。6-0(183cm)のサイズに加えてクイックネスもあるが、スピードは遅い。

今オフ最も進歩した選手の1人、とコーチたちは賞賛しているが、スピードのあるレシーバーについて行けなかった昨季のプレーぶりからして、はっきり言って彼が3番手では心もとない。

ジャレット・ブッシュ Jarrett Bush

ユタ州立大から昨年のドラフト外でパンサーズに入団。開幕前に解雇されたところをパッカーズが獲得した(記事へ)。16試合全てに出場したもののDBとしては計15スナップだけで、事実上スペシャルチーム専門だった。CBとしては大き目のサイズと40yds走4.45秒のスピードを活かして主にカバーチームで活躍、ST3位の13タックルを挙げた。今年はSTだけでなく3番手・4番手CBの座を上記の3人と争う。

トラモン・ウィリアムズ Tramon Williams

昨年のドラフト外でルイジアナ工科大からテキサンズに入団、開幕前に解雇され、11月末にパッカーズのプラクティス・スクワッドに加わった。

アントニオ・マローン Antonio Malone

昨年のドラフト外でトレド大からライオンズに入団したが6月に解雇。8月半ばにパッカーズと契約し、やはり開幕前に解雇。シーズン後に再契約しNFLヨーロッパに派遣されたものの、ケガのためプレーできなかったようだ。

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